エル様漫遊記・~白銀の魔獣編~


マインの村の近くの山にある、とある会場に再びやってきているあたし達。
「さ♡いくわよ♪」
「今度こそ、正義の心を叩き込むのです!」
「はぁぁ~……」
「ま、壊滅させてもいいかもな。」
あたしの言葉と同時にそんなことを言っているアメリアに、
ゼロスはなぜかため息をつき、
ガウリイはガウリイでかつてのことを思い出して、さらりと的確なことをいっていたりする。
とりあえず、そんな会話をしつつも、そのまま村とは逆にある山の奥にと進んでゆく。
目指すアジトはその山の中♡
しばらく進むことしばし。
斜面のあちこちから、とごとろころに建物の残骸が見え隠れし。
この辺りは、五百年ほど少し前に栄えていたレティディウス公国の領地内。
当時の面影をのこしている建物の残骸が周囲に目につく。
なぜか、たかが五百年くらいの年月で遺跡と化していたりするが。
とりあえず、そんな一角に彼らのアジトへの入り口はお約束にもあったりするし。
とある遺跡の一つに、入り口らしき場所が一つ。
というか実際に入り口なんだけど周囲には見張りの姿すらいない。
数メートル離れた先には、
一応人の感覚でいうところで、ぽっかりと大きな穴が開いていて、そこから明りが漏れている。
「なるほど。こんな所にあったんですねぇ。」
なぜかそれをみて感心していたりするゼロス。
「あんた……本気で調べてなかったわね?」
あたしの言葉に。
「はぁ…。始めのころは、あまり派手にするなとのことでしたから。
  …とにかく目立つなという命令でしたので…」
歯切れもわるくゼロスがいってくる。
そんな会話をしていると。
「許せませんね!!!こんな所に悪の集団がはびこっているなんて!」
強い口調のアメリア。
「とりあえず、中に入りましょ♪」
「そだな。」
あたしの言葉にガウリイが答え。
そのままあたし達は、建物の入り口から中にと入ってゆく。

ちょうどこの場所は、建物のアプローチに当たる場所。
左右には、白輝意思の柱が半分土砂に埋もれて立ち並んでいたりする。
その先に、ぽっかりと開いている四角い黒い穴。
そこをくぐると、少しばかり広いホール。
左右に、扉の外れた入り口が一つづつ。
そのうちに、向かって右側の方から明りが漏れていたりする。
ホールを囲むような形で通路が広がっていて、道は二つに分かれている。
片方は少しいったところで曲がっていて、もう片方の先には階段。
曲がっている道を選んでそのまま進んでゆく。
と。
どぉぉぉぉぅぅぅぅぅんんんん!!!!!
お約束にも爆発音が聞こえてくるし♡
「おやぁ?何かあったようですねぇ♡」
のほほんというゼロス。
「リナさん!いってみましょう!」
いうなり、アメリアは音のしたほうにと向きを変えているが。
「そね♪」
「だな。」
言われなくてもいくつもりだったけど♡
とりあえずあたし達は音のした方向にむけて走り出してゆく。
走り出してしばらく。
「誰だ?」
あたし達の後ろから声がしてくるし。
あたしはわかってたけどね♡
「おお!!ゼルディガス!」
ガウリイが後ろを振り向きざまにその姿をみていっていたりするが。
「ゼルガディスだ!」
すぐさま訂正していたりするのは言うまでもなくゼルガディス当人だったり♡
「あら♪久しぶり♪ゼルガディス♪何でこんな所にいるのかしら♡」
聞かなくてもわかるけど♡
やっぱり、こういうときのお約束だしね♡
「それはこっちの台詞だ……」
あたし達の姿を認めなぜか疲れたような声で、ゼルガディスが言いかけると。
「おや、ゼルガディスさん♡お久しぶりですね♡あなたもいらしてたんですか?」
にこにこにこ。
あいかわらずにこにことしたままゼロスが話しかけていたりする。
「……ゼロスか……」
ゼロスの姿をみて顔をしかめ、そして苦い口調でいっているゼルガディスだし。
「何だ?ゼロス。ゼルと知り合いなのか?」
ガウリイがゼロスに聞いていたりするけど。
「はあ…まあ、一応。」
ゼロスがいうのと同時に、ゼルガディスが舌打ちしていたりする。
「リナさん?何か奥の方が騒がしいですよ?」
そんな会話とは別に、アメリアがふと気づいていってくる。
「うん?あ、本当だ。何か奥の方で、『あいつが暴走している』って声がしてるなぁ。」
のほほんとそれに気づいて何やら言っているガウリイ。
「あら、そうみたいね♪マゼンダをあれって喰べてるし♡」
くすくすと笑いつついうあたしの台詞に。
「おやおや。……って……まじですか?」
「そ~よ♡よく聞いてごらん♡」
ゼロスがあたしに聞いてくるので、奥を指さしておく。
そんなあたし達の会話に露骨に顔をしかめ、
「……ちょっとまて……。…本当か?」
なぜかかすれた声を出して、声を低くして問いかけてくるゼルガディス。
「あら♪よ~く、耳を済ませてみて♡ゼルにも聞こえるはずよ♡」
あたしの言葉に、アメリアとゼルガディスが奥に向かってそれぞれに耳を澄ましていたりする。

