まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

よっしゃぁぁぁぁ!ようやく、というか、はじめから出してくれ・・(涙)
2004年9月16日に。アンジェリークエトワール。PS2で発売です!
ちなみに、通常版。プレミアムBOXとあるそうです。かうぞー!
いや、だって、あっちなら、間違いなく、絶対に。おまけ!が存在するはず!うん!
今もってる、パソCD-ROMのエトワール・・・
クリアしてっても、ムービーとか、画像とかが、見れないのよ・・
普通にPSとかにはあったのに。
はじめからだしてほしかったなぁ・・・・(しみじみ・・・・


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メビウス・レクイエム   ~第7話~

ぱたぱたぱた。
「どこにいらっしゃるのですか!?陛下…アンジェリーク!」
塔の中は。
見たこともない魔物だらけ。
といっても、それが人の心が作り出した魔物であると。
なぜか見ただけでと判断ができる。
しかも、この塔の中にいる魔物は、すべてが精神体の魔物が具現化したもの。
つまり、実体があってなしがごとし。
それが判断できるがゆえに。
躊躇なくそれらを倒し。
塔の最上階にとかけ上ってゆくロザリアの姿が。
おそらく。
彼女がいる場所は最上階のとある部屋。
以前、リモージュから説明をうけたことがある。
それは、不思議な空間であり。
何もの屈しない、不思議な力が満ちている空間。
四方の壁には、神鳥と、そして。
サクリアをつかさどっている、とされているらしい精霊の姿が絵として刻まれ。
おごそかな雰囲気すらをも感じさせる、そんな部屋。
広いこの塔の中で。
なぜかリモージュがそこにいる。そう確信し。
ぱたぱたと塔を駆け上ってゆくロザリアの姿がしばしみうけられてゆく。



「メルさん!」
「メル!元気そうだな…と再開の喜びとでもいきたいところだが。
  だが、今の現状ではそうもいかんだろう。だが、ひさしぶりだな」
「……あ。アンジェリーク。それにヴィクトールさんも。うわぁ!久しぶり!二人とも!」
アンジェリークって、女王になってもまったくかわってないんだ。
そんなことをおもいつつ、だがしかし、彼女の姿をみてほっとする。
― お客がきているので、族長の家にいってください。
そう村人から報告をうけたのはつい先ほど。
「再開の挨拶は後だ。メル。
  彼らがここに来たのは。どうやらこの宇宙に未曾有の危機がさしせまっているらしい。
  それで、彼らはお前の力を必要としているらしいのだ」
淡々と、それでいてはっきりと説明しているパスパのそんな言葉に。
「…え?危機…それって…」
いつも夢にと見ている悪夢を思い出す。
異形のものにと追いかけられ。
そして、それは、白き翼が舞い落ちるともに、消えうせるが。
だが、それと同時に、その白き翼ももぎ取られる。
そんな夢。
いつも、逃げてばかりで、何もできない夢の中の自分。
夢と現実。
そんなバソパの説明に思わず脳裏に毎日のようにとみる夢のことが頭をよぎる。
「それは私から説明します。メルさん」
ついと一歩前に進み出て、メルの前にと進み出るコレットの姿。

