エル様漫遊記 ~ベゼルドの妖剣偏~
……パッキィン……
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」
「あら♪」
ポニーテールの少女の手にしていたその辺りに落ちていた木の枝で、
金髪の男性がっもていた剣があっさりと折れる。
「ど…どうしてくれるんだ!?伝説の剣を!?」
などと何やらわめき散らしている村人たちだけど…
「あら♡伝説の剣って。
こ~んな枯れた木の枝でちょこっと触れただけで、あっさりと折れるんだ♡」
にこやかに、それでいて、周りによく響き渡るすんだ声で言っているのは……
「「うっ!?」」
あ、面白い♪
あからさまにそんな彼女…ユニットの言葉に人々は動揺し、うめいていたりする。
そしてまた。
「…そういえば……」
「…おかしすぎるな……」
「枯れた枝だぞ?」
「…切れ味を試そうとちょっと触れさせただけで……」
他の挑戦者たちの声から疑問の声が沸きあがる。
びくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!
そんな彼らの言葉にあからさまにびくついている村人たち。
~♪
楽しいったら♪
あたし達以外の挑戦者たちから、どよめきとざわめきが沸き起こってゆく。
「本当の
ってことは、よくある『偽者の剣で村おこし』。ついでに資金を調達ってところかしら♪」
そんなあたしの言葉に。
「……リナ達なら本物でも折れると思うぞ……」
ぽつりとガウリイが何やら言ってるけど。
ドゴッ!!
パンパン。
「さってと、何かたわごといっているみたいなガウリイはほっといて。
…で?この始末はどうつけてくれるのかしら♡」
ピクピク…がばっ!
あら、もう復活してるし。
「あ、あのなぁ!リナ!いきなり石を人にぶつけるのはやめろ!つーか下手したら死ぬぞ!?」
何やら頭にちょつぴりタンコブを創っているガウリイが抗議をしてきているが。
「…ええと…ガウリイさん。たぶん、死んでも生き返させられるとおもいますよ?
何ならその心配がないように僕らの仲間になりませんか♡」
にこやかにそんなことをいっているゼロス。
「あら。ゼロスさん、何さり気にガウリイさんを勧誘してるのよ?
まあ、どうでもいことはおいといて。
…で?偽者でお金儲けをしようとしていたあなたたちを他の人達はどう思うかしら?」
にこやかにそんなことをいっている、
黒い漆黒の長い髪をポニーテールにしている少女…ユニットの言葉に。
さ゜わっ!!!
面白いまでに集まっていた人々がざわめき。
村人たちにいたっては動揺し。
そして。
「「「そうだ、そうだ!金かえせぇ~!!!!」」」
「「「このインチキ!!」」」
そんな声とともに…主催者でもある村人たちにと詰め寄ってゆくほかの人々。
少し前まで一緒に旅をしていた人間や、あとちょっとした便利な荷物持ち役二名。
まあ、あいつらは、あっちにおいてきているからまあよしとして。
とりあえず、気ままに旅をしているあたしこと、ここでの名前はリナ=インバース。
と、人間の身でまともについてきている、金色の髪の男性、ガウリイ=ガブリエフ。
そしてまた、この前一緒になったあたしの親友ユニット。
ここではミリアム=ユニット、と名乗ってるけど。
見た目、十歳前後のかなりな美少女。
あと、なぜかオマケでくっついてきているゼロスを伴い。
あたし達は四人で旅をしているのだけど。
そんな中で立ち寄ったこの村。
とりあえず、部下Dの世界にと戻ったゴルンノヴァの代わりを…というので、
この世界でいうところの、【光の剣】の代わとなる品物を探しているあたし達。
まあ、どこに何がある、などというのはすべてわかってはいても。
寄り道するのもまた楽しいし♡
そんな中で、ここに【伝説の剣】がある、という噂をきき、この村にとやってきたあたし達。
岩に突き刺さった剣を挑戦料、銀貨五枚を支払い……
当然のことながら、ガウリイはそれをあっさりと抜き放ったのだけど。
ユニットが『強度と切れ味の実験♡』といって、
その辺りに落ちていた何の変哲もない木の枝で、何の力をも込めずに叩いたところ、
ぽっきりと折れているソレ。
あたし達以外の挑戦者たちが村人達にとつめかけ…
