まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
なぜか、幾度見直してるのに誤字脱字が延々とみつかる・・・これいかに(汗
ひとまず、訂正しつつのまたまた編集作業です……
#####################################
メビウス・レクイエム ~第18話~
「しっかし…入り組んでるな……」
周りには明りの一つもない。
唯一の頼りは手にもっている懐中電灯の光のみ。
「でも。急がないと。村人がいってましたし……」
ここ最近、頻発している地震によって、地盤が不安定。
ゆえにこそ、古い廃鉱は閉鎖され、立ち入り禁止になっているのだからして。
「ここに、クラヴィス様達が捕らえられている、というのは間違いないんだな?メル?」
いって、水晶を両手に抱えているメルにと視線を向けるヴィクトール。
「うん。間違いないよ。でも二人とも何か坑道の中を歩いてるみたい」
水晶に映し出されている光景は。
二人がこの坑道のどこかを歩いている光景。
ときたま走っている様子も見え隠れするが。
「とにかく。いってみるしかないね」
軽く腕を肩に組みつつ、つぶやくセイランの言葉に。
「そうですね。とにかく。何があるかわかりませんから。みなさん、気をつけてくださいね」
いって、全員を見渡すコレット。
すでに、元々武器を所持しているヴィクトールはともかくとして。
無防備でもある、セイラン・ティムカ・メルにおいては、とりあえず。
チャーリーがもっていた品物…というか、彼にかかればどのような品物もとりそろうのであるが。
とりあえず簡単な装備は施している彼ら達。
最も。
装備、といっても仰々しいものでなく、簡単なものであるのだが。
まあ、彼らの目的は、魔物を倒す、というのではなく。
あくまでも、魔物と化されてしまっている人々を元に戻すこと。
ゆえに。
多少のダメージを与える。
もしくは、コレットの女王としての祈りの力において、彼らをその呪縛から解き放つ。
魔物とされてしまった人々を元に戻すのは、そのどちらかの方法しかない。
コレットが傷つけるのを好まないがゆえに。
コレットが祈りをささげる間のその時間。
彼らがコレットを守りつつ、彼女を守っているのに他ならないのであるが。
だからといって、まったく戦わない、というわけにもいかず。
コレットや、他の彼らもまた、いやおうなしに戦わないといけないことはあるにしろ。
そんな会話をしつつ。
暗闇にと覆われている坑道の中にと。
コレット達は足を踏み入れてゆく。
「……ん?」
「……この波動は?…まさか?」
彼らだからこそわかること。
その特殊な波動。
それは紛れもなく……
「何でこんなところで陛下の波動が?」
つぶやくオスカーに対し。
「いや、違う。これは陛下のものではない。これは……聖獣の?」
その宇宙の意思の姿からして、かの宇宙…この前、誕生したばかりの新たな宇宙空間。
その宇宙はそう呼ばれている。
同じ女王の波動ではあるにしろ。
だが、自分たちが仕えている女王の波動とは多少異なる。
いや、彼女の波動が特殊、というのもあるのであるが。
その特殊な波動は常に彼女は隠しているものの。
だが、彼は知っている。
彼女が真実は『何』なのか。
ということを。
「陛下…ではない。これはアンジェリークの…新宇宙の女王の波動だ」
そんなクラヴィスの言葉に。
「な゛!?お嬢ちゃん…でなかった。聖獣の宇宙の女王が!?」
驚きの声を上げるオスカーに 対し。
「おそらくは。陛下が呼んだのであろう。
陛下はこの宇宙の安定を保っているのであろうからな。
このようなことができるほどの力の持ち主だ。このたびの襲撃者は」
淡々と語るクラヴィスの言葉に。
「…確かにな。とにかく、アンジェリークの元に合流しよう。
…あらかた人々は正気に戻したことだしな」
すでに、この廃鉱にと派遣されていた操られていた人々や兵士達は、
彼らの力によって正気に戻されている。
それは、彼らの力…つまりは、サクリアがあってこそなせる業。
まあ、クラヴィスが彼らに水晶を通じて過去を見せれば。
