エル様漫遊記・~白銀の魔獣編~
「あらら♪」
「あ~あ……やったな。」
楽しんでいるあたしの口調と、あきれたガウリイの口調が一致する。
「あ!!あそこだ!!」
「誰かいるぞ!見張りは何をしてた!?」
彼らがこちらに気づいた刹那。
「
言い放ち、アメリアは自らの頭上に照明を作り出す。
そして、びしっとポーズをきめ、朗々と言い放つ。
「聞くがいい!!!闇をあがめるものたちよ!!
いくら欺瞞を並べたところで、まことの真実であり心理は唯一つ!!
たとえ、ほんの一筋でも心に光、あるならば!
自らの選んだ道を正しいか、今一度考え、そして選びなさい!!
自分自身のその意思で!!さすれば天の慈悲もえられましょう!」
高々と朗読しているアメリアに。
「いっても無駄だと思うが…オレ……」
ガウリイがのんびりといっていたりする。
あら♡
たまにはまともな意見をいうわね♡
「以前のときも、こいつらには何をいっても無駄だったし……」
などとつぶやいているガウリイだけど。
「始末しろ!」
中央の男の掛け声とともに、わらわらとこちらに向かってくる人間達。
「はぁ……。ま、いっか♪仕方ないわね♡
にっこりと微笑み言い放ち、ちょっぴり中央の上空付近にとどめるように光の槍を解き放つ。
彼らが上空を見上げると同時。
「ブレイク♪」
いって、バチンと指を鳴らす。
チュドドドォォォっ!!
合図とともに、彼らの頭上より降り注いでいるちょっとした光の雨。
しいて表現するならば、これは
「うぐっ!」
「ぐわぁぁぁぁ!!」
なぜか、たったのその程度のことでばたばたと倒れてゆく信者たち。
「な!?魔道だと!?」
中には驚愕の声を上げているものもいるけど、とりあえず無視。
あたしの放った術の威力に、あっけに取られているアメリアとガウリイの姿もあったりするけど。
「何この程度で驚いてるのよ?とりあえず一旦ひくわよ♪ってことで♡
未だになぜか驚きを隠せない二人をつれたまま、あたしはふわり、と飛び上がる。
「おのれ!!逃がすな!!外だ!」
「ええい!誰かマゼンダ様をお呼びしろ!」
「確か、神殿の方に……」
ざわざわざわ。
後にはなぜかごたごたと騒いでいる彼らの姿が見受けられていたりするけど。
こんな集会するくらいなら力くらい使えなさいよね♡
「で?何処にいくんですか!?リナさんっ!いい加減に降ろしてください!
私は、彼らに正義を説かないといけないんです!」
上空を飛びつつも、何やらわめいているアメリア。
「そうね♪それじゃあ降りますか♪」
ふわっ。
そのまま、何ごともなかったかのようにアメリアたちをつれて地面に降り立つ。
今、あたし達がいる場所は、マインの村のすぐ近くのちょっとした山の中。
上空から大地に降り立ってほっと一息つかながら。
「けどリナさん。
よく、私とガウリイさんを連れて飛べますねぇ。」
などと、その程度のことで感心した声を上げていってきているアメリアだけど。
「誰でもできるってば♪」
「そういうものですか?」
「そ~よ♪」
そんなものなのでしょうか?
などと思いつつも、でもリナさんがいうんなら…そうなんでしょうか?
などと思いつつも、それでひとまず納得しているアメリア。
だって本当に誰でも出来るしね♡
きちんと理解すれば♡
「ところで?あそこからここまでやってきて。何処にいくんだ?リナ?」
何かリナのことだから…あるような気がするんだが…などと思いつつガウリイが聞いてくる。
だいぶ慣れてきたのかあまりガウリイは動じていないようだけど。
というかね空を飛ぶほうがあの瞬間的に移動するアレよりも問題ないし…
などと思っていたりするようだし……
まったく、いい加減に空間移動とか瞬間移動くらい慣れなさいよね…本当に……
「あら。とうぜん神殿に向かってるのよ♪マゼンダがそこにいるみたいだから♪」
さらりというあたしに。
「ええ?!そうなんですか!?…は!?もしかして…リナさん。
始めから、探査で追いかけたほうがよくなかったですか?」
アメリアがあたしに言ってくる。
「聞く耳もたなかったのはアメリアだってば♡」
アメリア、集会なんか許せませんっ!
