エル様漫遊記  ~ワンダホー偏~


コプリンランド。
サイラーグから少し離れた位置にと出来た、新たなテーマパーク。
なぜコブリン?
という意見が多発していたりするけど。
うまく言いくるめられたのよね。
ここのオーナーは♡
ちなみに元々は、普通のテーマパークを主体に作られているけど。
そのために、中にと存在しているお店などは普通のもの。
まあ、その中のイベント屋敷が変った程度だし。

とりあえず、入れないというサイラーグの調査に出向いているアメリアとゼルガディスは除き、
あたしとガウリイ、そしてダミアでこのテーマパークを調べにとやってきていたりするのだけど。


「へぇ。本日オープンってわりには、人がずいぶん並んでるなぁ。」
ガウリイが並んでいる人達をみて、そんなことを言ってるし。
「そうね♡あら♡」
クスリと笑って、行列の中の一点を見つめるあたし。
くすくすくす。
やっぱりいるし♡
何やってるのかしらねぇ♡
こいつは♡
くすり♡
そっと気付かれないようにと、側までいき。
「ゼ・ロ・ス♡こんな所で何をやってるのかなぁ♡ん♪」
耳元でそこにいる黒い神官服を身にまとっている紫のおかっぱ頭の男性にと語りかける。
その言葉に。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?
  エ…じゃない!リナ様こそ、何でこんなところにぃぃぃぃぃい!!!?」
そのまま、その場を飛びのいて絶叫を上げてるし。
ザグッ!
そのまま何かが突き刺さる音と共に、倒れる黒い塊。
丁寧にも、入場を待つべく並んでいる人々に混じって並んでいたのは。
用事があるからといって、あたしの元から少し離れていたゼロスそのもの。
用があると言ってたのは、このことだって、あたしは、まあ知ってたけどね♡
ふふふ♡
なぜか、この程度のことで、びっくりして。
このあたしのことを『様』づけで呼んでるし…ゼロスのやつは……
この『リナ』の姿のときは、様づけでは呼ばないようにと散々言ってるのにね♡
ザクザクザクと、とりあえず転がっている黒い塊を、そのままスコップで突き刺しておく。
ちなみに。
並んでいる人達、つまりあたし達以外にはその姿は見えてない。
というか、ゼロスの姿を見えないようにとあたしが少し手を加えてるからね。
ざくざくと何かを突き刺す音がしばし途絶えることなく続いていっていると。
「リナさん、入場券、一枚しか残ってないそうです。…一応買いましたが……」
そういって、券を買いにいかせていたダミアがこちらにと戻ってくる。
そのダミアの言葉を受けて。
「あっそ。じゃ、ダミア♡ガウリイと一緒に先に入ってて♡」
にっこりと微笑むあたしに。
「だから、一人分しかありませんよ?」
首をかしげるダミア。
「あら♡ここにあるじゃない♡ほら、ゼロス♡あんたの持ってる券ガウリイに渡しなさいね♡
  ほら、ダメージ受けてるふりしないで♡」
うう…ふりじゃないです…かなりきますよ…エル様ぁぁぁぁ~……
心でなぜか泣いてるゼロス。
えええぇい!泣き言をいうんじゃないわよ!
にっこり微笑んで、今だに倒れているゼロスを見つめると、顔色を真っ青にして。
「わ……わかりました……。はい…じゃあこれ……ガウリイさん……」
ここで、起き上がらなかったら……絶対にとんでもないことになりますし……
……というか、どうしてエル様がここにいらっしゃるんですかぁぁ!?
魔王様達が知られないようにって努力なさってたのにぃぃぃぃ!
などと、面白いほどに動揺しているゼロス。
そんな風に思っても無駄なのにねぇ。
このあたしには、心というか、思っていることなんてすぐに分かるというの…失念してるわね♡
何やら心で泣き言をいいつつも、起き上がり。
ゼロスは自分がもっている入場券を懐から取り出して、ガウリイにと手渡してるけど。
「……いいのか?ゼロス?」
券を手渡されて、一応聞いてるガウリイ。
「……いいんです……」
だから!
どうして、いじけながらいう必要があるのよ!ゼロス!
ガウリイの質問に、本気でゼロスのやつは、心の底から涙を流してるし……
……も~ちょっと、お仕置き決定v
「ま、とりあえず。ガウリイはダミアと先に入ってて♡あたしもすぐにいくから♡」
あたしの言葉に、ちらりとゼロスをみて。
「……死ぬなよ。」
ポンとゼロスの肩に手を置いてるガウリイ。
あら、よくあたしの性格理解し始めているわねぇ♡
「ガウリイさぁぁぁぁん!!」
涙ながらに助けを求めるゼロスをそのままに。
ダミアと共に、先にパークの中にとガウリイは入ってゆく。

