まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
さてさて。ようやくやってきました。
天空の鎮魂歌編v何はともあれ、いっきますv
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メビウス・レクイエム ~第1話~
う~ん……
つぶやきつつも窓の外を具間みる。
外に見えるは、自分が守るべき宇宙の姿。
それらが星空として具間みえている。
「どうしたの?アンジェ?」
そんな窓の外をしばし眺めている、そんな茶色の髪の少女にと話しかけている金色の髪の少女。
「え?うん。惑星はできて安定してるのに、なかなか生命体って生まれないのね…」
自然などもきちんとすでに安定している。
それなのに。
肝心な別の動物など、といった生き物がまったくもって誕生していない。
今、この宇宙に生きている存在、といえば、数多とある大自然のみ。
それですら。
微生物が多少いるだけで、目に見える、たとえば、鳥や小動物。
などといった生命はいまだにもって誕生していない。
そんな茶色い髪の少女…アンジェリーク=コレットのその言葉に。
「う~ん。数値的には問題ないはずなんだけど。
でも、楽しみだよね。いったいどんな生物がはじめに誕生するんだろ。
海の中にいるのがブランクトンや海草など、といった生命だけ、というのも寂しいもんね。
時間率的には、ここでかなりの速さで視れるはずなんだけど」
そんなことをいいつつも。
その手にしている、何やらノートくらいの大きさのバソコンを。
ぱちぱちと入力している金色の髪の少女…レイチェル=ハート。
障壁をつくり、外界とこの場所、つまり、この聖獣の宇宙の聖地を隔離し。
時間率を変え、ゆっくりと、宇宙の育成に励んでいるこの二人。
すでに各惑星は完全にと安定し、また数個の銀河団も安定している。
後は……そう、生命体の誕生を待ち望むのみ。
「ま、ゆっくりと待ちましょう。二人なら、退屈しないですむし。
それに、楽しみだしね。私たちの育てた宇宙に。いったいどんな生命体が誕生するのか」
「うん。そうだね」
そんな会話をしつつも。
二人して、安定し、いつでも生命体が誕生できる下地はできているそんな星星のある空間。
それらがある星空を眺めつつ。
そんな会話をしている、新宇宙の女王とその補佐官の二人の姿が。
ここ、聖獣の宇宙の聖地の神殿の中にとある女王の私室において。
しばし見受けられてゆく。
「……ほう、ここは」
目的の定まらない空間移動。
自分ででもどこに移動するのかわからないが。
ただ、一番力にあふれている世界に。
そう望んでいたのは事実。
力が宇宙全体にと満ち溢れている。
しかも、何かこの力は…
「ほう。これは……」
すべての持てる力をもってして、この地にと移動してきた。
にもかかわらず。
この場所にたどり着いたそれだけで。
力が何か回復してくるような、満ち足りてくるそんな感覚は、いったい全体どういうわけか。
失っている力が……満ちてくる。
完全ではないにしろ。
しばらく、この『世界』にいるだけで。
おそらくは、完全に力は復活するであろう。
この『世界』にと満ちているその力。
それは、何となく覚えのあるような、そしてまた、暖かなものを感じなくもないにしろ。
「……この地は我が征服する。ここの『力』は我にとても似通っている……」
そう、似通っている。
自分のもっている力そのものに。
当たり前なのではあるが。
そもそも、彼は……
「まずは、この世界の仕組みの把握…だな。まあいい。てっとりばやく、人々を洗脳して……」
そのくらいの力はここにたどり着いただけで回復した。
人の精神を操ることのできるこの力。
産まれついて物心ついたときにはすでに備わっていた。
だが今までは、この力をあまり使ったことなどはない。
革命を起こしたときは別として。
確かに、聖なる結界は、この『世界』すべてにおいて張り巡らされている。
