エル様漫遊記 ~TRY偏~
とりあえずミルガズィアが火竜王の神殿にいくというので。
アメリアまでもがいってみたいと言い出したがために。
エンシェントドラゴンの神殿に行く前にそちらによることに決定したあたしたち。
旅路のさなかのいつもの光景。
宿の一階にある食堂にて。
いつものようにと朝食タイムに突入しているあたしたち一行。
あたしとガウリイ、アメリアとゼルガディス、ミルガズィアとメンフィス。
で、おまけでゼロス。
この七人での道中も始まってはや数日が経過。
あと少しで火竜王の神殿は程近く。
神殿の近くにある町でゆっくりと休憩タイムをしているあたしたち。
もぐもぐもぐ。
「なあ?リナ?あれ……何だ?」
食事をしつつ窓の外にふと空に伸びるとあるものをみつけ、
窓の外を指差しつつあたしにと聞いてくるガウリイ。
?
ガウリイの言葉に首をかしげつつ残りの全員が窓の外を振り仰ぐ。
窓の外に見えるのは、空にと伸びる光の柱。
「……な…何ですの?あれ?」
はじめてみるそれに戸惑っているメフィ。
ふふ。
どうやらゲート、完成したみたいねv
「……何だ?あれは?」
それをみて顔をしかめているゼル。
そのまま扉から外にと出て屋根にと登り確認していたりするけども。
そこには、空を突き抜けるがごとくに輝く光の一筋の柱が出現しているのが見て取れる。
ちなみにこの柱、この惑星のどこからでも見えるという面白いもの。
カチャン。
「はっ!」
食事をしていたフォークをカチャンとお皿に落とし、はっとした表情をしているアメリア。
ちょうどあれの出現とともに、解決策をあいつが神託として下したところなんだけど。
「?アメリアさん?どうかしたんですか?」
お皿にフォークを落としたアメリアに問いかけているメフィ。
そんなメフィのその言葉に。
「い……いま……神託が下りました……」
少し驚きつつそれでいてびっくりしているアメリアがぽつりとつぶやく。
「ああ、今アメリアが受けたのはヴラバザードが下したものよ。」
「……なぜそこまでわかる?リナ殿は?」
追加説明するあたしに問いかけてくるミルガズィア。
「あら。こんなの誰でもわかるわよv」
にっこり微笑むあたしに。
わからない、わからない。
とぱたぱたと手を振っているアメリアに戻ってきたゼル。
ちなみにメフィも首を横に振っていたりするけど。
「……ま、まあ誰が下した神託……とかはまあおいとくとして。」
リナなら何がわかってももう絶対に不思議じゃないと最近ひしひしと思うことにした。俺は。
などとどこか悟り始めているゼル。
でもいまだにあたしのことは正体気づいてないんだけど。
ま、そのほうが面白いからいいけどね。
とりあえずそんなことをいいつつ、アメリアに視線をむけ。
席にと戻り座りつつ。
「それで?アメリア?何と?」
神託をうけたというアメリアにと問いかける。
「ええとですね。よく意味不明なんですけど。
『闇の星より出しもの 光に招かれこの世に闇を満たさん
竜の血の連なり 闇と光とその狭間の力を導き 星の一欠呼び覚ます
星を紡ぐ五つの光 その力をもて 黄昏よりもなお暗きもの 暁よりもなお眩しきもの
導かれし力を束ね 我にただ天空を貫く一条の矢を与えん』
といった内容なんですけど。」
今うけた、アメリアにとっては意味不明な言葉を思い出しつつ説明しているアメリア。
「??どういう意味だ?」
首をかしげているゼルガディスとミルガズィア。
「…というか……この世界に呼び込むんですね……知らないというのは…あぅ……」
などとその横では何やらつぶやきつつ、
床にのの字を連発して描いているゼロスの姿があったりするけど。
そんなゼロスの姿は全員無視していたりするのはまあお約束。
「何かゴキブリがすねてますわね。おじ様。」
ちらりとそんなゼロスを横目でみてさらりといっているメフィに。
「だな。とりあえずともかく早いところ神殿に向かったほうがよそさうだな。」
メフィの言葉に同意し、今下った神託の一件が気になり。
早く神殿に向かおうと思い始めているミルガズィア。
「そうですね。」
「だな。」
そんなミルガズィアの言葉に同意しているアメリアとメフィ。
