エル様漫遊記 ~スレイヤーズ・TRY偏~
アメリアにつれられて船底に来ているゼルガディス達。
なぜか周りをみて思わず唖然と口をあけていたりする。
「まあ、リナが作った……とかいってたからなぁ。これ。」
それで済ませているガウリイ。
まあ何はともあれ。
「ね!すごいでしょう!」
「こ……これは!」
アメリアの息を弾ませたその言葉に声を詰まらせているゼルガディス。
床、壁、つまりは四方の壁や床などすべて、まるでガラスケース…
…否、そこには何も遮るものがないかのように。
そこに映し出されているのは外の風景――すなわち海中の様子。
当然触った感触からそれがガラスとかではないのはすぐに見て取れる。
「……人間がここまでのものを創れる……とは思えないんですが……」
そんなことをいっているメフィ。
そんなことはないけど、
まあ今のここの人間の文化とそして科学のレベルだと、まだこれはちょっと難しいかもねぇ。
簡単なのに、とってもv
そんなメフィのその言葉に。
「確かに……な。だがリナならやりそうなことだ。
それにゼロスもこの船を作るとき手伝った……とかいってたし……な。」
ふとゼロスの言葉を思い出してそんなことをつぶやいているゼル。
「?あの魔族が?そういえばどうしてあなた方、
あんな悪魔としかいいようのない魔族と一緒にいるんですか?
あれが
そうつぶやくゼルに思っていたことを問いただしているメフィ。
というか、たったのゼロスの一撃で死滅する竜達のほうが、あたしとしては弱すぎる……
とおもうんだけどねぇ。
あとあたしがちょっと小突いたり力いれたりしただけで、まあ消滅したり無に還ったり。
後は力を失ったりする部下達や世界のまあ多いこと多いこと。
……まったく、根性がないったら。
「ま……まあゼロスさんは私たちと一緒に行動している。
というよりはリナさんについて行動しているわけですから。
私たちもリナさんについて行動しているわけで。
結果。私たちと一緒に行動している……というだけですから。」
そんなメフィの素朴な疑問に答えているアメリアだけど。
それに続き。
「まあ、確かにな。ゼロスは『リナについてゆくことが【上】からの命令だ。』とかいっていたしな。」
アメリアに続いてゼルがそんなことをつぶやいていたりするけど。
そうなのよねぇ。
まあ別にどうでもいいんだけど。
ちょっとした荷物もちができている・・・という程度だし。
そんなゼルの言葉にふと思い出したかのように。
「でもゼロスさんの上司……えっと
そんなに悪い人には見えませんでしたよ。
今度出会ったら私、魔族なんてやめて真人間になるように説得してみせます!」
そういってガッツポーズをとるアメリアに。
「……それはやめとけ……」
ため息つきつつそんなアメリアの言葉に突っ込みをいれているゼルガディス。
「ま……まあ確かに悪いやつ……というかどう見ても魔……には見えなかったが……」
あのときのことを思い出してそんなことをつぶやいているゼルだし。
「そうですよ。まああの二人、
ただ二人とも魔王の腹心として持っていたイメージとだいぶ違いましたし。」
さらっといっているアメリアに思わず思いがけない名前がでてなぜか硬直しているメフィ。
そんなアメリアの言葉に。
「確かに……。実際に拍子抜けしたがな……あの二人には……」
などといいつつ遠い目をしているゼル。
魔族の腹心……しかも一応はこの世界ではあれでも最高幹部。
……のはずの二人に出会った……それだけでも脅威。
……となぜか普通人などは捉えるらしいけど。
そして遠い目をしながらふっと笑っていたりするゼル。
……まあともかく俺は何があってもあまり動じなくなったのも……事実だよな。
などとなぜか思っているゼルだし。
あの程度で動じることのほうがよっぽど情けないんだけどね。
そんなゼルの言葉に続いて。
「そうですね。いくら魔族とはいえ子供好きの人に悪い人はいません!」
きっぱりはっきり言い切りこぶしを握り締めて断言しているアメリア。
そんな二人の会話に声を震わせながらなぜか心持ち体も小刻みに震えさせ。
「あ……あの?お二人とも……?獣王…海王…って……であったことがあるんですか?」
声を震わせつつそんな会話をしているアメリアとゼルに質問しているメフィ。
う~ん、一応は通り名、恐怖を待ち散らす程度にはこの世界に広まっているのよねぇ。
……当人たちのお仕事の能率の悪さは別としても。
これもすべて原因は、部下Sのふがいなさのせいよ!