「……そんな。どうしてメルなの?」
夢の中でも、そして夢が現実になるの?
そう思うが。
だがしかし。
自らの力が必要、そういわれ。
しかも、その占いの力をもってして、コレットたち…ましてや宇宙の危機を救うなど。
そんなことが自分に可能なのであろうか。
そんな自身はどこにもない。
「そんな。無理だよ。メルには無理。そんな怖い魔物たちなんかとメル戦えないし。
  あ、その代わり、みんなの未来はきちんと占うから。それでゆるして、ね!」
夢が現実となるのが怖い。
大切な何かを失ってしまいそうで。
涙をためていってくるそんなメルの様子に。
「…メルさん…」
いうだけいって、家の外にと駆け出してゆくそんなメルをみて。
困ったようにとつぶやくコレット。
コレットとて、彼を巻き込みたくはない。
だけども。
感じるのだ。
アルフォンシアが指し示している。
この一件の力になりえるには、メル以外をおいてほかにはない。と。
アルフォンシアからすれば、それは、彼の精神をより高めるのにと必要なこと。
それぞれに意識とそして精神が高まれば、それは必然的に。
彼らの内にと眠っている力が目覚めるキッカケが早くなる、ということに他ならないのだからして。
そんな駆け出してゆくメルをみつつ。
「メル!…心配しないで、一晩かけてでも必ず説得するから」
そういって、その場に取り残されているコレットとヴィクトールにとにこやかにと微笑みかけているサラ。
最近、何か夢にうなされているのは知っている。
そして、メルの話とコレットたちの話が、頭の中でというかすぐさまにと結びついた。
彼が聖地にと赴き、女王試験のためにと占い士として力を貸してほしい。
そう、聖地より使者があったとき。
もしかすると、この子は……
そう思ったのも事実。
昔から、一族の中でもより強く星の声を聞くことができたメル。
そして。
話をきけば、新宇宙誕生の際にも、その宇宙の意思と精神が同調し。
かなり危険な状態にまで追い込まれたとか。
そこまで、宇宙、つまり星星と心を通わせられるなど。
確かに、火龍族は星のめぐりの声にと敏感な種族ではあるが。
「二人とも、今日はとまっていってね。すぐに寝床を用意させるから。」
そういいつつ、二人の手を握り締めるサラの言葉に。
反対をする理由もないがゆえに。
「…は、はい。ですが、メルさん…大丈夫でしょうか?何かおびえていたような…」
メルのあの戸惑うようは尋常ではなかった。
それに。
魔物。
というのは、まだ彼には話してはいない。
皇帝、と名乗る人物に人々が操られ、異形のものと化されている。
そこまで詳しくは…
皇帝の名前をだして、女王陛下と守護聖たちが捕らえられた。
というところまで説明し、あの反応。
メルは何かを感じ取っている。
それは、コレットに限らず、パスハも、そしてサラとて感じとれる。
感受性の強い年頃である。
メルが望まないのならば、無理にとはいいたくない。
そんなことをおもいつつ、つぶやくコレットの言葉に。
ただただ、やさしく。
ふわりとコレットの頭をなでるサラ。
「私はメルのところにいってくるわ。パスハ。二人をお願いね。」
「わかった。」
そんな会話をかわしつつ。
そのままサラはメルを追ってその家をあとにしてゆく。
「さて。それては、二人を寝床に案内しよう。ついてくるがいい」
いいつつも。
二人を彼らを案内してゆくバスハ。
メルさん、大丈夫かしら…
信じるしかない。俺はメルを信じている。
そんなそれぞれに思いをはぜらせ。
そのまま二人は、案内されるままにと。
今日、休むべき部屋にと案内されてゆく。
当然、男女であるがゆえに、部屋は別々に…

「どうしたのですか?ティムカ?」
「……母上。何かが起こっています。そう…何かが」
感じるのは、それは何と表現すればいいものか。
だがしかし、この宇宙の存族にかかわる、何かが起こっている、ということ。
だがしかし、すでに日取りは決まったのである。
それも。
自分のわがままを聞き入れてくれた国民たち。
そして、両親や関係者たち。
今さら、この状態できちんと状況がわからないままに。
延期。
ということもできはしない。
すでに招待状をもだしている。
「きっと、王位を継ぐことに、心が不安定になっているのでしょう。
  大丈夫。ティムカ。あなたならば」
「そうそう、兄様なら大丈夫!だって、兄様だもん!」
「カムラン……」
テラスにて夜空を見上げるティムカにと話しかけているのは、彼の母親と。
そして、年の離れた弟のこの二人。
「そうでしょうか…いえ、きっとそうですよね」
不安はぬぐいきれないが。
だがしかし。
数日先には即位式が控えている。
しっかりしないと。
そう自分自身に言い聞かせつつも、夜空を見上げてゆくティムカの姿が。
ここ、白亜宮の惑星の宮殿にてみうけられてゆく。



