エル様漫遊記  ~TRY偏~


「ゲートが……開きます!」
上空の石柱が開き、そこから出てくる一つの黒い影。
それをみて叫んでいるアメリア。
そのまま闇が周囲にと広がっていき、あたりに稲妻が巻き起こる。
「あれが……ダークスター……まさに暴走する破壊神……だな……」
以前の魔王の時よりもすごいんじゃないか?
などと冷静にどこかで分析しつつそんなことをいっているゼル。
脈動しすべてを包み込むようにと広がってゆく闇。
まあこんな闇は本当の闇とはいえないけど。
「早く!力の分断を!」
そんなことをわめいているアルメイス。
向こうの世界からこちらにと移動してきているD。
まったく、何を考えているのかしら。
が。
そんな声には耳を傾けずに。
「何をいっている。このままとっととこの世界に押し付けて、このゲートを閉じればいい。
  さすればわれらが世界は助かる。」
「な゛!?この後に及んでまだそんなことを言っているのか!?エルゴロス!」
「我らだけでヤツを倒せるはずはない!とすればそのほうが一番手っ取り早い!」
エルゴロスがアルメイスに食って掛かっていたりするけど。
……う~ん、神族の本質、根本から狂ってるわねぇ。
まったくあの子は部下にどういう躾を……
「くっ……言い争っている場合じゃないのに……あいつら……」
すでに半分デュグラディグドゥはこちらの世界にと具現化してきていたりする。
そんなことをいいつつうなっているゼル。
「ま、勝手にやらせとけばいいじゃない。
  それじゃ、あたしはちょっと行ってくるわ♡留守番よろしくねv」
ゲートの台座の上にいるアメリアたちにとにっこり微笑み言い放つ。
そのままゲートの横に浮かんでいる数十の柱の一つに乗りつつも、
今湧き出てきている闇にと向かってゆく。
「リナさん!危ないです!」
あたしがそちらに向かっているのをみてアメリアが止める声を発していたりするけど。
「ま、大丈夫だってvま、ゆっくりまっててよね。」
あたしの方をみて叫んでいるアメリア、ゼルを具間みつつ。
そのまま広がり始めている闇の中にと入ってゆく。
「リナ~!!」
何かガウリイが叫んでいるけど。
「…あ~あ、気の毒に…闇を撒くものダークスターさん…それに漆黒の竜神ナイトドラゴンさん……
  まあ僕たちにとばっちりさえこなければいいですけどねぇ……」
などとあたしの方をみて何やらつぶやいているゼロス。
いまだに言い争っているアルメイスたち。

少し進むと、ガウリイ達からはあたしの姿が完全にと見えなくなる。
私の周りで力を暴走させつつ暴れている部下Dことデュクラディグドゥ。
ついでに部下Vことヴォルフィードもいるんだけど。
まったく。
この子たちは……
「あのねぇ。あんたたち!!!いい加減にしなさいよ!!!」
いまだに暴れている部下二人に対して一括する。
そしてそのままそこにいる二人に向かって多少力を解放しぶつけておく。
カッ!
闇の中を金色の光が包み込む。
その中に出現する二人の男女の姿。
「さってと?」
にっこりと笑いつつ、
そこに漂う二人の男女にあたしは取り出した大鎌をとりあえず突きつける。
「あんたたち?いったい何をやってるのかしらぁ?
  ん?ヴォルフィード?デュグラディグドゥ?」
にっこり微笑みつつなぜか呆然としている二人に微笑みかける。
なぜかしばらく呆然とした後に。
はっと我にと戻り。
『う……ううん……』
頭を振りかぶりつつ、そして目の前にいるあたしにようやく気づいているこの子たち。
視線をあたしに向け。
『ひっ!!エ……エエエエエエル様ぁぁぁぁぁぁ~!!!!!!?』
なぜか二人して同時に叫んでいたりするし、この部下たちは。
そのままの姿勢でなぜか固まってるし。
あたしの今の姿はリナとしての姿ではなく、
よく彼ら部下たちに接するときの姿にと変えている。
そのほうが何かと面白いし。
リナの姿のままだと、まず。
『あたし』というのがこいつら情けないことにわからない可能性が高いからねぇ。
「んっふふvさぁぁぁってと?じっくり説明してもらいましょうかね?二人とも?
  何でこんな融合とか暴走とかして遊んでいるのかしらねぇ?」
にこやかに微笑みつつじわりじわりと大鎌で体を切り刻んでゆくあたしのその言葉に。
なぜかあたしに対しておびえている二人の姿が。