とかいって一人いきまいてたからねぇ♡
そんな会話をしていると。
「……今は、それどころじゃなさそうだぜ?」
ガウリイが、茂みの先に気配をとらえ睨み付け。
「どうやら、並の相手じゃなさそうだ。」
などといっていたりする。
十分に並み以下だってば♡
がさり。
ガウリイの言葉をうけて茂みがゆれ。
「へぇぇ。なかなかいい読みしてるじゃないか。」
「え!?」
アメリアが驚いた声をだしてるけど。
アメリア、あんたは仮にも巫女でしょうに♡
声は、木々の間から聞こえていたりする。
「悪人は悪人らしく!とっとと出てきなさい!」
そんなアメリアの言葉をあっさり無視し。
「まったく。僕たちが留守の間に、喧嘩を売ってくるなんてねぇ。
けど、残念だったね。あの後すぐ僕たちが戻ってきたんだから。
まあ、どっちにしても。君たちが死ぬのは変わりはないけどね。くふふ。」
「ギルファ、無駄が多い。」
そんな会話をしつつ現れてくる影二つ。
ついでにいえは彼らの影の中にもひとついるけど♡
「くふふふっ。無愛想なことをいうなよ。ウッドヴェル。
僕はね。これから自分が殺す人間が、どんな奴なのか知っておきたいだけなんだ。」
「無意味だな。追い、殺す。それが与えられた命令だ。それさえ全うすればいい。」
淡々と話しているけど。
どちらにしてもあんたたちの実力じゃ、無理だって♡
ガウリイはといえばすでに剣を抜き放ち、柄と刃を分断して、
初めからゴルンノヴァとして使うようだけど。
今でてきたうちの一人のウッドヴェルってそこそこの腕があるらしいからねぇ。
あたしからみたら赤子以下だけど…ね♪
ちなみにガウリイよりもこいつは腕は下だし。
…ま、どうでもいいけど。
面白ければ♡
「気をつけろ!リナ!アメリア!三人目がいるぞ!油断するな!」
いって、剣を構えるガウリイ。
「へぇぇぇ♡聞いたかい?ウェドゥル。こいつ、クロウヅが隠れているのに気づいちゃったよ。」
軽い口調のギルファ。
「悠長に話すつもりはさらさらないんだけど?」
にっこり微笑み。
「
かなり威力を抑えている呪文を解き放つ。
あたしの言葉に応じて、黒い矢が彼らに突き刺さってゆく。
「「が……ぐわぁぁ!!」」
なぜか一瞬叫んだまま、そのまま綺麗に矢に飲み込まれるようにして消え去っていたりする、
先ほどあたし達にと話しかけてきたウッドヴェルとギルファの姿が。
「ああもうっ!弱すぎるわよっ!」
あたしの至極最もな叫びに。
「……え?」
呪文を唱えていたアメリアは、一瞬呆気に取られた表情をうかべ。
「……何が起こったんですか?」
理解できいてないらしく聞いてくるアメリア。
そしてまた、ガウリイもあっけにとられつつ、だがしかし。
「……今の、何かとてつもない力のような気が…」
などとつぶやいているガウリイだけど。
あら♪
さすがに、ガウリイは鋭いわねvv
その勘で、何となく感じてるみたいだけど♡
ま、ガウリイもある程度の力はあるからねぇ。
本人よくわかってないけど、実は神族・魔族、そしてこことは別の場所の神族の力を使えるし。
ガウリイってそれらを気づかないうちによく無意識で使うこともあるしね♡
ま、説明する必要もないからあたしもしないけど♡
「リナさん?今、呪文の詠唱…してませんでしたよね?」
アメリアが確認してくるけけど。
「あら♪そんなものは必要ないわよ♡本当なら力ある言葉も要らないんだから♡」
あたしの至極最もで的確な意見に。
「必要ないって……」
普通は無理だと思いますが?竜族とか魔族とかならともかく……
あ、でも…ルナさんの妹ですし…リナさんは…
などと思いつつも、首をかしげていたりするけど。
というか、そもそも、存在全ては力はつかえるんだってば♡
