まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

ちらほらと。アリオスことレイヴィアスのエリスとの関わりがでてきたり…
悲恋ですよねぇ・・・あの二人・・
基本的にはあの二人、幸せになってほしかったです。
あ、でもそーしたら。アリオスとコレットとの出会い・・・ないんですよね…
エリス・・・けなげで好きですv

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メビウス・レクイエム   ~第16話~

「本気でこの森の奥にセイランさんがいるんでっしゃろか?」
思わず愚痴りたくなるのもまた仕方がない、といえば仕方がないであろう。
歩くたびに、先を進むたびにと出てくるのは。
見たこともない異形の存在。
だが、それの正体が元人間、というのがわかっているからこそ。
あまり手荒なことはできない。
できるのは、異形と化している闇の部分を浄化、または消滅させること。
そうすることにより、闇にとらわれ異形の姿と化した生き物は元の姿を取り戻すことができる。
しかし…こいつら、何かの力に守られてやがるな……
これも【女王の力】というやつなのか?
彼ら、つまりは、コレットたちと共に行動する中で。
とりあえずは、同行しているメルたちを含む全員を自分の意のままにと操ることができれば。
と、一応はその試みはしてみたアリオスことレヴィアス。
だが、彼の力は何らかの力にとさえぎられ、またその力は押しのけられた。
新宇宙の女王である、というアンジェリーク=コレットはともかくとして。
どうしてたかが、火龍族の少年に、王立派遣軍の将軍。
そしてまた、白亜宮の星の皇太子である少年。
彼らもまた、未知なる力を確かにその内にと秘めている。
どうやらそのことは彼ら自身すらも気づいてないようではあるが。
その力の波動は彼-レヴィアスにとっては覚えがあるもの。
それは…
この地、というかこの世界の守護聖である彼らを捉えたときに感じた力と同じもの。
その力の属性は多少ことなるものの。
この世界は女王陛下の加護のもと、九つの力により世界の安定がもたらされている。
自分の世界とはまた異なる理。
自分の世界は、皇帝となっている王家の一族が宇宙の安定をつかさどっている。
そういわれている。
実際のところは、本家ともいえる一族がそのような力をもってはいるが。
ここ最近はその力もかなり衰退している、というのが現状。
しかも、今、皇位についているのは正統なる血筋のものではなく…
彼がもっとも憎むべき相手でもあるその人物は…
「ま、いってみないとわからねぇな。こればっかりは。よっと!」
ザシュ!!!
そんなことをおもいつつ、だがしかし、表にはそんなことを思っているなどとはまったく見せず。
自分たちに向かってきている異形の存在を軽く剣でなぎ倒してゆくアリオスの姿。
いまだに、東の塔の中にと逃げ込んでいるはずの女王を捕らえた、または見つけた。
という報告は誰からもない。
見つけ次第連絡をよこすようにと指示しているのにもかかわらず。
あの塔の中より出ることなどできるはずもない。
自分が塔にと出入りができないように結界をほどこし。
そしてまた、力を吸い取るとある装置を塔全体にと施しているのだからして。
二つの宇宙の二人の女王。
二つの世界の力をその手にすれば、自分に逆らえるものなどいるはずもない。
そのためには…
女王の力の源が何なのか、そしてまた。
この世界の力の仕組みが何なのかをきちんと判断する必要がある。
だからこそ。
こうして、コレットたちの一行に人のいい旅の剣士のフリをしてどうにか合流したのだからして。
後は…コレットのその器というか肉体そのもの。
彼女の体は【彼女】に生き写し。
復活させるのにこれほど適している体はない。
魔道でその器を作り出すことと、適合が難しいのならば。
本人を使い、その精神を破壊し、その中にと彼女の意識…つまりは魂を吹き込む。
という方法もひとつではある。
「ほう。やるな。これは俺もうかうかはしていられないな」
いいつつも、剣を振るうアリオスをみてそんなことをつぶやいているヴィクトール。
「私の力がどこまで通用するか…女王陛下、どうか私に力を……」
この森にいるのは、皇帝にと操られ、そしてまた、その心の闇の部分を表にだされ。
異形の姿と化したものたち。
確かに戦って、その影ともいえる闇を殺す、というのも確かにひとつの手段ではあるが。
だがしかし、それでは異形の姿となっている当人そのものも傷つけかねない。
事実、確かに攻撃などをすれば、相手の肉体などにはあまり表だって傷などは見えないものの。
確かに精神には多少の傷は残ってしまう。
それは、無理やりに闇を切り殺したがゆえに。
一番いい方法は、彼らが自力で闇を払いのけること。
人間といわず生物そのものには、少なからず逆境などを乗り越える力が備わっている。
この場合は逆境、というよりは、あるいみ人災、といえるのであろうが。
とにかく、力で何ごとも解決、というのではなく、コレットとしては各自のその心を信じたい。
そしてまた、その力をも。
命とはそんなに弱くない、というその事実を。
そんな願いをこめて、祈りをささげる。
コレットがその手にエリシアのロッド、と呼ばれる杖を掲げ。
しばらく祈りをささげると、ロッドから淡い金色の光があふれ出し。
やがて、静かにあたりいったいに金色に淡く輝く白い羽らしき幻影が。
森いっぱいにと広がってゆく。
この【エリシアのロッド】と呼ばれている品物は、女王の力をよりよい状態にと引き出すもの。
そんな事実まではコレットは知らないが。
ただ、こうすれば、もしかして、みんなを助けられるかも。
というひとつの考えのもと。
願いをこめ、ロッドにそんな想いをこめて、祈りをささげたその結果。
コレットのいまだに使いこなせていない女王としてのサクリアがロッドの手助けを借りて。
ゆっくりと、それでいて確実に森全体にと広がってゆく。
淡く光る羽に異形のものたちが触れると。
そのまま、それらは元の姿、すなわち、それは村人であったり、または旅人であったり。
または、動物などであったり…と、
各自、それぞれの本来の姿を取り戻してゆく様子がコレットが祈りをささげている間中。
森の至るところにて見受けられてゆくのであった。