家族の絆、というものは、並大抵のことでは壊せない。
それは人々の心理であるがゆえに。
中にはそのようなことを忘れてしまった存在たちも多々といるにはいるが……
「だな」
そんな会話をしつつ。
とりあえず、波動が感じられる方向にと二人そろって進んでゆく彼らの姿がしばし見受けられ……
そして。
「あ、あなた方は!?はっ!?その制服は王立派遣軍の?!軍の方ですか!?」
クラヴィスたちの手により正気にもどった一般人。
彼らもまた、坑道より外に出ようと歩いていた矢先。
ぱったりとコレット達にと遭遇し、ヴィクトールの服装に気づき、思わず声をかける。
「?あなたたちは?」
そんな彼らにと話しかけるセイランに対し。
「我々は何やらとてつもない強い何かに操られていたようで……
……畏れ多いことに守護聖様がたを……」
彼らがおそらくは。
守護聖達を助けにきた人々なのであろう。
そう勝手に解釈し…といっても。
何やらかなりかわった人々ばかりであるのだからして。
普通はここで、一体彼らは?と思うのが通りなのであろうが。
だが、操られていたとはいえ、雲の上の存在である自分達は神とも思っている守護聖に対し。
閉じ込めたり監視する、などと畏れ多すぎることをした。
というその自責の念から正常な思考が働かず、
ほとんど夢見心地の感じで、思うがままにと話しているのだが。
ここにいたるまでに、操られている人々を見ているコレット達。
それゆえに、彼らの事情はよくわかっている。
ここで、彼らを深く問い詰めても、逆に混乱してわけのわからないことをいいだす。
ということも。
だからこそ。
「それで?守護聖様方は……どこに?」
少し前かがみになりつつ問いかけるそんなティムカの問いかけに。
「それでしたら。あの御方達は私たち操られている人々を元に戻す…といわれまして。
この坑道にと配置されている人々を救いにいかれました。
そんな気高い御方達に私たちは……」
そういいつつ、その場にうづくまるそんな男性に対し。
「それはあなたたちのせいではありません。とにかく、あなた方は早くここから安全な場所に」
周りからは、まだ、異形と化した者たちが徘徊している。
そんな中で正気に戻った一般人を置いておくことは、かなり危険。
操られているときの彼らは特殊な力の波動に包まれており、
魔物たちにと襲われることはなかったのであるが。
今はそうはいってはいられない。
だからこそ。
操られている人々と、そしてまた魔物と化した人々を元に戻しつつ、
クラヴィスもオスカーも進んでいたのだが。
それは、コレット達とて同じこと。
「で、でも……」
戸惑う男性に対し。
「ここは私たちに任せて。あなたたちは安全な場所に?ね?」
どうしてこんな場所にこんな女性が?
などと、彼らは一瞬思うが。
コレット達とばったりとめぐり合った男性たち三名は互いに互いに顔を見合わせ。
そして。
「わかりました。守護聖様方をお願いいたします……」
このまま自分たちが彼らと共にしても足手まといになるであろう。
そう判断し。
かなり後ろめたいまでも。
とりあえず、彼らはこの場から安全な町にと戻ることを決意し。
ぺこり。
同時にお辞儀をし、その場から立ち去り、出口のほうにと向かってゆく男性たちの姿。
そんな彼らの姿を見送りつつ。
「とにかく。私たちも行きましょう」
いって、足を進め始めるコレットに。
そんな彼女についてゆくヴィクトール・セイラン・メル・ティムカ・エルンストの姿がみうけられてゆく。
曲がりくねった坑道を、コレットのその女王の力が感じるサクリアの気配。
それとメルが指し示す水晶の方向。
それにより、しばらくコレット達が進んでゆくと。
やがて。
パッタリ。
出会いがしらにと思わず出てきた人物とぶつかりそうになるコレット達。
そこには。
「「「クラヴィス様!?オスカー様!!??」」」
「お嬢ちゃん!?に、それにお前たち!?」
「ふっ。やはりか。陛下に頼まれたな?お前は?」
出会いがしらにとぶつかりそうにとなったのは。
いうまでもなく。
コレット達の方向に向かっていたクラヴィスとオスカーと。
そしてまた。