星雲系のハシであるこの場所であろうこんな辺境の場所にまで。
ここまで聖なる力が感じられるとは。
「…くくっ。我を受け入れたのがこの宇宙の運命、というわけだ…」
この世界の、この聖なるすべての大いなる力をすべて自分のものとして。
いずれ、あの世界に還る…絶対に。
そして…愛するものと…
そんなことを心に誓いつつ。
かつん。
そのまま、身を翻し。
自分が出現した、森の中の湖の湖面より水面の上をあるきつつ。
そのまま、黒いマントを翻し。
森の奥深くにと掻き消えてゆく金と緑の瞳をもつ、整った顔立ちの黒髪の青年が一人……
感じる力の源は。
どうやら、この星雲系の中心地帯から。
まずは。
情報を集めなければならない。
だがしかし。
この姿のまま、というのは。
瞳の色が異なる、というのもまた、目立つ要素に他ならない。
ならば…
革命時にとなぜか身についた力。
姿を変化させる。
とはいえ、特定の姿のみであるにしろ。
だが、今の自分には十分すぎるほど。
そして、その姿は。
力を温存するのにもとても役立ち。
また、普通のときよりも強い力が発せられるような気がするのは、おそらくは気のせいではないであろう。
魔道の力により、瞳の色を異なる色にと見せかける。
もし、その力をもっと早くに身につけていられれば…彼女があのような目にあうことも、
そのまま、王宮を出て、彼女と二人、新たな人生を始めることもできたのかもしれないが。
だが、それらすべては過ぎ去った出来事。
今はただ。
求めるのは……失った者たちの復活。
より力ある器の必要性。
まず、おそらくは。
平和な世界においても、必ず、といっていいほどに。
旅の剣士、というものは何かしらと存在する。
ならば、一番怪しまれないのは旅の剣士を装い、情報を集めつつ人々を操り力を手にいれること。
今いるこの惑星はかなり小さい。
このくらいの規模ならば、今の自分の力でも簡単にとすべての生命体を操ることなどは…可能。
「まずは…気づかれぬように、この惑星の中において、結界をはり。そして、わが手足に…」
上空より、大地を眺めつつ。
にやり。
笑みを浮かべて言い放つ。
その黒髪がざわり、と怪しく光る。
それとともに。
カッ!!!
一瞬、まばゆいばかりの光が、主星系からかなり離れた。
一般的には白き城跡の惑星。
そういわれている星全体にと広がってゆく。
ぎゃぁぁぁぁぁ!
何が起こったかなどとは、彼らにはわからない。
ただ、その赴くまに。
そのうちにと眠る野生の本能。
それらを目覚めさせ、それなりの姿になるように。
そう【力】をこめただけ。
精神力の弱いものは。
一瞬の光が収まった後には、すでにその姿は元の姿ではなく。
完全にとかけ離れた異形の姿。
魂の奥底に眠っていたりする野生の本能。
それらの姿が具現化したもの。といっても過言ではない。
そして。
自分たちが仕えるべきなのは……
人の姿を保ったままの人々は。
ある程度の力を備え持っているものたち。
ゆえに。
ゆっくりと、上空から降り立つ、黒い人影をみとめ。
「レヴィアス様!レヴィアス様!」
しばし。
惑星の内部において。
洗脳された人々の歓声と、そしてまた。
異形のものにと姿を変えた、人々や動物など、といった存在たちの叫びが。
古き城跡の惑星にと響き渡ってゆく。
「陛下?何ごとですか?」
女王試験も終わり。
そして。
新宇宙も安定し、新たな宇宙も確実にと進化を遂げている。
今宇宙は問題もなく、女王の愛の力にと満ち溢れている。
そんな中で。
どうして守護聖たちを招集する必要がある、というのであろうか。
そんなことを思いつつ。
玉座にと座っているリモージュにと問いかけているジュリアス。
謁見質に守護聖全員が集まったのをみてとり。
「ロザリア」
傍らにいる補佐官であるロザリアにと説明してくれるように促すリモージュ。
自分の口から説明したら……感情的になっしまうのが何となく目に見えている。
