エル様漫遊記・~白銀の魔獣編~

何やら、いじけているゼロスはほっといて。
「なぁ?そのザナッファーって……何だ?」
ごがしゃ!!!
見事に、アメリア、ゼルガディス、ゼロスがこけている。
「お…お前なぁぁぁ!!!お前のご先祖が倒したといわれてるザナッファーのこどたろうがぁ!」
起き上がりつつもガウリイに何やら叫ぶゼルガディスに。
「ガウリイさん…勇者の子孫なのに…」
なぜか床にこけたままでそんなことをいっているアメリア。
「……こ…これは効きますね……」
ゼロスにいたってはもっている錫杖で体をおこしつつもつぶやいていたりする。
そしてなぜか三人がガウリイに説明をしようとしたその刹那。
そんな中。
爆発音が山の上から響いてくる。
「ま。話はおいといて。何かあったみいただし。いってみましょ?」
あたしの言葉に。
「……まあ、リナの言うとおり…ではあるな。」
「正義が悪を許すなと呼んでいますっ!!」
とりあえず、ザナッファーの話題はおいといて、あたし達は音のしたほうにと向かうことに。


「おやおや、やられましたねぇ。多分クロツさん達がやったんでしょうねぇ♡」
ゼロスがにこにこしつついう。
とりあえず音のしたほうにとやってきたあたし達の目にとはいったものは。
先ほどまでいたクロツたちのアジトの一つが面白いことに、微塵に吹き飛んでいる光景。
「…ちっ!場所を変えて移動したか!」
ゼルガディスがそれをみて歯ぎしりする。
「追いましょう!」
力いっぱい空を指差し。
「闇の申し子、地獄の魔獣ザナッファーを野放しにておくわけにはいきません!
  私達、正義の仲良し四人組みプラス一名での邪悪なる野望を打ち砕きましょう!」
「ちょっとまて!何だ!?その仲良正義の四人組みっていうのは!」
ゼルガディスがアメリアの言葉に抗議する。
「リナさんと、私とガウリイさんと、ゼルガディスさん。正義の仲良し四人組みです!」
「・・・やめてくれ・・頼むから・・・・」
アメリアの即答に面白いことにゼルガディスの声がなぜか擦れていたりするけど。
楽しい♡
「…僕はプラス一名ですか?」
変なところでいじけているゼロスだし。
「ま。正義の仲良し組みはともかくとして……だ。
  聞くが、連中はどこに一体逃げたんだと思うんだ?」
あきれたゼルガディスの口調に。
「……え?」
そういえば、知りませんね……
などと思いつつ、一瞬絶句し。
そのままゼロスにすがるように視線を送り。
「ゼロスさん、知りません?」
ゼロスにと問いかけているアメリア。
「知りませんよぉ…」
アメリアの問いかけに、少し困った表情をしているゼロス。
あんたくらいの魔族だと、正義だの愛だのとかの言葉では、あまりダメージないでしょうに♡
「あら、そんなの簡単よ♡ゼナファアーマーの不完全版の気配をたどっていけばいいだけだし♡」
さらりというあたしの台詞に。
「本当ですか!?リナさん!やっぱり正義は私達の方に味方してます!」
瞳をきらきらさせているアメリア。
「……おいおい。そんな場合じゃないぞぉ…アメリア……」
ガウリイがなぜか困ったように言ってくる。
ふと周囲をみてみれば、全身に殺気をまとわりつかせた百人近い村人達の姿が♡
「おやおや、どうやら信者の人達のようですねぇ♡」
のほほんと、にこにこしながらいうゼロスに対し。
「だな。」
苦笑してつぶやいているゼルガディス。
あたし達がそんな会話をしていると。
「お前らか!!お前らだな!?これをやったのはっ!
  クロツ様は!!?クロツ様たちを一体どうした!」
扇動役の一人の村人がたきつけるように言い放つ。
「こいつら!!集会をいつか台無しにしたあの連中だぞ!」
もう一人の扇動役の人間がそれに応じ。
そんな彼らの言葉をうけて、ものの見事に煽られて、殺気を膨れ上がらせている村人達の姿。
