まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

うにゅう。最近打ち込みしてたら、ルナ(猫)何がいいたいんでしょうねぇ。
どうでもいいけど、遊んで!というわけでなく。ただただ、手にすりよってくる……
もしもし?打ち込みできないんですがぁ?(笑

#####################################

メビウス・レクイエム   ~第5話~

「ロザリア様!」
ざっ!
いきなり出現した、この聖地を本来まもるべき守衛たち。
だがしかし。
ガッン!
「……あ、あの?ロザリア様?」
躊躇なくその手にしているロッドにて、そんな守衛を殴り倒しているロザリアに、
思わず目を点にして問い返すコレット。
「そうだわ。あなたにこれを。」
そういいつつ。
ごそごそと、いったいどこに隠し持っていたのやら。
スカートの下より一振りのロッドをとりだし、コレットにと手渡してゆく。
それは、蒼い石が組み込まれているシンプルなロッド。
「それは青のエリシア、といって、あなたの力を引き出してくれるものよ。
  それで、あなたの内にと眠る力が開放されるわ。使い方はそのロッドが教えてくれるはずよ」
そういいつつ、ロッドをコレットにと手渡すロザリア。
「?」
首をかしげつつもそのロッドをうけとる。
と。
ロッドからあふれるばかりの力をかんじられる。
それは、まるで、体内、というか、自分自身の内側からあふれ出るかのごとくに。
「ロザリア様?これは!?」
その力の充実感に思わず驚き問い返すが。
「女王の力をひきだしてくれる。それが蒼のエリシアのロッドよ。あなたならそれを使いこなせるはずよ」
確かに。
ロザリアのいうとおり。
ロッドを手にしたその刹那。
脳裏に様々な力の使い方が、手にとるよにと感じられる。
自分にこんな力があったのか。
と思わず驚きを隠しえないが。
「ありがとうございます。ロザリア様。でも。あの…その人はいいんですか?」
そこに先ほどロザリアにと殴られて。
気絶している男性を指差し問いかけるそんなコレットのその言葉に。
「いいのですわ。目覚めたらおそらくは夢とおもうでしょうし。
  何よりも今は時間が惜しいですしね。とにかく、聖殿にひとまず」
「はいっ!」
そのまま。
ばたばたと、聖殿にとむけて、ロザリアとコレットは。
そのまま襲い掛かってくる人々をさらりとけちらしつつも、聖殿にとかけてゆく。

「……何だ……あの娘は……」
心がざわめく。
一瞬、その姿を捉えたときに、
……エリス!?
そう、思ってしまったのは、まずは仕方ないと思う。
髪の長さは違えども。
たしかに、その顔は……
だがしかし。
「ふっ……我ながら何を馬鹿なことを…エリスは我の目の前で……」
不安を感じ。
急いで宮殿にともどったあのとき。
目にしたのは。
宮殿のとある部屋から飛び降りる最愛の人の姿と。
そして、飛び出したその部屋の窓よりのぞいているひとつの人影。
胸元などが乱れていることから、何があったのかは容易に想像がつく。
皇帝の側室に。
そう、声がかかったのは数日前。
だがしかし、彼女はきっぱりと断った。
自分のいるべき場所は彼…レヴィアスのそばだから。
といって。
だが。
それが、新たな皇帝・・すなわち、レヴィアスにとっては従兄弟にあたる彼には。
自分に振り向かない女性など、それは信じられないこと。
ゆえに。
無理やり実力行使に出ようとした結果。
純潔を貫くため、そして、レヴィアスとの愛を貫くためにと。
逃げ場のないその部屋より選択したのは。
自ら、窓より飛び降りること。
あのとき、もう少し早くにもどっていれば……
また、あまりのことに動転して、何もできなかった自分。
あのとき力を使っていれば……
落ちてくる彼女を受け止めれば、失うものなどはなかったのに。
最後の彼女の言葉が脳裏に横切る。
―― レヴィアス…ごめんなさい…あなたは…あなたはあなたの幸せを…
彼女のいない世界など、太陽のない世界など自分にとってはないにも等しい。
だからこそ。
彼女をよみがえららせるために。
また、正等なる血筋を証明し、皇位を取り戻すためにと。
力をつけ剣を磨き、そして復習を決行した。
「あそこまで似た人間がいるのか?いや…補佐官とともにいるということは。ただの人間ではないのか?」
確か、アンジェリーク。
と呼んでいたな。
あの娘のことを。
王立研究院のとある人物より、その名前は聞き出している。
この宇宙の女王と、少しまえに新たに誕生した、新宇宙の女王。
彼女らの名前が、共に。
『アンジェリーク』である。
ということを。
ならば。
「なるほど…補佐官殿は新宇宙の女王に救いを求めた……というわけか」
ちょうどいい。
どちらにしろ。
エリスの器とすべき存在は、ここの女王にとしようとしたが。
あそこまで生き写しであれば、エリスもきっと喜ぶはず。
それに。
同じ【女王】というのであれば。
その力がどのようなものか見極めるのもまた、ちょうどいい材料となる。
「…まずは近くで様子をみるとするか…」
計画を少しばかり変更する必要があるな。
そう思い。
そのまま、その場より瞬時に姿をかき消してゆくレヴィアスの姿。