コレット達もまた、クラヴィス達たちの方向に向かっていたがゆえに。
ぱったりと遭遇している彼ら達。
そんな驚きの声を上げるオスカーに。
静かに苦笑しつつも言っているクラヴィス。
ある意味、二人の性格を現している、ともいえなくもないが。
「お二人とも。ご無事ですか!?」
いって駆け寄るコレットに対し。
「俺達は何ごともない。それより……今どうなっているんだ?」
問いかけているオスカー。
「お話します。…とりあえず、こんなところでは何ですから。
まずは、近くの町にでもいきませんか?」
そういうコレットの言葉とともに。
ぽうっ。
メルの手にした水晶と、そしてまた、クラヴィスが手にしている水晶にと光が灯る。
そこには。
「あ、アンジェ!ジュリアス様たちが見えたよ!」
「こちらは最年少組みだな」
それぞれの水晶に映った光景をみてつぶやいているメルとクラヴィス。
みれば。
メルが手にしている水晶には、何やら砂地の中にいるであろう、ジュリアスと、ルヴァの姿が。
そしてま、クラヴィスが手にしている水晶の中には、
何やらどこかの人気のない町の中にといる年少組み三人、マルセル・ゼフィル・ランディの姿が。
とりあえず。
暗い坑道の中で話しをするのも何ではあるので。
ひとまず、外にとでてこれまでの経緯を彼らは互いに説明するためにと。
彼等は外にでてゆくことに。
「とりあえず、やっぱりここは騒がしき森の惑星…というのは間違いないねぇ」
「…というか、あなたはこんな状況なのになじんでますね…オリヴィエ……」
とりあえず、森の中で見つけた、とある小さな村。
その村にと入り、村人達の世話にとなっているこの二人。
水の守護聖たるリュミエールと、夢の守護聖たるオリヴィエ。
この村の人々は、森と共存しているがゆえに、
彼ら二人の纏う特殊な雰囲気を本能的にと感じ取り、彼らを手厚くもてなしている。
だがしかし。
聞くところによると、ここ最近他の場所との連絡が途絶え。
彼らが森を歩くのにもかなり危険が伴っているとか。
まあ目の前にて、
仲間が異形のものにと変化する様子を目の当たりにしていたりしている彼らにとっては。
そんな仲間を元の姿に戻すことができたこの二人をもてなすのは道理。
「でもねぇ。リュミちゃん?私たちには今は移動手段はないんだよ?」
「…それはそうですが……」
聖地を離れ、いったいどのくらいの時間がたったのかすらもわからない。
いや、だがしかし。
外界と聖地の時間率は異なるがゆえに、
あちらでは、一時間も経過していないのかもしれないが。
新たな宇宙が誕生し。
この間、宇宙が安定したのをうけて、新たな宇宙の初代女王と、初代補佐官は旅だった。
新宇宙の誕生。
それは確かに。
歴史的なことでもあるがゆえに。
普通ならば、女王からの指示があるのであろうが。
あの状況では…聖地が今どうなっているのか。
皆目検討はつかない。
唯一、はっきりと断言できる、ということは。
女王陛下の身には何事も起こっていない。
ということのみ。
女王陛下の身に何かがあれば、この宇宙は安定を保つこともなく、間違いなく消滅する。
この宇宙空間は、女王の力の加護のもと、安定を保っているがゆえに。
それは、彼らにとってはついこの間。
こちらの新たな宇宙にと移動して、まだほんの数ヶ月もたってはいない。
だが……以前、オリヴィエはリモージュのつぶやきを聞いたことがある。
その意味することはわからないが。
―――エリオス……
おそらくは、誰かの名前なのであろう。
だがしかし…現女王陛下アンジェリーク=リモージュの家族にはそのような名前のものはいない。
いや、陛下が即位してすぐ陛下の妹の結婚式に陛下が聖地を脱走していったことはあったにしろ……
だが、自らが持っている力が漠然と告げている。
その名前はかなり重要な意味合いをもつ。
ということを。
事実、その通りなのではあるが、彼にはまだその意味はわからない。
何はともあれ。
「ま、とりあえず、どこかと連絡を取らないと話にならないし…ね」
そんなオリヴィエの言葉に。
「まったく。あなたという人は……確かにその通りではありますけどね」
