まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
さて。ようやくアリオス登場です。
ここから、ほとんどオリジナルに近いかも・・・
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メビウス・レクイエム ~第8話~
ざわざわざわ。
数日先に即位式がある。
というので、惑星上の首都たる町は賑わいを見せている。
「ほぉぅ。さすがににぎわってるな。」
「急ぎましょう。えっと、王宮は……」
そういい、きょろきょろと周りを見渡して。
ふと、そのあたりを歩いていた人をつかまえ。
「あの。すいません。王宮の入り口はどちらになるんでしょうか?」
とりあえず、どこに王宮があるのか、というか。
確かに王宮の姿は見えているものの。
だからといって。
入り口がまったくもって見つからない。
まあ、かなり距離か離れているのだから当たり前のこととはいえども。
「うん?あんたたちもティムカ様の即位式をみにきたのかい?
いやぁ、今回新たに国王になられるティムカ様は。まだ若いとはいえ。
先日、何と!あの聖地にと出向いていらっしゃったのからお戻りになって。
晴れて。病気の国王様にと代わってティムカ皇太子が王位を継ぐことになってねぇ。
このティムカ様の人柄が何とも…」
延々と。
何やらティムカに関しての一般の人々の意見、というか感想が、いきなり始まり。
「あ、あの。それでですね?王宮の入り口は…」
「それでね。ティムカ様にはね。カムラン様、という年の離れた弟様がいるんだけど…」
どうやら、かなりの話し好きな町の女性を捕まえたらしく。
そのまま。
しばし一時以上。
その話を聞こうと声をかけた女性にと捕まり、時間を仕方なく費やしてゆくコレットたちの姿が。
町の中の一角にてしばし見受けられてゆく。
「しかし、何ですね」
「何がだ?」
穏やかな顔をしつつも。
だがしかし。
「再びこうしてレヴィアス様と共に戦えるとは…」
「われらは二度もあの御方に助けられたことになるな。
私の命はレヴィアス様のもの。かの御方の望みは必ず…」
そんな会話を交わしている二人の男性。
暗闇の中、その二人の男性が赤く輝く。
「して、ほかのやつらはいつ目覚めるんだ?ユージィン?」
「ウォルター…それは、もうそろそろですね。あとはルノーと…
そんな会話をしている彼らたち。
その部屋が暗いがゆえに、よくよく見なければ、互いの姿はよく見えないが。
だがしかし。
彼らには見えている。
復活した際にと与えられた、特殊な力において。
もう少しで全員そろう。
自分たちが使えるべきレヴィアスの願いをかなえるため。
再び、戦うために……
さて。
どのようにしたら、怪しまれずに共に加わることができるのか。
おそらくは。
感じる力からして、彼女は普通の人とは違うのはわかる。
どこかしら、すべてを包み込む、抱擁と自愛の力を感じられる。
彼女そっくりというのも気になるひとつの要因とはいえ。
だがしかし。
いくらそっくりであっても別人には違いはない。
しかも。
どうやら、捕えた守護聖たち、その彼らを助け出そうとしているらしい。
というのは、その様子を具間視ていればわかること。
よりよく、自分の邪魔をする輩を知るにはまずは、敵の懐にと入り込めばいい。
それは、どのような戦術においてもいえること。
敵をよく知るには懐にと入り込めば、後々はかなり楽になる。
ならば。
どのようにすれば、相手に警戒されず、近づくことが可能であろうか。
ひとつの可能性とすれば、何かに対して、しかも、命にかかわるような。
その事柄から助け出すこと。
命を助けられた人間は少なからずに助けた人物を信用する。
「…さて、どうするか…この惑星の人々を操る…というのも面白そうではあるがな」
くくくっ。
そんな笑みを浮かべつつ。
策を練ってゆくレヴィアスの姿がしばし見受けられてゆく。
「エーン……エーン……」
お母さん、お父さぁん。
人ごみで両親とはぐれた。
家がどっちの方向だったのかすらもわからない。
人間、しかも子供の場合。
パニックになれば、何をするのかわからない。
わざわざ両親いる場所や、または、家から離れた場所にとむかってゆくことはざら。
「あら?」
「あれ?」
「うん?」
とりあえず、長い、長い世間話から開放されたそのときには。
すでに日は傾き始め。
とにかく、ティムカにと会いにいくためにと、王宮にとむかっていっているコレット・メル・ヴィクトール。
この三人。
一応、ヴィクトールとメルは主賓として招かれているがゆえに。
王宮の中にはすんなりと入ることができるはずである。
そんなことを思いつつ、進んでゆく彼ら三人の視界にとはいったのは。
道の真ん中でないている一人の男の子。
そんな子供を幾人かの大人たちが取り囲んでいる。
「あの?どうかしたんですか?」
問いかけるコレットの言葉に。
「迷子らしいんだけど…だけど、ずっと泣いたままで。話が聞けないのよ。」
困ったようにいう、どうやら観光客らしき女性。
ここに、地元の人がいれば、どこの子かすぐにわかるであろうか。
今、この場に地元の人々はいない。
地元の人々は数日先にと迫った即位式。
その用意などにと追われているがゆえに。
「迷子…僕、どうしたの?お父さんとお母さんとはぐれたの?」
ひっくひっく…
なきながら、ふと顔を上げる。
コレットの優しい問いかけに。
ふと顔を上げた子供の目にと入ったのは、白い翼。
……天使様?
