エル様漫遊記・~白銀の魔獣編~


「……ゼロスか……」
入口をくぐったとたん、ゼルガディスがはき捨てるようにつぶやく。
足元に転がっているのは、一つの獣人の死体。
その首の上だけがきれいに吹き飛んでいたりする。
「リナさん、ゼルガディスさん。あのゼロスさんって、どんな技を使うんですか?」
アメリアがそれをみつつ、なぜか聞いてくる。
「知らん。俺も直接目にしてことはない。リナ、あんたなら、知っているんじゃないのか?」
首を横にふりつつも、あっさりと答えあたしに聞いてくるけども。
「知ってるけど?ゼロスの得意とするのは、精神世界面アストラルサイドからの攻撃よ。
  他も知っているけど♡知りたい?どうしても?後悔しない?絶対vv」
くすくす笑いながらいうと。
「……精神世界面アストラルサイドって…いや、いい。聞かないほうがいいような気がする……」
「同感です。」
同時にいうゼルガディスとアメリア。
「あら♪根性ないわねぇ♡」
「そ~いう問題でもないと思うぞぉ?」
ガウリイがぽりぽりと顔をかきつついってくるが。
「とりあえず奥に進みましょう!!悪を野放しにはして置けませんから!!」
アメリアがちゃっかりと話題を変えていたりするが。
「確かにな。」
アメリアの言葉にゼルガディスもうなづき。
とりあえずあたし達は、そのまま奥にと進んでゆく。

面白いことに、多少派手にやっているゼロス。
始終、アジトのあちらこちらから爆音が鳴り響く。
「―あいつ……何を考えてる!!?」
なぜか、ゼロスに対して舌打ちしているゼルガディスだけど。
「あら♪陽動作戦でもしてるのよ♪
  あちこちらに、攻撃呪文叩き込んだら、あわてた連中が、写本の回収に向かうでしょ?」
「それもそ~ですね。」
アメリアがその言葉に納得する。
「…偉く危険な賭けだな。まかり間違えば、写本も灰になるじゃないか……」
ゼルガディスがにがにがしくいうが。
「あら♪そんなの分かる場所においてあるはずないでしょ♪
  それに、あたし。ゼロスにはあれをゼルに見せるようにいってるのよ♪
  その言葉を無視したらどうなるか……くすvv」
にっこりと笑うあたしに。
「……リナさん……怖いですぅ……」
アメリアが面白いことにゼルガディスにしがみつく。
「ま。確かに。あんたを怒らすようなまねをゼロスがするかどうかだな。」
それですませていたりするゼルガディスだけど
なんか、以上にリナに対して、怯えてるし……
そんなことをおもっているようだが。
「ま、リナを怒らすようなまねは…なぁ。何しろ、魔王でもやっつけるリナだしなぁ。」
ぽつりというガウリイ。
そんなほのぼのとした会話をしていると。
ごうん!
近くで聞こえる爆発音。
「あっちか!」
「あっちですね!!」
音を頼りに同時に走り出しているゼルとアメリア。
そんなあたし達の目の前を横切る人影が一つ。
ちらりと、その彼――バルグモンはこちらに視線を向けてくるが、
「ちぃ!」
一つ舌打ちしただけで、かまわずに走ってゆく。
「追いかけるぞ!」
いって、ゼルガディスはそのまま、バルグモンの後を追いかけ始める。

やがて、角や階段を数回曲がったり、下りたり登ったりしていると。
バルグモンの背がやがて一枚の扉の向こうに消え去ってゆく。
あわてて、追いかけ、駆け寄るゼルガディス。
だが、扉は開かない。
「駄目だ。鍵をかけられてるぞ?」
分かりきっていることをいっているガウリイ。
そして、そのまま、
キィィィン!