「陛下、これは……」
すでに映し出されている世界は一体どこのなかはわからない。
だけども、確実にこの世界は崩壊にと向かっている。
そう、かつての自分たちがいた宇宙のように。
だが、異なるのはあのときは宇宙に寿命がきたがゆえであったが。
今、目の前の空間にと映し出されている世界の様子は。
それとはまったく異なっている。
まるで、そう、宇宙の中心でもある核がなくなってしまったかのごとくに。
すべてにおいて何事もにも核、というものは存在する。
自分たちの世界においては、女王とそして神鳥を指し示すが。
「自業自得というか…この世界の核をこの世界の人々は追放したのよ。
  一部の心無いものの手によってね。だけども。でも、ほかの生命には罪はないわ。
  ……まあ、罪ある命もあるけども。
  彼らの命はアンジェリークの収める新宇宙にと移動させます。
  すでにかの地の崩壊は免れませんから」
凛としたリモージュの声があたりの空間にと響き渡る。
「…まさか、この世界は今ここに……」
心優しいリモージュのこと。
何となく何をしようとしているのかは大体は想像できる。
この世界、というか宇宙に入り込むほどの力をもった皇帝、となのる人物。
今映し出されている世界の理などは知るはずもないが。
もしかすると、この宇宙にすんなりと入り込めたことからして。
もしかしたら、彼は…今みているこの世界の…
そんな考えがロザリアの頭の中をよぎってゆく。
多少事実はことなるが、ある意味それは正解ともいえる真実。
「ロザリア。回廊の準備を」
「はい」
とりあえず、今は。
自分が何をすべきかということは、ロザリアはよくわかっている。
いや、理解している、というべきか。
リモージュの言葉に従い。
リモージュの補佐というか力の導きにより。
今映し出されている世界の中心にと。
人々というか生命の魂を導くためにと。
次元回廊を開いてゆく準備を始めてゆくリモージュとロザリアの姿が、
聖地でも、ましてやどこともいえない空間の内部においてしばし見受けられてゆく。


