まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

今回は。ほとんどが説明とか回想とか(こらこら)
それでもよければどうぞですv

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メビウス・レクイエム   ~第12話~

「へぇ」
ほう。
思っていることと、口にだす台詞は異なるものの。
「しかし、毎回思うが便利なものだな。星の小怪、というのは」
一瞬にして惑星間の移動ができるこの小道。
いわば亜空間移動みたいなものであるのだが。
そんなヴィクトールのつぶやきに。
「なあ?これ何なんだ?一瞬にして別の場所に移動したようだが?」
さすがに驚きを隠せない。
彼が本来いたはずの星にはこのような移動手段などはなかった。
そこまで文明が発達していなかった、ともいえるのかもしれないが。
この世界というか星雲系にとやってきて。
まだ完全にこの世界のことは把握はしていない。
これもまた、宇宙を統べる女王の力により移動が可能なのだ。
というのは。
支配下にと置いた王立研究員の人々よりその情報は仕入れている。
だが、実際に聞くのと体験するのとでは……当然といえば当然のこと。
自分がいつも行う魔道移動。
それ以外で移動したのは、かなり久しぶりのような気がしなくもない。
そんなことを思いつつ。
コレットに何もわからないような口調で質問を投げかけるアリオス。
「そういえば、アリオスは初めてだったわね。
  といっても。私もこれ、あまり使ったことないんだけど。
  いつもは次元回廊使ってるくらいだもの」
いまだに知的生命体が誕生していない自分の宇宙。
ゆえに、星星に道を作る必要は、今のところあまりない。
精神を集中させれば。
星星のことは手にとるようにとわかるがゆえに。
「えっと。どう説明すればいいのかしら?女王陛下のお力で動いているものだから。これ。
  まだ私には無理なんだけどね。ここまでのモノを作るのは。新米だし。てへv」
星の小怪を作るのは、まだ自信がないコレット。
以前、ちょっと実験をかねてつくったものの。
失敗したのは記憶に新しい。
レイチェルにはかなり笑われたが……
できたのは。
自分たちがいる聖地と。
聖地を抱擁している、惑星との小道のみ。
「まあ説明してもらっても多分俺にはわからねぇな。
  しっかし、一瞬にして移動できたのはいいが。ちょっと寒くねえか?」
ふとみれば。
彼らが瞬間的にと移動したその惑星は。
見渡す限りの雪景色。
しかも、雪が空より舞い降り。
ちょっとばかり風も吹いているがゆえに、ちょっとした吹雪みたいとなっている。
確かに。
今まで暖かな惑星にいた彼らにとっては。
いきなりのこの温度変化は、余計に寒さを感じさせる。
「え?そういえば……この服、防寒までできるんだ」
いわれてみれば。
白亜宮の惑星においても、あまり熱さなどは感じなかったが。
たしか、この今着ている服は。
この宇宙、神鳥の宇宙の女王に代々伝わる戦いの衣装と聞いている。
たしかに、この服を身につけただけで何やら力がわいてくるような感覚が確かにあるが。
「確かに寒いね。ここ。メル震えちゃいそう」
いいつつも。
すでにがたがたと震えているメル。
「とにかく、お子様が震えているようだし。どこかで一度体勢を整えたほうがよくねぇか?」
ここがどこなのか。
レヴィアス…否、アリオスはわかっている。
「それもそうね。えっととりあえず、どこかで宿でもとって……」
いいつつも周りを見渡せど。
雪がふぶいているがゆえに、よくよく回りが見えはしない。
「確かこの先に村があったはずだぜ?そこが一番ちかいんじゃないか?
  そこで一度雪がやむまでやすもうぜ」
「へぇ。アリオスさん、よく知ってますね」
そんなアリオスの言葉に、関心の声を上げているティムカ。
「確か、このあたりだと…細雪の町があるはずだな。
  よし。吹雪がひどくなる前に、町にはいるぞ!」
そんな会話をしている中も風は強さを増し、だんだんとコレット達一行の視界をさえぎってゆく。


白き極光の惑星。
この星はこの時期、ちょっとした観光名所となっている。
この雪が降る、この時期。
夜空に大気の磁場の関係で、大地より上空にオーロラがきれいに見えることで。
オーロラを見るためにと各惑星などから観光客などがよく訪れている。
そして、特に今年は。
千年に一度、その花を咲かすという。
『スノー・ローズ』と呼ばれている雪の花が咲く時期でもあり。
いつもより観光客などでにぎわっているこの国。
だがしかし。