子供、というものは純粋であるがゆえに。
その身にまとう気配を漠然とであるが感じ取る。
天使、というか新世界の女王なのであるが。
確かに天使ともいえる。
その女王のサクリアは一般には白き翼として知られているがゆえに。
年のころならば、六歳か、その下ほど。
まだ幼い黒髪の少年の瞳にと映ったものは。
まばゆき光にと包まれたように感じられる茶色い髪の少女の姿。
その背には白き翼をたずさえて。
ぎゅっ!
そのまま、コレットにと抱きつくそんな子供に対し。
「あらあら。僕?ねえ?どうしたの?」
微笑ながらそんな少年の頭をゆっくりとなでるコレット。
「まあ。その子、泣いてばかりで何の反応も見せなかったのに。
きっとあなた子供好きにみえ、しかもやさしそうに見えるから。この子、安心したのかしらね?」
そんな子供の姿に微笑みながらいっている先ほどコレットたちにと説明していた女性のそんな言葉に。
「きっとアンジェリークのやさしさが子供にはすぐにつたわったんだよ。子供って純粋だもん」
そんな光景をみてにこやかにそんなことをいっているメル。
「うむ。確かにな」
こちらもまた、うんうんとうなづいているヴィクトールに対し。
「困ったわ…そうだ。メルさん。
この子の両親、どこにいるかわからないかしら?メルさんの占いで」
そんなコレットの言葉に。
「そうだね。アンジェリークってやさしいね。まってて。占ってみる」
いいつつも。
懐より水晶球を取り出して。
精神を集中させる。
彼は水晶を通して様々なことを占い、そして具間みることができる。
その占いはほぼ確実。
先日の女王試験の際に、
闇の守護聖クラヴィスより水晶の使い方をある程度教えてもらったこともあり。
今では、様々な方向にてその占いの力を発揮することができるまでにとなっているこのメル。
やがて。
水晶にとある家が映し出され。
そしてまた、どうやら王宮内部であろうか?
子供を捜しまくっている父親らしき人物の姿もまた映し出される。
「あ、見えたよ。アンジェリーク。
どうやらこの子、王宮内部で迷子になって。外にでちゃったみたい…」
子供というものは、時にどういう行動をするのかわからない。
すぐ横に母親がいても、まったく違う方向にといき、そして迷子になる。
「……で?メル?家の方向はわかるか?」
また、王宮にいるらしい、父親の元に連れて行ったとしても。
迷子になる確率は…かなり高い。
しかも、すでに日は暮れかけている。
ならば。
「まってね。……あ、うん。どうやらこの子、この町の子みたい」
水晶に映し出されるのはこの町の中にとあるとある家。
「ありがとう。メルさん。大丈夫よ。僕。お姉ちゃんたちが家におくっていってあげるからね」
「くすん、くすん……天使さまぁぁぁ……」
何やらそんなことをいいつつ、ぎゅっとしがみついてくるそんな子供の頭を優しくなでるコレットに。
「この子はわれわれが責任をもって家に送り届けるとしよう。かまわないかな?」
子供を心配して周りにいた大人たちにと説明しているヴィクトール。
ヴィクトールの格好からして、その胸にとある神鳥をかたどった襟首の文様。
格好かれして、どこかの将軍、というのは見て取れる。
どうやら悪い人ではなさそうだし。
そう周りにいたほかの人々は判断し。
「お願いできますか?」
「ああ。任せとけ。女王陛下の名前に誓ってな」
そういいきるヴィクトールの言葉に。
しばし、二言、三言、言葉をかわし。
コレットたちにと子供をまかせ、それぞれにと散ってゆく大人たち。
「さて。それではいくとするか」
「はい。さ、僕、家におくっていってあげるね」
「……くすん。ほんと?」
いまだに涙ぐむ少年をつれ。
三人はそのまま。
メルの占いが示した場所…つまりは、子供の実家にとむかって歩き始めてゆく。
