エル様漫遊記  ~TRY偏~


「すっごぉぉぉぉぃ!大きいぃぃぃ!」
はしゃぎまくっているアメリア。
唖然として周りを見渡しているメフィ。
あたしに続いてアメリア達も船にと乗り込み。
そしてなぜか、乗り込んだ全員が唖然とした声を上げていたりする。
「それではメフィ。私は一応仲間に伝えてくるので少し後で合流しよう。」
そういいつつ空に向かって一咆。
その人間の男性の輪郭がゆがんだかと思うと、そこにはちょっとした大きさの黄金竜の姿が。
そのまま竜の姿に戻り報告のために飛んでゆくミルガズィアはまあいいとして。


「本当にでかいな……。おいリナ?この船何の動力で動くんだ?」
周りを見渡しそんなことを聞いてくるゼル。
「あら、魔力よ。」
似たようなものだし、というか事実だし。
あっさりとみもふたもなく答えるあたしのその言葉に、
なぜかほうけたような表情で船の壁などを触っているゼルだけども。
「よっし。全員いるわね。」
いるのはわかってはいるけど一応確認をとる。
「アメリア。」
「は~い!」
あたしの言葉に元気よく手を上げて返事をしてくるアメリア。
「ゼル。」
「……ん?」
なぜか興味があるらしく珍しげに船の内部を眺めていたゼルが答え。
「ガウリイ。」
「ん?何だ?」
こちらはのほほんといっていたりする。
というかこの船……何で意思がある気配がするんだ?
などと心で思っているようだけど。
さすがこのあたしと一緒にいるだけあってその辺りの勘、どんどん冴えてきているのよねぇ。
このガウリイ。
面白いことに♡
「メフィ。」
愛称で呼ばれたことに文句を言いかけているメフィだけど。
「え?」
とりあえず人にこんなものが作れるとは……
というようなことを思っていたりするので、面白いことにほうけたような返事が戻ってくる。
「よっし。全員いるわね。それじゃ、出発!」
そのあたしの言葉をうけて。

ヴン!

その声にと反応し船は静かに海原にと進みだす。

ザザザザ……
船が海をかきわける音。
「すっごぉぃ!広い!この船探検しましょ!探検!」
そういいつつ面白いことにメフィにいっていたりするアメリア。
「そうね。」
なぜかこの人間、初対面のような気がしないし。
などと思いつつアメリアの言葉に同意しているメフィ。
この二人すっかり結構意気投合していたりする。
「探検はいいけど。一応この船の説明しておくわね。
  部屋は各自好きなところを使って。明かりは暗くなると勝手につくから。
  夜寝るときはベットのところにある銀色のパネルを触って。
  そうしたら部屋の明かりが消えるから。明かりをつけるのも同じ。
  まあ部屋に入ったら勝手に部屋に明かりはつくけど。
  あと風呂とかトイレといったものは各自の部屋に存在しているけど、
  この船の中央に風呂は大きいものがあるからそこを使ってもいいわよ。
  あ、ちなみにプールもあるから。あとわからないことがあったらいって。
  それじゃ、一応解散ね。」
とりあえず簡単にこの船のことを説明しておくあたし。
「リナさんもいきませんか?」
説明が終わったあたしにアメリアがそういってくるけど。
「あら、これ創ったのあたしだし。あたしがいたら面白くないんじゃない?」
くすくす笑いつつアメリアにそういうと。
「それもそうですね。それではいってきます!」
などといいつつメフィの手を引っ張ってバタバタと駆け出しているアメリア。
「ふっ。それじゃあガウリイ、じゃあ俺たちは船内でも見て回るか?
  いざって時のためにな?」
そういいつつ横にいるガウリイにいっているゼル。
「う~ん。……リナはどうする?」
ぽりぽりとほほをかきつつあたしに聞いてくるガウリイ。
「あたし?あたしは食事の用意でもはじめるわ。あ、ゼロスあんたも手伝うのよ。」
にっこりと傍らのゼロスに微笑む。
「は……はぃぃい!わ……わかりましたぁ!」
なぜかあたしの言葉にびしっと姿勢を正して答えてくるゼロスだけど。
どうしてそこまで緊張する必要があるのかしらねぇ?
まったく……
そんな会話をしつつあたしたちはそれぞれに各自、一応別れることに。


