スイート・メモリーズ     ~第34話~

この星は意思の力により、その星を覆うバリアと星の平和が保たれている。
敵意をもった外敵は、そのバリアがはたらきこの星の中には入れない。
また外からの攻撃もまたバリアにてはじき返す。
そして。
この星は。
ちょっとした流星郡の中に位置しているためか。
いまだに【かれら】には見つかっておらず。
そしてまた。
だからこそ。
といえるのかもしれない。
長年にたまった人々や命の叫びが。
一人の少女の形をとり、そして希望の光となったことは。
だが、いくらなんでも存在達、世界そのもの、といっても過言でない。
あまたの星星のそして意思をうけ、誕生した魂とて。
すべてが何もかもできるわけではない。
わかりすぎるからこそ、その悲しみ、そして苦しみは計り知れない。

――マルセルはまだ、完全には【人の死】などに行き当たったことはあまりない。
かつて自分がちょっとした出来心で引き抜いてしまったときのあの剣。
それとか派遣されて具間みたとある惑星。
だがそれらも、この世界とは完全に様子が違う。

―…一人の少女の意思によって、平和が保たれているこの惑星。
それはどこかまるで自分たちの世界、女王陛下が治める宇宙とも何となく姿が重なる。
陛下はこんなに重いものを背負っているのか。
認識を改めさせられる。

この数日で。
わかったことがただひとつ。
それはどうやらこの世界、というか宇宙全体で戦いが続いている。
ということ。
すでに大人、という大人は戦争に借り出され、もはや残っているのは子供たちのみ。
そしてまた。
彼女たちのようにこの惑星に避難させてもらえた存在たち。
それもすべては、様々な惑星よりアンジェリークがこの星に避難させたのであるらしい。
ということ。
まだそれがすまない子供たちやそしてその星星に住む存在は。
自分の意思とは関係なく、そのまま戦乱に飲み込まれそのまま消滅してゆく。
というのがこの世界の現状。
何しろ生物などがすんでいる惑星を、惑星外からエネルギーを得るためだけに。
戦争をしている存在たちは攻撃し、星そのものを破壊し、吸収してゆくのであるからして。
何も抵抗する術をもたない力ない命は。
ただただ翻弄されるのみ。

「――いつからこの戦争が始まったのかはわかりません。」
いくらいっても、できうる限りの命を助けたい。
そう願うアンジェリークは。
今日もまた、たった一人の力で。
自分の声をそして宇宙に宿るその意思のままに。
自分の声をのせて。
心ある命たちにと語りかけ。
そして。
どうにか、ただひとつ。
彼女とそしてこの星にと集まっている命たちの願いによりて。
戦乱には巻き込まれずにバリアによっていまだ発見されていないこの惑星に。
どうにか移住させようと。
今日も今日とてアンジェリークは一人がんばっている。
そんなアンジェリークをサポートしているのは。
彼女の親友であるロザリアナと。
そしてたった一人の肉親でもある弟のエリオス。
彼らが彼らが神殿、とよんでいるその奥にと引っ込んでしばらく。
記憶を失った、と思われているマルセルに、別の少年が今の状態を説明してゆく。

いつのころからか心をもった存在たちは、豊かさにおぼれてゆき。
そしてその豊かさは更なる豊かさを求め。
はじめは星に眠る資源を食い尽くした。
それは木々であったり自然であったり、または地下にねむっている、資源であったり。
だがそれは当然のことながらそうは時間はもたない。
そして次に目をつけたのが太陽の光。
それは確かに人々にかなりの豊かさをもたらした。
だが、人の欲望とはつきることがない、というのはこのことかもしれないが。
よりよい力を、更なる豊かさを。
そう求める存在たちは。
自分たちの住んでいる惑星よりも外にでてゆき。
そして……
「それからはもう……」
あるとき、星が消滅する場面に存在たちは出くわした。
そのエネルギーはかなりの高密度で。
しかもそれを利用できる装置とそして知識と技。
それをもっているとすれば。
――もはやすることは決まっている。
始めはただただ星が消滅する場所を特定し、そのエネルギーを奪っていた。
だがいつのころからか。
当然星はいつもどこかで確かに消滅しているものの。
そう簡単には消滅している場所にすんなりと行き当たるものではない。
それならば。
― 自分たちの手で壊せば簡単にエネルギーが手に入る ―
…そして、それがもうこの宇宙全体では当然のことになっているのだ。
「豊かさを求める。たしかにそれはいいことなのかもしれないですけど。
  ……度の過ぎた力は人々を堕落させますよね…戦争にまでもってゆくように……」
ぽつりとつぶやくその少年の言葉が、マルセルの心にとどきゆく。


                -第35話へー

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あとがきもどき:
薫:・・・・・・みゅぅぅ・・・・・。
  とりあえずもう11月なんですよねぇ。
  もーすこしでこのつたないサイトももう二年かぁ・・・。
  はやいなぁ(しみじみ)
  そういいつつもいまだに作業途中のページがあるのはこれいかに?(かなりまて)
  オリジ、いい加減にまともに作らないとなぁ・・・・ページ・・・。などと思う今日この頃。
  でも多分当面はスレの狭間完結…かな?
  それとこのスィートの。それか同時進行で第一弾、第二段。
  両方のアンジェリークを進行させてゆくかなぁ・・・小説・・・・。
  何はともあれ。マルセルが見ている夢はあくまでも夢。
  あれはアンジェリークが見せているものです。あしからずv
  だって女王のサクリアをもつ女王候補たちが。守護聖様たちの様子を夢でみれるんだから。
  逆に見せることができてもおかしくはないはず!(かなりまて)
  という考えより、マルセルのこれができてたりして。
  しかもこのアンジェリークは宇宙空間の意思そのもの。
  という何といっても『全ての世界を創りし存在コスモスメイト』それが正体だしねぇ。
  でもま、完全にはまだ打ち込みしてないメイン(?)小説の。
  ネタ晴らし、にはなってない・・・・とおもう(かなりまて)
  次回、マルセルが勝手に育成発覚。をお送りします。それではvまたいつか・・・・
  2003年11月2日某日…

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