「……何かあれ……この世界のものとは違うような感覚が感じられるなぁ。」
などと、のんびりと口にお肉をほおばりつつぽつりとつぶやいているガウリイ。
ふふ、正解v
う~ん、あたしと一緒にいるためか、かなり勘に磨きかかってきたわよねぇ。
このガウリイもv
とりあえず意見も一致し。
宿から出てとりあえずもうすぐ先にある火竜王の神殿にと向かってゆくあたしたち。
ばたばたばた。
面白いほどにばたばたしている彼らたち。
上空やそして神殿の周り、挙句は中まで黄金竜などがばたばたと走り回っていたりする。
そういえばヴラバザードのやつ、この神殿に神託として下したからねぇ。
あの言葉。
「ごめん、私は水竜王ラグラディア様に仕えていた長老のミルガズィアと申すものだが。
最長老にお取次ぎを願いたい。」
ばたばたと走り回っている竜のうち一人を捕まえて説明しているミルガズィア。
ちなみにこの竜は臨時の門番兵。
いきなり水竜王の名前を出されて目を丸くしているその門番だけど。
「じゃ、ミルガズィア、メフィ。あたしたちはエンシェントドラゴンの神殿にいくから。」
取次ぎをしている最中の二人にそれだけいってくるりと向きを変えるあたし。
とりあえず神殿がばたばたしているのが傍目にもわかるので。
中に入りたい衝動を、どうにかアメリアは総動員して押さえ込んでいるようだけど。
いまだに身分の証などを立てているミルガズィアにとかわり。
「いく……って。私たち、帰るときにはどうすればいいのですの?」
ここにきた交通手段はあたしの船。
結界は一応弱くなっているとはいえ、
なぜかあの程度でも、生身で超えるのは少しばかり力がいるらしい。
まったく根性がないというか何というか。
生気とか少々消耗してもいいから、
結界を抜けようという根性ある生命、どうしてなかなかに存在しないのかしらねぇ。
まったく。
ごくたまぁにあの結界の壁に触れてそのまま生気などを吸い尽くされて、
体も残らずに塵と化す面白い人間とかが、まあいまだにいたりするけど。
質問してくるメフィの言葉に、すっと手を空にとかざし。
「しばらくはあれにかかわっているから。
用が済んだらあの光の根元に来れば、合流できるわよ。」
そういいつつ空に上る光の柱を指差すあたし。
「それかこれ使って探してねv」
ぴっ。
「いたいです!」
とりあえず横にいるゼロスの髪の毛を数本引き抜く。
それを小さな袋に入れてメフィにと手渡す。
髪を引き抜くとなにやらゼロスが痛がっていたりするけど。
まあそれは関係ないし。
「これでアストラル探査でもしたらいいわよ。
どうせこいつあたしの側にしばらくというかいるし。」
「ゴキブリの髪の毛ですの?
……まあ確かに魔力のバターンがつかめれば。可能ですけど……」
髪の毛、というかだってそれもゼロスの一部だしねv
「うう……メフィさぁぁぁぁん、そのゴキブリというのはやめてくださいぃぃぃ……」
眉を額によせていうメフィのその言葉になきつつ抗議の声を上げているゼロス。
そんなゼロスの抗議の声はさらりと完全に無視しつつ。
「じゃ、そういうことで。とりあえず急ぐから。さって、みんな。いくわよ!」
そういいつつくるりと向きを変え。
そんなあたしの後ろからあわててついてきているアメリアたち。
ミルガズィアとメフィを入り口付近に置いたまま少し歩くこと少し。
ざぁぁ。
上空から羽音が響く。
「リナさん!上!上!」
何の音だろう?と振り仰いだアメリアがびっくりしつつ言ってきてくる。
立ち止まり上空を指差しているアメリア。
空を埋め尽くす金色の体。
アメリアたちの視点からは巨体ともいえるのだけど、別に巨体でも何でもないんだけどねぇ。
「おやおや、どうやら火竜王のお偉いさん方が出てきたようですねぇ。」
空を振り仰ぎつつにこやかに笑みを崩さずに言っているゼロス。
「みたいね。ま、あたしたちには関係ないしvさっさといきましょv」
「あ、リナさん、まってくださいよ!」
「……ま……ついていくか。」
そういいつつすすむあたしにあわててついてくるアメリアに。
ため息つきつつ後ろからついてきているゼルガディス。