さぁぁぁってと♡
とりあえず、近くの小屋にゼロスをつれて入り。
「ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
なぜか、ゼロスから悲鳴が巻き起こるけど。
たかが、少しお灸をすえたくらいで、悲鳴を上げるとは情けないわよねぇ……
「しくしくしく……どうしてエル様がこんな所にいらっしゃるんですかぁ……」
姿を半分透けさせて、泣きながら質問してくるゼロスの言葉に。
「あら♡このあたしにヴィオラがチョッカイ掛けてきたからにきまってるでしょ♡」
「……え゛?」
その言葉に固まってるゼロス。
「ま、いいわ♡さぁて。じっくり、説明してもらいましょうか♡
  といいたいけど、とりあえず、ガウリイ達の手前先に中に入るわよ。」
とりあえず、今はガウリイ達が待ってることだし。
お仕置きというか、お灸をすえるのは、それからでも出来るしね。
そういうと同時に、手を虚空でクルリと円を描くようにと移動させ。
そのまま、その輪郭を通じて、小屋の中の空間とパークの中の空間を直結させる。
小屋の中のはずなのに、片方の空間においては、もうそこはパークの中にと直結しており。
パークの様子がくっきりと浮かび上がる。
今だに、無言でだくだくと汗を流しているゼロスをちらりとみてとり。
「じゃ、いくわよ。」
そういって、そのまま、その輪の中から移動する。
輪の中に入るとそこはすでにパークの中。
「しくしくしく……絶対に!気付かれないようにってことだったのにぃ……」
ゼロスがそんな泣き言を言っているけど。
本気でこのあたしに知られないように出来るって思ってるのかしら♡
それは、絶対に無理ねv
……ユニットとか、あたしと同等の存在なら、それ可能だけど……
ふと、あたしとは、違う場所。
それでいて、あたしと同じ存在達のことを思い浮かべて少し苦笑する。


「リナ!早かったな。」
あたしとゼロスが出てゆくと。
ついでに、あたしとゼロスが移動したのは、パークの中にある従業員の控え室。
そこから出てきたあたし達にガウリイが声をかけてくる。
「どうやって入ってきたんだ?入場券はすでになかったのに?」
首をかしげて問いかけてくるダミア。
「……空間を移動したんです……」
どうにか、形だけでも、見た目はその姿のダメージを回復させてるゼロスが説明してるけど。
まったく。
あの程度でダメージうけて、どうするのよ♡
ダミアには、そんなゼロスの声が疲れたような声にと聞こえていたりするけども。
「……空間を?」
そのゼロスの言葉に眉を少しひそめてるし。
「ま、それはそうとして。さっさといきましょ♡」
そういいつつ、このパークの一番奥にある城。
今は、名前をコブリン城と名づけられているそのイベント城に向かって、進み始める。


鍵がかかっているけどそんなのは関係ないし。
あたしが手を触れるまでもなく、あっさりと、扉はすんなりと開ききる。
というか、たかがちらりと一瞥しただけなのにね。
「――しかし、よくまあ、ここまでコブリンばかり集めたものだよなぁ。」
ガウリイが感心したようにつぶやいているけど。
「ま、この辺りに生息してるコブリンの殆どを、このテーマパークに集めてるみたいだしね。」
あたし達の向かう先にて出てくるのは、殆どがコブリンたち。
それも、大概、改造されているけど。
このバークには殆ど、あまり人間は見受けられていない。
というのも、人間なんかはほとんどヴィオラの実験に使われていたりするし。
あとは、操られていたり掴まっていたりと、様々なのよね。