しん。
静まり返っている女王の聖殿。
本来ならば、何ごとも争いごとなどあるはずのない、そんな聖域。
にもかかわらず、目に見えるまでにと破壊されている。
「…これは…陛下はご無事なんでしょうか?」
聖殿の中にとはいり、思わずつぶやくそんなコレットの耳に。
「そこにいるのは。ロザリア様!?それに……アンジェリークか!?」
ぱたばたと。
静まり返っている聖殿の廊下において足音と、聞き覚えのある声が。
その声に思わず振り向けば、そこにいるのは。
その顔半分にとかかってる傷跡がかなり目立つ、こざっばりとした軍服姿の一人の男性。
「ヴィクトール!?」
「ヴィクトール様!?」
そんな彼の姿をとらえ。
同時にと叫んでいるロザリアとコレット。
少し前の女王試験において、精神の教官をつとめていた。
王立派遣軍に所属している将軍・ヴィクトール。
ただいま31歳。
「ロザリア様。これはいったい!?いったい平和なはずの聖地に何が!?」
この惨状は聞かなくても、おのずから何かよくないことがここ聖地におこっているのだ。
と瞬時にと理解ができる。
かなり壊された壁や扉など。
しかも、ここに来る前までに出会った、本来ならばこの聖地を警備すべき人物などが。
まるで何かに操られたかのようにと、うつろな目で自分に襲い掛かってきたりもした。
これで、何もない、というわけはない。
「ヴィクトール。それは道々お話いたしますわ。今はそれより。女王陛下の私室へ」
確かにリモージュの気配は感じられるのに。
だがしかし。
どこにいるのかがわからない。
おそらく、彼女のこと。
何らかの書置きはしているはずである。
気配を感じるのは、東の塔のような気もしなくもないが。
だが、どちらかというと、宇宙全体から、確かに。
そこいらにリモージュがいるかのような感覚にといつも以上にと感じられるる
そんなただならぬ、ロザリアの神妙な言葉をきき。
「わかりました。ロザリア様」
こくん。
とうなづくコレットに。
「宇宙の危機と感じました。このヴィクトールも及ばずながら力になります」
そんな会話をしつつ。
彼らは聖殿の奥にと位置している女王の部屋にと向かってゆく。


「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!」
がばっ!
はぁはぁはぁ。
「……夢……うっ……」
ここ最近、常にと夢みるは、いったい何なのか。
宇宙に何かが起こっている。
それはわかるが、非力な自分に何ができるのだろう。
いつも、何か黒い影にと追われ、それから必死にと逃げている自分。
気になり、意識と精神を集中させ、水晶にと映し出した、とある映像。
それには…
聖地に何者かがやってきている様子。
何がどうなっているのかなんてわからない。
だけども。
星々の声がざわついている。
よく意味がわからないが。
かの人が戻ってきた。
戻ってきた。
そうささやく星の声に。
また、それと同時に。
闇の心をすくいたまわん、全ての世界を創りし存在コスモス・メイト
そんな星の声もが感じられる。
その意味は、彼にはわからない。
わからないが…
全ての世界を創りし存在コスモス・メイト
すべての宇宙というか星星とう空間そのもの自体を生み出せし存在。
そのことは、星の声を聞ける種族である火竜族である彼-メルだからこそ。
物心ついたときに、両親から、そして従姉妹から教えてもらって知っている。
何か尋常でないことが、この宇宙に起こっている。
そして…
「メルもそれに巻き込まれるの?……やだ……こわいよぉ……」
一人、布団の中。
震える赤い髪の一人の少年の姿が。
ここ、龍の惑星において見受けられてゆく。


「あ」
ふと、ロザリアが戻ってきた気配を感じ取る。
「とりあえず、この場を完全に安定させておきましょう。」
すでに、種というか布石はまかれた。
これより必要なのは、彼らの連結力と団結力。
といっても。
まだ誕生していない、その要となる魂を要している存在は。
今回の一件において、ゆっくりとではあるが確実に目覚めをもたらす。
「とりあえず、ロザリアもこの空間に招待するとしましょ」
ここならば、すべての場所の様子が瞬時にと確認できる。
すべての中心たる場所であるがゆえに。
彼女なら、この場でも大丈夫。
本来、ほかの存在ならば、この空間に入ったが直後。
その負担に耐えられなく魂ごと消滅してしまうのが基本なのだが。
だが、彼女と、そして、そのほか、特定の数名だけは話はべつ。
そしてまた…彼。【エリオス】もそれは同じこと…
彼もこの空間にたえうる魂の持ち主だからして…