そんな会話をしていた直後。
「……どうやら、お前たちを見くびっていたようだな……」
聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「ああああ!!!先ほどの集会で演説していた人!」
アメリアがその声に気づいて、大声を上げていたりするけども。
そしてそのまま、ぴしっ!と、ポーズを決めつつ。
「ちょうどいい機会です!このまま、悪事から足を洗い、正義の道にとかえりゆくのです!」
などと演説を始めているアメリア。
そんなアメリアを完全に無視し。
「こうみえても、このパルグモン。組織のナンバー2でね。
留守を守っている間に、あんなことがあっては面目がたたん。
ここは、どうしても、お前らを倒して名誉回復といきたいところなのさ。」
「
アメリアが、光量、アメリアの容量でいくと最大規模の持続時間少しのライティングを解き放つ。
「ふっ。悪人のたわごとなど、聞く耳もちません!正義の名の元に覚悟しなさい!!!」
言って、再び口上を並べるアメリアだけど。
「危ない!アメリア!」
そんなアメリアに声をかけているガウリイ。
ガウリイの声に反応して飛びのくアメリア。
その横を掠めるように、剣の風刃が突き抜けてゆく。
「何ですって!?もう一人いたんですか!!?」
「……おいおい。気づかずに何かをいってたのか?」
そんなアメリアの言葉に思わずあきれているガウリイ。
アメリアだしね♡
熱くなったら回りがみえなくなるのはある意味姉の彼女と同じだし♡
「ちっ……殺り損ねたか……」
いいつつも、茂みの奥から出てくる一人の獣人。
抜き身のロングソードを片手にもって立っている姿が月明かりに照らし出される。
あら♪
あいつの目印がついてるじゃないのよ♪
というか…こいつそれにすら気づいてないようだし…
ま、とりあえず。
ってことは……んふふふふ♪
楽しくなりそうね♡
「フィルティスか。余計なことを。」
新たに出てきた彼にと何やら強がりをいっているバルグモン。
彼は、なぜかあの程度のアメリアの術によって、目を一瞬焼かれていたりする。
「目の方は大丈夫ですかい?」
「ああ、やっと見えてきたよ。」
そんな会話をしていたりするけど。
「リナさん!!悪人の一人や二人!!正義の力を思い知らせてやりましょう!ガウリイさんも!」
アメリアの言う台詞に。
「何だ?そのおまけみたいな言い方は……
アメリアの言葉に、思わずつっこんでいるガウリイ。
「リナ?」
アメリアの言葉にこちらを向いてくるクロウヅと、パルグモンもまた、あたしの方をむきつつ。
「リナと呼んでいたが。お前、あの『リナ=インバース』か?」
確認してくるし。
「まさか。マゼンダが術を施したといっていた魔道士も……」
なぜかいいつつ、あたしを指差してくるクロウヅだけど。。
「あら♪あんなマゼンダごときに、このあたしの魔力が封じられるわけないでしょ♪」
至極当たり前のことをいっておく。
『ごときって……』
なぜか、ガウリイとアメリアの声が重なっていたりするが。
事実だし♡
「……お前。」
バルグモンがさらに口を開きかけたそのとき。
「―――あ~・・・…。やっと追いつきましたよぉ。
ずいぶん捜したんですよぉ。フェルティスさぁぁん……」
あたしも知っている、やたらと能天気ないかにもあいつらしい声が後ろから聞こえてくる。
その声にふりむき、面白いまでに顔色を変え。
「……て…てめぇ!?このくそ坊主!!こんな所にまで追っかけてきやがったか!!!?」
フェルティスの声には、憎悪の色が濃く混じっているが。
こんなところって…こいつだけでなく普通追いかけることなんて誰でも簡単だってば♡