あたしが闇の中にと入ったと同時。
ようやくあたしがその場から一人で闇の中にと向かっていったことに気づいている彼ら、
アルメイス、シーリウス、エルゴルスの三人。
一応彼らはヴォルフィードの部下であり一応は神族に属していたりするんだけど。
神族の基礎が少々狂ってるしねぇ~…まったく……
「な゛!?な……なぜとめなかった!?」
などとわめいているアルメイス。
言い争いしてて気づかないこいつらも相当なものだけどね。
「止める間なんてありませんでした!」
などといいつつ涙目になっているアメリア。
う~ん、あたしは大丈夫だというのに、理解できてないアメリアだし。
まああたしも正体教えてないから心配するんでしょうけど。
「……ふっ。死んだな。」
などと笑みを浮かべつつどうでもいいというようにつぶやいているエルゴロス。
「そんなことはありません!リナさんは絶対に殺しても死にませんっ!」
そんな彼をきっとにらんで言っているいるアメリア。
まあ、そりゃあたしを殺すなんて無理だけど…ねv
「エルゴロスさん…といいましたっけ?僕はそれよりあなたのほうが危ないと思いますよ。
  あの御方に対してそんな口調を……(汗)」
そんなエルゴロスに対してぽつりとつぶやいているゼロス。
「?どういうことだ?」
なぜか震えていっているゼロスの様子をいぶかしり、首をかしげ質問しているシーリウス。
どういうこともあったも何もありませんよねぇ。
何しろあの御方……エル様に対してあんな口を開かれて…
…ただで済むとは思えませんし……
とはいえそんなあの御方の正体をバラスようなことをいったらそれこそ僕は命ありませんし。
などと思いつつ。
「……それはいえませんけど……でも覚悟はなされていたほうが……」
などと親切にも忠告しているゼロスの姿がそこにあったりするけども。
それに……
と思いつつちらりと横をみる。
そこにいるのはアメリア、ガウリイ、ゼルガディスの三人。
「……この人たちがここにいますしね……」
ぽそりと誰にも聞こえないようにつぶやいているゼロス。
あの御方が正体を話してない以上、
僕の口からもし万が一正体を彼らにと知られることなにったら…
…考えただけでも恐ろしいですぅ……
などと思いつつガウリイたちをみているゼロス。
ま、確かにそれはそれでじっくりと説教とかが必要だけどね。
そんな彼らが会話をしている最中。
一瞬あたりを包み込んでいた暗闇が掻き消える。
ちょうどあたしが一瞬少しばかり力を解放したがために、
あたりには一瞬金色の光が覆い尽くす。
「あわわわわっ!」
何やら慌てふためきつつ膝まづいているゼロスがいたりするけど。
その光も一瞬のこと。
光が消えたその後には、先ほどまでとは異なりあたりに暗闇などは微塵も見えない。
「……何が……起こったんだ?」
などといいつつ上空を振り仰ぐ彼らたち。
そこには。
一箇所で光り輝いている金色の光。
つまりはゲートのさらに奥、その中心部。
彼らの視線の先に移るのはただそこに光り輝く金色のオーブがあるのみ。
当然中の様子は見えていない。
彼らから見えるのはただ元闇があったその中心に光り輝く金色の球体。
当然あたしが何をしているのかなどとは彼らからはわかるはずもなく。
「……おかしい…。ダークスターの動きが……止まった?」
アルメイスが動きを止めたDの様子をみてそんなことをつぶやいていたりするけど。
「なあ?ゼロス?どうかしたのか?顔色悪いぞ?具合が悪いのか?」
なぜか震えて顔色が悪いゼロスをみてそんなことをいっているガウリイ。
いまだにゼロスはその場にひざまづいたままだけど。
まあある意味正解。
「おい、ガウリイ。今はそんなやつをかまってる場合じゃないだろうが。」
そんなガウリイに突っ込みをいれているゼル。
あわわ……こ…この気配は……
あ…あの御方……やっぱり…何かされるのではないかとは思ってましたけど……
……何で気づかないんでしょうか?
この気配に…み……皆さんは(汗)
などと思いつつなぜかひざまづいたままだくだくと汗を流しているゼロスだけど。
「ゼロスとかいったな?おぬし、あれが何なのか知っているのでは?」
いいつつ金色の球体。
すなわちあたしがいるところを指差してゼロスに聞いているシーリウス。
「そ…それはお答えできません。秘密です。」
なぜか汗をだくだくと流しつつ答えているゼロスの姿。
「じ、じゃぁ、リナさんはどうなったんですか!?」
そんなゼロスにと問いかけているアメリア。
「あの御方…ととリナさんなら無事ですよ。そのうちに戻ってこられます…多分。」
アメリアの質問に答えているゼロス。
そんな会話をしているさなか。
彼らの手元にいる五人、
すなわち彼らにとってはいまだに武器だと思い込んでいたりするけど。
彼らがゲートを制御するために突き刺していた彼らが、
あたしのいる球体の方にと向かって飛んでゆく。
『な゛!?』
自分たちが何もしていないのに勝手にそれが動いて驚いているアルメイスたち。

