エル様漫遊記・ベゼルドの妖剣偏



「ま、立ち話も何だしね。それじゃ、行きましょ♡」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・?」」」
パチン♪
「うどわっ!?」
「~!!??」

あたしが指を鳴らすと同時に。
顔を見合わせていたルークとミリーナも一緒に。
そのまま、瞬時のうちに、あたし達の姿はその場から掻き消えてゆく。

シュッン……

一瞬のうちに、あたし達の姿は、先ほどの森の中より掻き消え…そして…
次の瞬間には、シェーラが一応すんでいた、壊れた家の横手にと移動していたり♪
なぜか、ルークとミリーナが目を丸くしていたりするけど。
まったく、度胸が小さいわね♡
「ってぇぇぇぇえ!?何だぁぁぁぁ~!?」
何やらわめいているルーク。
見れば、今まで自分たちがいたはずの森の中から一瞬のうちに、
村はずれにとあるシェーラの家の前に移動しているのに気づいて、何やら叫んでるし。
「――今の……」
何やら顔色がわるいミリーナ。
「リナァ~。オレですら慣れないのに……
  …初対面のやつらをいきなり瞬間移動に巻き込むなよ……」
何やらあたしに言ってきているガウリイに。
「……もしかして、常にこの御方って…この調子ですの?」
何やら声を震わせつつも、ゼロスに聞いているシェーラ。
「そうですよ?」
「…私がお供でなくてよかった……」
何やらぼそぼそとそんな会話をしているゼロスとシェーラ。
そして。
ふと。
「んにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!?」
ふと、シェーラが視線を移したその先に……
瓦礫の山とかしているソレをみて叫んでいるシェーラ。
しんなシェーラの叫びに、あたし達にと気づき。
「シェーラちゃん!?」
「無事だったのかい!?」
「何があったんだ!?」
などといいつつ、シェーラの周りに集まってきている村人たち。
ちなみに、あたし達が瞬間的に現れたことについては、誰も気づいてなかったり♡
こういうやじ馬根性で集まる人間とかって、おしゃべり好きだからねぇ。
彼らが話し込んでいる間にあたし達はここにやってきたんだけど。
「……あたしの…家……」
それをみて、何やら小さくつぶやいていたりするシェーラ。
そんなシェーラの言葉に。
「ああ。てっきりシェーラちゃんが瓦礫の下敷きになったんじゃないか、と思ってね。
 村人たちで瓦礫を排除しつつ、魔術を使える人がゴーレムを呼び出して片付けたんだけど……」
まあ、きちんと命令しなかったら、家まで瓦礫、とみなして壊すからねぇ。
ああいうのは♡
そんな村人の言葉に。
「そんなぁ!?確かに一部は火炎球ファイアー・ボールで吹っ飛ばされたけど…
  …まだ一部は使えたのにぃぃい~!!?今晩からのあたしの寝るところがぁぁぁぁ~!!」
何やら叫んでいるシェーラに。
「いやぁ、悪かったよ。シェーラちゃん。てっきり瓦礫に埋もれているもの、とばかり……」
などとシェーラに言っている村人たち。
そんな村人たちにと抗議の声を上げているシェーラ。
「?シェーラさん?あなたなら元通りにすることくらい簡単じゃないですか♡」
そんなシェーラにと、にこにこといっているゼロス。
そんなゼロスの言葉に。
「そういうけど!ゼロス!?この御方たちが、私の家で話をされるつもりだったら…
  …いやぁぁぁぁ~!あたしまだ滅びたくないぃ!!」
何やらゼロスに対して叫びつつ、そんなことをいっているシェーラ。
いや、だから、何でこのシェーラちゃん、このリナとかいうヤツにここまで怖がってるんだ?
そんなことを思っているルーク。
「あら、というか。それなら元通りにすればいいじゃない♡」
にっこりと言い放ち。
そして。
ふわっ。
その手に小さなロッドを出現させ、そして軽く、壊れた元家の残骸。
…つまりは、瓦礫の山にとロッドを向けるユニット。
と。
パァ……