見上げる星空は確かに輝いているというのに。
だがしかし。
その星空、つまり夜空の中にと具間見えるのは。
宇宙空間にと出現している不思議なオーロラ、その光。
夜空とオーロラの光とまるで幻想的ではあるが。
それは、かの夜を彷彿させる。
「ふふ…思い出すわね。こんな夜は。私とパスハがこの星を出たのもこんな夜だった」
ベットの上にてうづくまっている従兄弟であるメルに、夜空をみつつはなしかけているサラ。
そう、こんな夜だった。
あのときとはオーロラの種類が違えども。
夜空いっぱいにオーロラが出現していた、あの夜も。
そんなサラの言葉を布団をかぶり、ただただベットの上にていまだにうづくまっているメル。
「あの日…いえ、その日、火龍族と水龍族の停戦協定が決裂したのよ。ショックだったわ。
  みんなに祝福される花嫁になりたかったから…
  でも、だからといって、彼との恋をあきらめることなんてできなかった。この先…ううん。
  永遠に彼ほど愛せる人はほかにいないって、この先現れないって確信できたから…
  だから、怖かったけど、二人手をとってこの星をでていったの」
あてのない駆け落ち。
二人が駆け落ちしたその先で、ちょうど公務でやってきていた女王補佐官のディア。
彼女が自由行動をして、そこで、彼女に出会った。
そこから、二人の運命は大きくかわった。
そのまま、ディアと共に、聖地に招かれ…そして。
そこで、彼らはあの新世界、つまりは今はこの世界ではあるが。
新世界の中にとある、惑星の上空にと設立された飛空都市。
そこの、パスハは王立研究院の主任として。
サラは占い師として。
そして…であった今の女王とその補佐官。
そして、守護聖たちとの交流。
様々な出来事があった。
まあ、今の女王であるリモージュには驚かされることばかりではあったにしろ。
二つの種族がようやく仲たがいをやめ、平和条約を結んだのもまた。
それは、今の女王陛下と、そして、前女王陛下の尽力にほかならない。
かの女王は、移動の際。
人々に語りかけた言葉がある。
― 新たな世界には争いはもちこまないように…
と。
それは、争いにより、それでなくても、宇宙の星星をすべて移動させる。
という試みは始めてのこと。
ちょっとした力のバランスが崩れただけで、何が起こるかわからない。
そして…
女王の力は、そこに住む人々の願いにも多少影響される。
少しでも、その負担を少なくするために。
さすがに、自分たちが争っていて、宇宙移動が失敗した。
となれば、それは話は別。
星星も、ちょっとしたいざこざが、安定を狂わす、あのときそう告げていた。
だからこそ。
サラが飛空都市より戻り、二つの種族の説得にあたったあのとき。
もっとも。
そんな彼女にくっついて、守護聖、そしてロザリアに気づかれないように。
決まった時間帯ではあるにしろ、同じく説得をしていたリモージュ。
そんなサラやリモージュの説得が実り。
ようやく平和条約を結ぶことにまでこぎつけた。
……まあ、いわば脅し、ともいえるのではないか?
と思うような表現がリモージュから二つの種族の長老に語られたのは、
それは、サラは知るはずもない事実なのであるが。

『そう。あなた方の種族が争っているがゆえに。
  せっかく陛下が滅び行く宇宙を救うために、女王候補たちにその願いをたくし。
  ようやく新世界の器が完成した、と言うのに……
  その努力を無意味な争いの負の力によってダメにするのね…
  あなた方の無意味な争いによって、せっかく助かるはずの世界が消滅するのね…
  あ、でも、新世界にはそんな争いなどは持ち込めない、というか。
  そこまで移動の際、負の力をコントロールするまでの力は女王陛下も使われないでしょうから。
  はじかれるかもしれないわね。あなたたちの惑星だけ』