ちなみにあたしはその間にもちょっとこの二人にはしっかりと説教していたりするけども。
「な゛!?ゲートが…閉じる!?」
しばらく光を見つめている彼らの目の前でやがて開いたゲートが閉じ始め。
そこに残るはあたしがいる空間のみ。
閉じてゆくゲートをみて叫んでいる彼らの姿が眼下に見えているけども。

「さってとvあんたたちも含めて、連帯責任ねv」
にっこりと微笑みつつ大鎌を構えなおすあたしに。
「だぁぁ!?どうして教えてくれなかったんですか!?ゴルンノヴァ!ガルヴェイラ!」
何やら叫んでいたりするボーディガーたち。
「い…いえると思いますか!?畏れ多すぎて!」
「と……というか…どうしてこんなところにエ…エル様が……(汗)」
などとつぶやいているネザード。
「あら、暇だから人間やってるだけよv」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
なぜかあたしの至極もっともな理由に黙り込んでいるこの五人。
ちなみになぜかDとVは気絶して意識がなかったりするけども。
ま、じっくりとお説教は必要よねvふふv
『ぎ……ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
なぜかあたしの周りで悲鳴が巻き起こるけど。
ま、気のせいでしょう。
これしきでどうにかなるような魔族とか神族にはあたし創った覚えないしねぇv


「……な…何かが落ちてきますよ!?」
呆然と見上げていたアメリアたちの目に見えるのは。
光の球体から落ちてくる二つの物体の姿。
キラリと何かが光ったのを見て取り、それに気づいていたりするんだけど。
「うん?というかあれ…人だけど?一応多分人間みたいだが?」
のほほんとそれをみていっているガウリイ。
「……何なんだその『多分』というのは……」
ガウリイの言葉に突っ込みをいれているゼル。
「う~ん、何となくなんだけど。
  落ちてきているあの二人からは人でない気配を何となく感じるからなぁ。」
などと説明にこまりつつそんなことをさらりといっているガウリイ。
なぜか完全に気配を遮断するまでの力が今、こいつらないみたいなのよね。
まったく、情けないったら。
「と……とにかく助けなきゃ!」
とりあえず落下してきているのに見殺しにはできないとばかりに、
彼らの元に駆け寄っているアメリア。
「ま、確かにな。」
とりあえずいろいろと質問はあるにしろ、
今はとにかく、どうやら気絶したまま落ちてきているらしい人物二人を助けることが先決か。
などと思っているゼル。
ヒュゥゥゥゥ……
そんな中。
面白いまでに自力で受身とかも何もせずにそのまま落下している二人。
ドサッ!
ゴドォォン!