どたどたどたたっ!!
ざわざさわざわわっ!
ざわめく人々の声。
「何があった!!!!」
「分かりません!!!!マゼンダ様が、先刻近づいて……
  …そしてあいつが目覚めて……マゼンダ様を喰ったんです!!」
「何ぃぃぃぃい!!!!!!!!?」

何やら取り込んでいるようだし♡

「どうする?今のうちにいく?」
あたしの言葉に。
「けど、リナさん。僕やリナさんはともかくとして。
  アメリアさん、ガウリイさん、ゼルガディスさんは危ないと思いますが?」
しかし……マゼンダさん……。
まがりなりにも魔族が喰べられるなんて……前代未聞ですよ……まったく♡
ゼロスがくすくすと笑いつつも、心でその状況を楽しんでいたりするけども。
心とは裏腹に、あたしの言葉にそう返してくるゼロス。
「あんな不完全なやつなのに?」
何とも平和な会話をあたしとゼロスがしていると。
「…逃げるぞ…っ!逃げるぞ!急げ!!」
ゼルガディスがつぶやくようにいって、そのままいうなり出口に向かって走りだす。
「私たちも逃げましょう!その方がいいような気がします!」
アメリアもいって、ゼルガディスの後をおってゆく。
奥からは、悲鳴が響き渡っていたりするが。
「おやおや♡これは暴走しているみたいですねぇ♡」
にこにこというゼロスは、溢れてくる感情をおいしくいただいているようだけど。
「そうね♪ま、とりあえず。あたし達もゼル達の後を追って外にでましょう♡」
「はぁ。わかりました。」
そのまま、あたし達も外にと続いてゆくことに。
遺跡の中から出て、その場から離れ、上空に浮かぶと同時。
しばらくすると。
ジャっ!!
銀色の光が一閃し、空やその辺りの大地をなぎ払ってゆき、
そして入り口にたたずんでいる数名の人影が垣間見えていたりする。
くすっ♡
「とりあえず、この場は引きますか♡」
ぱちん♪
「きゃぁ!?リナさん!?これなんですかぁ!?」
「いきなりはやめろぉ!!!リナぁ!」
「リナ、頼むからやめてくれ!」
「リナさぁん…いいんですか?」
アメリアが絶叫し。ガウリイがあわてふためき。
ゼルがなれないのか、止めてくる。
ゼロスは、少し萎縮して何か言ってきていたりするけど。
とりあえず、あたしが指を鳴らすと同時に、あたし達全員の姿は瞬く間にその場から掻き消えてゆく。