そんなメフィの言葉に顔を見合わせつつ。
「前に一度。ゼロスさんが赤ん坊の面倒をみていたときに、
二人して様子を見に来たことがあるんですよ。
でも二人とも赤ちゃんばかりかまってて……」
ちょっと前のことを思い出して思わずくすりと笑っているアメリア。
「確かに。今思うとこっけいだったな。二人して赤ちゃんをあやしている姿は。」
というかほとんど俺たちはそっちのけであの赤ん坊ばかりあの二人……かまってたしな。
などと心でおもいつつふっと自嘲気味の笑みをこぼしているゼル。
「あの時は緊張していて……そんなことは思うどころではなかったがな……」
あのときのことを思い出してそんなことをつぶやいているけど。
まああの二人、あたしが赤ん坊にしたガーヴばかりをかまっていたのは事実だしね。
「……」
いやあの……赤ん坊……って……あやしてる……って。
そんな二人の会話になぜか思考回路が混乱しはじめているメフィ。
う~ん、結構この戸惑いの感情というか面白いわね。
そんなアメリアとゼルの会話に。
「なあ?そんな二人……いたっけ?」
思い出してもそんな二人がいたのには記憶にないガウリイ。
少し考えつつ二人にそんなことを聞いていたりするけど。
そんなガウリイの素朴な疑問に。
「ル=カウ君の面倒を私たちが見ていたときのことですよ。
あのときガウリイさんはぐっすりと眠っていましたから。あの二人には会ってませんよ?」
そんなガウリイの素朴な疑問に丁寧に答えているアメリア。
「起こしてくれればよかったのに……」
そうつぶやくガウリイに。
「……けとばしてもたたいても、呪文をかましても……お前はおきなかっただろうが……」
ため息つきつつそんなことをいっているゼル。
実際にガウリイ、爆睡してたからねぇ。
あのとき、面白かったけど。
そしてため息の後に。
「ともかくゼロスの部屋で声がするからお前を起こそうとしたのに。
お前は目覚める気配なし。
……結局アメリアとゼロスの部屋にいき、そこで出会った……というわけだ。
問題の腹心二人に。」
ため息交じりにガウリイに説明しているゼルガディスだし。
「いやぁ?そうだっけ?
いや、オレ一度寝ると何かない限り、何があってもおきないらしくて……」
まあ危険が迫ったり何かがありそうなときには野生の勘が働いて、
すぐに目が覚めるのもまたガウリイなんだけど。
そんなフメリフとガウリイの言葉に頭をかるくかきつつ笑いながら答えているガウリイ。
そんな彼らの会話に、しばらくの絶句した後に。
「よ……よく無事でしたね……皆さん……」
普通人間で……いや、人間に限らず腹心たちに出会って無事だった。
……という話は、古今東西、メフィは聞いたことがない。
まああるんだけどそれは別に彼らが腹心……ということにすら気づかれてない。
というだけのことなんだけどねぇ。
彼ら、よく物質世界で見聞を広めるため……とかいって、よく出歩いているから。
そんなメフィのその言葉に。
「別に彼女たち、敵意はもっていませんでしたよ?