剣を抜き放ち一閃させる。
それと同時に、かん高い音がして。
すぱっ。
ものの見事に、扉を抜ききるようにして斬っているガウリイだけど。
別に鍵を壊すだけでいいのに♡
「ガウリイさん……すごい腕してますよねぇ……」
なぜか感心しているアメリア。
「人間、誰にでもとりえくらいはあるものさ。いくぞ。」
いって、ゼルガディスはくりぬいた扉から部屋にと入ってゆく。

そこは、小さな礼拝堂。
奥には、祭壇と、全然実物に似ても似てつかない、部下Sの、シャブラニグドゥを表した像。
そして、向かいにもう一枚の扉。
バルグモンはその扉に手をかけて、扉のノブを回す。
開いたその目の前に、黒い姿が佇んでいる。
「―…貴様!?」
驚愕するバルグモンが動くより早く、
ポン♪
コミカルな音をたてて、バルグモンの頭が瞬時に粉々に吹き飛び消え去ってゆく。
しばらく血もでなかったが、やがて、じわりと残された首から血しぶきが上がり、
魔王の像を赤く染め上げてゆく。
そのまま、残った体は、ずるりと崩れ落ちているが。
そのままにこにことしつつ、手に一枚の紙切れをもち、奥の部屋からでてくるゼロス。
「ふむ、間違いなく写本ですね♡まんまと僕の陽動にかかってくれて、助かりました♡」
手にしている紙をみて、いっているゼロス。
「はい♡ごくろ~さま♡ゼロス♡じゃ、それちょっと、ゼルガディスにみせてあげてね♡
  あ、ゼル。見終わったら、こっちにもどしてね♡」
まあ、こんなに不完全なもの、残しておいてもねぇ♡
ゼロスとゼルに交互にいうと。
「……みせるだけですよ……本当に……」
しぶしぶとゼルガディスにいって。
なぜか、頭をさげつつあたしに手渡してくるゼロス。
その額からは大量の汗。
だからぁ、そこまで怖がらなくてもいいじゃないのよ!
「はい♡ゼル♡読んだらこっちにもどしてね♡」
「あ……ああ。」
手渡されたその紙を受け取るゼルガディス。
しばし、しばらく目を通すが。
やがて。
「―ふぅ……約束だからな……」
ため息一つつき。
いって、紙切れを返してくる。
「はい♡ゼロス♡」
「どうもすいません。一応これが僕のお仕事ですから……」
なぜか恐縮しつつ、ゼロスはそれを受け取ると、そのまま、写本を目の前にかざす。
と同時に。
ぽっ!!
瞬時に紙は灰と化す。
「やれやれ。これで僕のお仕事はおしまいっと♡」
どこか疲れたようなゼロスの声だし。
『な゛!?』
それをみて、驚愕の声を上げているゼルとアメリア。
「……燃やす……だと!?」
ゼルがゼロスをにらむが。
「あら♪ゼル♪あんな中途半端なもの、残してても仕方ないじゃないのよ♡」
「そういう問題ですか?」
アメリアがつっこんでくるが。
「当然♡」
即答するあたし。
なぜか、しばし黙るアメリアとゼルガディスだけど。
「あ……あの?仕事は一応終わったので、後は僕……
  高みの見物………ってわけには……いきませんよね?やっぱり……はははは……」
「ゼロス、大丈夫か?汗、すごいかいてるぞ?」
あたしに質問するために、なぜかすごく汗をかいているゼロスをガウリイが心配していたりするが。
扉の外にと三つの影が出現したのはそんなとき。
クロツとその取り巻きの獣人二人。
彼らの視線の先には、足元に横たわる頭なき死体。
「―バ……」
なぜかよろりと膝を折るクロツ。
「バルグモン!」
頭はなくても、着ているものと体格で誰かは確認できるけど。
でも、いくら何でも気配やオーラでわかりなさい!!
死んでるから魂のオーラはないにしろ、残像エネルギーってものがあるんだから!