アメリアとゼルが魔力で作り出した網にと落ちて事なきを得ている女性に。
それとは異なり思いっきり台座にぶつかって面白いまでに腰まで埋まっている男性。
クッション代わりがあったので、
落下の衝撃はないままにアメリアたちに保護されている一人の女性。
「……見たことない人たちですね……女性と…男性?」
落ちてきたのは男女の二人。
そんなことをつぶやいているアメリア。
「ああ…だが女性の方は…変わった服を着ているな……」
「……男性も…な。」
ちらりと女性をみつつもそしてまた、
ガウリイに引っ張り出されている男性をちらりとみて付け足しているゼル。
ちなみに女性の服装はといえばマントの先についた羽のようなもの。
そして下に続いているマントもどきとそして、髪の色は青に近い色その長さは腰より長い。
そして下にはドレスを着ていたりする。
「結構綺麗な人ですね。」
そんな女性をみて言っているアメリア。
男性の方はといえば、同じく腰より長い髪をストレートに伸ばし。
こちらは黒い全身にフィットしているボディースーツもどき。
どちらもアメリアやゼル、ガウリイが見たことのないような材質であり、そして服装。
こ……このお二方は……(汗)
そんな二人をみてそんなことを思いつつ固まっているゼロス。
「あら、ゼロス。そのとおりよv」
くすりと笑い、そのまま光の球体を消滅させて。
ゆっくりとあたしは降りてゆく。
ちなみに姿は球体から抜け出た時点でいつものリナとしての人間の姿にしているけど。
とりあえずこの部下二人から事情などを聞きだした後にお仕置きと説教を施し。
そのまま下にと叩き落したんだけど。
まさかこの程度くらい自力で受身くらい取れないとは…情けない……
あんたらそれでも仮にも魔王と竜神なのかしら!?
くぅぅ。
お母さん、かなし~わ!!
くすくす笑いつつ、
いまだに何が何だか理解してないアメリアたちの元にとゆっくりと降り立ち。
トンッ。
そのままそこにある台座にと足をつく。
「リナ、無事だったのか!」
まあ絶対に大丈夫だとは思ってたけどでもさっきのあれ…気配リナのあれだったよなぁ。
というかリナからよくしている気配だし。
などと言いつつも、思っているガウリイ。
う~ん、どうやらあたしの正体……ガウリイ、何となく気づき始めているわね。
ま、まだ完全には気づいてないけど。
まあ知られてもあたしのすべてを知ることなんてまず不可能だし。
もし不都合あれば記憶消せばいいだけだし。
「リナさん!よかった、無事だったんですね!?
  それより今この二人が落ちてきたんですよ。リナさん、知りません?」
そういってそこに横たえている男女を視線で指差しているアメリア。
「あら、こいつらがさっき言っていたDとVよ。デュグラディグドゥとヴォルフィード♪」
『…………は(はい)?』
くすくす笑いつつさらりというあたしの言葉になぜか目を点にしているアメリアとゼル。
どうやら理解できてないらしいけど。

「……いったい何があったのだ?」
あたしが降り立つのをみて何がどうなっているのか聞くために。
こちらにとやってくる三人の姿。
アルメイスがそう口を開いたその直後。
「う……ぅぅぅん……」
何やらうめきつつも意識を取り戻している今だに気絶している部下二人……情けない。
「あら、気づいたようねぇ。まったくあの程度で気絶するなんて……」
「??あ、どうやら気がついたようです。」
あたしの言葉に首を傾げつつ意識を取り戻したヴォルフィードに気づき。
そちらに意識を奪われているアメリア。
そしてちょうどそのとき。
あたしたちの横にとやってきたシーリウス、アルメイス、エルゴロスの三人が、
いまさらながらに彼らの姿を目の当たりにし。
『ヴ……ヴォルフィードさまぁぁぁぁぁ!?』
なぜか三人の叫び声が同時にこだましてゆく。


                         -続くー
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あとがきもどき:
薫:・・・・・・んふふ。
  というか・・・・・なぜか本当になぜか。疲れ・・・たまってるのかなぁ?
  打ち込みにかなりの時間がかかります・・・・なぜ?
  しかもなぜか黄昏・・打ち込みする気力になんないし・・・・。
  しかもしかも、なぜかまったく関係ない、スミレちゃんパロ打ちこみたくなってたり……
  何はともあれ、出てきました。キャナルと部下D(笑)
  ではでは、また次回でv

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