そして……
「「「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~!!!!!!!!!?」」」
なぜか村中、といわず、辺りの山にと村人たちの悲鳴に近い叫びがこだましてゆく。
…ボロッ…
「ど……どうにかこのことはご内密に……」
人々に蛸殴りにされ、なぜかぼろぼろになった村長がいってくる。
ちなみに、あたし達と同じく、挑戦していた人々…
『岩に突き刺さっている伝説の剣を引っこ抜いたら自分のもの』。
というお決まりのイベントを受けていた人々は。
一人につき、迷惑料を込めて、金貨十枚、村は支払っていたりする。
あとは、この村で一夜を明かす場合は
とりあえず、今夜はここで休み、明日の朝出発。
…そう決めたあたし達が夕食をとっているそんな中。
宿屋の食堂にとやってきているこの村長。
あたしが一応、名の知られた魔道士、だとわかり。あわててやってきているこの現状。
…まあ、今日来ていたのほかの挑戦者達においては、
それなりの金額受け取ったら他言はしなかったり、または他言しても信用されない。
といったことがあるのだけど。
だけども、このあたし、【リナ=インバース】となれば話は別。
それゆえに、手土産をもって懇願に来ているこの村長。
名前をクルノ。
ちなみにゼロスはというと、資金稼ぎ…
もとい、資金調達をかねて、オリハルコンをとらせに言っていたりする。
まあ、そのついでに定時連絡もしてくる、とかいってたけど。
それはそれ。
「まあ、別にいいけど。」
「どうせなら、本格的にコンクリートで固めればよかったのに♡
多少の力が入ったらアッサリとアレじゃあ抜けますよ♡
それに作り方も雑だつたようだし♡腐食して折れやすくなってても仕方ないですよ♡」
にこにこと、いいつつ。
バクリ。
とイチゴサラダのイチゴを口にとほうばるユニット。
「そうねぇ。レンガを作り出す要領で、積み上げたそれに布をつけて。
そのうえから銀を流し込んで。剣の形にしてもねぇ。
どうせなら金とかプラチナとか、オリハルコンでやればまだいいのに♡」
至極当然な、あたしとユニットの意見に。
「…な゛!?どうしてそれを!?」
どうして作り方まで!?
などと、何やらバニクってるし、この人間は。
「ま、リナとユニットちゃんだしなぁ~。…あ、これおかわりお願いします。」
それですませて、おかわりを頼んでいるガウリイ。
「……あ、あの…ところで…お詫び…といっては何ですが…
……一応お耳に入れておいたほうがいい…とおもいまして…
それで、この村のことはできれば他にはいってほしくは……
…いえ、私たちが悪いのはわかってます。
ですが……これで人がこなくなったらこの村はおしまいです。何とぞ……」
どうでもいいけど、他にも人がいるのに、土下座をしなくても……
ま、他にいる客もなぜ彼がこんなことをしているか。
というのにいたっては、理由を知っているからどうってことはないけど。
等と何やらいいつつ、小さな麻袋を出してくる。
「で?耳に入れることって?」
にこにことしつつ、問いかけるユニット。
そんな彼女の言葉に促され…
「実は、他の皆様にもお耳に入れたのですが…。
この前、友人の知り合いが何やら謎めいた剣の話を耳に挟みまして…
――ベゼルド、という町の山の中に剣があった、とかいう話なんですが……」
何やらいってくるそんなクルノ村長。
「ああ、そういえば、グラウシェラーのやつが面白いことやってるわね♡」
「確かその辺り、ちょこっとレサーデーモンとかブラスデーモンとかが、
たしか数十ダース単位で発生してなかった?リナ♡」
「まあ、アレ実験と実益を兼ねてるみたいだけど…そうねぇ。ヒマだし。」
「……?あの??」
あたしとユニットの会話に首をかしげつつ。
何やら問いかけているこのクルノ。
なぜか、他の客などは、レッサーデーモンとかブラスデーモン、
といった、たかだか雑魚でしかない存在の言葉にざわついてるし。
…まったく、根性がなってないわねぇ♡
「面白そうだし♡詳しく話してくれるかしら♡
話によっては、今回のこの一件。協会には連絡はしないし♡」
にっこり微笑むあたしの言葉に。
「は…はい!!」