この町。
といっても、正確にはこの国。
ということ。
城下町とは異なる少し離れた位置にとある、とある町。
いわく、西の町。と一般には親しみを込めて呼ばれているそんな町。
その中にとある一軒家。
「どうやらなきつかれて眠ったようだな」
背中にてすやすやと寝息を立てている迷子の子供。
その寝顔をみて苦笑しつつぶやくヴィクトール。
「そうですね。あ、ここのようですね。すいませ~ん!」
いいつつも。
玄関のドアノックをたたく。
バタバタバタ…
「あ、ごめんなさい。今ちょっととりこんで……って!?ルイ!?」
何かあわてた様子で家の玄関から出てくる一人の女性。
先ほど、息子とはぐれた、と父親というか夫から連絡があり。
自分もまた、子供を捜しにいくためにと出かける用意をしていたその矢先。
たずねてきた客人。
だがしかし、その背に迷子になった、と連絡をうけた息子の姿をみて思わず叫ぶ。
「失礼だが。この家はこの子の家だろうか?
町の中で迷子になっているこの子を保護したのだが…」
みれば、背中に抱きかかえられ、
すやすやとなきながらどうやら眠ってしまったらしいわが子の姿にほっとしつつも、そしてまた。
はた。
と我にと戻り。
「あ。はい。あの?」
「ああ、われわれは怪しいものではない。ティムカの友人だ。こちらがアンジェリーク。
そしてこの子がメル。私はヴィクトールと申すもの。して、あなたはこの子の母親ですか?」
「ティムカさまの……」
確かに悪い人ではないのは間違いない。
わざわざ子供を家に送り届けてくれたのだからして。
だが。
「ええ。その子はルイ。
今夫からはぐれた、と連絡がありまして。探しにいこうとしていたところです。
あの?ですけど、よくうちがわかりましたね??」
そんな素朴な疑問にと。
「あのね。あのね。メルが占ったの。よかった、あってるんだよね?」
よくよくみれば、格好からして、どうやら龍族の子供らしい。
うわさでは聞いたことがある。
占いにたけた種族である。ということを。
「まあ。占いで…重ね重ね申し訳ありません。
あ、とりあえず立ち話も何ですし。家の中にどうぞ」
いきなりのことで戸惑いつつも。
だがしかし、相手が皇太子であるティムカの名前を出してきたことにより。
警戒心は解けている。
そのまま、彼ら三人を家の中にと招きいれてゆく女性の姿が。
「本当にありがとうございました」
とりあえず、家にと招きいれ。
ルイと呼ばれる少年を子供部屋のベットにねかし。
急ぐから、ということで、家を出てゆく三人に。
頭を深く下げるそんな母親の女性の言葉に。
「いえ、お礼を言われるほどでも。それじゃ、ティムカ様に会いにいきましょう。」
そういいつつ。
向きをかえ、足を一歩踏み出すコレット。
だがしかし。
……あ……れ?
くらり。
そのまま、一瞬目の前が真っ暗にとなり。
そのまま、意識が沈んでゆくような感覚。
「アンジリェーク!?」
倒れそうになるコレットをすかさず抱えるヴィクトール。
そのために地面に倒れこむ、ということはさけられたものの。
顔色が少し悪い。
「おい!しっかりしろ!アンジェリーク!」
「アンジェリーク!?」
二人の声が届いてないのか。
意識を完全にと失っているコレットに。
「まあまあ、いけない。とりあえず、早く横にしてあげないと!」
だがしかし、家にあるベットは二つ。
子供用と夫婦よう。
ゆえに。
少し先にとある宿屋にとコレットを運ぶようにと支持している女性の姿。
コレットは…いまだに目覚めない。
何?これ?
……助けて。
お願い……あの人を……助けて……
「誰?誰かいるの?」
暗い、暗い空間の中。
どこか聞き覚えのあるような声が感じられる。
確か私はヴィクトール様とメルさんと一緒ではなかったかしら?