「なるほど♡扇動とはクロツさんらしいやり方ですねぇ♡」
にこにこといっているゼロスに。
「許せませんね!何もしらない罪もない信者達にこんな仕打ちっ!
  邪教に捕らわれてしまっている哀れな魂を、時間稼ぎに利用するなんて!!」
アメリアが高々と言い放ち。
「貴方たちに正義の心が残っているならば、今すぐに悔い改めて、
  クロツが正しいかどうかを自分自身で判断しなさい!」
いきなり説教を始めていたりする。
「なるほど。信者で時間稼ぎ…か。えげつないな。」
ガウリイがつぶやくのと同時。
「…・しかたありませんねぇ。一気に片付けちゃいますか♡」
何でもないようにいうゼロス。
そして、ついっと前にでようとするが。
がしっ。
「ちょっ…ちょっとまってください!」
その服の裾をアメリアがつかみ、アメリアがあわててまったをかけているし。
「…なぜです?」
そんなアメリアの言葉に首をかしげるゼロス。
ゼロスはといえば、はやく自分の仕事は終わらせたいし、報告にも戻らないと……
などと思っていたりするんだけど。
「今のゼロスさんの言い回しだと。
  ここにいる村人達を、みんな始末するみたいな口ぶりじゃないですか!」
ゼロスに詰め寄るアメリアの言葉に。
「?そのつもりですけど?」
さらりと答えるゼロスにわなわなと震え。
「ゼロスさん!!!そんなの正義じゃないです!!貴方には、正義の心はないんですか!
  彼らは今は道を誤ってはいるものの、れっきとした人間なんですよ!!」
ゼロスにそのまま説教を始めているアメリアだし。
「いや、でも…僕には関係ないですし…邪魔するものには容赦なんていらないでしょう?」
にこにこにこと笑いながら言い放つゼロス。
ま、こいつらしいけど。
「な゛…っ!ゼロスさん、あなたねぇ!」
さらにゼロスに詰め寄っているアメリアをみつつ。
「……無駄だと思うなぁ…オレ…」
そいつも一応魔族だし……
などと思っているガウリイがつぶやいていたりするけども。
「あ~。はいはい。ゼロス。そんなことしなくてもいいわよ♪『眠りスリーピング』vv」
あたしの言葉に応じて、ばたばたと倒れてゆく村人達。
それをみてなぜか目を点にして、
「……よくあんなに殺気だっている人間に眠りスリーピングが効いたな……」
などとつぶやいていたりするゼルガディスがいたりするけど。
なぜか、一般に使われているこの術って、
情けないことに精神が高ぶっている輩などには通用しない。
っていうのが定説になってるけど。
別にそんなことはないのにね♡
「さってと♪ゼロス♡あんまり派手なことはしないの♪い~い?」
にっこりと語りかけるあたしに。
なぜかそのまま石化しつつも、こくこくとうなづいているゼロスの姿。
「それはそうと。リナさん!!早く追いかけましょう!」
むぎゅ。
アメリア、倒れてる彼らが道をふさいでいるからって♡
「おいおい…倒れている人間を踏みつけるのは、正義ではないんじゃないか?」
進むアメリアは、平気で眠っている人間を踏んでいたりする。
「何いってるんですか!
  真の正義をまっとうするのには!これも、正義です!遠回りするほうが、悪です!」
ゼルがディスの問いに即答し言い放つアメリアに、
なぜかゼルガディスは深いため息をついているが。
アメリアだしね♡
「まぁとりあえず。道を開けますね♡」
にこにことゼロスがいって、錫杖を一振り。
ごうっ。
それと同時に風が起こり、道を埋めていた人間を道端に追いやってゆく。
「ほら。これで道ができました♡」
「……なんかこいつらうめいているぞ??」
ゼルがなぜか冷や汗かきつついっているが。
「ほっときましょ♪それよりいくわよ♪」
開いた道を歩きつつ。
なぜかうめき声を上げている人間達をほっといて。
あたし達はクロツを追って進んでゆく。