「……お~い……リナぁ?今度は、トロルのお出ましだぜ。それとレッサーデーモンとかも。」
一歩歩くたびに襲ってくる、コブリンなどを倒しつつ。
進むあたし達の前に、今度出てきたのは。
同じく、ヴィオラが差し向けている、トロルやデーモン。
「……たしかに、うっとうしいわね。ゼロス♪面倒だから、あんたさっさとやっちゃって♡」
あたしの右後ろにつき従うように付いてきているゼロスにというと。
「あ・・・・あの?いいんですか?」
確認の言葉を浴びせかけてくる。
「まあね。あ、でも、あいつらだけ倒すのよ♡
  この建物には手を出さずに壊さないこと♡いいわね♡」
あたしの言葉を受けて。
「分かりました。」
すっと、その手にしている錫杖を前にと振りかざす。
ポシュ!!!!
ゼロスがそういい、錫杖を前にと少し振りかざしたその刹那。
あたし達の目の前にと立ち塞がっていたトロルやレッサーデーモンたち、
数十匹とそこにいた全ての生き物は、そのまま、影も形もなく、崩れ去る。
「こんなものでいいですか?」
にこにこと、笑みを称えたままで確認の言葉を投げかけてくるゼロスに。
「オッケー♡じゃ、さっさと先にいきましょ♡」
軽く受け流し、そのまま、この城の奥にと進んでゆく。
「……今のあのゼロスさんって…何やったんですか?」
少し顔色も悪く、ガウリイに聞いているダミア。
「ん?いつものことだろ?オレに聞かれてもなぁ。ま、とにかく倒したんだからいいじゃないか。」
あっさりと、いつのものことなので動じてないガウリイは、
そんなダミアの質問をさらりとかわしていたりする。
ま、ガウリイは、ゼロスが一応この世界の獣王の直属の部下だって知ってるしね。
まあ、アメリア達ももう知ってるけど。
ダミアにのんびりといつものように答えて、そのまま、ガウリイもまた城の奥にと進んでゆく。

とりあえず。
途中にある、仕掛けなどは瞬時に解き放ち。
ものの少しもたたないうちに、最上階にとたどり着くあたし達。
そんなあたし達の前に、面白いことに、隠れているつもりのヴィオラ達がいたりするけど。
「ふふ♡さぁて♡見つけたわよ♡ヴィオラ♡」
スクリーンの後ろに隠れているヴィオラにと声をかける。
「くっ!どうして、この私が消失させたはずの魔力が回復してるのよ!」
少し心外そうな顔をして、ガンドックたちと共にスクリーンの裏から出てくるヴィオラ達三人。
ちなみに。
スクリーンを科学の力の映像として。
映し出すようにと、見た目をごまかすつもりだったんたけども。
あたし達が予想以上に早く自分達の目の前についてしまい、
その準備すら出来てないという、ヴィオラ達。
魔力が回復しているあたしと戦うのは、不利…そう判断しているヴィオラだけど。
「くっ!魔力が回復してるし!こうなったら……え~い!」
何やら半ばヤケになりつつも、そばにある紐を思いっきり下にとひっぱっていたりする。
それとともに、あたし達が立っている床が開き、地下への落とし穴となってゆく。
『うどわぁぁぁぁぁ!?』
叫び声を上げつつ、落ちてくガウリイ、ダミア…そして、ゼロス。
ガウリイ達は、ともかくとして……ゼロスっ!あんたは一応まがりなりにも魔族でしょうが!
落とし穴を抜けた先の部屋には。
数十個のクリスタルのケースに閉じ込められている男女様々の子供達の姿が。
「……それで?その人間達は?」
分かっているけど、問いかけるあたしの言葉に。
「ふっ。このポットの中にいる子供達は、少なからず魔力を持っていたんです。
  ですから、そのいらない部分を取り除いてあげているんですわ。」
さらりと当然のように言い放つヴィオラに。
「姉上!もうこんなことは止めてください!」
そんな姉であるヴィオラを説得しようとしているダミア。
「かわいいダミアちゃん……。
  あなたなら、この私の理想を理解してくれているとおもってたのに……。
  もう、妹でも何でもないわ。」
そういいきるヴィオラ。
「……何考えてるんだ……この姉ちゃんは?」
ヴィオラの台詞に少しあきれているガウリイ。
ま、今の彼女に何を言っても、無駄よねぇ。
「あ、ゼロス♡この人間達、助けといて♡あたし、あれにちょっと用があるから♡」
そうゼロスに言い放ち。
そのまま、ヴィオラの前にと進んでゆく。
ザザッ。
あたしが近づくたびに後ずさり。
「ふっ。先に子供を助けてあげないと。ここ、爆発しますわよ!ということでごきげんよう!」
そういい捨て、くるりと反転壁を通り。
隠し通路から、逃げるそれを隠していた部屋にと向かうヴィオラ達。
次の瞬間には。
ドン!!
―うどわえええええぃぃ!?―
飛び上がる音と、悲鳴の声が頭上から響き渡る。
ここからは見えないけど、三人は、丁度空にと舞い上がっていたりする。
「……姉上……あの未完成装置……使ったな……」
外から聞こえる悲鳴をききつつ、ぽつりとダミアがつぶやいてるけど。
「あ……あの、リナさん。全員助け終わりました。」
全員を救助して、城の外にと非難させたゼロスが、その報告にと戻ってくる。
「それじゃ、あたし達も外に出ますか♡」
ダミアが仕掛けていた爆発装置は、
少しあたしが力を入れてみただけでものの見事に消滅してたりしたけど。
もう少し、手ごたえのあるのを作るんだったら作りなさいよね……
「どうやら、爆発の危険もなくなったようだし。とっとと、ここから出ようぜ。」
ガウリイの言葉をかわきりに、あたし達は裏口からその城を後してゆく。