ぜぃぜぃ……
なぜか息をぜいぜい言わせているアメリアたちの姿。
「リナさん?こっちの人は?かなり怪しさ爆発ですが?」
何やら息を整えつつも、アメリアがゼルガディスを指差してあたしにと聞いてくる。
とりあえず、マインの村にとあるとある空き家にあたしは全員を移動させてきいてるんだけども。
「ま、とりあえず、せっかくだし。自己紹介を兼ねて作戦会議でもしましょ♡」
あたしの言葉に。
「それもそうですね。」
それですませているアメリア。
「…そういう問題なんですか?」
「ま、リナだし。」
「……わかりました……」
ゼロスがなぜか盛大にため息をついてるけど。
どういう意味かしら♡
んっ♡
「まあ、リナのいうことも一理あるな。俺はゼルガディスだ。」
そっけなく自己紹介をしているゼルガディス。
「ゼルガディスさんですか。私はアメリアです!よろしく!」
にっこりと、畏れる様子もなく手を差し伸べるアメリア。
「あ?……あ、あぁ……」
その笑顔につれらて、そのまま手を差し出して握手していたりするゼルガディス。
「レゾの血縁だったばかりに、レゾに合成獣キメラにされたゼルガディスよ♪」
とりあえず親切にも追加説明するあたしの言葉に。
「…おい……」
なぜかあたしをみて額から汗を流しているゼルガディスだけども。
そんなあたしの説明に。
「ええ!?ゼルガディスさん、合成獣キメラなんですか!?」
驚きの声を発しているアメリアに。
「オレは別にいいと思うけどなぁ。岩の肌でも、針金の髪でも。」
しれっと言っているガウリイに。
「アメリアさん。そうはっきり言うと、相手が傷つく場合がありますよ?」
親切にも忠告しているゼロスの姿が。
「あのな……。まぁ確かに。俺は見てのとおりの合成獣キメラだ。
  俺はつまり、人間の体に戻る方法を探して旅をしている。そして、写本のことを知ったのさ。」
完結に苦々しい口調ではあるが説明しているゼルガディスだけど。
「あら♪知識からいこうとしたのね♪いつでもあたしに頼ってもいいわよ♡
  それなりの見返りはもらうけど♡自力で調べるのがあきたらあたしに言いなさいね♡
  あっさりと戻してあげるから♡」
にこにこというあたしの台詞に。
「リナにやってもらったら…何か後が怖いからな……自力でさがす。」
なぜか頑固なゼルガディスだし。
「分かります、分かります。」
一人、納得している奴もいるけど……
ゼェロォスゥ……あとでお仕置きね♡
「まあ、そういうことですね。いやぁ、ゼルガディスさんとは、写本を通じて知り合いましてねぇ。」
にこにこと語尾にハートマークを飛ばしつつ、ゼロスが説明しているけども。
「…ちっ。クロツたちが現れたせいでとりあえず一時手を結んだがな。」
ゼルガディスが嫌そうにいっている。
ま、死んでいるはずのプラムを目の前で生き返らせて、しかも、秘密といわれてはねぇ。
でも、誰でもできるのにね♡
魂がそこにまだあったら♪
ま、あたしのところに戻る手前。
つまりは、冥土などに入っている段階でも、簡単に返魂の術はできるけどね♪
「それはそうと。その写本って本物なんですか?」
アメリアが怪訝そうに聞いてるけど。
「ええ♡人の世界でも記録くらいは残っていると思いますよ?」
にこにこにこと答えるゼロスに続き。
「……そ~いう疑問を抱いたやつが、今から百年ほど前にいたらしい。
  自分達が管理していた写本が本物かどうか、確かめるためにな。
  そのまま、写本どおりのものをつくってみたらしいが……
  ……結果は成功。しかしそれは、原因不明の暴走を始めた。」
ゼルガディスは説明しながらも顔をふせつつ。
「人の世界では、魔獣ザナッファーとか呼ばれてますがね♡」
「……サイラーグの魔獣だ……」
ゼロスとゼルガディスが同時にいった言葉に、しばし何やら絶句し。
「そんな!?それって本当なんですか!?」
そして、かなり驚いていたりするアメリアだけど。
「さあな。でもハッタリにしては、かましすぎだとは思わないか?」
苦笑しつついうゼルガディス。
あのプラムは……嘘はついてない。
ゼルガディスは、そう心の中でつぶやいているけど。
「そうらしけどねぇ。その写本はきっとかなり不完全だったのね♡」
本当に不完全なんだけど♡
アメリア達の手前、想像の範囲だというふうにいうあたし。
「その内容の筋からいって、精神世界から隔離するという性質のちょっとした鎧なのに♡
  ま、下級魔族などには対応きくけど。
  それに書かれてたのは、たぶん、ゼナファアーマーの創り方でしょうけどね♡」
さらりと、あたしが追加説明をすると。
「リナさぁぁぁぁん……あ…あまり、そ~いうことは……」
なぜか涙目になって抗議してくるゼロス。
「あら♪じゃあちょうどよかったじゃない♪ゼル♪あんな不完全な代物でよかったら見てみる?」
ゼロスの泣き言は無視。
「あわわ!そんなもの、人に見せるわけにはっ!!」
なぜかあわてているゼロス。
「あら♪いいじゃないのよ♪
  ゼラスからは、人に見せちゃいけないって命令がでてるわけでもないんでしょうし♡
  それに、このゼルガディス♡
  このあたしの力を借りずに、自力でどうにかして元の姿に戻ろうとしてるのよ♪
  根性あるじゃない♡それくらい大目にみなさい♡」
あたしの言葉に、ゼロスはしばし絶句し。
「……え゛!?ゼルガディスさんが話してたのって……リナさんだったんですかぁぁぁ!!!!
  ……うう……分かりました。みせるだけですよぉ……僕の立場というものがありますし……」
ぶつぶつとゼルガディスに言っているゼロス。
そして、何やらいじけて、人魂オプション抱えてのの字を書き始めていたりするけども。
あら♪
楽しいvv


                                     -続くー


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あとがきもどき:
   めざせ!!今月中に五巻分♪
エル:・・・・・・干渉は?♡
 薫:・・・・ぎくっ!!!(汗)
 姫:・・・・リクのあった正月は?♡
 薫:ぎくぎくぎくっ!!!!
エル:あたしの漫遊記の番外の悪役ファイト偏は?♡
 薫:うぐぅぅぅぅぅぅ!!!!!(吐血)
 姫:それに、私のオリジナルも、由香子のも・・。アンジェなんて、半年以上・・・・。
 薫:しくしくしくしくしく・・・・・・・・。

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