エル様漫遊記  ~TRY偏~


「リナさぁん、ここ寒いですぅ……」
息を白く吐きつつアメリアがぼやいてくる。
ここは神殿にと向かう道筋にあるちょっとした山の中。
ちなみに周りは雪で覆われていたりする。
ちなみに周りの温度は氷点下一度。
ちょっぴし人間には寒いかもしれない、この程度で……
本気で寒さを訴えてきて、しかもゼルなどは時々肌の岩が凍りついてひび割れてたりする。
う~ん。
「まったく、しょうがないわねぇ。この程度の寒さで。」
あたしは気温とか別に何とも思わないけど。
ゼロスも同じく。
一応あたしは今は人間やってるのでその五感は存在させているけど。
別に寒くても身体機能には影響ないし。
とりあえずこの寒さで動きが鈍くなっているアメリアたち。
このままでは先を進むのにも時間が少しかかりすぎるのは明白。
いいつつ袋からとある品物を取り出し二人にと手渡すあたし。
「これつけてなさい。はい。ゼルとガウリイもね。」
そういいつつとある首飾りを三人にと手渡す。
「つけるんですか?……って、きゃぁ!これ、暖かいです!
  きゃぁぁあ!リナさん、ありがとうございますぅぅ!」
それを身につけると体がぽかぽかと暖かくなるので飛び上がって喜んでいるアメリアに。
「……な!?これは!?これは……驚いたな。」
そういいつつ、じゅうじゅうと体中から水蒸気を立ち上らせているゼル。
ちなみにこの寒さで体中の岩が実はゼル、凍りついていたからねぇ。
その氷が溶けて水蒸気となって空中にと霧散していっていたりする。
「お、これあったかいな。」
それを身に着けてそのまま素直に喜んでいるガウリイ。
「?リナさん?あれ……何ですか?僕ですら見たことない代物ですけど?」
首を傾げつつあたしに聞いてきているゼロス。
「ああ、あれ?あれとあるところにある、【太陽の首飾り】よ。
  身に着けるとちょっと暖かくなる代物よ。」
「ど……どこの世界の代物ですかぁぁぁぁ!?(涙)」
「むやみにそんなことはいわない!」
どすっ!
そんなことをいいつつ涙声を上げてくるゼロスを、
とりあえず近くにあった氷のツララで突き刺しておく。
「す……すいませんです……」
そのままなぜかその場に倒れ付しているゼロスの姿があったりするけど。
「?あれ?ゼロスさん、どうかしたんですか?」
倒れているゼロスに気づいてそんなことを言っているアメリア。
「寝てるんでしょ。それよりもう少しでつくわよ。」
とりあえず倒れているゼロスをそのままに、先を進むあたしたち。

そんなほのぼのとした旅の中。
やがて見えてくる眼下の光景。
「うわぁ。きれいなところですねぇ。」
「同感だ。」
その光景をみて感嘆のため息を漏らしつつつぶやいているアメリアとゼル。
崖下に望む光景は。
湖が太陽に輝きそしてまた自然の緑も調和した、山奥といえども自然豊かにあふれる風景。
「さ、いきましょ。」
その奥にたたずむのはひとつの神殿。
周りの景色に溶け込むように。
それがひとつの絵のようにしっかりと計算されて建設されている。
言い換えれば景観を損なわないようにこの神殿は建設されたのだけども。
湖、森、そしてそこに存在するものすべてがまるでひとつの絵画のように整っている。
そんな景色をみて感嘆のため息ついているアメリアたち。
そんな二人をそのままに。
すたすたとその神殿の方にと向かってゆく。


「……見たことのない竜がたくさんいますね……」
周りを見ていっているアメリア。
ちなみにここはいまだにあたしがちょっと以前かけた術が生きているがために。
悪意をもったものなどは進入できなくなっていたりするけど。
「?そうか?見たとろみんな同じに見えるが……」
などといっているゼル。
「というかここの竜さんたち。
  あのでっかいとかげのミルなんとかさんよりも数倍以上の力を感じるんだが?」
のほほんとそんなことをいっているガウリイ。
「……ガウリイさん……あなた本当に人間ですか?(汗)」
そんなガウリイのセリフにそんなことをつぶやいているゼロス。
そんな会話をしつつも、やがてあたしたちは神殿の入り口にとたどりつく。