「……え?人が?」
「ああ。観光客や町の人たちがいきなり消えることがあるんだよ。
  まったく……。みんなは神隠し、とかいってるけどね。
  それに野には何か魔物が出没し始めてるし。
  まあこの時期。この星では魔物などが出現する、というのはいつものことらしいけど…
  でも、みんなは不安がってるよ。何かよからぬことが起こっているのではないかって。
  女王様の身に何もなければいいんだけどねぇ」
シーン…
町にと入り。
宿をとり。
一階にとある食堂にて。
今後の作戦と、そして、対策と行動などを話し合うためにと食事をかねて席にと着いた彼らに。
何か変わったことはないか?
そう問われ。
そんなことをいっている宿屋のおかみ。
「ちと聞くが。この町というかこの惑星に、
  王立研究院の職員エルンスト、という人物がどこかにきている。
  というのを聞かないだろうか?主星よりやってきているはずなんだが?」
とりあえず、詳しい説明をするわけにもいかずに。
さりげに話題を変えるべく、問いかけているヴィクトール。
そんな彼の言葉に。
「そういえば話は聞いたことがあるような気もするけど…だけど、エルンストさん…ねぇ?
  この惑星には特殊な植物などが存在しているからって。
  よくいろんな星とかから王立研究院の職員などが派遣されてきてるからねぇ。
  町に住んでいる人の名前なら把握してるけど。
  エルンストさんの名前は聞いたことないねぇ。
  職員が何かそんな名前を会話の中でいっていたくらいしか記憶は………」
そんな会話をしつつも。
注文された料理を運んできている店のおかみ。
しばらく、世間話をかねて。
この惑星などについて話を聞いたところ。
何でも。最近、いきなり人が掻き消える。
という事件などが勃発している、という事実がひとつと。
以前より、この惑星においては、磁場などの影響などから。
そのゆがみに飲み込まれ、人間などがいきなり掻き消える、ということはあったにしろ。
だが、今回のコレはいつもよりも倍以上人や動物などが掻き消えている。
さすがに、磁場だけの影響以外の可能性も派遣されてきている王立派遣軍隊が。
調べている、といったような内容の話をコレットたちは話しの中より仕入れてゆく。
そんなたわいのない、それでいて今後の重要性などを含んだ事実というか噂などを頭にいれ。
今日のところは各自。
疲れているだろう。
ということもあり、各自、部屋をとりゆっくりと体を休めることに。


コレットたちが、新たな惑星にたどり着いたそんな中。
一方。
東の塔の中に女王であるリモージュを助けにと入ったロザリアはといえば。
確かに先ほどまで塔の中にいたはずなのに。
リモージュの声に導かれ。
その塔のとある部屋の中にとあった神鳥をかたちどった紋様。
それに触れると同時に、見たこともない空間にと、そのまま体ごと移動し。
いまだに周りが真っ暗な空間をただひたすらに。
その先にかすかにと見える金色の光にむかって突き進む。
いつかどこかで、この光景をみたような気がする。
だけど、確か初めてみたときには……
頭の中に何かモヤがかかっているかのように。
だけど、確実にこんな場所などには来たことなどあるはずもなく。
何が何だかわからないままに。
「陛下!?アンジェリーク!?どこにいるの!?」
リモージュの名前を呼びつつも。
奥に、奥にと進んでゆくロザリア。
どれくらい歩いたのか。
いや、それほど歩いてはいないはず。
時間もすべてあいまいで。
今自分がどこを歩いているのかすらわからない闇。
闇の中に具間見えているのは、大小の様々な色彩の光のみ。
光の先にリモージュがいる。
別に確認したわけではないが確信がもてる。
それゆえに。
カツン。
そのまま、足を一歩再び前にと進めてゆくロザリアの姿が見受けられていたりするが。