きっと顔を上げるその瞳にはあきらかにあたし達に対して憎悪の色。
「貴様たちだな・・・貴様たちがバルグモンを・・・」
クロツがいいかけると。
「やったのゼロスだぞ?」
馬鹿正直に答えているガウリイ。
「……あの、ガウリイさん……そう正直に何もいわなくても……」
手をぱたぱたと振りながらいうゼロス。
「一人でやって、できることじゃあるまい!下らん嘘をつきおって!!写本はどうした!」
ムキになってくるクロツ。
「普通その程度なら、誰でも一人でできるってば♡」
にっこりというあたしの即答に対して。
「やぁ♡処分させていただきましたよ♡クロツさん♡」
にこにこにこ。
いつものにこにこ顔で答えるゼロス。
「……いいだろう。」
あくまでシラを切る気なら……
などと勘違いしまくっていることを思っているクロツ。
「ヴァイレウス!!ルーディア!!」
傍らに佇む獣人達に声をかけ。
『はっ!!』
同時に、声をハモらせ、ずいっと前にでてくる二人。
「―…クロウズを目覚めさせろ。」
その瞬間、面白いことに二人が石化する。
「―…い……いけません!クロツ様!」
「あれは、もう。クロウズなどではありません!!下手をすると!」
大声で抗議をしたりしていたりするけど。
「何を騒いでいるんですかねぇ?」
アメリアがキョトンとしてつぶやいてるけど。
「ああ。これがもう一つ、あるのよ♡」
いって、デュクリスがもっていたゼナファアーマーの不完全版を手にして説明すると。
それをみて、驚愕するクロツ。
「な゛!?なぜお前らがそれを持ってる!」
ロコツにわめくクロツ。
「リナさん、もう一体あるということは!?すなわち、そちらを破壊しないと!」
さらりと言ってくるアメリア。
「それもそ~ね♪じゃ、そっちを破壊しにいきますか♡
  行くわよ♡ガウリイ、アメリア、ゼロス、ゼル♡」
なぜか驚いているクロツを無視してその場に置き去りにし、
そのまま、隠し通路の奥にある道にと進路を進めてゆくあたし達。
しばらく呆然としている彼らだが、はっとわれにと戻り。
始めに我に戻って追いかけてきたのは、先ほどの獣人達でもあるヴァイレウスとルーディア。
そしてあたし達に追いついてから、言葉少なまでも聞いてくる。
「……あんたら、クロウズ……。いや、ザナッファーを始末する気か?」
「ま~ね♪ま、すでに、クロウズは喰べられちゃってるけどねv」
「……リナさん……それって……」
「……まさか……」
あたしの言葉に汗を流しているアメリアとゼル。
「―…ザナッファーは完成した。と昨日クロツ様がおっしゃっておられたからな。」
にがにがしくいってくるルーディァ。
「しかし、何だって、そんなことを知っているんだ?お前ら?