とも思うが、回りに見えるのは、ただただ深遠の……闇。
お願い……助けて……
……あの人を……彼を……助けて……
「ねえ?誰かいるの!?」
よくよく暗闇にと目を凝らすと。
ほのかな小さな明かりがひとつ。
その明かりにと目を凝らすと・・・・
「……え?……私?」
そこには。
髪の長さは違えども、何やらないている一人の女性の姿が。
しかも、その女性は……どう見ても、自分自身の姿……
……何?いったい??
コレットは深層意識の中において。
しばし、自分に瓜二つの女性の姿と対峙してゆく……
「どうやら疲労ですね」
だがしかし。
体に触れたときに感じた何か『畏れ多いほどの感じ』はいったい何なのか?
それはわからない。
わからないが。
女の子が倒れたから見てほしい。
そう連絡があり、宿屋の一室にて横にとなっている少女を受診した。
外傷などは見当たらず。
瞳孔の具合と脈の具合からいっても。
疲労がたまり、倒れた、としかいいようがない。
まだ自らの力のコントロールが完全でないがゆえに。
いくら、宇宙を離れている、とはいえ、本質は新宇宙の女王であることは変わりなく。
無意識のうちにと、あちらの宇宙の安定をつかさどりつつ、この世界で行動する。
その力加減の具合が、コレットにはまだ少しわからない。
無意識であるがゆえに、余計に。
ゆえにこそ。
疲労がたまってしまうのは仕方がない。
自らが治める宇宙にいれば、このようなことにはならないのではあるが。
『疲労?』
そんな医者の言葉に。
思わず同時にとつぶやくヴィクトールとメル。
もし、何か大変な病気だったら、と心配などをしていたが。
だが、理由をきけば疲労、とのこと。
確かに納得できる。
それでなくても、まったく知らない新宇宙の女王としてその役目をこなしていたであろうに。
こちらの宇宙の危機を未然に防ぐためにとやってきている新米女王。
その精神的な束縛もまた、かなりのものかもしれない。
しかも、彼女、コレットは、すべてを自分でどうにかしよう、というタイプ。
いつもはそれを見越して、
補佐官であり親友であるレイチェルが先に手をうつがゆえに丸く収まっているにしろ。
「ええ。おそらく疲れがたまっていたのでしょう。大丈夫。しばらく安静にしていれば。」
医者の言葉に安心する。
「よかったわ。あ、ここの宿代は気にしないで」
「すいません。お手数をおかけいたしまして」
宿代まで払ってくれた先ほどの迷子の母親にとお礼をいうヴィクトールにたいし。
「うちの子を送り届けてくれたせめてものお礼だし。気にしないで。
それよりゆっくりとその子、休ませてあげなさいね」
そういいつつ、とりあえず【安静にしていれば目覚める。】ということなので、
ヴィクトールたちと少しばかり会話をかわし。
そのまま家にと戻ってゆくその女性。
そして。
「ねえ?ヴィクトールさん?とりあえずアンジェリークが目覚めたときに。
何かアンジェリークの代わりにできること、メルたちにないかな?」
少しでも、負担を軽くしたい。
それはメルの本音。
「そうだな。とりあえず。
アンジェリークが目覚めたらすぐにティムカと謁見が可能のように手を回しておくか」
「うん!」
そんな会話をしつつ。
ぐっすりと眠っているコレットのことを宿屋の人にとたのみ。
二人は、とりあえず。
ティムカのいる王宮にと向かってゆく。
ティムカと早く連絡をつけるために。
「……ふむ。宿屋…か」
一緒にいた二人もいない。
ならば。
この機会を利用しないわけにはいかないな。
すでに一応、怪しまれないように、よくある髪の色と瞳の色をも変えている。
以前、この方法が使えれば……とも思うが。
それを今さらいっても仕方がないこと。
「悪いが、我の目的を達成するためだ…悪く思うな」
そういい。
視線をそのまま、宿屋にと向ける。
と。
次の瞬間。
バシィィィィィ!