「うわぁぁあ!すっごいです!ね!メフィさん!」
周りをみつつ感嘆の声を上げているアメリアに。
「そうですわね。アメリアさん。」
……人間にここまでのものがつくれるなんて……
等と思い、ほとんど驚愕しているメフィ。
アメリアの言葉に同意していたりするけど。
「そういえばアメリアさんでしたわね。なぜかあなたとは気があいますわ。
  それに何となく初対面って気がしなくて。」
そういいつつアメリアをまじまじとみるメフィに。
「そういえば私も姉さんからエルフと知り合ったって聞いたことがありますよ?
  確か名前はメンフィス。メンフィス=ラインソード。
  あ、メフィさんと似たような名前ですね。」
そういってふとナーガの言葉を思い出していっているアメリア。
その言葉に少し驚いたように。
「それ、私の名前ですわ。メンフィス=ラインソード。メフィは愛称なんですの。
  でも私の名前を知っているのは人間では。
  高貴な魔道士のナーガ様とかいう、方だけのはずなんですけど。」
アメリアの言葉に少し困惑しつつそういうメフィのその言葉に。
「ナーガ?ああ!じゃあやっぱりグレイシア姉さんのことですね。
  そうかメフィさん姉さんの知り合いだったんですかぁ。」
姉さん顔が広いですもんね。
などとおもいつつしみじみうなづいているアメリア。
そんなアメリアに。
「いえ、あの?グレイシアさんという人間ではなくてナーガさんという人間なんですけど?」
困惑気味にそんなアメリアにいっているメフィ。
「だからグレイシア姉さんのことでしょ?」
そういいつつふと気づいたように。
「あ、そうかもしかしてメフィさん姉さんの名前知らないんですか?」
とある可能性に気づいてメフィに聞いているアメリア。
「あの御方は『白蛇サーペントのナーガ』と名乗っておられましたが。」
そんなアメリアの言葉に答えているメフィ。
「姉さんの本名。グレイシア=ウル=ナーガ=セイルーンっていうんですよ。
  ですからナーガも姉さんの名前です。
  私がアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンですから。
  ナーガの名前の部分は私だとテスラということになるんです。」
そういってメフィに説明しているアメリア。

そんなアメリアの言葉に首をかしげ。
「それでは何であの御方は上の名前を名乗らなかったのでしょうか?」
首をかしげるメフィに。
「う~ん。私と違って姉さんは第一皇女ということもあって、
  『グレイシア』の名前はほとんど知られていますからね。
  私は第二皇女なのであまり知られてませんが。
  一人旅をするのに王族って知られたら何かと不便なので、
  知られないようにするためだとおもいますけど?」
そんなメフィの素朴な疑問に答えているアメリア。
というかあの格好でそんなことをいったらまず王国関係者、偽証罪。
に問われること間違いなし。
本物だけどあの格好とそして行動からまさかナーガがセイルーンの皇女だなんて。
だぁぁぁぁれも思わないのが実状だけどねv
「第一……皇女?……王族?」
その唐突の言葉に少し驚きの表情をみせるメフィに。
「ええ。私の父さん、セイルーンの第一王位継承者なんですよ。
  フィリオネル=エル=ディ=セイルーン。次期セイルーンの国王です。」
メフィに簡単に説明しているアメリアのその言葉に。
「じゃあ、アメリアさんもナーガ様もお姫様ってことですか!?」
だからあの御方、その身から神々しいまでの感じがしたのですわね。
とことんナーガに心酔しきっているメフィなのよね。
そんなメフィのその言葉に。
「ん~と。まあ一応そうなんですけど。
  まあ人間の世界のことですかきら、気にしないでください。」
まがりなりにもメフィはエルフ。
人間世界とは関わりがない。
そうぱたぱたと手をふりつついうアメリアのその言葉に。
「でもセイルーンって聖王国セイルーンのことでしょう?
  私たちエルフの間でも、結構有名ですよ?」
アメリアの言葉にそういうメフィの言葉に。
「そうなんですか?」
きょとんとした顔で問いかけるアメリア。
「ええ。でもそうですか……あのナーガ様の妹さん……
  それでどこかであったような気がしたんですね。」
しみじみと納得しているメフィ。