ふわっ!
ガタガタ…カッ!!
その瞬間、瓦礫の山が淡い光に包まれたかとおもうと、空中にと浮かび。
そして、空中に浮ぶとどうじに、くるくると舞うようにして弧を描き。
そして、瓦礫が光に包まれ、その光と同時に一瞬のうちにと壊れる前の姿にと姿を変えてゆく。
「「「うどわぁ~~!!??」」」
「「な゛な゛な゛な゛!?」」
何やらそれを目の当たりにして、面白いまでにと驚いている村人たちと。
「……今……何を……」
「…ってぇ!?家が再生されてる!?」
なぜか驚きの声を上げているミリーナとルーク。
「あら?ユニット。直したの?ゼロスかシェーラにやらそうと思ってたのに。」
そんなあたしの言葉に。
「まあいいじゃない♡とりあえず、家に入りましょ♡こんな事は誰でも可能だしね♡」
「それもそうね。」
いいつつも。
ギィ。
元通りになった家の扉をあけて、中にと入ってゆくあたしとユニット。
「…いつもいきなりだなぁ。…何か慣れてる自分が怖いけど……。
  とりあえず、ここにこうしていても何だし。中にはいってもいいんだろ?」
半ば呆然と突っ立っているシェーラにと聞いているガウリイ。
「……あ、はい……」
そんなガウリイの言葉に反射的に答えるシェーラ。
そして。
「…えっと…とりあえず、今みたことは忘れてくださいね♡」
ガクッ!
ゼロスの言葉と同時に、村人たちが一瞬のうちにと眠りこけ。
すっ。
ゼロスがその手にもっている錫杖を横にと振ると、各自それぞれ、
眠ったままでそれぞれの家にと戻ってゆく。
「これで、今の出来事は夢だと思うでしょうしね♡
  …おや?ルークさん?ミリーナさん?どうされました?」
いまだに驚いて固まっている二人にと聞いているゼロス。
「…どうしたも…今の何だ!?」
「…一瞬のうちに何でも再生させるって…
  …『リナ=インバース』の噂は…あの噂は本当でしたのね……」
何やら叫んでいるルークに、しみじみと小さくつぶやいているミリーナ。
「…ま、まあ、あの御方達ですし…それにこのくらい僕もシェーラさんもできますよ?
  ――とりあえず、家の中にはいりましょう♡」
にこにこと、笑みを浮かべていうゼロスのその言葉に。
なぜか釈然とせず疑問に思ったまま、促されるようにとシェーラの家の中にと入ってゆく彼ら達。