  ザナッファーが生きている鎧だなんて、まだ一言も言ってないぞ?俺は?」
ヴァイレウスがいってくる。
「あら♪誰でもわかるって♪それに、あれ、完成とはいえないからね♪不完全だしvv」
「いやぁ、完全版を人間に作られたら、僕らは困りますが♡」
にこにこといっているゼロス。
「あら♪エルフ達が完全版、作ってるじゃない♡」
「……え゛!?本当ですか?」
あたしの言葉にゼロスが汗を流し。
「……どこまでの威力……大量生産でもされたら……」
ぶつぶつとつぶやき始めていたりする。
「??不完全とかどうとか意味が分からないが。
  とにかく動き出したあいつは何をやってもうけつけん。」
ヴァイレウスの言葉に。
「そんな!!でも大丈夫!正義の心がある限り!!勝利は私達の味方です!」
などといっているアメリア。
「ま、マゼンダごときじゃあかなわないでしょうねぇ。ましてや、人間じゃぁねぇ♡」
「まあ、あれは不完全ですから、下級の輩にも効きませんがね♪」
くすくす笑うあたしに。
にこにこというゼロス。
「ともかく、急ぐぞ!リナ!」
ゼルガディスの声を合図に。
あたし達は、奥に奥にと進んでゆく。
しばらく奥にと進み始めると。
「まて!貴様ら!!」
後ろからかかるクロツの声。
「あらあら、しつこいわねぇ。ゼロス、こいつ、あんたに任せるわ♡好きに遊んで♡」
「えええ!!いいんですか!!!?」
あたしの言葉に瞳を輝かせているゼロス。
ストレス発散。したかったんですよねぇ♡
などと、かなり喜んでいるが。
「それじゃ。あたし達は先を急ぎましょvv」
そのまま、その場をゼロスに任せ。
進んでゆくあたし達。
「まてというのに!」
クロツが何やら騒いでいるが。
「あ~、クロツさん♡貴方のお相手は僕がしますので♡」
にこにこと、本気で喜んでいるゼロス。
なぜか、かなりストレスがたまってるようだけど。
ま、いっか♪


一番奥の部屋。
扉をくぐりその部屋の中ほどにあるケースの前にあたし達は佇んでいる。
「あら♪結構成長してるじゃない♡」
「……まるで、竜が鬣をもっている鋼色の狼……だな。」
ゼルがつぶやく。
「あの銀色のムチ……なんか触覚みたいだな。」
のほほんというガウリイ。
あら、わかってるじゃない♡
「こ……これがザナッファー!?」
アメリアが思わず絶句していたりするが。
そんなケースの中身をのんびりと眺めていると。
―ごうん!!!!
建物が崩壊する程度の些細なゆれが建物全体を襲ってくる。
あらあら♡
好きにしなさい♡
とはいったけど、別に力をつかわなくてもねぇ♡
かなりゼロツのやつは、ストレス発散とばかりにしてるようね♡
その振動をうけ、目の前の容器にとピシピシと亀裂がはいる。
「!?容器が割れるぞ!」
ゼルガディスがそれに気づき何やら叫ぶと同時。
ぴしっ!
ぱりぃぃん!
ざぁぁぁっ!!

ザナッファーの入っていた入れ物が今のゆれで壊れ、中から出てくるザナッファー。
その直後。
じゃ!!
そのまま、目覚めた瞬間に閃光吐息を吐いてくる。
そして、正面をガウリイのほうにむけて、そのまま立ち上がる。
ガウリイはブレスの直後、すでに剣を抜き放っていたりするけど。
ま、こういったときのガウリイは一応は反応いいからねぇ。
「……ちっ。やつめ……俺達なんぞ眼中にはないとさ……」
いいつつ、小さく舌打ちしているゼルガディスに続き。
「知ってるんですよ。自分の倒せるものはガウリイさんの光の剣だけだって。」
アメリアがいう。
「あら♪そうでもないわよvv」
くすくすとわらいながらいうあたしの言葉に。
「?どういうことだ?それは?」
「リナさん?」
尋ねてくる二人だけど。
「あ。そういえば、アメリア♡
  この前、どうやって、S…もとい、魔王のやつを倒したか知りたいっていってたわよね♡
  それ今からみせてあげるわ♡ま、ちょっと、かなり力を抑えてる術になるけど♡」
「お……おい!!リナ!!」
ガウリイが何やら叫んで止めようとしてくるけど。
「あ♡危ないからさがっておいてね♡」
とりあえず、呆気に取られているゼル達はおいといて。
アメリア達の手前、そのままカオスワーズを唱え始める。
別に唱えなくてもいいんだけど、これ、ただの飾りだし♡
それに、一応何かいっとかないと、突っ込まれそうだしね♡
「無限の時をたゆとうし、永久の果てを過ごすもの、
  闇よりも暗き 夜よりもなお深き我が一部の欠片にて 我が意思に転じて、力となさん。」
  闇よりもなお暗きもの 夜よりもなお深きもの 
  混沌の海 全ての混沌と虚無を生み出せしもの
  我いわく呼ばれしもの 悪夢を統べる王の名前のもとに。」
とりあえず、始めの言葉は、隠しているあたしの力を引き出すために。
別にいわなくても、大丈夫なんだけど♡
何ごとも、気分は大切だからねぇ♡
極小・重破斬プチ・ギガスレイブ♡」
その言葉と同時に、あたしの指先に小さな生まれる闇の塊。
声とともに、それが掻き消えて、ザナッファーの中に移動する。
「な゛……ば……ばかな……ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
何かそれをうけて叫んでいる元クロウズ。
そのまま、術の中心に吸収されるかのように、そのまま闇にと解け消えてゆく。
そして。
どぉぉぉぉぉぉんんんんんんんんん!!!!!