「しかし、女王陛下のお力で加護がされているこの聖殿をここまでにするとは…その存在とはいったい?」
ここは、宇宙でももっとも強固な結界が施されているそんな場所。
にもかかわらずに。
女王が住まう聖殿がここまであらされるとは。
しかも、話をきけば、守護聖たちもまた、捕らえられたとか何とか。
「それは私には、何とも。ですが、陛下はおそらくすべてがわかっておられるのだと思いますわ。
  この地に住まう一般のひとびとには害をなさないように、少しばかり空間をいじり。
  彼らには被害でないようになさってますし。霧を使って」
聖地にと立ち込める霧は。
そこに住まう一般の人々を霧の向こうの空間にと閉じ込めている。
彼らからすれば、眠っている状態において。
そうなっているがゆえに、何の不都合も感じていないのが現状であるが。
「とにかく、私は東の塔にいって、女王陛下をお助けするわ。
  それが、私の…女王補佐官である私の役目だもの」
どうやら、女王は東の塔にとむかい、そこに閉じ込められているらしい。
そのことが、女王の私室にと置かれていた書置きにて彼女が向かったのが東の塔であること。
そしてまた。
その東の塔にとかなりの人数の操られている人々が警戒態勢を引いていることから。
女王であるリモージュがそこに閉じ込められていることは、間違いようのない事実。
そんなロザリアの言葉に。
「しかし、ロザリア様。お一人では……」
心配そうな声をかけるそんなコレットに対し。
「私は大丈夫。それより、アンジェリーク。あなたには守護聖達のことをお願いいたしますわ。
  彼らもみすみす敵の手につかまっているとは思えません。
  ですが、相手はあくまでも操られている一般市民。
  彼らが力を使わないのもそういうことですし。私も女王を助けたら、伺いますわ」
そういうロザリアの言葉に。
「いえ。ロザリア様。アンジリェークはこの私が責任をもって守り抜きます。
  ロザリア様は一刻もはやくに女王陛下を。
  女王陛下の御身に何かあれば、この宇宙は消滅してしまうのですから」
そんなロザリアにと答えているヴィクトール。
「そうね。ヴィクトールなら任せられるわ。アンジェリークをお願いね。
  そうだ。龍の惑星にと戻っているメルをたずねてごらんなさい。
  かの一族は星星の声を聞くことができる種族。詳しい話がわかるかもしれないわ。
  それじゃ、私は陛下のもとに!アンジェリーク。星の小怪の使い方はわかるわね?」
東の塔にとむかおうとして。
ふと。
そのことに気づき、とりあえず確認の言葉を発するそんなロザリアの言葉に。
「はい。大丈夫です」
……多分。
その、多分、という言葉はどうにか胸にと飲み込み。
今は私がしっかりしないと。
女王陛下もそれに守護聖様たちも、私たちが生まれ育ったこの宇宙が大変なことになってるんだから。
そう自分自身に言い聞かせ。
きっぱりとロザリアにと返事を返しているコレット。
そんなコレットの言葉に微笑み。
「そうね。あなたも今では新宇宙の立派な女王だものね。
  それでは、ヴィクトール。新宇宙の女王アンジェリークを頼みます」
「はっ!ロザリア様もおきをつけて!」
そのまま。
聖殿の廊下において。
左右にと分かれてゆく彼らの姿がしばし見受けられてゆく。

アンジェリークとヴィクトールは。
かつての女王試験において占い師として貢献したメルをたずねて、
主星系ではない場所の銀河にと位置している、龍の惑星に。
そして。
ロザリアは、女王が捕らえられていると思われる東の塔へ……

ふぅ。
手がかりすらまったくつかめない。
「いったいどこにいってしまったというんです?ロキシー……」
有給を使い。
いきなり姿を消した親友の姿を捜し求め。
彼が消えた、という惑星にと赴いたものの。
だがしかし。
それ以上に、何か宇宙に異変が起こっている、というのは、漠然と感じられる。
それは…その星の人々の反応。
人っこ一人いない村などはざら。
「……いったい……この惑星で何があったというんですか…ロキシー…」
空をあおぎつつつぶやく一人の男性。

すべての出来事は、運命、という必然の流れによりつながっている。
物語は…今。
幕を完全にと開いてゆく……


          -第6話へー

Home   Top   Back    Next

######################################

あとがきもどき:
薫:何か最近、短め?・・・・・ま、キリのいい場所がこのあたり。になってしまうんだよなぁ・・・・・
  うーん・・・・・かといって、次なるキリのいい場所までやってたら。
  それこそいったいどれくらいの長さになるものか。
  一応、このアンジェシリーズ。読みやすさを考えて20前後で一つ終わらせていこう!
  というコンセプト、自分自身でつくってるからなぁ・・・みゅぅ・・・・
  まあ、どうでもいいぼやきはともかくとして。
  次回、龍の惑星…メルとの再会です。
  ちなみに、こちらのイベントは。PS版ではなかったやつです。あしからず・・・・
  何はともあれ、それではまた、次回にて。

2004年7月2日某日

Home   Top   Back    Next