本当に。赤ちゃんを見に来ただけのようでしたから。」
「そ……そうなんですか?」
「ああ…信じられんが本当にそうだ。赤ん坊ばかりをかまっていたからな。あの二人は。」
「…………」
アメリアとゼルの言葉に面白いことに完全に無言になっているメフィだし。
いや…あの…赤ちゃんをかまってばかり…って……
などと思い切り心の中で様々な思惑と思いが葛藤していたりするようだけど。
う~ん、この混乱ぶり面白いわよねぇ。本当に。
そんな二人の説明をきき完全に言葉につまり、
ただただ沈黙しているメフィの姿が、しばらくそこで見受けられていたりするし。
一方、厨房にいるあたしとゼロスはといえば。
「ゼロス、とりあえずミルガズィアをそろそろ迎えにいってきて。それから食事の用意ね。」
傍らにいるゼロスにそう指示を飛ばす。
「ミルガズィアさんを……ですか?わかりました。エル様。」
一応ここにはあたしとゼロスしかいないので。
ほかの目がないということもありあたしのことを頭文字のその名前で呼んでいるゼロス。
その言葉と同時にあたしに対して敬礼しつつそして空間にと解け消えてゆくゼロスの姿が。
「さってとv」
ゼロスは彼を迎えにいかせたし。
とりあえず人手は欲しい……わよねぇ。
「そうだ♡」
いいことを思いつきにっこりと微笑みつつ。
あたしはここの空間にある自分の宮殿からメイドを呼び寄せる。
「L様?何か御用でしょうか?」
表情を一切崩さずあたしがメイドとして作り出している彼女たち。
そのメイド頭でもある彼女がきいてくるけど。
別にそんなに緊張しなくてもいいでしょうにねぇ。
まったく。
表情が崩れないのはなぜかあたしが呼び出したことで緊張しているからだったりするし。
まったく、こんな心優しいあたしを捕まえておいて、緊張することもないでしょうに♡
「食事の支度。手伝いなさいな♡」
にっこりと微笑むあたしのその言葉に。
「食事…ですか?何もL様自らが……私たちがいたしますから。」
多少困惑気味にそんなことをいってくるけど。
この無駄が結構暇つぶしにもなって面白いってこと、いまだによく理解してないようね。
「ともかく、手伝いなさい。」
「は……はい!」
とりあえず人手も得たことだし。
暇つぶしにと、ここ数億年凝っている料理の数々をあたしは作り出してゆく。
「ミルガズィアさん、やっとみつけましたよ。」
空中で竜の姿になって空を飛んでいるミルガズィアに、
空中で出会い頭にそんなことを言っているゼロス。
そして竜の姿のミルガズィアに話しかけていたりするけど。
「……ゼロスか、何のようだ?」
嫌そうな口調で……まあ事実嫌がっているんだけど。
それでも淡々とゼロスに問いかけているミルガズィア。
そんなミルガズィアの言葉にぱたぱたと手をふりつつ。
「いやですねぇ。リナさんにミルガズィアさんを迎えにいってこい。
そういわれたから迎えにきたんですよ♡さ、いきましょう♡」
にこやかにそうにっこりと微笑みつついつものにこ目で話しているゼロスのその言葉に。
「……なぜリナ殿に従う?貴様……獣神官……ともあろうお前が。」
しばし沈黙のうちに警戒しつつ問いただしているミルガズィア。
「それは秘密です♡」
というか絶対にいえませんしねぇ。
表情では笑っているものの面白いことに心では思いっきり動揺しまくっているゼロス。
そんなに動揺することもないとおもうんだけどねぇ。
「さ、ともかくリナさんたちを待たせては何ですし。急ぎましょう♡」
にこやかに疑問を投げかけているミルガズィアの言葉をさらりと交わし。
そうにっこりと目の前にいるミルガズィアに向かって微笑みつついっているゼロスの姿が。
「L様?あの……獣王様と海王様がお見えになりましたが……」
食事をテーブルに並べていたメイド頭でもある彼女がそういってくる。
「あら、そうみたいね。あ、もう宮殿に戻ってもいいわよ。あっちも留守中お願いね。」
にっこりと微笑むあたしのその言葉に。
「わかりました。L様もお気をつけてくださいませ。それでは失礼いたします。」
深く頭を下げあたしの言葉をうけてそのままそこから掻き消えるようにと消えてゆく。
さってと。
宮殿にあの子は戻ったようだし。
それと入れ替わりに部屋にと入ってきた二人ににっこりと微笑みかける。
そのあたしの表情になぜかびしりと完全に凍り付いているゼラスとダルフィン。
そんな二人ににっこりと微笑みつつ。
「さってと。あなたたち、ちょうどいいところにきたわ。
食事作るのとテーブルに並べるの手伝いなさいね。」
なぜか凍り付いている二人ににっこりとそう言い放つ。
いまだに二人は部屋の入り口においてたったまま面白いことにフリーズ中。
う~ん、面白いv
-続くー
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あとがきもどき:
薫:・・・・・・なぜに気づかないのでしょうか?ゼルたち・・・(笑)
うすうす金色の王とリナが関係があるのでは?という思いはあるにしろ。
・・・・・よもや誰一人とてリナ=インバースが金色の母当人だとは。
わかってません、ええ、いまだに(笑)
・・・・・わかったらパニック必死ですね・・・・。
うーん・・・・もー少し一話を長く打ち込みしたほうが・・いい・・・かな?
ま・・・・まだ残りか・・・・40ページ以上もある(おいこら・・・・)
・・・・時間とかも考えて打ち込みの長さ・・・考えるか・・・・・。
ではでは・・・・・次回、食事会?(笑)
ではまた次回でv
2003年8月19日某日
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