「それで?どうするんだ?リナ」
城を出て、ヴィオラ達が逃げたのをうけて、あたしに問いかけてくるガウリイ。
「あら?サイラーグに向かうに決まってるじゃないのよ♡
  そこに、ヴィオラ達の研究所あるんだしね。」
「えええええ!?やはり、知っておられるんですかぁ!?」
目を丸くしているゼロス。
「んふふ♡ゼロス♡このあたしを誰だと思っているのかなぁ?
  このあたしが知らないことがあるとでも思って?」
にっこりと微笑むあたしに、しばし凍りつき。
「……ですよね……そ~ですよね……。それでも無理なことを命令してくる魔王様って……」
ぶつぶつつぶやいているゼロス。
そういいつつ、少しすねながら。
「……僕もようやくアジトを見つけたばかりだったのに……」
ま、なぜか。
あたしの心優しいまでのお灸の言葉や行動で。
しばらく、空間移動すらもゼロスは出来なくなってたからねぇ。
いじけ始めるゼロスをそのままに。
「ま、とりあえず、宿に戻ってからにしましょ。アメリア達も戻ってきているころだしね。」
あたしの声に。
そのまま、何もいわずに無言でうなづくダミアの姿と。
いつものように、そのまま、あたしの言うがままにと決めているガウリイ。


とりあえず、なぜかいじけるゼロスをつれて宿に戻ると。
「リナさんっ!!子供がお墓で迷子になったらしいと情報がありました!助けにいきましょう!
  って……あああああ!ゼロスさん!」
宿に戻るなり、アメリアがぱたぱたと、走りよってきて開口一番そんなことをいい、
そして、横にいるゼロスに気付いて、叫んでいたりするし。
「いやぁ、アメリアさん、ゼルガディスさん、お久しぶりですねぇ♡」
にこにこにこ。
そこにいる、アメリアとゼルガディスに、にこにこと笑いながら挨拶しているゼロス。
「……皆、このゼロスさんを知っているのか?何ものだ?この男?」
ダミアが、今だに。
先ほどのゼロスがデーモン達を一瞬で倒したのを不思議がって問いかける。
別に誰でもできることなのにね♡
そんなダミアの言葉に。
「……リナ、ダミアに説明してないのか?ゼロスのこと?」
ちらりとあたしをみて言ってくるゼル。
「あら。別にいっても下手に怯えたりするだけなんだし。だから言わなくてもいいと思うけど♡」
さらりと受け流す。
「ゼロスさん、急ぎの仕事って終わったんですか?リナさんと一緒にいるってことは?」
ゼルが問いかけるのと同時に、ゼロスに問いかけているアメリア。
「……まだです。しかし、優先順位でいけば。絶対に!リナさんが一番ですので……
  こちらにいないと……それに、すでに関りになられていらっしゃるので……
  一緒にいるしかもう僕達には、方法は残ってないということです。」
震える声でゼロスが答えてるし……
だから!
どうしてそんなに畏れる必用があるのよ!
まったく……
そんなゼロスの様子をみつつ。
「ふっ……。なるほどな。お前でも、リナの怒りは恐ろしいというわけか……」
ゼルがふっと笑いつつゼロスに言い放つ。
「はあ、それはもう……とと。
  いえ!そんなことはないです!リナさんに対して、そんなこと!絶対に!」
汗を大量に器用に具現化させつつ流して、狼狽していっても説得力……ないわよ……
……お仕置き決定ね♡
「……どうやら、本気で怖いみたいですね……分かりますけど……」
しみじみいっているアメリア。
「あのねぇ!あんた達ぃぃ!」
あたしがいうと。
「きゃぁ!すいません!リナさん!」
「落ち着け!街中で手ひどい攻撃呪文はやめてくれ!」
同時に叫んでいるアメリアとゼル。
まったく。
「……ま、いいわ。ところで、その情報があったっていう。お墓にいきましょ。
  ゼロス、当然あんたも一緒にね♡」
「は……はい……」
「アメリア達はどうする?」
ガウリイが、アメリア達に問いかけてるけど。
「そうだな。ダミアから話しを聞いて、少しまとめておこう。アメリア、手伝ってくれるな。」
少し考えて、ゼルがそういい。
「わかりました!ゼルガディスさん!
  ということで、リナさん、ガウリイさん、ゼロスさん、子供の方はよろしくおねがいします!」
にっこりとあたしに笑いかけてくるアメリア。
「じゃあ、決まりねvじゃ、行きますか♡」
とりあえず、再び別行動をすることに。