「…あ、あの…お口にあいますかどうか……」
カタカタカタ……
なぜか震えつつ、
テーブルにと椅子に座ってついているあたしにとレモン・ティーをさしだしてくるシェーラ。
「…で?とりあえず、簡単でいいからそれぞれ自己紹介しません?
  この一部の人達とは初対面なわけだし♡」
にっこりと。
足を椅子に腰掛けて、ぶらぶらさせているユニット。
そんなユニットの言葉に。
「…ま、まあ、一理あるが…でも、何だってシェーラちゃん?こいつに対して怯えてないか?」
あたしを指し示しつつ、何やらシェーラにいっている、そういうルークの言葉に。
「きゃぁぁぁぁぁ~!?そんな畏れ多いことはいわないでくださいぃぃ~!!む
なぜか本気で叫んでいるシェーラ。
そしてまた。
「…えっと…ルーク…だっけ?下手な口聞いたら問答無用で消されるぞ?リナに?」
などと、本気でいっているガウリイ。
「あら♡どういう意味かしらねぇ♡二人とも♡」
ピッシッ。
あたしの言葉になぜかまたまた固まるシェーラ。
ガウリイもなぜか凍り付いてるし。
「と…とりあえず。では僕から。
  先ほどルークさんとミリーナさんには森の中を進みがてらにいいましたけど。
  謎の神官ゼロスといいます♡」
「もしくは、使用可能な使いっぱしり♡」
「……しくしくしく……」
あたしの言葉になぜかいじけ始めているゼロス。
「私はユニットよ。ミリアム=ユニット。ちなみに、愛称はスミレよ♡よろしく♡」
にっこりと、紅茶カップを片手にもちつつ言っているユニット。
「…ではこちらも一応自己紹介をさせていただきますわ。
  宝探し屋トレジャーハンターをしています、ミリーナです。」
「同じく!ミリーナとラブラブ二人組みでカップルでコンビを組んでいるルークだ。」
「唯のバートナーです。ルーク。」
「……ミリーナァ~……」
声のトーンすらも変えずにさめた口調で淡々と言い放っているミリーナに、
ならせかいじけている声をだしているルーク。
「あたしはリナよ。で、こっちがガウリイ。」
かるく名前をいい、そしてにこやかに。
「それで?ルークとミリーナはどうしてここに?
  あたしのほうは偶然に襲撃の場面に出くわしたわけだけど♡」
そんなあたしの言葉に。
なぜか。
「いや。リナは絶対に狙ってた!」
どがっ!
――きゅぅ……
なぜかそのまま、机に突っ伏したガウリイはほっとくとして。
「あら♪ガウリイさん、何寝てるのかしら♡」
そんなガウリイをみて、にこにこといっているユニット。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
なぜかそれをみて無言になっているルークとミリーナ、そしてなぜか固まっているシェーラ。
「…ガウリイさんも懲りませんねぇ……」
そんなガウリイにそんなことをぃっているゼロス。
「…あ、いや、俺たちはそっちの娘…シェーラちゃんのちょっとした知り合いなんでな。
  家を訪ねていったら、火炎球ファイアー・ボールで家は燃やされ、瓦礫と化している。ときたもんだ。
  村人たちとシェーラちゃんが埋まっているかもしれない、というので瓦礫をのけようとして……」
そういうルークに続き。
「そこで僕と出会ったんです♡
  ……リナさんたちが見つからないのでとりあえず…シェーラさんにでも会いにいこうかと……
  このお二人にシェーラさんのすんでいるところをお聞きしていたんですけどね♡」
ルークに続いて説明しているゼロス。
「そんなとき、森の中から爆発音が聞こえてきて…
  で、この人と一緒に音のした方向に向かったまでですわ。」
淡々と続いていっているミリーナ。
「…しかし…シェーラちゃん?
  …まあ、この『リナ=インバース』に関しては、いろんな噂があるから、
  何かあっても当たり前な気がしなくもないが……
  あの黒尽くめの男達…ひょっとして…あのコトでか?」
ビクッ!
「し……知りません!!」
今ここで、この御方に計画が知られたらぁぁぁ~!!
…何かそんなことを思いつつ、びくついて、ルークの言葉に即答しているシェーラ。
「まあ、そう固くなになるなって。ただ…今日のようなことがまたある。とはいえないしな。
  ここは俺たちを頼ってくれても……」
「知りませんったら知りません!私にかまわないでくださいいぃぃ~!!
  私は私のすべきことをしているだけです!」
ルークの言葉に何やら叫んでいるシェーラ。
「…しっかし、気の長いことしてるわよねぇ♡」
…ピッシ。
なぜかあたしの言葉に凍りつくシェーラ。
「…そういえば?シェーラさんのことをリナさんたちも知っていたようですけど?
  シェーラさんもお知り合いなんですか?」
ふと、気づきあたしに聞いてきているミリーナ。
「ま、いろいろと情報は入ってくるしね♡」
嘘ではないし♡
「そうそう、例えば例の剣のこととか♡」
ガタタッ!!
「な!?オマエラもあれを!?」
面白いことに、椅子をがたりと倒しつつ、テーブルに手を置き、叫んでくるルーク。
そなあたし達の会話を聞きつつ。
「…いやぁぁぁ!何で!?どうして!?大人しくしてるのにぃぃ~!!」
……何やらわめいているシェーラだし……
そんなシェーラに向かい。
「まあまあ。シェーラさん。この御方達が介入されたのですから、仕方がないと♡」
そんなゼロスの言葉に。
「うっうっうっ!!そもそも、どうして連絡がなかったのよぉ~!!」
何やら面白いまでに狼狽しているこのシェーラ。
「まあ、いつものコトなんですけどねぇ♡何か僕が定期報告に行っているときに限って、
  何らかにかかわっておられたりするんですよ。これがまた♡
  しかも、ガウリイさんの気配まで、リナさんは完全にシャットアウトしてくれてましてねぇ♡
  ようやく探し当てたときには、時すでに遅し♡というやつです♡
  今回はまだ早かったほうですよ♡」
にこやかに説明しているゼロスに対して。
「ゼラス様たちがそちらに来てもらえるようにしなさいよ!!
  というか、だからこそ……なのにぃ~~!!」
何やら言い合っているゼロスとシェーラ。
「??シェーラちゃん?そういや何だって、シェーラちゃんみたいな子が、
  こんなよくわからん神官と知り合いなんだ?」
そんな二人をみて、ふといまだに立ち上がったままのシェーラにと聞いているルーク。
「それは秘密です♡」
そんなルークに、にこやかに返事をしているゼロス。
「そんなことより。ルークさん?何どもいいますが、お話することはありません。
  気にかけてもらってうれしいですけど……」
そこまでいってうつむくシェーラに。
「シェーラちゃん…気持ちはわかるけど。
  世の中、ただ意地を張ればいい、ってもんじゃあない。
  またさっきの連中のなうなやつが意地を張っているせいで出てきたら……」
「ですから!!これ以上つきまとわないでください!ルークさんとミリーナさん!でしたっけ?
  私には私の生活があります。現にあの男達も、
  幾度もあなたたちが家にやってこられてたから攻撃してきたのかもしれないでしょう!?
  というか、『あなたたちの行動で私の家を突き止めた!』と、
  あのザインとかいう人がいってましたし!これ以上関わらないでくださいい!
  …あまつさえ、そのせいでっ!!
  この御方たちまで関わってこれられるハメになったじゃないですかぁ~!ぴぇ~!!!」
…本気で泣いてるし……このシェーラは……
「…ま、まあ……
  …『リナ=インバース』さんの噂を知っていれば…この反応も仕方ないんでしょうね……」
そんなシェーラをみて、何やらつぶやいているミリーナ。
「シェーラさん、情緒不安定になってるわね♡」
「まったく…そこまで畏れなくてもいいでしょうにねぇ♡」
そんなユニットとあたしの言葉に。
なぜか重力の塊から逃れたガウリイと、シェーラと話していたゼロスとが。
……当たり前だという気が(しますけど)(するが)……
ガウリイとゼロス、二人同時に同じようなことを思ってるし、こいつらは……
「……ともかく。ルーク。シェーラさんがこの状態では、今は何をいっても無意味でしょう。
  …明日出直しましょう。…リナさんたちもそれでどうですか?
  一晩たてばシェーラさんも落ち着くでしょうし……」
カチャリ。
と紅茶カップをおき、泣いているシェーラをみつつ、そんなことを提案してきているミリーナ。
「まあ、ミリーナがそういうんだったら、俺に異存はねえよ。」
いともあっさりとそんなミリーナの言葉にうなづいているルークに。
「それもそうね。そろそろお昼だし♡お昼ご飯でも食べにいきましょ♡」
「賛成♡」
「異議なし!飯ぃぃ~!!」
そろそろ確かにお昼だし。
そんなあたしの言葉に、なぜか即座に反応しているガウリイと。
にこやかに言ってきているユニット。