ロザリアにすらいえない、真実、というものが少しばかり苦しい。
だけども。
覚えていないロザリアに、過去のことを思い出させるのは…それこそ苦痛を伴わせるだけ。
そう、リモージュは判断している。
あまりに過酷であった、過去。
それから幾度も、幾度も転生を重ね。
また、宇宙を安定させるためにと、こうして表にと出てきているこの現状。
「それは私からお話いたしますわ。実は、先日。
陛下の張られた結界に、何者かが星域の外より触れ侵入した気配を陛下は感じ取られました。
問題は、その進入したモノの気配がたどり着いた先の惑星で。
何かしらの異変が生じているような気配なのです。
何が起こっているのか、主星系より完全に離れた辺境の地です。
それで、できましたら、守護聖の皆様にと調べにいってほしいのです。
とはいえ。ことを大げさにしたくない、という陛下の心遣いがあります。
よって…ゼフェル。ランディ。あなた方にその調査依頼を任せたい。
と陛下はおっしゃってますが、よろしいかしら?」
集まった守護聖たちを見渡しつつ。
にっこりと微笑み、そこにいる鋼と風の守護聖にと話しかけているロザリア。
「陛下。その異変、とはいったい?それにどうしてこの二人に?」
その人選にはちょっとばかり首をかしげさせずにはいられない。
もし、完全に異変、が起こっている、というのであれば。
そのあたりの対応にもっとも適切なものを派遣する、というのならわかるにしろ。
そんな質問をしてくるジュリアスの言葉に。
「ジュリアス。陛下の決定に何か問題でも?」
少しばかり強い口調で問いかけているロザリア。
「いえ、そういうわけではなくて。ですが、万が一のこともあります。ここはやはり…」
「ジュリアス。これは陛下が一番適切なメンバーを選んだのですよ?
その意味があなたにはわかりませんか?」
凛、として言い放つそんなロザリアの言葉に思わず口ごもる。
女王陛下のすることには、絶大なる信頼を置いている。
おいてはいるが……だが、その意味がわからない。
先の試験においても、その真実は初めのころには自分にはわからなかった。
それがはがゆくもどかしい。
「いいのよ。ロザリア。私から説明するわ。ジュリアス。
今あの地に必要なものは。あなたが今いっているようなものではないの」
あの子の手により、操られている人々。
洗脳が解けたのちに何よりも必要なのは。
やさしさと、そして、心と心をつなぐ器用さと、そして、互いにと認め合う勇気の心。
だが、今はやさしさよりも何よりも。
まず大切なのは、器用さと勇気のこころ。
何事においても立ち向かっていける強さと、物事を悪いほうではなく、
いいほうにと考えてゆくそんな器用な心。
瞬時にあの地の洗脳は解けるにしろ。
だけども。
できれば、自分が手を入れることはなくても、自らの意思でその束縛から解き放たれてほしい。
それが切なる願い。
「まあ、いけ、というんだったらいくけどよ」
「まあ、陛下には何かお考えがあるんでしょうし。わかりました。陛下。その任務謹んでお受けいたします」
そんなゼフェルとランディの言葉ににっこりと微笑み。
「お願いね。二人とも。大変でしょうけども」
その、『大変』というその真実の意味は。
今、この場においては、リモージュ以外には知るものがいるはずもなく…
かくして。
リモージュの依頼というか頼みによって。
二人の守護聖が、旧き城跡の惑星にと出発するのは。
それから数日後の出来事…
なるほど。
ちょうど、この惑星に調査に訪れたとある研究員。
それを捕らえることができたのが何よりの朗報。
遠隔操作では、操ることのできないその強大なる意思。
だがしかし、自身を目の前にともっていき、力を使えば話は別。
彼の口から、この世界においての、成り立ちがこと細かく語られてゆく。
この宇宙は女王を据え、その力でもってして宇宙は安定している、ということ。
その女王には補佐する存在が九人いる、ということ。
「……ふっ。うってつけだな……」