それに、精神世界から視れば時間なんて関係ないものね♡
「何だ?」
「何?」
アメリアとガウリイが、はじかれたようにそちらを振り向く。
そこに佇んでいるのは、一人の青年の姿をしている男性。
中肉中背。
黒の法衣に、どこにでも売っているような錫杖をもち、そして紫色の髪。
にこにこと目を細めて笑っており、その瞳は見えないが瞳の色も紫だったりするんだけど。
一応この姿の年齢では、二十代前後といったところ。
ま…でも、姿かたちなんてどうにでもなるし。
ふふ♡
ようやく出てきたわね♡
当然ながらこいつのことあたし知ってるしね♡
「何ものだ!?」
バルグモンがフェルティスにと尋ねている。
「なぁに。ちょいと訳ありでしてね…。こいつは、いっぺん切り刻んでやりたかったんですよ……」
言いながら、その瞳に殺気をみなぎらせて、ゆっくりと進み出ているフェルティス。
あらあら♪
あんたが、こいつに勝てるわけがないじゃないのよ♪
「あ~あ、身の程しらずだなぁ。勝てるわけないのに……止めたほ~がいいぞぉ……」
ガウリイがそれをみてつぶやいていたりする。
ガウリイは一目みてこいつが何か、理解してるからね♡
マゼンダのときもガウリイは気づいてたし♡
とりあえず通常の状態で、腹心クラスまでガウリイはその勘でわかるしね♡
別に聞かれるようなことでもないからいわないけど、あたしも♡
「やめときましょうよぉ。フェルティスさぁん。僕、別に彼方を殺しにきたわけじゃないんですし…」
ぽりぽりと困ったように言っている。
「貴様はそうでも、俺は貴様を殺したくて仕方がないのさ。
…いっとくがな!くそ坊主!俺には、生半可な呪文は通用しねえぞ!」
分かってないフェルティス。
「いやぁ。そこまでいわれては、しかたがありませんねぇ♡」
にこにこにこと笑いながら。
「では♡」
にこにこにと笑顔を崩さないまま、そのまま、呪文の詠唱を始めていたりするけども。
あらあら、わざわざ呪文なんか唱えなくても♡
別に精霊魔法をわざわざ使わなくても、自分の力を使えばい~のに♡
「ガウリイ♡アメリア♡あたしの側にずっといなさいね♡それと。耳押さえといたほうがいいわよ♡」
にっこりとガウリイとアメリアにあたしの後ろに移動するようにと指示をして、
そのまますいっと片手を横にとのばしておく。
と。
ふわっ。
片手を伸ばすと同時に、あたし達の周囲に見えない結界が一瞬のうちにと出来上がる。
こちらの様子に気づく様子すらもなく。
「させるかよぉ!」
雄たけびをあげて、相手にむけて走り斬りかかってゆくフェルティス。
そのまま距離をつめ、神官めがけてロングソードを振り下ろす。
…無駄なことを。
というか、こいつに物質攻撃が効くわけないじゃないのよ♡
ごがっ!!
派手な音とともに、吹っ飛んでゆくフェルティス。
「……え!?」
思わず声を上げているアメリア。
一応、今フェルティスを弾き飛ばしたのは、誰の力でもなくただの魔力障壁。
呪文を詠唱するときに発生する、術者を保護する魔力の障壁。
斬りかかられて、その相手を弾き飛ばすような呪力結界などはアメリアは見た事がないようだし。
まあ、呪力結界もそれぞれ個々の
「……な…何だ?!今のは?」
理解できずに、混乱しつつ、何とか体を起こしている獣人・フェルティス。
「はい、耳栓♪必ずしてね♪すぐにねv」
あたしが二人にいうと。
『は・・・はい』
素直に耳を押さえるアメリアとガウリイ。
それと同時。
すいっと、神官の人差し指がフェルティスをまっすぐに指し。
そして。
自分の力を使えばいいのに、わざわざ精霊魔法の言葉である力ある言葉が解き放たれる。
「
ギュウン!