「おやぁ?またお迎えがでてきましたねぇ♡」
にこにこと、前方の茂みをみつつ、笑っているゼロス。
ゼロスは案外順応制があるのよね♡
決してその感情を滅多に表に出さないし♡
だから、結構便利なんだけど♡
なぜかS達なんかは、畏れまくった挙句にずっと恐縮してたりするからねぇ~……
ま、どうでもいいけど。
そんなゼロスと同じく。
前方の茂みをにらんでいるアメリア、ガウリイ、ゼルガディス。
くすくす♡
忍び笑いをしつつも。
「ばれてるから出てきたら?」
隠れているそれらにむかって問いかけるあたしの言葉に。
「……ほう、気配くらいは読めるようだな。」
いって現れる二人の獣人。
しっかし、よくまあこんなものばっかり造ったものよね♡
あのクロツも♡
「たかが二人に、この私達の正義の心は崩せないわ!」
「正義云々はないにしても…だ。
  ひょっとして、あんたら程度で、この俺達をどうにかできるなんて思っているのか?」
半ばあきれているゼルガディス。
「というか、リナさんに勝てる…と思うのがそもそ不可能……」
なぜかつぶやいているゼロスはおいておく。
「な…なんだとぅ!」
いいつつ、ハーフデーモンである彼は、背中からすらっと剣を引きぬいていたりする。
そして、ちらりとゼロスの方に視線を走らせ。
「バルグモン様はなぁ。注意するのは、そこのくそ坊主だとおっしゃってたよ!なぁ!」
相方に同意を求めていたりするが。
しかし、こちらは、狼人間ワーウルフはぶっきらぼうに。
「確かに。しかし、他のやつがたいした相手ではない。ということなどもきいてないがな。」
完結に述べていたりする。
「…ま、まあ…確かによ。この坊主。こいつとはどういうわけだか、戦いたくねぇ。
  となれば、他の連中も油断の出来ない相手ってことか……」
勝手に会話をしている二人の姿が。
そんな彼らの会話をききつつも。
「……僕なんかより……」
ちらりと、あたしをみつつ。
お願いですから……この御方を怒らせないでくださいよぉ?
などと心で祈りつつ、泣いていたりするゼロスだし……
ど~いう意味よ!!
「しかし…ともかく…だ。今さらなかったことにして、どっかに引っ込むってわけにもいかないだろ?」
「……出て来い!!皆!」
などといって隠れているほかのメンバーにと合図を出していたりする。
わらわらわら……
その声をうけて出てくるほんの少量の存在たち。
あたし達がいるのは、とある村の入り口付近。
彼らは、村の中からわめいていたりする。
「クロツ様はな。手前らの力くらいはきちんとつかんでいらっしゃるんだよ。
  何しろ、うちでも五本の指に入る、ウェドゥルとギルファのコンビを倒しちまうんだからな。
  そんな連中にたったの二人で勝てるわけがねぇ。」
言い放ち、にやりと笑う。
「……つかんでませんって……」
ゼロスがつぶやいているが、それは彼らの耳には届いてない。
「ま、俺達とやりあうハメになったのが不運と思って諦めてくれよな。悪いけどな。」
「デュクリスさん!」
その声に一人が声をかける。
淡々と言い放つ男性は、人と虎との合成獣。
獣毛は銀色に輝いていたりする。
そして、プレートメイルをきっちりと着込み、手には大振りのバトルアックス。
「あら♪そこまで不完全に造ってるのねぇ。もうすこし、どうせだったらまともに造っても♡
  それだと、制御どころか下級魔族や神族にも対抗できないし♡」
くすくすとそれを見て笑いつつ。
「それ、本来のゼナファ・アーマーに比べても、かなり質がわるいわよ♪
  そんな不完全なものを造っても、無駄というか暴走するだけね♡」
そんなあたしのことばに、なぜか眉を潜めるデュクリス。
「リナさぁぁぁん……」
なぜかゼロスが涙し、
そういうことを簡単に言わないでくださいぃぃっ……