そんな会話をしつつ船の中を見回り。
面白いことにとことん連続して驚いているこの二人。
この船の地下はパネルを触ると自然の水族館にと早代わりし、外が透けてみえたりする。
当然船の底なので海の中が見えているのだけども。
そして彼女たちがなぜか驚いているのはこの船自体が意思をもっていること。
船内探索の結果そんなことを彼女たちは知っていたりするけども。
そんなアメリア達がどうやら気に入ったのは着替えができる部屋らしいけど。
思い描いた服などがそのとおりに作り出される……といったもの。
これはまああたしが遊び心でつくったものなんだけど。
きゃいきゃいと、それを使ってしばらく着替えを楽しんでいるこの二人。


「かなり広いな。」
ガウリイと共にもしものときのために船内を見て回っているゼル。
「そうだなぁ。何か迷子になりそうだ。」
のほほんといっているガウリイ。
その言葉に思わず額を押さえ。
「……おいおい。……頼むから船の中で迷子はやめてくれ……」
そうはいうけど確かに迷子になりかねない広さ……だな、これは。
そうガウリイにいいつつも心ではそんなことを思っているゼル。
「しかし……気づいているか?ガウリイ?
  この船、オリハルコンは当然としてホワイトオリハルコンも使っている…ということに。」
壁や周りをみつつそんなことをゼルガディスは言っているけど。
まあそれだけじゃあないけどなぜか普通誰にも気づかれないのよねぇ。
ちょっと様々な力を組み込んでいる……という事実には。
そんなゼルの言葉に。
「??何だ?そのホワ……何とかっていうのは?」
本気でわかっていないガウリイ。
というか話には聞いたことがあるけど覚える気がないから彼は覚えていないだけだけど。
「オリハルコンよりもさらに価値の高いものだ。もっとも話によれば、
  何らかの方法で魔力をアップすることも減少させることもできるらしいがな。
  普通オリハルコン……といえば魔力を遮断する……という品物だ。」
それだけでなくその気になったら、
魔力というかすべての力をアップさせることも、減少させることもできる。
という事実……いまだにだぁぁぁれも気づいてないのよねぇ。
うう、せっかく面白い素材を作っているというのに……お母さんかなしいわ♡
そう壁に手を当てつつ説明するゼルの台詞に。
「……すまん、よくわからん。」
まったく理解してないガウリイ。
そんなガウリイをみて。
「……いい、俺が悪かった……お前にいっても無駄だったな……」
盛大にため息つしているゼル。
う~ん、結構面白いわねv
そんな彼らが会話をしている最中。


『ゼルガディスさぁぁぁぁぁん!』
元気な声とともに聞こえてくるアメリアの声。
「何だ?アメリアか?どうした?」
そんなアメリアの声に苦笑しつつ、こたえているゼル。
「面白いところをみつけたんです!きてください!」
そういうが否や無理やりにゼルの服を引っ張って移動しているし。
う~ん。
やっぱりアメリアの行動力って面白いわよねv
何が何だかわからないゼルをひっぱりつつ地下にと移動してゆくアメリア。
ガウリイはといえばそんな二人の後ろから。
「やれやれ。」
などといいつつ二人の後についていっていたりするけど。
なるほど。
あそこに連れて行くわけね。
別に珍しいものでもないでしょうにね♡


                               -続くー

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あとがきもどき:
薫:・・・・・あはは・・・休みなのに何を打ち込みしてない!?
   という突っ込みは・・・すいません・・・・いや。
   実は今日前々からほしかった本を数冊・・・手に入れまして。読みふけってました。
   で気づいたら・・・すでに十一時になってるし・・・。
   ・・・・まだ風呂もご飯もまだなのに(おいおいおい)
    とりあえず。中途半端だけどここが区切りがいいのでここまであっぷv
   それではv(逃げ!)
    2003年8月18日某日

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