空間が悲鳴を上げると同時に、十数個以上の光弾が回りに生まれ出て。
指さした一点めざして空を裂きつつ降り注いでゆく。
かなり些細な、でもガウリイ達にとっては、大音響と、衝撃波。
続いて熱気がこの辺りを吹きずさんでゆく。
とりあえず結界がなくても問題ないけど、アメリアもいる手前上。
完結に結界、という形をとり、こちらに術の影響がこないようにしているあたし。
みれば、すでにフェルティスの姿はなく、
彼のいた周りの地面がオレンジ色にと煮沸していたりする。
「なんつう、火力だ……」
それをみて、呆然というガウリイ。
そして続けざまに。
「リナ。あのバルグモンってやつ、逃げたみたいだぞ?」
のほほんと言ってきたりするけど。
わかってるってば。
わざと逃がしたんだし♡
「ありゃりゃ……。もう一人には逃げられちゃいましたよ……
頭をぽりぽりとかきながら、ぽつんと佇んでいたりする。
「……ま、いっか。」
あっけらかんとつぶやいて、視線をこちらに向け。
……まだ気づいてないし♡
「あ~、もしもし?そこのかた。つかぬことをお伺いしますけど。
今の連中の住所とか、ご存知ありませんか?」
のほほ~んと聞いてきたりするし。
「……殺気もないし……何かこいつ…隙だらけだなぁ……」
そんな彼の様子に、呆気に取られていたりするガウリイ。
ま、気配からこいつが何であるかわかっているだけに、拍子抜けしているようだけど♡
そんな中。
アメリアは、びっとその神官を指差して、そのまま断言するように。
「彼方!!さては、レイ=マグナスさんですね!!!」
ごげっ!
あ、こけてる♡
そのまま見事に顔から転げていたりするし♡
「ど…どこをどういうふうについたらっ!そういう理屈が湧き出てくるんですか!?」
錫杖をつきつつ、身を起こしていたりするけども。
・・・・今のでちょっぴり精神ダメージ。受けたみたいね♡
楽しいvv
「簡単なことす!私の知る限り、ブラストボムを使えたのは、レイ=マグナスのみ!」
「あのですねぇ!!レイ=マグナスっていったら、千年前の魔道士ですよ!」
「何いってるんですか!!たかが、千年や二千年!!正義の心があれば、生きられます!」
「い…いったい、どんな心ですか!
とにかく!僕には、ゼロスっていう列記としたちゃんと名前があるんですから!」
のりがいいのよねぇ。
というか、もののみごとに、アメリアのこのやりとりに掴まっているんだけどこいつは。
そんなことを言い放つゼロスに対し。
「ふぅん。…で?彼方、何者です?」
アメリアが問いかける。
「謎の
笑顔のままでそのまま答えているゼロス。
「で?今の連中とは?」
「敵です。」
あっさりと答えるゼロスだし。
だがしかし、未だに警戒しているアメリアをみて。
「……信じてくれないんですか?」
いじけたようなゼロスの表情。
この表情も造っているものだけど、それはそれ。
「敵の敵だからって、味方だとは限りませんから。」
「ま、確かに。そりゃ、そうですけどね。」
その言葉に納得していたりするけども。
「で?本当にレイ=マグナスさんじゃあ、ないんですか?」
ごがしゃ!!
もののみごとに、今度は滑るようにしてこけていたりする。
アメリアの今の言葉のカンウンターはかなり効いたみたいねvv
「ち…違いますってぇぇ!」
また錫杖で身を起こしているゼロスだが、なぜかよろよろとしていたりする。
そんなアメリアとゼロスのやり取りを、面白おかしくみながらも。
このままじゃ、終わりそうにないし…というわけで
「はいはい、そこまでよ。アメリア♪このゼロスがレイ=マグナスのわけないでしょ?