自らを慕い、そして集まっていた騎士団もまた、九人。
ならば。
この宇宙を制する自分の側近ともいえる彼らの器は。
それらの肉体を借り受ければいい。
そして、女王の器には彼女の魂を…
そうすれば、すべてうまくいく、すべてが……
捕らえた彼はとても優秀で。
しかも、この宇宙の中心である、という、『聖地』と呼ばれる場所にいったこともあるとか。
そして。
聖地の門は、常にと特殊な結界にて、敵意あるものやそのほかの用事のないもの。
そういったものは受け付けない仕組みとなっている、と伝え聞くが。
だが、そんなものは、自分の前には何でもないこと。
「まずはその聖地のある、という場所に案内しろ。ロキシー 」
捕らえたのは、辺境の惑星の生態を調べるためにとやってきていた。
主聖の王立研究院にと所属していた、研究員ロキシー。
これは、偶然か必然か。
いや、運命が我に味方しているのだ。
そう思い、はからずとも、笑みがこぼれてゆくレヴィアス、と呼ばれた青年の笑い声が。
しばし、その場において響き渡ってゆく…
「何か変だとおもわないか?」
「ああ…確かにな」
確かに。
きちんとした正式訪問であるがゆえに。
報告はいっているはず。
にもかかわらず。
出迎えの一人もいない、というのはいったい全体どういうわけか。
まあ、堅苦しいのは嫌い、とはいえ。
人っこ一人の姿がみえない。
というのは、あきらかにおかしい。
「もしかして、村とかの中で準備してるのかな?この星の人たち?」
そんなランディの言葉に。
「げ~。簡便してくれよ。俺、そんな堅苦しいのはごめんだぜ」
そんな会話をしつつも、次元回廊の扉をくぐり。
この地、旧き城跡の惑星にとやってきているこの二人。
と。
前方から数名の人が近づいている気配を感じ。
「あ、どうやらお迎えがきたみたいだ。お~い!」
などと手を振っているランディにたいし。
「おいまて。ランディ!何か様子がおかしいぞ!?」
のんびりとしたランディとは対象てきに。
瞬時にその異様、とまでいえるその気配に気づき。
忠告を促しているゼフェル。
そして。
「守護聖様がたですね」
一人の男性の問いかけに。
「ええ。そうです。あなた方がお迎えのかたがたですか?」
「ばかっ!ランディ!」
相手の目が何かおかしい。
そういうのにまったく気づくこともなく、正直に相手の質問にと答えているランディ。
そんなランディをたしなめているゼフェル。
ジャキっ!!!!!
「われわれと共にきてもらおう!」
そんなランディの言葉をうけ。
二人の周りを取り囲む数十名の男たちの姿が。
…その手には、様々にと銃などといった武器を個々にと手にしており……
「え!?その!?あの、いったい!?」
「馬鹿!ランディ!こいつら、何か正気じゃねえ!逃げるぞ!」
逃げようとしたゼフェルに向かい。
ドッン!
躊躇なく発せられる銃の一撃。
それは、ゼフェルの足元の大地にと命中し、ちょっとした穴を作り出す。
「「・・・・・・・・・・・・・」」
あまりの出来事に思わず顔を見合わせる二人に対し。
「さ。きてもらおうか!」
相手は一般人。
しかたなく、そしてまた。
この現状の意味を確かめるべく、おとなしく男たちにと捕まる二人の姿が。
しばし見受けられてゆくのであった…
まっていろ……すぐにわが力をもってして……
悲しみにいろとられ、本質を見失っている彼のもとには。
リモージュの…否、アンジェリークの声は届かない………
-第2話へー
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あとがきもどき:
薫:次回にて、聖地の動乱、ですかね?
もっとも。リモージュ、そのあたりは抜かりはないですけどね(こらこらこら)
何はともあれ、それではまた、次回にてv
2004年6月27日某日
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