「何のようだ?」
入り口の衛兵竜があたしたちをみて言ってるけど。
ちなみにここにくる人間は彼らにとってはなぜか久しぶりの出来事。
「あらご苦労様vローズいる?それか別の上の存在ものでもいいわよ?
  あ、断ったりしても問答無用で入るからそのつもりでねv」
にっこりと笑ってその衛兵にと微笑みかけるあたしのその言葉に。
「?リナさん?そのローズ……さんって……誰ですか?」
問いかけてくるアメリアのその言葉に。
「ああ。一応ここの巫女頭やってる人の名前よ。
  ローズ=トゥエル=コプトゥーラっていうんだけど。」
そういえば。
彼女の甥にあたる同じくヴァルという名前の竜が、ガーヴの配下になってて久しいわよねぇ。
あっちはとりあえず魔と竜の混血だけど。
ちなみに本名はヴァルフェス。
まあどうでもいいことだけど。
こっちにはその本家のヴァルもいるんだけどね。
「な゛!?ローズ様を知っておられるのか!?」
などといいつつ傍目にわかるほど同様しているその門番兵その一。
「それは秘密v」
にっこりと微笑むあたしのその言葉に。
「……そういえば……あのかた……お茶飲み友達といわれてましたっけね……」
どこか遠い目をしてそんなことをつぶやいているゼロス。
「……わかった。すこしまってろ。」
ローズの名前を知っているのに驚きつつも。
とりあえずその名前は、この神殿の最上層部を知らないとわからないその本名。
それゆえに一度奥に引っ込み上司に言いに行っているその門番。
しばしの時を置かずして。
ぱたぱたぱた。
中より出てくる三、四人の老人たち。
ちなみにローズは出てきてはいない。
「このものが?」
「はい。」
そういいつつちらりとあたしを目で具間みて。
そんな会話をすることしばし。
やがてあたしたちにと向き直り。
「何のようだ?人間たちよ?」
どうしてこんな場所に人間が?それになぜローズ殿の名前を知っておられる?
などと面白いまでに警戒しつつ問いかけてくる。
そういえば彼女、あたしと友達になったために神格化されてるのよねぇ。
彼らの中で。
「あら、用事は簡単よ。ここにあるガルヴェイラに用事があるの。あれ渡してくれないかしらv」
にっこりと微笑むあたしのその言葉に。
「でぇぇぇえ!?やっばりですかぁぁ!?
  やっぱりここにあのガルヴェイラさんがいるんですね!?」
などとその紫の目を見開いてそんなことを叫んでいるゼロス。
「あ、今本気でこの剣……震えたぞ?」
腰にさしているゴルンノヴァが震えたのに気づいて、
ぽつりとそんなことをつぶやいているガウリイ。
『――!?』
この地にあれがいるのはあまり知られていない事実。
その程度のことで驚愕して顔を見合わせているこの神殿の長老三人。
「あ……あれは……渡すことはできん。
  あれに課してある封印は……もはやわれらでもとけはせん。」
なぜあれのことを知っているのだ?この人間は?
そんなことを思いつつ警戒の声を含ませていってくるけど。
「あら?でも『上司命令』だとしても?」
くす。
―びし。
その言葉に面白いまでに凍り付いているゼロスに。
なぜか思いっきり動揺している古代竜の三人の長老たち。
「な……何!?どういうことだ?」
思いっきりうろたえてるし。
「あら、言葉どおりの意味よv
  あいつがここにいることそもそもが。そもそも役目放棄なのよねぇ。
  というかいつまでもサボらせておくわけにもそれはそれでいけないしね。
  だからあっちに戻さないとねv」
にっこりと微笑むあたしの言葉に。
首をかしげているアメリアとゼル。
本来ならば別に彼らの言葉で話しかけてもいいのだけど。
それだとアメリアたちに話が通じないので面白くないし。
そもそもいい加減にお役目はお役目でしっかりと働いてもらわないとねぇ。
いつまでも油売ってないでv
「……い……いったい?」
「……こ…この人間……何者だ?」
「だ…だが……何か逆らえない気がするのは……きのせいか?」
ぽそぽそとそんな会議をしている老人三名。
ちなみに彼らは彼らで人の姿をして出てきていたりするけども。

やがてとりあえず。
「……ならばとりあえず見たほうが早いであろう。ついてくるがよい。」
基本的にこの一族は争いを好まない。
それゆえにあたしの今の言葉の真偽はともかくとして。
とりあえずはあれを見せれば納得するであろうと判断し、
あたしたちを神殿の中にと招き入れてゆく。
基本的にこの一族、はっきりいってあまり疑うことを知らない。
というのんびりとした一族でもあるがゆえに。
まあそのようにしたのはあたしなんだけど。
なんか進化の最中でこんなになっちゃったのよねぇ。
面白いからそのままにしておいたんだけど。
とりあえずそんなちょっとした会話をえて、神殿の中にと足を踏み入れるあたしたち。