その直後。
辺りはなぜか、些細な力なのにクレーターと化し、地下深くなのに、なぜか空が見えていたりする。
ちなみになぜか、この程度の些細な力ともいえないものでここにいた組織の連中は、
彼らを自らに同調させたクロウズが引き込んで、道連れにしていたりするけど。
それは別に説明しなくてもいいことだし♡
「すごい威力ですねぇ。」
感心するアメリア。
「なんかあっけなかったな……」
拍子抜けしたという感じでつぶやくゼル。
「まあ、リナにかかったらそんなものだろ?」
悟っているガウリイ。
そんな会話をしていると。


「おや、こちらもすんだようですね。」
ゼロスが扉からやってくる。
「リナさん、クロツさんは、倒しておきました♡では、僕はこれで♡
  とりあえず、用事もそちらもすまれたようですから。」
いいつつ、汗を流していたりするが。
そういって、一礼し、あたしがうなづくのを確認し、そのまま空に向かって飛んでゆく。
「ゼロス。ゼラスによろしくね♡」
あたしの言葉に、なぜか一瞬石化しているゼロスだけども。
とりあえず、そんなゼロスを完全に無視して。
「リナさん。今のが魔王を倒した術ですか?で、その悪夢を統べる王ってなんですか?
  それに、ゼロスさんにいってた、ゼラスって一体??」
アメリアが質問攻めにしてくるけども。
「ああ、ゼラスはゼロスの上司vv
  それでもって、悪夢を統べる王っていうのは、
  大概なぜかそういうふうに呼ばれてるからそう表現しただけvv
  他の呼び方だと、名前の頭文字をとっての、エルとか。
  金色の王とか、金色の魔王ロードオブナイトメアとか、悪夢の王とか、
  混沌の海とか、混沌の海を統べる存在とか。いろいろと呼び称されているけどねvv
  あとは、中には、創造主っていう呼び方している存在もいるわねぇ。」
「??よくわかりません。」
「……おい……リナ……それって……」
首をかしげるアメリアに、なぜか顔色がなくなっているゼルガディス。
そういや、ゼル、レゾとともにいたときに、一応。
金色の王のつまりは、あたしについての間違った知識を知ってるからねぇ♡
「ま、簡単にいっちゃえば、すべての理、物理、世界。その仕組み。
  すべてを創り出してるというか創り出した存在のこと♡」
ま、それがあたしなんだけどね♡
「……世界そのものって……ええぇぇぇ!?」
なせかあることに気づいて、驚いているアメリア。
「あ、そういえば、ゼル。写本を探しているんだって?」
あたしの問いに。
「ああ、今のあれには肝心なことがかかれてなかったからな。
  写本が駄目なら、オリジナルでも探し出すまでさ。ま、他の知識も捜すつもりだが。」
苦笑して答えてくるゼルガディス。
「ゼルガディスさん。どうして写本を探したいんですか?今のままで十分に綺麗で素敵ですが?」
「……アメリア、それ、男には褒め言葉にはならないぞ?」
ガウリイがつぶやいているが。
「俺は人の体に戻りたいからな。」
淡々と答えるゼル。
「あら♪異界黙示録クレアバイブルって、アクア…つまりは、ラグラディアの記憶の欠片なのよね♡
  その入り口がある場所、あたし知ってるけど♡案内しましょうか?」
その言葉に、はっとあたしをみるゼル。
「な!?どういうことですか!?リナさん!!?」
アメリアが再び質問してくるけど。。
「あら、知らなかったの?異界黙示録クレアバイブルって呼ばれているのはね。
  こともあろうに、あんな戦い程度で分断した、水竜王の知識の欠片なのよ。」
あんな戦いって……もしかして降魔戦争のこと(か)(でしょうか)?