なぜか即答してくるこのクルノ。
そして、クルノの口から、アレについての噂が語られてくる。
…まあ、この村、あの作り物の偽の伝説の剣でかなり設けてたからねぇ。
村がさびれるうんぬん、というのは、生活習慣を改めればいいだけだし♡
ま、魔道士協会側にはいわなくても、話の話題に上げるのは関係ないしね♡
少しはお灸をすえないと♡
村と役人がつるんで利益を得ていたわけだしね。この村は♡
ま、何はともあれ。
さってと、次の暇つぶしは決定ね♪
次の日。
「どうでもいいが……二人とも、ゼロスがいないときに限って目的地…決めてないか?」
とりあえず、向かうはベゼルドの町。
ガウリイに伝え、出発したあたし達。
そんなあたし達にと何やらいってきているガウリイ。
「あら、気のせいよ♡」
ま、ゼロスがいたら、連絡が回って楽しめないしねぇ。
じと目でそんなあたしをみているガウリイだけど
「まあまあ。とりあえず、早くガウリイさんの新しい剣を見つけるのが先決ですよ。
ゴルンノヴァさんは当分、というかこちらに呼び出ししない限りはもうきませんし。」
にっこりと、そんなガウリイに対していっているユニット。
まあ、あちっちもきちんとお仕事をしてないからねぇ。
さぼったらどうなるのか…わかってるでしょうにね♪
「別にこれでいいんじゃ?」
いいつつ、腰の剣に手をかけるガウリイだけど。
「だ・か・ら♡それは別の世界のものだってば♡それにガウリイのものじゃないしね♡
あんたの腕だときちんとしたものもたないと♪」
「そうそう。私の暇つぶしの相手とかしてもらわないといけないし♪特に雨の日とか♡」
あたしの言葉に続けていっているユニット。
「…ヒマつぶし…って、いまだに二人ともからも、一本もとれないのに……」
何やらそんなことをつぶやいているガウリイだけど。
まあ、ユニット……雨の日とかはヒマだからって。
ガウリイの稽古に付き合っていたりするのよねぇ。
付き合っている、というか、ガウリイがつき合わされている、というか。
ま、別にそれはどうでもいいけど。
ま、確かに退屈はしないしね♡
たまにあたしも加わってるし♡
そんなガウリイの言葉に。
くすっ。
「あら♡あたしやユニットから一本なんて取れるわけないじゃない♪」
「私とリナなら引き分けだけとね。」
「そうそう。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
オレって、二人のヒマつぶしの相手か?
…というか、リナ達に勝てたらそれはそれでとんでもないんだろうが…
……よく死なないよなぁ…オレ……
そんなことを思いつつ、何やら無言になっているガウリイだし。
「あら。大丈夫よ♡死んだら死んだで生き返らすし♡」
何やら面白いことを思っているガウリイにと話しかけるあたしの言葉に。
「だからぁ!人の心を勝手の読むのはやめてくれぇ。リナぁぁぁ……」
何やら情けなくもいっているガウリイ。
「ま、気にしない、気にしない。」
「そうそう♡」
何やらわめくガウリイをそのままに。
とりあえず、村からでて、街道筋を進んでいくあたし達。
さってと。
人気がなくなったところで、ベゼルド付近というか近くに一気に移動するとしますかね♪
-続くー
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あとがき:
薫:あはははは(汗)何を改装中なのに、やってるんでしょうかねぇ。
いえね。なぜか、最近これ(漫遊記)ぱっかり打ち込みしている薫です・・・
とりあえず、ノートを引っ張り出していたりする今日この頃(笑
ま、ただ今、無修正版のほうの、ノートに書きなぐったままのを打ち込みしてるから。
なんでしょうけどねぇ・・・夢に漫遊のエル様でてきたりして(実話
まあ、何はともあれ。ちらほらとのんびりといってみたいと思いますv(笑
ちなみに、ノートは20ページ以上です(笑)どこまでなるかなぁ?
さて、さわり部分は完了。次回、登場、シェーラです(笑
・・・・さて、ゼロス登場は何話になるのかな?(まて!
2005年2月3日某日
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