「あ……あの?ここってスィーフィード様を祭られているんですよね?」
そんなことを道すがら聞いているアメリア。
「そうだが?」
そんなアメリアの言葉に律儀に答えている長老。
ちなみにこの一族長老といっても一応各部署にと別れ、それぞれの組の長老が存在する。
それすらも一般には知られていない事実ではあるが。
「私の国でもスィーフィード様を信仰しているのでいろいろとお聞きできたら。と思いまして。」
歩きつつそんなことをいっているアメリア。
その言葉にしばらく考えこみ。
やがてぴたりと一時足をとめ。
「そういうことならば。……ヴァル!」
そういいつつ奥にと声をかけてゆく。
「お呼びですか?」
その声に従い出てくる一人の人物。
年のころならば二十歳前後程度。
まあ彼らの年齢は見た目には比例しないのだけど。
ちなみに彼らの一切は人のその一年とは大きくかけ離れた周期で計算されるがゆえに。
出てきたのは水色の髪をしている一人の男性。
「このヴァルはまだ若いながら神官を務めておる。いろいろと聞くがよかろう。」
基本的にこの一族は外部と敵対しない。
言い換えれば誰でも受け入れる。
それゆえに面白いことにたまによくだまされたり利用されたりすることがしばしば。
それもまた面白いからいいけど。
問いかけなどといったものには誠意をもって尽くす。
それが彼らの流儀。
ちなみに彼はローズの息子であり同時にこの神殿の神官長になる存在でもある。
まあそんなことは別にアメリアたちに説明する必要もないので、あたしもいわないけど。
「わかりました。それでは何を説明いたしましょうか?」
そういいつつにっこりと両腕を組んでアメリアにと微笑んでくるヴァル。
「リナさん。私話を聞いていてもいいですか?」
あたしが向かっているのはこの神殿の奥。
全員で行動しても同じことですし。
などと考えつつ、あたしにと聞いてくるアメリア。
「俺も少し聞きたいことがあるから別行動してもかませんか?リナ?」
聞きたいことというか調べたいことだが……
こちらはこちらでアメリアが別行動をする、というので自分も。
と思いつついってくるゼル。
「あら、それは別にかまわないわよ。
  それじゃ、奥にいくのはあたしとガウリイ、そしてゼロスね。」
そのほうが面白くなるし。
アメリアたちの言葉を了解し。
とりあえず神殿の中央の間にてひとまず解散するあたしたち。
「じゃ、リナさん、また後で!」
「ではまた後でな。」
そんな簡単な一時の別れの挨拶を済まし。
あたしたち三人はさらに神殿の奥に。
ちなみにゼルはどうやらここであたしに対しての聞き込みする気みたいだけど。
アメリアはここで赤の竜神に関していろいろと調べるつもりだし。
ま、アメリアはともかく、ゼルは無駄な努力ご苦労様ってところかしらねv


長い廊下とそして渡り廊下。
幾重にも張り巡らされている封印結解。
それを超えた先にあたしの用があるそれがいる部屋がある。
「この部屋だ。」
そういいつつ案内されたその部屋は。
円形状の部屋。
飾り気などひとつもなく。
ただその中央にある光の柱とその中にあるとある代物。
そしてまた。
その代物を取りかこみ幾重にも重ねられている結界。
見上げればちょっとした数々の天窓から外の光が部屋を照らし出していたりする。
「ほぉぅ、これはまた厳重に封印施したものですねぇ。」
などとそれをみて関心の声を上げているゼロス。
「……見てのとおり、これはあの力とわれらの力を転化して、封印を施している。
  ゆえにわれらとて封印を解くことはできん。
  悪いことはいわん。これのことは忘れて戻っては下さらんか?」
そういってあたしたちをみてくるけど。
「う~ん、まあそういうわけにもいかないのよねぇ。」
思わず苦笑がもれる。
さぁて、どうしたものか。
この場にゼロスだけならとっとと力でもつかってこいつたたき起こせばいいんだけど。
でもまだガウリイに正体、知られるの面白くないしねぇ。
うん。
やっぱりこの方法が一番よね。
少し考えつつも、そのままその中央にあるそれにと近づいてゆくあたし。
「も……もし!?あぶないですぞ……って……何!?」
ヴッンッ……
するりっ。
その言葉よりも早くあたしはその部屋の中央に存在している光の中にと入り込んでゆく。
「……な!?結界に……入った!?」
あらら。
何やらこの程度でうろたえている、神官たちを束ねる神官長のすべての長老。
ちなみに彼はあまり名前を呼ばれるのは好きではないけど。
彼の名前をエルス。
…生まれたときどうみても女の子だったので両親がどうしても譲らなかったこの名前。
本人はいまだに気にいていたりするので本名で呼ぶものはほとんどいない。
本当はエリスにしたかったらしいけど。
周りの説得でエルスに落ち着いたという何ともほのぼのとした経緯がある。
「……あ゛あ゛あ゛……」
あたしがすんなりと光の中に入っていったことでなぜか頭を抱えているゼロス。
『そっちは適当にごまかしておきなさいねv』
あたしの言葉をうけてなぜかゼロスのやつは頭を抱えていたりするんだけど。
ちなみにあたしのこの言葉はゼロス以外には聞こえていないのはまあお約束。
さってと。
あたしはあたしでこいつをたたき起こしますかv
なぜか狼狽しているゼロスやエルスたちをそのまに。
あたしはその中心にと漂ったままのガルヴェイラの元にと進んでゆく。