などと二人してアメリアとゼルガディスが何やら心の中でつぶやいているけど。
「それで、その戦いの余波でできた、こことは違う空間に欠片は残留してるのよ。
  空間の歪みの中に入る入り口もかなりあるのよ♪そうねぇ。
  有名なところだと、カタート山脈を望む、竜たちの峰ドラゴンズピークにあるけど♡
  他にも本来の知識に近い写本なんかも、いろいろとかなり広まっているけどね♡
  まぁアクアは、ここの神族の中では知識の神と言われてたからね♡」
そんなあたしの説明に。
「ずいぶんくわしいんですねぇ。」
「あら♡こんなのは常識だってば♡」
「……リナ、どうしてそんなことを知っている?」
感心するアメリアに、対照的に疑問をぶつけてくるゼルガディス。
「あら♡ルナから聞いてるし。他にもいろいろとね♡」
本当は違うけど♡
「……ま…まあ、頼むかどうかは別として……とりあえず、リナ。
  あんたたちと行動を共にしていたほうが、俺にとっては有利のようだな。
  悪いがしばらく行動を共にさせてもらおう。」
腕を組みつついいつつも。
リナに頼んだら……後が怖いし……
などと心では思っているゼルガディスだけど。
あのねぇ!どういう意味よっ!
あたしはこんなに優しいのに♡
「お~!!また一緒に旅ができるのか!ゼル!」
にこやかに、ばんばんとゼルガディスの肩をたたくガウリイに。
「素敵です!!これからは、正義の仲良し三人組がずっと四人組みになるんですね!!」
「……アメリア。頼むからそれはやめてくれ……」
アメリアに疲れたようにいっているゼルガディス。
ほんと、このメンバーて面白いわ♡
「で?リナ?次はどこにいくんだ?」
「そうねぇ。とりあえず、ディルスに向かいながら、いろいろと尋ねていきましょ♡
  竜たちの峰ドラゴンズ・ピークにいくにしてもディルス王国によるようになるしv
  それか瞬間的に一気に移動って手もあるけど、それだと楽しくないしね♡」
「じゃ、決まりだな。」
「さあ!!悪を懲らしめるために、仲良し四人組みの出発です!!」
一人盛り上がるアメリア。
ふふ♪
楽しくなりそうね♡
遊び…もとい、楽しむための布陣は巻いたし♪
マゼンダとカンヅェルのやつは、また王宮に入り込んでるしね♡
さぁぁて、しばらく楽しませてもらいますか♪
多分、Sのやつのことだからあたしに関しての報告をうけたら、
それこそゼロスのやつを以前と同じくお供としてつけるように勅命だすんでしょうけどね。
ま、それはそれでいいとしますかねv
さってと。
とりあえず、アメリアとガウリイに続いてゼルガディスも加わって。
どうやらこの暇つぶしの旅も楽しくなりそうよね♡


   -白銀の魔獣偏終わりー


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あとがき:
  次は、セイルーン偏♪
  そして、NUXTネタに入って、それからヴェンゼンディ偏♪
   ここからは、テレビと小説が入り混じります♪それでは♪

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