晴れ渡る空にもかかわらず。
どこからともなく稲妻が走り。
その稲妻はそのまま、宿屋を直撃し盛大なる炎を上げてゆく。
「火事だぁぁぁぁぁぁあ!」
「女の子がまだ中にいるぞ~!!!!」
一時のち。
宿屋から吹き上げる炎にと。
町の中は騒然と相成ってゆく。
「あ!あんた!危ないよ!」
燃え盛る炎の中に、何も恐れずにと入ってゆく銀の髪の青年が一人。
そのまま。
二階にと上がってゆく。
コレットがどの部屋にいるのかなどは調査済み。
よほど疲れているのか火事だ、というのに目覚める気配もなく。
というか、多少の煙を吸い込んで、ぐったりとしているコレットの姿が目に入る。
どきっ。
その姿が、【エリス】の姿と思わずダブル。
「今ここでこのものにしなれても困るから……な」
このものは。
彼女が復活するまでは、生きていてもらわないと。
彼女が復活すれば、そのときは…
彼が作り出す器は、相手が生きていないと効果をなさない。
その器に魂を入れ込んだ後、安定した後にはオリジナルの存在を消しても支障はないものの。
そのまま。
ぐったりとしているコレットを抱きかかえ。
ゆうゆうと炎の中から、宿屋の外にとコレットを連れ出してゆくその男性。
彼がコレットを助け出し、表に出たとき。
『わっ!!!よくやった!兄ちゃん!』
野次馬の人々から歓声の声が町の中全体にと響き渡ってゆく。
「……あれ?」
「目覚めたか?」
気がつけば、目に入るのはどこかの天井。
そして知らない声。
「……?あの?あなたは?」
頭がまだすこし朦朧としているものの。
そんなコレットの問いかけに。
「あ、あんた、気がついたようだね。よかったねぇ。
宿屋が火事になって、この青年があんたを助けてくれたんだよ。
気分はどうだい?どこか痛まないかい?」
「……え?」
何か食べ物らしきものを手にもって部屋にと入ってきたそんな女性の言葉に。
今の現状が理解できずに首をかしげるコレット。
「火事?……あなたが助けてくれたんですか?」
確かにいまだに外が何だか騒がしい。
何しろ町に一軒しかない宿屋が原因不明の落雷により火事になったのだ。
騒ぎが起こらない、というのが不思議である。
「まあな。行きがかりじょうな。あんた、名前は?」
「あ、私はアンジェリーク=コレットといいます。
危ないところをどうやらありがとうございました。あの?あなたは?」
「俺か?俺は…アリオス。見てのとおり旅の剣士をしている。腕を磨くためにな。」
嘘ではない。
事実でもないが。
今のこの容姿からは、彼そのもの…レヴィアスとしての姿は似ても似てつかない。
その緑の瞳に思わず吸い込まれそうになってしまう。
……あら?
この人……陛下と何となく雰囲気が似てるわ……
そんなことをふとコレットは思うが。
似ていてまあ、当然、といえば当然なのであるが。
その本質の特性からして。
「とりあえず、確かあんたのお連れさんもいるんだろ?今日のところはゆっくりと休んで。
火事の煙をかなり吸い込んだはずだしね。今連絡取ってるからね」
「そうだ!メルさんとヴィクトール様は!?」
「俺があんたを助けたときには、すでに二人はその前にどこかに出かけてたらしいぞ?」
そんなコレットの言葉にかるく答え。
「とにかく、このおばさんのいうとおりだ。今はとにかく寝てろ」
そのまま。
ぼすん。
と。
コレットを再びベットの中にとうずめてゆくアリオス、と名乗った青年の姿が。
人のいいふりを演じて、彼女たちの信頼を勝ち取る……
そんな彼の思いは……当然、コレットにはわからない……
-第9話へー
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あとがきもどき:
薫:迷子の定義。・・・・・・・私も昔、やりました(汗
いや、母とかが店にいるのに。そのまま、何を考えてか店の外にでて。
しかも、両親の姿がみえないのでバニックに(あははは・・・
まあ、二歳、三歳児のすることなんてそんなもんさ。
でも、今思えば、母たちが迷子になったら迷子センターにいきなさい。
といってたのを覚えてて向かっていったのがすごいなー。
と後々にと思ったり。当然両親にはこっぴどくしかられました。
何しろ時は祭り時・・・・あはははは(笑
おそらくきっと、どんな子供も似たようなものさ。うん(勝手に決めつけ
ちなみに、ゲーム上では、迷子の子は宿屋の息子ですが。
ちとわざと変えてます、あしからず・・・・
さてさて、アリオス登場。次回で王宮ですね。んでは。
また次回にてv
2004年7月6日某日
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