などと、なぜか心でわめいていたりするが。
「貴方たち!どうして、クロツに従うの!!!人の体を捨ててまで!!
  魔王を信じ、魔獣を復活させ、世界をめちゃくちゃにするかもしれない男なんですよ!
  正義の心はないんですか!?」
そんなアメリアの説得に。
「…俺達は…ここにいる連中の殆どはな。一度はしにかけたヤツラばっかりなんだよ。
  たとえば俺なんかは、仲間に捨て駒がわりに使われた流れの傭兵さ。
  傷をおって死に掛けていたのを拾って助けてくれたのが、クロツさんさ。
  合成獣キメラ化っていうのを使ってのことだがな。」
たんたんと言い放つデュクリス。
「なるほど…な。そうやって自分の手ごまを増やしていったわけか……」
あいつならやりかねない。
何しろ、プラムの弟をキメラにし、村人を襲わせていたようなやつであるからして。
そう思いつつも、ゼルガディスが苦笑する。
「あ…貴方たち、それでいいんですか!!?」
アメリアがそんな彼らに、さらに問いかけているけども。
「…分かっているさ。しょせん俺達は、ここでも『駒』でしかないといことはな。
  けどなぁ。俺にはここ以外、いくところなんてどこにもないのさ。
  他の連中も似たようなものだろ。誰もそんなことは言わないけどな。」
苦笑するデュクリクスに。
「あんたとは…戦いたくないなぁ。」
自分の姿と重ね合わせてゼルガディスがつぶやく。
「そのくらいで捻られても……。僕たちなんて永遠なのに……」
「ゼロスちゃん♡何考えてるのかなぁ♡」
「えっ!?…あははははは……」
なんか、ゼロスの奴は、その身の上を自分達のことに置き換えてるし。
まぁ確かに。
魔族や神族、そしてあたしの部下達にいたっては、永久に使い捨てといってもいいけど♡
もしくは、たんなる使いっぱしり♡
ガウリイはすでに普通の剣を抜いていたりする。
「あら♪じゃあ合成獣キメラでなくなれば♡話は早いじゃない♪あ、ゼル♡下がっててね♪
  今から使う術に巻き込まれたら、魔力容量や防御力もなにも関係なく。
  そのまま、普通の人間になるから♪」
「……は?」
思わずゼルガディスが一歩後ろにさがり、
「まさかっ!?リナ様!!!?」
何やら叫んでいるゼロス。
再生終焉リピート・ハウンド♪」
かっ!!
あたしの声に合わせて、村の一角。
つまりは彼らの足元に、とある魔法陣が浮かび上がる。
その刹那。
魔法陣から光が湧き上がり。
そして、そのまま、彼らを包み込んでゆく。
それはほんの一瞬の出来事。

「あ゛あ゛あ゛あ゛……」
なぜか頭をかかえてうづくまっているゼロス。
光が収まると、なぜか全員が絶句していたりするけども。
「あら♪何を呆気にとられているのかしらね♡」
くすくすと。
そんな彼らの様子を楽しむあたし。
誰でもできるのにねぇ♡
ふふふふ♡


                -続くー


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あとがき:
  薫:・・・・・・・無理ですって・・・(汗)誰でもって・・・・(涙)
 エル:あら♪簡単よ♪
ゼロス:・・・・・あぅあぅ・・・。どういうふうにフォーローを・・(涙)
   薫:・・・頑張ってください。
ゼロス:人事のようにいわないでくださいぃぃ!
   薫:人事です!!!(どきっぱり)
     ま、諦めてください(無責任)では・・・・・。
  エル:まったね♪

ゼロス:しくしくしく・・・。
     なんか果てしなく、これから嫌な予感がしますぅ・・。しくしくしく・・・・・・。


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