ちなみにガウリイはといえばのんびりとゼロスと一緒に歩いていたりする。
あたしたちと入れ違いに後ろの方にと降り立つその竜の群れ。
「お久しぶりです。最長老。約千年ぶりのご無沙汰をしております。」
降り立った竜の中で一番年長の竜にと話しかけているミルガズィア。
情けないことに、かつての降魔戦争の折に、Sの部下四人が張った結界。
いわゆる神の力を弱める神封じの結界は。
たったあの程度の結界力により、あの地より生命などが外にとでることが拒まれた。
力なき魔族は竜王の力が作用している世界に出て行ってもその実体をなかなか保てず…と。
何とも情けない状態がここ約千年ばかり続いていたのだが。
まあ別にそれは高位にあたる腹心の五人とか、スィーフィードどとか、
当然あたしには関係ないけど。
「ミルガズィア……どの……か?」
当時最後に出会ったのはまだ彼が若いとき。
しっかりした青年に成長しているその姿をみて、驚愕の声を上げている最長老。
「しかし……どうやってあの地より……」
「最長老、とりあえず中に入ってもらってはいかがですか?」
そんな会話をしている彼らだけど。
「おお。そうであるな。」
そんな会話をしつつ神殿の中にミルガズィアとメフィを招き入れてゆく。
とりあえず神殿から少しばかり離れた場所にとある、
今度はエンシェントドラゴンの神殿に向かう道の途中にあるとある村。
村に一件しかない食堂で食事をしているあたしたち。
「リナ?あの光の柱……あれが何なのか知っているのか?」
どこからでもその光の柱は見て取れる。
おそらくはこの調子だとセイルーンとかでも見えているのだろうと憶測し。
あたしに聞いてくるゼル。
「ああ、あれ?アメリアが受けた神託のとおりよ?わかんなかった?」
いいつつ野菜サラダに手をつけて口にと運ぶ。
「あれだけじゃわかりませんよ。」
そんなあたしの言葉にいってくるアメリア。
ちなみに片手にはフォークに突き刺さっているウインナーがあったりするけど。
「…あ……あの?リナさん?まさかとは思うんですけど……
あの『闇の星より出しもの』…ってまるでダークスター様みたいな言い方ですけど……」
何となくまさかとは思いますけど……でも・・ありえますし……
などとなぜかびくびくしつつ言ってくるゼロス。
「あら、何いってるのよvゼロス。Dのことに決まってるじゃないv
デュグラディグドゥのとよ。あれは。」
にっこりいいつつ、プチトマトを口にと入れる。
ぴし。
あたしの言葉に面白いまでに石化しているゼロスは、
目を見開いて硬直しそのままの姿勢で固まってるし。
う~ん、面白いわよね。
「??リナさん?そのダークスター……って何ですか?」
アメリアが首を傾げつつ質問してくる。
「ああ?Dのこと?
あれはS…つまりは一応ここで魔王やってるシャブラニグドゥのやつと同期なんだけど。
俗にいう異界の魔王ってやつよ。
Sと同じくあれでもあの世界では魔王やってるからデュグラディグドウは。」
「……え゛!?」
その言葉になぜかそのままフォークをスパゲティに突き立てたまま硬直しているアメリアに。
「い……異界の魔王……だと!?」
目を見開いているゼル。
「なあ?いかい……って……これか?」
などといいつつ両手にイカと貝を持っていっているガウリイ。
「ガウリイさん、今はそれどころじゃないです。」
そんなガウリイのぼけをあっさりと交わして流しているアメリア。
……というかあまりそのことに触れないほうがいいような気がするんだがなぁ。
だから少し話題を変えようとしたのに……
などとおもいつつ、
アメリアにぼけを流されて少しばかりいじけつつそんなことを思っているガウリイ。
「あ……あの?リナさん?それとあの光と何の関係があるんですか?」
どこか声がアメリア、震えてるし。
「ああ、簡単なことよ。あの光の根元。元かつては眠れる竜の大陸のあった場所ね。
あそこにどうやら召還器をつくったみたいねぇ。ふふ。
あそこSとRの戦いの影響で空間が不安定なままで安定してるからねv」
……いや、SとR……って。
前から思ってますけど……どうしてリナさん……
魔王とか竜神を、そうあっさりと呼び捨てにするんでしょうか?