心配しすぎる自分が悪いのか。
だが、このような事態に慣れているはずもなく。
いや、慣れているほうがおかしいのであるが。
何しろ、聖地といえば、一番平和で治安がいい、というのが当たり前なのだから。
その女王陛下の加護のもと、病気すらも発生するはずもない。
という場所柄に。
住んでいるのだから、それはそれで彼のこの反応も仕方がない、といえばそれまでなのだが……
「この第3地区の通信所はすでに壊されてたようだし……
あとは、ここから少し離れた場所にある、通信施設。
そこまでいけばきっと道が開けるよ。ね。リュミちゃん♡」
くす。
「そうですね。とりあえずはしっかりと準備をしてから、そこにいってみましょう。
――もしかしたら、あちらから何か連絡があるかも知れませんし……ね」
彼らが守護聖だ。
というのは、この村の人々は知らない。
だが、特殊な力を持っているのであろう。
というのはわかる。
それゆえにこそ、そしてまた、恩人であるからこそ。
彼らをもてなしているのだからして………
「なるほど。…それで、陛下はご無事なのだな?」
「おそらくは。間違いはないかと」
その言葉にほっとする。
だがしかし。
「陛下を守らなければならない立場の俺としたことが…あんな得たいの知れないものに……」
だんっ!
机を思わず叩きつけるオスカーに対し。
「よく理由とかは詳しくはわからねえが。今ここで憤ってても何もならねぇんじゃねぇか?」
とりあえず、
『別行動をして情報を仕入れておく。』
といっていたアリオスと坑道から出た所にある建物で合流し。
オスカーたちを含めて簡単な事情説明。
アリオスに関しては、コレットを火事になった家の中から助けてくれ、ヒマなので。
というのと、ちょうどいい剣の腕試しになる、というので一緒に行動してくれる。
という説明をきき、かなりいぶかしがっているオスカー。
事実、まあその通りなのであるが……
「ふっ。その男のいうとおりであるな。
まずは、それぞれに別れている全員を探し出すのが先決だな。」
彼の持っている力の波動は……まぎれもなく、陛下に近いもの。
いや、陛下…というよりは…『
『彼女』自身を見たことがあるがゆえに、彼だからこそわかること。
だが、それはあえて今は口にしないクラヴィス。
「で?あと何名いるんだ?助けないといけないのは?」
そんなアリオス、と名乗った男性の言葉に。
「えっとね。アリオス……あと、残っているのは、
マルセル様にゼフィル様にランディ様にジュリアス様にルヴァ様に…
あとは、オリヴィエ様とリュミエール様ね」
指をおり、数えつつ名前を挙げるコレットに。
「おいおいおい!ちょっとまてよ!いったいまだ何名いるんだ!?」
何やら叫んでいるアリオスに対し。
「あはは。ほとんどまだのこってるね。」
「あのな~!!こんなちんたらしてたらいつになるかそれじゃわかんねぇじゃねえか!!」
そんな言い合いをしている二人に対し。
「たしかに。彼のいうとおりではあるな。…ここは手分けをしたほうがいいかもしれん………」
腕をくみつつもうなづくヴィクトールの言葉に。
「確かにその通りですね。…とりあえず、手分けして皆さんを助けてから…ですかね?」
そんなティムカの言葉に。
「それもそうだね。……で?どのように別れて探索するんだい?」
しばし。
それぞれに別れて守護聖たちを助ける作戦が繰り広げられてゆく……
-第19話へー
Home Top Back Next
#####################################
あとがきもどき:
薫:よく考えたら、この天空の鎮魂歌って、かなりメンバー多いですよねぇ(笑
コレットちゃん引率するのに大変だったでしょうね(苦笑
まあ、私も全員のレベルあげなかったけどさー・・・。
というかアリオスにたよってたら・・まさか、彼が・・ねぇ。
抜けたときにはかなりいたかったです・・というか、他の人達はほとんどレベルが・・(汗
何はともあれ、ではでは、次は19話でv
次回はマルセルたち登場ですvv
2005年2月19日某日
Home Top Back Next