そして……

「…と、なると――何か行動を起こしとかないと…シェーラさん?危ないですよ?」
こそっと。
シェーラにといっているゼロス。
「うっうっうっ。こうなったらあの連中だけでも僕にしてやるぅ~…
  …そのまま撤退したら私どうなるかわかんないしぃ~…」
本音としては今すぐにでもこの役目…返上したいのにぃ~……
そんなことを思いつつ、ゼロスにのみ聞こえる程度の小さな声で話しているシェーラ達。
「ま、あの御方を退屈させなければ♡お仕置きはありませんよ♡
  ――それとも、僕の役目と変わります?」
ぶんぶんぶん!!
なぜか小声で話しているゼロスの言葉に、首をぶんぶん横に振っているシェーラだし。

「ま、それじゃ、またね。シェーラ。」

――バタン。
なぜかいまだに涙目にとなっているシェーラを残し。
とりあえず、あたし達は食事を取るために、家を後にしてゆく。

そして……後には……

「こうなったら、とっととあいつらだけででも実験よ!
  何もしなかったらしなかったで怖いしぃぃ~~!!!」
…どこかでちょっと食事でもしよ……
などと思いつつ叫んでいるシェーラの姿が。
家の中において見受けられていたりするけども。
だから、そんなに怖がることないじゃない。
そりゃ、何もしなかったらお仕置きはするけどね♪


                            -続くー


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あとがき:
薫:・・・・何が気の毒って・・・シェーラが気の毒なのかなぁ?(汗
  ま・・・リナさんの正体・・・しってますしね(滝汗・・・
  何はともあれ、次回でまたvv
  2005年2月5日某日


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