確か魔王であるシャブラニグドゥをS、とリナさんが呼んでいるのは気にはなりますけど。
まあ、それらが誰を示しているのかは、とりあえずはわかりましたけど。
スィーフィードがRということなんですよね。
どうして魔王とか竜神をそのように呼ぶのでしょうか?当たり前のように??
などと、そんなことをおもいつつ両腕を組んでいるアメリアの姿が。
あたしのその言葉に。
「でぇぇぇぇぇ!?あの禁断の地にですかぁぁ!?」
その言葉に硬直と石化がとけて思いっきり叫んでいるゼロス。
あ…あの場所は立ち入り禁止とされているのに!?ですか!?
た…確かあの場所の一角には……エル様の神殿に続く空間があるとかないとか……
……あわわ……
などと思い巡らせつつ、面白いまでに動揺しているゼロス。
「?何だ?その禁断の地というのは?」
そんなゼロスに質問しているゼル。
「あ…あそこは……魔族にとっても、神族にとっても・・禁断の地なんですよぉ。
降魔戦争より以前の神魔戦争のときに、
シャブラニグドゥ様と、スィーフィードさんが戦った場所なんです。
いまだにお二人の力の影響で空間が不安定になってまして……
一説にはとある場所への入り口もあるとさえいわれてる……」
「?とある場所?」
ゼロスの説明に首をかしげているアメリア。
「そvその不安定さを利用してどうやらゲート、作ってるみたいよv
それにこの惑星、Dの部下がとりあえず二人いるというのも原因だけどねぇ。」
くすくす笑うあたしに、びくりとガウリイの腰に挿してあるゴルンノヴァが反応する。
「……なあ?リナ?なんか光の剣のやつ……おびえてるぞ?」
「気のせいよ。」
「……いや、気のせいでなくて……」
腰のところで思いっきりわかるほどに震えているゴルンノヴァ。
それに気づいてそんなことを言ってくるガウリイ。
「ま、とりあえずDの部下の一人のゴルンノヴァはガウリイがもってるし。
あと残り一人はエンシェントドラゴンの神殿にいるから。それ捕まえにいくのよ。」
あたしの簡単な説明に。
「……よくわかりませんけど、でも何となくですけど。
とにかくエンシェントドラゴンとかいう竜族の神殿にいかないと話が進まない…
…ということでしょうか?」
「何となくそのようだな。」
意味がよく理解できないままに何となく理解しているアメリアとゼル。
「ま、そういうこと。とりあえずヴァルガーヴより早くにつかないとねv」
「え゛……え゛え゛ぇぇぇぇぇぇぇえ!?」
あたしのその言葉におもいっきり叫んでいるゼロス。
ヴ……ヴァルガーヴさんですってぇぇぇぇ!?
そ…そういえば……まさか……あわわわ……
あ、面白い。
ゼロスかなり動揺してるし。
「?ゼロスさん?何叫んでるんですか?」
「何となくろくなことでないような気がするしな。聞かなくてもいいだろう。
それより?リナ?その神殿というのはどこにあるんだ?」
叫ぶゼロスをとりあえず無視することにし、あたしに聞いてるゼルガディス。
「あ、それはね。」
質問してくるゼルガディスに。
このあたりの地図を取り出し、これから進む道筋をアメリアたちにと説明してゆく。
さってと、少しは楽しめそうよねv
-続くー
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あとがきもどき:
薫:次回でエンシェントドラゴンの神殿ですv
ちなみに某ゲームのアイテムが出てくるのは。気にしないよーに(笑)
いや、あの名前が異様にしっくりくるというか。
リリーのアトリエ・・・買おうかなぁ(まだ買ってない人)
でもいまだにエリーとマリーが・・・・ねぇ?
・・・・すべてのエンディングをみてないからなぁ(こらまて)
さて、いったい次回でアトリエシリーズの何のアイテムが出てくるのでしょうか?
(わかった人は天才です)
さてさて、次回、エンシェントドラゴンの神殿ですv
ではでは、また次回で(多分)
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