ある意味、おもいっきり脅し、といえるその言葉。
だがしかし。
その言葉をうけ、はっと目が覚めたのもまた事実。
というか、二つの種族の争いは、確かに無意味なことである。
そう若い者たちはおもっていた。
ただ、かたくなに、昔から、互いの種族は悪いやつ。
と教育やそのように育てられてきてきた古株の存在たちはともかくとして。
無意味ないざこざで、この惑星の人々をそのまま。
宇宙の消滅にともない消してしまうなど。
生まれたばかりの新しい命もまだある。
だが、宇宙が消滅してしまえば、そんなことは、すべてが無と化してしまう。
それゆえに。
宇宙移動の直前に。
永きにわたり、不和の状態にあった二つの種族が。
ようやくそこにいたり、停戦条約と平和条約を結んだのであるが。
今では、いまだに年寄りなどは、相手の種族にいい感情はもっていなしにしろ。
若いものたちなどは、率先して、というか嬉々として、互いに互いを認め合っている。
そして。
その平和の証として、パスハとサラが戻ったそのときに。
二つの種族が力を挙げて、二人の結婚の儀式を開いたのは。
それはついこの前のことのような出来事。
いまだに、そんな幸せな花嫁の姿をみて、その姿に憧れ。
それ以後、二つの種族間で交際をしている若者の姿も数知れず。

そんなサラの言葉に。
「…サラお姉ちゃん…」
うづくまったまま、小さくつぶやくメル。
「ねえ。メル。怖れる、という気持ちは誰だってもつのよ。
  ただ、その怖れを乗り越えられるかどうかが、その人の価値を決めるの。
  あなたなら大丈夫だって、私は信じているもの。だってあなたは私の自慢の従兄弟だもの」
そういい、微笑むサラの言葉に。
「・・・・・・」
しばし無言となり、そして。
「このごろね。本当はイヤな夢を見続けていたの。
  真っ暗な中でたくさんの怪物がメルを追いかけてきて…
  すっごく怖くていつも明け方に目がさめてた。夢の中で逃げてばかりだったメルに。
  何ができるんだろう。アンジェリークの役にたつなんて…絶対に無理……だと思う。
  わかってるの。こんなのずるいって。
  怖いからってアンジェリークたちが困っているのに逃げようとしてるんだもん。
  わかってるんだど…夢を思い出すと足がすくむの。メル…弱虫だね」
弱々しくつぶやくそんなメルの言葉に。
そっとそんなメルをベットのそばに近寄り、抱きしめる。
「メル。あなたは弱虫なんかじゃないわ。
  こうして自分の気持ちを素直に表現できてるじゃないの。
  強がりなんか誰にだって言えるわ。うそをつくのに勇気はいらないの。
  でも自分の心の弱い部分。本音をさらけ出すにはとってもたくさんの勇気が必要なのよ?
  あなたは勇気があるの。メル」
そっと抱きしめ、メルにとささやく。
「…そんな…」
自身がない、すべてにおいて。
「だからね。きっと大丈夫。それに…ふふ。それによ。考え方を変えてみてごらんなさい。
  宇宙の危機、というこの事態にあなたの力が必要とされたのよ?
  これってすばらしいことじゃないかしら?」
そんなサラの言葉にはっとなる。
「…あ…」
確かに、そのとおり。
ほかの誰でもなく、女王補佐官ロザリアは、自分の力を頼れ。
そういった、というのだ。
それはすなわち。
自分が必要とされている、ということに他ならない。
「メル。夢を現実にしてはいけないわ。あなたはそれを止めるための一員として選ばれたの。
  そう、この宇宙によってね。その事実を受け止め、自身をもってちょうだい」
確かにいわれたとおり。
だけども…
しばし沈黙するそんなメルを再びゆっくりと、だがしかし、優しくそして先ほどより強くだきしめ。
かるく、額にキスをする。
「さあ。私に言えるのはここまで。あとはメル自身が決めること。
  今夜はゆっくりとお休みなさい。ね。メル…不安ならば私たちの家に泊まればいいわ。
  アンジェリークたちもいることだし。女王陛下と同じ名前の茶色い髪の新宇宙の女王がね」
その言葉に再びはっとなる。
そうだ。
アンジェリークは自分が守るべき宇宙をおいてまで、この宇宙を救うためにとやってきているのだ。
まだ誕生し安定したばかりの新宇宙では、様々なやらなければいけないことがあるであろうに。
部屋をでてゆくサラを見送りつつ。
そして、そのまま、ゆっくりと。
ベットよりおりたち、窓のそばにとたち、夜空を見上げる。
「……ねえ?本当に?本当にメル……メルにそんな勇気が……
  ……アンジェリークたちの手助けできる力があるの?」
メルの問いかけにと答えるようにと。
キラッ。
一筋の流れ星がメルの視界に入り込む。
星星の声は、確かに。
メルでなければいけない。
そう問いかけている、勇気をだして。とも。
そんな星星の声をききつつ。
ぎゅっ。
しばし、手をつよく握り締め、自分自身の中にとある怖れと向かい合い。
しばし、無言で夜空を眺めてゆくメル。
どれくらいそのようにしていたであろうか。
「うん。きめた。逃げてばかりだと…どうにもならないんだよね」
そのことは、女王試験で、出会った様々な人から教わった。
そして……もっとも大好きな従姉妹のサラからも。
怖いのは確かにこわい。
だけども。
自分が何もしないで、宇宙がこのままどうにかなってしまう。
それは、大好きな人々にも被害が及ぶ、下手をすれば、かつてのように。
まだ自分が生まれる前であったにしろ。
そう、かつてのように、下手をすれば、この宇宙が消滅してしまうかもしれないのだ。
それは…イヤダ。
ならば、自分にできるこをすればいい。
「そうだよ。陛下だっておっしゃってたじゃない。できることは小さいことでも何でもするって」
試験において出会った、リモージュ、そしてロザリア。
かつては女王候補であった、コレットとレイチェル。
そして守護聖たちや、それを取り巻くあまたな人々。
彼らから、彼は様々なことを学んだ。
だからこそ。
今、自分にできることは…
そのまま、勇気をだし、自分自身にと言い聞かせ。
部屋よりでてゆくメルの姿が。
そんなメルの姿をみつめるのは、やさしく照らし出す月明かりと夜空のみ。