目の前に映し出されるは。
今、この世界、否。
一応自分が納めている形にとなっている星雲系すべての光景。
とはいえ。
すべての惑星が、彼の手が入ったわけではない。
何しろ、確かに力の質は異なるものの。
いかんせん、一番近い力の属性の持ち主である。
それゆえに。
力の格差は激しいものの。
だからといって、無理にとリモージュ…
否、アンジェリークの納める世界にと、その断りを乱そうとすれば、
レヴィアスとて、その力を普通に力を消耗するより、多量にその力を消耗する。
そう。
魔道移動、すなわち、亜空間移動すらもできないほどに。
そしてまた。
今ではあのときより、自らの管理下ではなくなったとある世界。
だが、彼らの世界が崩壊の道をたどっているのは、それは自業自得。
権力に取り付かれた人々の末路、というべきか。
要となっている存在をそこより追放すればどうなるか。
かつての人々は知っていたはずであるのに。
ただただ、その権力のみにと目を奪われ。
古代の知識などは完全にと押しやられているその状況。
ゆえにこそ。
本来、瞳の色がことなる人物が誕生した際には。
天使の再来、など言われていたかつての世界。
その力が強大であるがゆえに。
人々は、その力を敬い、そして尊敬していた。
だが、それはときとともに、やがて、疎みと排除の対象となり。
そして…今にと至っている。
宇宙の均衡が崩れ。
崩壊を始めた星星の姿。
そして、それらを助けてもらうべく、宇宙をすべる皇帝にと人々の願いはゆくものの。
レヴィアスの父親よりその力もないのに無理やりにと皇位を奪い取った彼らには。
それらを押しとどめる力などあるはずもなく。
その力の無能さゆえに。
もうしばらくすると、国民などから反乱がおき。
彼らは国民の手により裁かれる。
すでにその未来は視えている。
それは、まだ、あの子には伝えていない、というよりは。
伝えられるはずがない。
今のあの子は、いまだにその心の闇を宿しているのだからして。
「…とりあえず、エリオスはナトゥの影響を濃く受けてるのよね…」
いまだに、彼女の思念もまた。
闇にとらわれたまま。その思いを変えてはいない。
その闇の力は、この世界、いや。
かつて、仲間たちと再生させていったあまたの世界。
それらの負の力を取り込み。
ゆっくりとではあるが確実にその力を増していっている。
今、その影響がもっとも濃くでているのが他ならない、かの宇宙。
かつての自分の力により。
その魂そのものの根源たる核は。
時間はかかるが、だがしかし。
どうにかかつての彼女のソレにと元に戻ろうとしている。
だがしかし。
切り離した残留思念体は。
さらにその力を増していっている。
しばらく後。
その力はやがて女王交替の時期のサクリアの乱れに従い、この地に姿を現すであろう。
そして、それは…
そのときの女王たちにただならぬ試練をもたらすことは。
それは避けては通られぬ道。
そう。
この聖地にすら負の力が集まり、聖なる力は負の力となりえ、
闇の力【ソリテア・デ・レベスペレ】を生み出したと同じように…
孤独と絶望。
その意味合いをもつその言葉は。
定期的に守護聖の持つその力が、負の力にと取り込まれたときにと発動する。
いや、そうとはいえなくもなく、常にその力はそばにある。
それは、サクリア、というその力を受け継いだ人間たちの心の奥底に潜む不安や絶望。
それらの力が源であるがゆえに。
だが。
このシステムを変更する気は…今のところはない。
いや、自分ひとりの手にすべてをかつてのように戻してもいいが。
だけども。
信じたい。
命の強さを。
人間を。
その思いゆえに、今の世界の仕組みは成り立っている。
カツン。
カッカッカッ。
聞こえてくるのは。
自分方にとむかって歩いてくる聞きなれた足音。
「ロザリア!こっちよ!」
すでに、先ほどまでの姿ではない。
その身長よりも長かった金色の髪は。
いつもの、肩より少しばかり長い程度の長さにと収まり。
金色の瞳は緑の瞳にと戻っている。
足音のするほうにと視線をむけ。
そちらにむかって大きく手を振りかざすリモージュの姿が。
真っ暗な深遠なる暗闇の、それでいて暗闇の中に様々な光がきらめいているそんな中。
しばし見受けられてゆく。


「ロキシー……あなたはどこにいったい?」
連絡が取れなくなって、はや一月以上は経過している。
いつもなら、確かに自由奔放なところがあれど。
無断欠席、もしくは無断でどこかにいくような人物ではない。
しかも。
「本来ならば、異変の調査は私の役目でしたのに……」
聖地の引継ぎなどを得て。
今までこの宇宙、神鳥にとあった女王試験にと利用していた王立研究院。
それは女王の力によって、新たな宇宙にとそのままそっくりと移動された。
あちらでその力をフルに活動できるように。
その移動や引継ぎ。
または新宇宙への移住者の希望受付や適応性。
それらの仕事が重なったためか。
主星の研究院にと戻ってしばらく。
そのまま、疲れからか、しばらくダウンしていた彼-エルンスト。
そして、そんな疲労から倒れたエルンストの代わりにと。
異変を調査しに出かけた同じ研究院に研究者として所属しているロキシー。
彼にとっては無二の親友。
その彼からの連絡が途絶え…そして今は行方不明。
だからこそ。
まったく今まで一度も使ったことのない有給をつかい。
彼を探しにでたのは。
それは、ほかならぬ自分の意思から。
「ロキシー…あなたはどこにいってしまったのですか?」
足取りを求め。
親友を捜し歩くエルンストの姿が。
しばらくとある惑星の一角において見受けられてゆく。


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あとがきもどき:
薫:さてっと。次回でチャーリー登場ですね。
  ちなみに。PSゲームだと。セイラン仲間にしてからチャーリーが仲間に。ですけど、
  そのあたりの順番はそこはそれ。こちらでは違ってますからそのあたりはご了解くださいな。
  ・・・過去の回想シーン・・・・もっといれるかなぁ(その前に過去話の打ち込みは?←汗
  何はともあれ、それでは。
  また、次回にてv

2004年7月15日某日

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