あいつ、未だに情けないことに、氷付けになってるままなんだから♡」
『え!?』
あたしの言葉に、アメリアとゼロスの言葉が重なる。
「久しぶりね♪
この姿においてはねv
にこにこととりあえず話しかける。
まあ、あたしにとっては、ほんの先日前のことではあるけど。
たかが、十年くらい前でも、千年前でも♡
「り……リナ?知り合いなのか?」
ガウリイがゼロスが何か分かっているがゆえにあたしに聞いてくる。
「そうですよリナさん。この怪しさ爆発の神官さん。知っている…というか、知り合いなんですか?」
アメリアもまた首をかしげてゼロスをみながら聞いてくる。
「あ…あの?僕、お会いしたこと……ありましたっけ??」
何やら困った顔でいうゼロス。
まだ気づいてないし♡
「今から十何年か前にね♡
あたしがニ・三歳のころ。このゼロスと一緒に、盗賊いじめを行ってたのよ♪」
リナの姿でだけどね♡
それはとりあえず言わないでおくとして。
さらりと説明するあたしの言葉に。
「リナ…お前、そんなころから……」
ガウリイが何やらなぜかあきれていたりする。
「リナさん!!それこそ正義です!」
それを聞いて感心しているアメリア。
「十何年か前って……え…っ!?」
しばし、ゼロスはなぜか絶句し。
そして。
「え…えっ…えっ!?えっ…えええええぇぇぇぇぇぇえ!!!!!!?」
何やら目を見開き、汗をだくだくと流しつつ、そのまま後ろに飛び下がっているゼロス。
あら♪
ようやく思い出したようね♪
そしてあわててなぜか膝を地面につけていたりする。
「リナさんによっぽど怖い目にあわされていたんですね……かわいそうに……」
そんなゼロスの様子に、心底同情してそんなことをいっているアメリア。
あのねぇ~…
あたしは別に怖い目になんてあわせてないわよっ!
そもそも、あたしをなぜか怖がったり畏れる存在たちが悪いのよっ!
お母さん、悲しいわっ!!
ゼロスは膝をついた状態でなぜか平伏したまま、少し顔をあげ。
「あっ…あのときとっ!お姿が全然っ!!
っていうか、ゼフィーリアにいらしたんではなかったんですかぁぁぁ!!!」
なんか、悲鳴に近い声を上げてるし。
「あら♪そんなのは成長したら、姿なんて変わるに決まってるじゃない♪
それに♡ずっと一箇所に留まっていると思うの?このあたしが♪」
ピシッ!
あたしの言葉に。
なぜか、そのまま音を見事にたてて石化するゼロス。
ま、消滅したり、滅びたりしないのが流石だけど♡
一応、こいつの基本的な力をあげている甲斐があるわよね♡
ガウリイは気づいているけど、こいつって魔族で、あたしが『誰』か知っているのよね♡
昔、というか、この前、あたしがここに来て、ニ・三年くらいたったころ。
部下Sや獣王ゼラスにいって、こいつを連れまわって遊んでいたのよねぇ♡
そのときにちょっと不便だからって力を上げたんだけど、それはそれ♡
「まあまあ。いいじゃないですか。ひとまず悪は滅んだんですっ!
それに、こんなところで立ち話も何ですし。近くの村にでもいきませんか?リナさん?」
アメリアがふと気づいたように提案してくる。
「そうね♪あ、ゼロス♪あんたもくるのよ♪」
「はい……」
なぜか、だくだくと涙を流しつつ、従うゼロスの姿。
まったく…
そんなに畏れなくてもいいじゃないのよ!!
-続くー
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あとがきもどき:
薫:はい♪ゼロス、登場です♪
ゼロス:あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!何で、この御方がここにぃぃぃぃい!!!!!!(涙)
薫:・・・・ま、諦めてください。
ゼロス:人事だとおもってぇぇぇぇ!!
薫:人事ですから・・・・。というか、ゼロスさん、彼方、魔族でしょ?(汗)
ゼロス:しくしくしく・・・・・・。
薫:それとも?Sさん達の変わりしますか?
ゼロス:・・・・え・・・遠慮します(涙)
薫:さて、納得してもらったところで♪
次回。ゼルガディス合流までいきたらいいなぁ。と思います♪(まてこら!)
それでは♪
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