まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
#####################################メビウス・レクイエム ~第20話~
ぱうっ……
ぱぁぁぁ……
思わず一瞬あまりのまぶしさに目をつぶる。
ゆっくりとまばゆい淡い光の中に浮かび上がるのは数名の人影。
そして。
「ゼフェル。ランディ。マルセル。無事なようで何よりですわ」
聞きなれていた、それでいて懐かしい声が三人の耳にと聞こえてくる。
それと同時、
「どうやらあなたたちも無事のようで何よりです」
「というかさ。あいつも素直にこっちにくればよかったのにね~」
どこかほっとする声もまた彼等の耳にと聞こえてくる。
だがしかし、問題なのは何よりも……
「「「って…ディア(様)!!??」」」
三人が驚くのはまずその一点。
そこにいるはずのない人物の姿をみとめ、思わず三人が同時に叫ぶ。
女王交代の時期からかなりすでに外界では年月が経過している。
というのは彼等ですら理解している。
そしてまた、頭の中で彼女たちもまた、リモージュと同じ一族。
即ち、クリスタル一族の一員となった。
というのをカティスなどから聞かされてはいても、目の前で実際に会うのと話だけとでは、
その感覚も、また思いも異なってくるのは道理。
光と共に現れたのは三人の人影。
「は~い。お子様たち。迎えにきたわよん♡」
何ごともなかったかのような口調でいつものように話しかけてくるそんな彼…オリヴィエの言葉に、
思わず顔を見合わせる三人。
そしてすかさず、はっと我にと戻り、
「というか!?何でこんなところにあんたたちがいるんだよっ!?リュミエールやオリヴィエはともかくとして!
何でディ…じゃない!元女王補佐官までいるんだよ!?」
思わず叫び返しているゼフェルの姿。
ディア、と呼び捨てにかけて言い直しているあたりが彼らしい、といえば彼らしいが。
そう。
するはずがない人々。
ついこの間のようでいてもう長いときが経過したようにも感じられる。
今の女王になる前、自分が守護聖となったときに在位していた女王補佐官。
もしここに前女王がいたらさらに彼らの驚愕はものすごいことになっていたであろう。
だがしかし、彼女は別行動を今はとっている。
ゆえに、ゼフィルたちの目の前に現れたのはリュミエールとオリヴィエ、そしてディアの三人のみ。
それだけでもかなり驚愕する事実ではあるのだが。
「まあ、それはそれとして」
「いや、それとして、じゃないだろ?」
にっこりと話をはぐらかそうとするディアの言葉にさらに突っ込みをいれるゼフィル。
「わ~。ディア様。お久しぶりです。お元気でしたか?」
人懐っこい笑みをうかべてそんなディアにと挨拶をしているマルセル。
「あ、あの?どうしてディア様たちがここに?そもそもいったい何がおこってるんですか?」
自分たちが調査に向かわされて、それ以後、何かがこの宇宙に起こっているのは明白。
だが、それが何を意味するのかランディには理解不能。
-第話へー
Home Top Back Next
#####################################
あとがきもどき:
薫:
全ての世界を創りし存在
Home Top Back Next