まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
やっぱリモージュはかわいいですv
中巻ゲットですvさあ、最終巻はいったいどうなるのかな?楽しみですvアンジェリークのOAVv
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メビウス・レクイエム ~第13話~
星の小径を抜けてたどりついているここ白き極光の惑星。
あたりの吹雪はひとまず収まり。
とりあえず休息と、そして情報を求めるためにと宿をとっているコレットたち一行。
「ここが白き極光の惑星……」
話には聞いたことがある。
この時期、とてもオーロラがきれいに見える惑星であり、それが目玉の観光地としても有名。
そしてまた。
76年に一度咲くという、雪の花。
すなわち、【スノー・ローズ】と呼ばれているそれが。
この地に訪れる人々の心を捉えてやまない事実がそこにあり。
そしてまた。
この惑星にはこの惑星上にとかない植物も多々と存在し。
それゆえに。
この惑星上にとある主要たる三つの町には、それぞれにと王立研究院が建てられている。
初期のころは千年に一度、と思われていたその花であるが。
近年の研究により、正確には76年に一度咲く。
という数値がようやく正確に出たばかり。
正確な年代が出たがゆえに。
今年、そのスノーローズが拝める、という話はすぐにと広まり。
いつになく観光客にてにぎわっているこの惑星。
だがしかし。
その観光客などが、ここしばらく、突然に姿を消したり、という不可解な出来事が続いており。
ゆえに。
その原因を探るべく王立派遣軍も派遣されていたりするのだが。
「人が行方不明……」
一人、すこし風にあたろうと外にでたはいいものの、先ほどの人々の話が頭から離れない。
おそらくそれは。
皇帝、と名乗っている人物の仕業だと確信がもてる。
いったいこの宇宙にて何をしようとしているのか、その根拠がわからない。
守護聖たちを捕らえ、いったい全体どうするつもりなのか。
だが、驚くべきことには。
守護聖すべてが捕らえられた、というのに。
この宇宙の均衡は、いたってはっきりいって崩されていない。
多少の変化はあるにしろ。
宇宙が滅びるまでの変化は見受けられない。
それは、つまりは女王であるアンジェリーク=リモージュの力がより強いことを物語っている。
それが女王になった今の自分だからこそよくわかる。
すべての力の均衡を保つこと。
生まれたばかりで、発展を続けている自らの宇宙。
聖獣であるアルフォンシアとそして親友であるレイチェルの手によって。
ようやくもう少しで生命体が誕生しそうな気配の新世界。
だがしかし。
こちらの宇宙にきてより感じるのは。
すべての空間に女王の力が満ち溢れている、というその事実。
主星が存在する主星系がある銀河だけでなく。
存在するすべての空間においてその力は均等にと広がっている。
コレットは知らないが。
リモージュに関しては、それは当たり前、というか、
すべての空間においてそのことは当たり前なのであるが。
「今観光シーズンまっさかり、というのに。観光者があまりいないのは、
やっぱりこれも皇帝の影響よね…うん」
女王補佐官ロザリアより聞いた、皇帝、と名乗るものの侵略。
ロザリアもまた。
リモージュよりそのことを聞いて。
そしてコレットが納める宇宙にと移動したのであるが。
どのような力をもっているのかなどはわからない。
だけども。
ここにくるまでに幾度か合間見えた異形の存在たち。
感じたのは、それらは人の心の闇が実体化したもの。
しかも、それが表にでて、人の肉体そのものが異形の形にと変化している。
その闇を開放、解き放つことにより、元の人間に戻ることができるのであるが。
異形の生物がヴィクトールの手により倒されたその直後。
人間と相成りて道端に倒れたあのときのことは、今でも脳裏に刻まれている。
今でも感じるその気配。
この惑星上にもまた、それらの闇にと支配された命の鼓動が感じられる。
近くまでこないとわからない自分の力がまだまだだと、自覚する毎日であるにしろ。
「とにかく。私にできることをしないと。えっと、とりあえず買い物をっと……」
とにかく。
捕らえられた、という守護聖様がたを救出するのが先決よね。
そう自分にと言い聞かせ。
宿から出てゆくコレットの姿。
これは……
思わず絶句して、あたりを見渡す。
あたりに見えるのは、深遠なる宇宙空間そのもの。
あまたの銀河などが映し出され。
そしてまた。
それにも驚きを隠せないのであるが。
だがしかし。
周りいったいに、とある景色、というか光景がいくつか浮かび上がるように、
まるで…そう、スクリーン映像のように映し出されているのに思わず驚愕するのを隠せえない。
皇帝に捕らえられたであろう、彼らたち。
つまりは。
すべての守護聖たちの今置かれている光景が。
その空間にてスクリーン映像のように映し出されているその光景。
「陛下!?って、アンジェリーク!?これはいったい!?」
聖地にこんな場所があったであろうか?