少し北に行ったところにある、廃墟と化しているゴーストタウン。
きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
町に入るなり、聞こえてくる女性の叫び声。
「いやぁ!こないでくださいぃぃ!こっちにこないでぇ!いやぁ!こわい!エルメキアランス!
  エルメキア・フレイム!ほーりぃぶれす!きゃぁぁぁぁ!!!!!」
くす。
言っていることと、やっていることがかみ合ってないし。
悲鳴を上げつつ、逃げまどい。
襲ってきているゴーストやスケルトンやゾンビ達を、ことごとく呪文で倒していっている、
巫女服を着込んだ長い髪の女性が一人。
呪文一つで綺麗にそれらを消し去ってるし。
あらあら♡
ばたばたばた!
「た…たすけてくださいっ!……って…。
  あ…あら、ガウリイ様、それに、リナさんも……こんな所でお会いするなんて……」
人影に気付いて、助けを求めてあたし達の方にと走ってきたが。
あたし達に気付いて少し驚きの声を上げてたりする。
「くす。それは、こっちの台詞よ♡シルフィール♡ここで何やってるの?」
くすくすくす。
面白いことをしているのは、シルフィール=ネルス=ラーダという名前の、
一応サイラーグの神官長エルクの一人娘。
以前、とある事件で知り合っている人間の女性だったりするし♡
「あ…あの、子供が行方不明になって捜して欲しいと、頼まれまして……」
あたしの質問に答えてくるシルフィール。
あらあらあらv
「それって、尻尾の生えたワールフの水色の髪に水色の肌の男の子じゃなかった?」
ワンパターンねぇ。
もう少し捻りを聞かせて、捕まえようとするんだったら、すればいいのに♡
「あ、そうそう。その子です。」
あたしの言葉に、顔を上げて同意してくるけど。
「いや……それは……」
ゼロスが言いかけると。
パチパチパチパチ。
拍手と共に。
「いやぁ、さすがに、リナ=インバースの関係者だけのことはある。
  すんなり捕まえるのは無理ということですか。」
そういいつつ奥から、例のウールフのガンドックが拍手とともに、あたし達の前にと現れる。
「……捕まえるって?」
意味がわからなくて戸惑っているシルフィール。
「リナ=インバースは手に余るから。別の人間をってことだったんだけどね。
  さすがに関係者の別の人材も一筋縄ではいかないね。ま、今日は、これだ退散するよ。」
そういうだけいって、くるりとキビスを返す。
「あ!まて!」
ガウリイが叫ぶが。
「……ガウリイさん、とりあえず先にあちらを何とかしませんと……」
ゼロスが錫杖を向けて指した先には、こちらに向けて襲い掛かろうとしている、
レッサーデーモンや、スケルトン、ゾンビといった面々が、およそ数百匹ほど。
「……面倒よね。『神滅矢ラグナ・アロー』♪」
人差し指を上空にとむけ。
それを打ち出す。
そして。
「ブレイク♡」
パチンと指を鳴らすと。
上空から、黒い矢の数々が、雨のようにと降り注ぐ。

『うわきゃぁぁぁぁぁ!?』
なぜか、ゼロス、ガウリイ、シルフィールの三人の悲鳴がしばし響き渡ってるけど。
この程度でダメージうけてどうするのよ♡

数秒もたたないうちに。
なぜかそれらはすべてが掻き消えていたりするけど。
まったく…最近の生き物は根性ないったら……
お母さん、悲しいわっ!!


                               -続くー


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まえがき&あとがき:
さて・・・・・。ま、ゲームをしてないと。意味が分からないでしょう
なかなか、ゲームだと、周りの情景とかがねぇ?
ではではvv


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