「お世話になりました」
「でも、本当にいいの?」
部屋からメルが消えたのは、朝方になってわかったこと。
だがしかし、二人は嫌がるものを無理につれてゆくことはない。
メルにはメルの人生があるのだから、といって。
そのまま、メルにと会わずにこの惑星を後にしていこうとしている。
あの子はそんなに弱くはないはず。
だけども、時間が短すぎた?自分の中の恐怖に打ち勝つのは。
そんなことを思いつつも問いかけるサラの言葉に。
「ええ。メルさんにあったらよろしくいっておいてください」
そんなにっこりと微笑む、それでいて少しさみしそうなコレットの言葉に。
「ごめんなさいね。私が一緒にいければいいんだけど…だけど、わかるの。
  このたびの一件で必要なのは、私の力ではないって。
  だけども大丈夫。あなた方の力になってくれる人はちゃんと存在してるって。
  そう星星がささやいてるわ。それに。アンジェリーク……でなかった。
  女王陛下もがんばっていらっしゃるようだし」
そんな力のある侵略者がやってきて、それでもなお。
この宇宙がそれほどまでに荒れてないのは。
それは、女王の力によるもの。
いつもより、女王の力を身近に感じる。
それとともに別の近しい、だがしかし、少し悲しいまでの黒い力をも感じるのであるが。
そんなサラの言葉に。
「私たちはこの宇宙の平和とそしてお前たちの無事を願っている。
  このはるかかなたのこの星から」
そういい、見送りにとたつパスハの言葉に。
「ありがとうございます。バスハさん。サラさん」
ふたりにぺこり、とお辞儀をしているアンジェリーク。
「それでは、いこうか」
ヴィクトールがコレットがコレットを促すのと同時。
「まってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
村の出入り口にとかけてくる赤い髪の少年が一人。
その声に思わずはっとなり。
村の中にと視線をむければ。
あわてて走ってきているメルの姿が。
何かこけそうになりつつも走ってきているのが気にはなるが。
「メルさん!?」
その姿をみて、思わず驚きの声をあげるコレットに。
「はぁはぁ…よかったぁぁぁぁ。間に合って」
息をきらしつつ、二人においつき、そんなことをいっているメルの姿が。
「メル。あなた今までどこにいたの?」
家の中にはいなかった。
夕べから。
そんなサラの問いかけに。
「あのね。お母さんとお父さんにいってきたの。メルはこれから旅にでるって。
  そしたら何だかみんな悲しくなっちゃって……
  ……きづいたらこんな時間になってたの。ごめんない」
しゅんとなるメルに。
「では、決心したんだな?戦いにいく、と?」
そんなバスパの問いかけに。
「うん!あのね。アンジェリーク。メルね戦うことはあまり上手でないかもしれないけど。
  役に立てるようにがんばるから。だからメルもつれてって!」
そういっていってくるメルに対し。
「もちろんです!メルさん!」
メルが力になってくれる。
そう思うと力がわいてくる。
メルからすれば、憧れの存在でもあるサラと、そして、サラを支えているパスハ。
いつも彼らのようになりたい、強くありたい、と願っていた。
だから…逃げない。
この運命から。
そう心の中で自分自身にと言い聞かせ。
アンジェリークたちにと話しかけているメル。
そんなメルをやさしく見守るサラとバスハ。
彼らはメルを信じていたがゆえに、だからこそ決心してくれてとてもうれしい。
「ありがとう。感謝するぞ。メル」
ふかぶかとそんなメルにたいしてお辞儀をするヴィクトールに対し。
「えへへへ」
すこし照れくさそうにと微笑むメル。