否。
このような場所は記憶にはありませんわ。
そんなことをおもいつつもリモージュに問いかけるロザリア。
確かに、この聖地の時間、
というか自分たちの時間率でいえばまだ一年も経過していないのであるが。
ふとみれば。
そこは、見たこともない空間。
その中央、というかまるで永遠にはるかかなたまで続いているかのような深遠の空間。
その中にぽっかりと浮かんでいる淡く輝く白く透き通っている椅子。
?
どこかで見たことがある、それは。
だがしかし、それがどこで見たのかは思い出せない。
もどかしさもあれども、だがしかし今目にしている光景のほうが今のロザリアにはともかく重要。
「陛下、何なんですの?ここは?というか、ここ…塔の中ではありませんわよね?」
怪我もなく、それでいて別に疲れた様子もなく。
その椅子に手をおき、ロザリアにむかって手をふっているリモージュの姿を目にし。
安堵のため息をつきつつも、やさしく微笑み。
ゆっくりとそのまま、リモージュの傍らにと歩いてゆくロザリア。
そして、そこにいるリモージュにと問いかけているロザリア。
聞きたいことは山とあるのだが。
どうして塔の中にいたはずなのに、こんな知らない空間にいるのか。
ということや。
また、周りに見えている【これ】は何なのか。
ロザリアの疑問は当然、といえば当然のこと。
だが、にこやかに微笑んでいるリモージュの顔をみると、不思議とそんな疑問などは。
なぜか自分でもわからないままにと脳裏から掻き消えてゆく。
ともかく、リモージュが無事である。
その事実に胸をなでおろしつつ。
「陛下?いったいここは……というか、何がいったい?」
いったい何がどうなっているのか。
リモージュが東の塔にと入り。
そして。
その塔にと封印結界が施されたのは。
自分……つまりはロザリア自身がこの塔にはいってすぐのこと。
ご丁寧に魔物まで放ち、この塔より出られなくしてくれた、というのは。
それは気配で感じた事実。
自分が塔にと入りすぐ。
その後方より聞こえてきた、あからさまに人あらざるものたちの咆える声。
塔を包み込むようにとかけられた特殊な結界。
どうやら誰か、おそらくは。
この聖地において、そのようなことができるようなことができる。
といえば、間違いなくそれは。
王立研究院の、しかも聖殿に多少かかわりのある人物。
その人物を手足として使っている可能性は大きい。
だが、それはすべて憶測にすぎず。
憶測であるからこそ、報告もできない。
…そのはずであった。
そこに映し出されている光景を目にするまでは。
映し出されているのは。
塔の前にて封印の装置を操っている見覚えのある人物。
「……あれは……」
ロキシー?