「おや、ずいぶんと珍しい。というか、どうしてこんなところに君がいるんだい?」
先刻、空よりふわふわと舞い降りた幻のごとくの淡く光る羽。
その羽の持ち主は、どうあがこうがこの世の中にたったの二人しか彼は知らない。
この世界の要ともいえる女王か、または…新世界の女王となったコレットか。
それゆえに。
あまり動じていない自分に多少驚きつつも。
空より舞い散る幻のごとくの羽をよくみるために。
見晴らしのよいとある崖の上にて景色を眺めていたこの青年。
肩くらいまでのびている髪の長いきれいなストレートの髪がさらりとゆれる。
景色を堪能し、アトリエとしている別荘である小屋にと戻ってきた彼の目に。
映ったのは見覚えのある人物が数名。
約、一名、見覚えのない人物がいるのが気にはなるが。
『セイラン(さん)(様)!!??』
そんな背後から聞こえた聞き覚えのある声に。
思わず同時に叫ぶアリオス以外のコレットたち。
振り向いたその瞳の先に映るのは。
彼らが尋ねてきた人物、つまりは、名高い芸術家として有名でもある、
コレットが女王となるときに試験に教官としてかかわったセイランその人。
「久しぶりだね。君たち。まあ見覚えのない人が一人いるけど。
  しかし、いったいどうしたというんだい?新宇宙の女王となった君がここにいるなんて?
  それにメルやティムカにヴィクトールさんまで?」
ちらりとアリオスを具間みて。
とりあえずは理由を聞くべきく話しかけながら彼らの方にと歩み寄る。
そんな彼にとむかって。
「よっ!セイランさん!久しぶりでんなぁ!」
「お久しぶりです。セイラン様。」
「セイランさん!お久しぶりです!」
「わぁぃ!セイランさんだぁ!久しぶりぃ!」
「元気そうだな。セイラン。……と、再会を祝いたいところだが、実はそうもいかないのだ」
元気に挨拶しているチャーリーに。
そんなセイランにとむかってぺこり、と頭を下げて挨拶をしているコレットに。
丁寧にお辞儀をして挨拶をしているティムカ。
このあたりはさすがは帝王学を学び、
近くに王位の即位を控えているティムカだけのことはあるが。
無邪気に喜んでいるメルに。
セイランの姿をみて少し顔をほころばせつつも。
だがしかし、少しばかり緊張した顔立ちにとなり。
話しかけているヴィクトール。
そんなヴィクトールの言葉に。
真剣な顔になり。
「どうやらそのようだね……」
どうやら世界は、この僕に何かをさせたいらしい。
そう思いつつも空を仰ぎ見るセイラン。
そんなセイランの思いは知るはずもないが。
「セイラン様。実は大切なお話が…セイラン様のお力を貸してほしいんです」
セイランの元にかけよりつつ。
神妙な顔で懇願してゆくコレットの姿。
「セイランさん、ぜひとも力を貸してください!」
「セイランさん!あのね。あのね…」
そんな交互にと話しかける彼らの言葉に。
「何かがおこっている、というのは気づいていたよ。
  それで?いったい何がおこったというんだい?
  自然界が何やら騒がしいのはそのことに関係があるのかい?詳しく教えてくれるかい?」
そんなセイランの言葉に。
互いに顔を見合わせつつ。
「実は…」
セイランに今の現状を教えるべく。
顔を見合わせセイランにと説明を開始してゆく彼らの姿が、
ここ、深き霧の惑星の森の中の人気のない小屋の前にて、しばし見受けられてゆく。


宇宙の崩壊。
それは、もしかすると自分たちの世界も訪れていたかもしれない現実。
前女王の機転により、この世界は助かったが。
だが、それはどの世界にも起こりえること。
目の前に映し出される宇宙の崩壊。
星が壊れ、人々が嘆き。
だがしかし、そんな宇宙が滅びゆく様には。
人の力や、ましてや生きとしいけるものたちの力は及ぶはずもなく。
その恐怖と救いを求める願いは、
世界を治めている皇帝一族にと向けられるが。
だがしかし、正統な血筋のものではない、
その世界にただいま即位している皇帝は、当然そんな天変地異などを収める力もなく。
いや、あったとしても核でもあるアリオスこと、エリオス…ただいまの本名をレヴィアス。
彼がいないことには崩壊は必然。
今はコレットたちと共に行動するのに、本名でない偽名を使っているが。
その偽名は本人は覚えていないが自分の存在としての本来の名前。
それがふと頭をよぎったからに他ならない。
正確には何となく、というほうがいいのであろうが。
だがしかし、かつての自分……
つまりは前世ともいえるすべての始まりのことを思い出したわけでなく。
漠然として、ただ何となくこの名前…『アリオス』という名前をつけたのに他ならない。
悲しみと憎しみにとらわれている彼は。
かつての自分のことを思い出すことは…今のところは皆無らしく、
また、彼自身、姉の手を煩わさないようにと。
当時記憶と力を一部封印して、かの世界の核となるべく決めたことから。
それゆえに、このような今現在の悲劇が起こった…ともいえるのだが。
「魂を新宇宙にと導きます。」
リモージュの声にと従い。
崩壊してゆくレヴィアスの故郷である宇宙にと次元回廊が開かれてゆく……


          -第17話へー

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あとがきもどき:
次回ですでにセイランと合流して、次はエルンスト合流&守護聖救出です。
さて・・・・守護聖は誰から助けようかな?(笑)
ちなみに、私の幾度かのプレイは。すべてなぜかクラヴィスさまが最優先(笑)
だって好きなんだものvクラヴィス様v
リモージュちゃんも戦いに参加してほしかったなぁ。
まあ、塔から脱出するとき一時ほど戦いはあるけどさ・・・・
・・・・・・・・・・初期のゲームがOAVになったんだから。
天空もならないかなぁ。リモージュちゃんの活躍を増やしてさv
何はともあれ、それではまた次回にてv

2004年8月15日某日


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