「それではいきましょうか!」
そういって、にっこりと笑うコレットにたいし。
「どこにいくの?」
「……ん?」
素朴なメルの問いかけに。
思わず、その質問にその場にて歩き始めた姿勢のまま、固まっているコレットとヴィクトール。
「……そういえば……」
そのままの姿勢でつぶやくコレットに。
いまだにかたまっているヴィクトール。
そんな二人をみて、あきれつつ。
「さては…あなたたち、これからどこにいくか、決めてなかったわね!」
思わずあきれ、そして苦笑しつつも問いかけるサラ。
「あ……あはははは……」
「う……うむ……」
そんなサラの図星の指摘にただ笑うしかないコレットと、罰の悪そうにつぶやくヴィクトール。
そんな二人をみつめ、苦笑しつつ。
「ふふ…何だか気がぬけてしまったな。」
珍しく笑みを浮かべるパスバに。
「アンジェリークってば、あわてんぼうさんだなぁ」
ははははは。
しばし、村の出入り口にと。
彼らの笑い声が響き渡ってゆく。


「さて。それじゃあどうするか。あと残っているのはセイラナ、ティムカ。エルンスト。
  それと…庭園にいた例の商人、チャーリーだな」
「あ、そういえば、ティムカさんから即位式の案内状がきてなかった?メルにも招待状きてたし」
ふと、ティムカの名前をだされ、そのことに気づいて声をあげるメルの言葉に。
「そういえばそうだったな。
  たしか俺のところにも…ミッションが終わってからいこう。と思っていたからな」
ふとそのことを思い出しつぶやくヴィクトール。
そんな彼らの言葉に。
「王となれば自由もきかないだろう。その即位式の前にティムカに会う必要があるな」
そういいきるヴィクトールの言葉にたいし。
「だとしたら急がなくてはいけないな」
「王宮のある大きな惑星なら、星の街道もつながっているはずよ」
バスパとサラの言葉に。
「では、迷っている時間はありませんね。星の小怪を開きます。
  いきましょう!ティムカさんのいる惑星へ!」
コレットの言葉に従い。
「では、いくか。」
「サラお姉ちゃん、パソパさん。メル、絶対に帰ってくるから、お土産話まっててね!」
「気をつけてね。みんな」
「幸運を!」
そんな二人の見送りの言葉をうけ。
そのまま。
宇宙移動の際にと設置された、星の小怪にむけて。
足をすすめてゆくコレットたち。
彼らがむかうは、次なるは。
ティムカがいるという、白亜宮の惑星…


          -第8話へー

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あとがきもどき:
薫:ちなみに、メル、つまり龍の惑星においてのエビソード。
  知っているとは思いますが。PS版には登場しません。
  PS-FX版のアンジェリークにてあったイベントですので。あしからず・・・・
  このイベントをも踏まえて、せっかく第一陣がOAV化したんだし。
  SP2とこの天空もOAV化しないかなv
  しかし・・・・アリオス登場は次回かな?みゅう・・・・
  何はともあれ、次回。白亜宮の惑星ですv
  んではでは、また次回にてv

2004年7月4日某日


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