確か、先日。
行方不明となり、エルンストが探しにいくために有給休暇をとったはずでは……
そんな報告を受けている。
どこかその瞳がうつろで見覚えのある彼の瞳ではない。
「彼らは操られているのよ。とりあえず。簡単にいえば洗脳されているようなものかしらね?」
心の中は手にとるように、すべてがわかる。
別に知ろうとして知るのではないにしろ。
得にロザリアに関しては。
リモージュは心の中を覗くようなことはまずしない。
だがしかし。
ロザリアの場合は、すぐに表情に出るのである。
だからこそ。
何がいいたいのかすぐに判断ができる。
まあ、それも、彼女の性格をよく知っているリモージュならではであるのだが。
「洗脳……って」
思わずつぶやき。
そして。
はっとして、はた、と我にと戻り。
「陛下。いったいここは!?というか、どうして塔からこんな場所に!?」
思わずそこにいるリモージュにと詰め寄るロザリア。
映し出されている光景はあきらかに。
この宇宙、というか、この神鳥の宇宙、すべての星星などの様子。
といっても、主たる星星の様子であるが。
そしてまた。
見たことも聞いたこともないような星星の姿の様子もまた映し出されている。
「まあまあ。とりあえず、ロザリア。悪意をこの地からすべて追い出すわ。協力してくれる?」
にこやかに。
にっこりと微笑みかけてくるそんなリモージュの言葉に。
聞きたいことは山とはあるが。
だがしかし。
確かに、この地より悪意を払いのけるのが何よりも先決。
「ですが…陛下。陛下は大丈夫なのですか?」
それでなくても。
ここ、聖地だけではなく。
確か、リモージュは主星全体、そしてまた。
聖地が存在している主星雲系すべてにおいて人々が無事であるように、
一時、それらの時を深い霧の中において止めている。
それがわかっているからこそ。
それ以上、今以上の力を使う、ということは。
あきらかに、リモージュの負担を大きくする、ということに他ならない。
それでなくても今は。
彼女をサポートするその九つの力がそばには存在していないのである。
その負担はいくばかりか。
「大丈夫よ。それに。ここにこうして優秀な補佐官が私を助けにきてくれたことだしね」
そういってにこやかに微笑むそんなリモージュの顔をみて。
思わず緊張がほぐれ、ロザリアもまた微笑みかえす。
「わかりましたわ。ひとまず、ここがどこなのか、お聞きするのは後にいたします。
このロザリア、女王補佐官の名にかけて、陛下の補佐を勤めさせていただきますわ」
聞きたいことは山とある。
だがしかし。
確かに、宇宙の安定と均衡、それらを通常にすることが何ごとにおいても優先。
そんなロザリアの答えに満足し微笑み。
「ありがとう。ロザリア。さっ。開始するわよ」
にこやかに微笑み。
そして。
そのまま両手を胸の前でくみ、精神を、意識を集中させてゆくリモージュの姿が。
しばし、その不思議な空間内部において見受けられてゆく。
ちっ。
思わず舌打ちをする。
聖なる力が宇宙全体にと満ちてきている。
せっかく、数多の星星を自らの力で制圧しかけた、というのに。
この宇宙の中心である、という聖地の制圧は自分の力をもってしても不可能であった。
できたのは、人々を操り、どうにか守護聖などを捕らえただけ。
不思議な霧にと阻まれて、そこに生活している人々には手も足もでなかった。
それが女王の力によるものだと瞬時に理解はできたものの。
おそらく。
普通の人間などにはわからないであろう。
ゆっくりと。
聖なる、しいていえば、暖かな、まるで陽だまりのような感覚をうけるその力。
かつて自分が一時、心安らげた時間。
その時間と同じ気配を発しているその力が。
まるで、ゆっくりと水面に広がる波紋のようにと広がっている。
「…急がないと……な」
ふとみれば。
ヴィクトールなどは今後の対策のため、
何やら村人に情報収集をかねて話を聞くために外にでている。
メルはメルで精神を集中させ。
捕らえた、というか捕らえられている守護聖たちの位置を把握しようと、
部屋の中において水晶球とむきあっている。
ティムカはティムカで宿の主人たちと話し込んでいる。
「…すこしいってくるか」
そう小さくつぶやき。
そして。
「ちょっと俺も外にでてくるわ」
そう何でもないように言い放ち。
ひらひらと手をふりつつも宿から出てゆくアリオス。
そんなアリオスの姿をみて。
「アリオスさん。気をつけてくださいね。外は寒いですし。それに何があるかわかりませんから」
本気で心配しているのであろう、そんな声が背後よりティムカの口から発せられる。
…こいつら、甘ちゃんだな。
見ず知らずの他人、ただ利用しようとしている自分。
まだ知り合って間もない、というのに本気で心配しているようなその口調。