『―ガルヴェイラ、目覚めなさい。』
あたしのその言葉にびくりと反応し、なぜか体を震わせているガルヴェイラ。
ちなみにガウリイの腰のゴルンノヴァまでなぜかおびえていたりするけど。
― そ…そ……そ……そのお声は!?
あたしがいまかたりかけたのはリナとしての声ではない。
まあ彼らも知っている声でかたりかけただけのこと。
『とりあえずそこから降りてらっしゃい。できるわよね?』
有無を言わさないあたしのその言葉に。
なぜか弓の形態のままで大量に汗をながしつつ。
そのままゆっくりと降りてくるこの場に封印されていたガルヴェイラ。
それと同時に。
ヴン!
彼自身を覆っていた結界が震える。
「そ……そそそのお姿は!?」
「暇つぶしvそれはそうと久しぶりねぇ。といいたいところだけど?
  どうしてあんたたちはDの暴走をそのままにしてるのかしら?ん?」
にっこりと微笑みつつ語りかけるあたしの言葉に。
なぜか色を失い、そして、そのままなぜか大きさ的にも小さくなってるし。
「ま、いいけどねぇ。
  でもお仕事放棄とそれと上司の責任は部下の責任v覚悟はできてるわよね?ん?」
だくだくだくだく。
面白いまでにちょうどサイズ的にはよくなったそれから汗が吹き出ていたりする。
何もそこまでおびえなくてもいいでしょうに……
「というわけであんたたち五人とDのやつは連帯責任ねv」
― ぴしり。
あ、固まってるし。
あたしのその言葉にそのまま固まり。
ゴトンと床にと転がっているこの場に封印されていた、ガルヴェイラ。
ちなみに部下Dのところの一応腹心のリーダーでもあるけどこいつは。
そんなほのぼのとした会話をしつつ。
ガルヴェイラが自分で降りてきたのを見計らい。
なぜかそのまま石化して床に転がっているのはともかくとして。
「とりあえずこの周りの光の封印結界……邪魔よね。」
あたしのその言葉とともに。
周りにある光の帯が一瞬にて掻き消える。
ちなみに今の光景は光の外、すなわちガウリイたちの方からは見えてはいない。

一時もしないうちにその部屋から封印の光は掻き消えてゆく。

さってと、これでゴルンノヴァとガルヴェイラはこっちのもの……っとv
んっふふ。覚悟しておきなさいよねぇ?
部下D?V?んっふふふ♡


                           -続くー

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あとがきもどき:
薫:今日(月曜日)お休みでお出かけしていて。
   ちょっとある場所で足のマサッージを受けました・・・・が!
  ・・・・・い・・・痛いですぅ・・・・。
   いや、気持ちはいいんですけど。
   かなりどうやら疲れとかたまってるらしくて・・・。
   つ・・・・つぼを触っただけで激痛が・・・・あ・・・・あはは・・・。
   なのでなぜかたったの二十分コースにもかかわらずに。
   ものすごぉぉぉく疲れた私です・・・。
   ・・・・しかも最近変な格好でよく目覚めているせいか。
   (無意識に熱さのために変な格好しているらしい)
   ・・・・異様に肩もこってますし・・・・。まあそんな理由からか(うん?)
   なので今もというかほとんど眠りそうになりつつの打ち込みをば。
   なのでせっかくのお休みなのに打ち込みできてないという。
   ・・・・だ・・・だめですね・・・・あ・・・・あはははは・・・・。
   とりあえずこの漫遊記はノートに書いてあるから。
   頭を回転させなくても打ち込み可能ですしね
   他のは・・・・頭からひっぱりだしてこないといけないし
   ちなみに、ローズの参考は。
   こちらは漫遊記番外の3話を参考にしてねv(超他人まかせ)

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