いや、間違いなく本気で心配して声をかけているのだとそれは理解できる。
「へっ。この俺はそんなに何があっても甘くはないさ。夜までには戻る」
いいつつも。
そのまま宿をとっているその家より、情報を集めてくる、と嘘の報告をし。
そのまま外にでてゆくアリオス。
そして。
そのまま、人気のない場所にまでと移動し。
あたりに誰もいないことを確認し。
そのまま、その姿をかき消してゆく。
それは【魔道移動】。
力をつかった瞬間的な移動。
彼はその移動のことをそう呼んでいる。
装置などを使わずとも、自分の力で自在に銀河間などを移動できるその力。
物心ついたころからその力はもっていた。
どうしてそんな力をもっているのかわからないが。
不安に思い、母にと相談したところ。
母は彼を疎んじ、そして、まるでそのことを忘れるがごとくによりいっそう、
彼のことなどに関してかかわることもなく、自分の趣味だけにと没頭していった。
父は父で叔父にだまされ、王位を追われ。
それでも文句ひとついうこともなく、彼がまだ幼いときにと命を落とした。
家庭の愛情、家族の愛情。
そういったもの、すべてを彼は幼少のときから家族から受けたことはない。
そんな暖かなものを与えてくれたたった一人の女性。
その女性も…もはやこの世には存在していない。
「まっていろ…エリス…必ず……必ずお前を……」
手にいれたのはコレットの髪の毛。
器を完成させるのと、そしてまた。
自分の配下でもある彼らにと支持を出すべく。
そのまま、その場より姿をかき消してゆく彼の姿が。
町の中の人気のない路地裏にてしばい見受けられてゆく。
「……これは?」
「……陛下?」
様々な場所にて。
あるものは、どこかの坑道の中にとある牢の中で。
あるものは、家の中にと閉じ込められ。
あるものは、地下室にと閉じ込められ。
あるものは、足元が砂地のどこかの牢の中にて。
あるものたちは、どこかの森の中で。
身近に感じる、その力。
それは間違いなく、彼らが仕える女王の力。
力が満ちてくる。
捕らえられたそのときに。
一体全体どうやったのかは知らないが。
一時ほど、その力を封じられていた、というのにもかかわらず。
相手が一般人、ということと、力が思うように使えない、というので。
それゆえに、抵抗することもなく、仕方なくつかまっていた、彼ら守護聖たち。
だが。
その束縛は、その一瞬にすべて解き放たれ。
それぞれの中に
「しかし…この結界をどうにかとかないことにはな……」
薄暗い坑道の中。
どうやら、危険、と判断されたためか。
厳重に牢の中には結界がかけられており。
力を使えば逆に自分の身に降りかかるような仕組みとなっているのが、試してなくてもよくわかる。
「さて…どうするか……」
一人、考えをめぐらせる、赤い髪の男性がひとり。
そしてまた。
「…ふっ。なるほど。つまりこれらもわれらの試練…というわけか」
水晶に映し出されるは。
ほかの守護聖たちの現状と。
気まぐれに映し出しているのは、みたこともない銀色の大樹。
「では、私も行動を開始するとするか……」
そういい。
その水晶をその手にかざし、意識を集中させてゆく。
「こっちだね」
「ええ。今確かに陛下の声が……」
深い、森の中。
今感じた力と声をたよりに。
まるで樹海のようなその森の中をかけてゆく二人の男性。
「ピピ」
「チュピ?あ、そっか。その手があるね」
どうすれば、そこから抜け出せるか。
仲のいい友達の青い鳥のチュピ。
その彼の行動によりて道を見出している金色の髪の少年。
そして、その地下においては。
「よっしゃ!あいたぞ!」
「力を感じる。ここにマルセルもいるみたいだな。」
いいつつも。
地下より抜け出ている二人の少年たち。
相手が普通の操られている人間だからなおさらに。
力を使った彼らにかなうはずもない。
また、その力の前においては、彼らは無力。
まあ、彼らとてその力をもってして人々を傷つけるようなことはしないのであるが。
コレットたちが雪の中。
様々な情報を集めているそんな中。
守護聖全員、それぞれに。
自らの手によりその束縛より逃れる術を一部のものたちは見出してゆく……
-第14話へー
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あとがきもどき:
薫:ゲームと違うのは。守護聖たち、自力で脱出しているところですかね。
ゲーム・・・・・・・・・。無抵抗すぎですよねぇ(笑)
とりあえず、一気に合流、といきますかv
次はセイランとの合流を得て、守護聖たちとの合流ですね。
ではでは、また次回にて。
2004年7月25日某日
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