エル様漫遊記  ~ドラゴンズピーク編~


光が消えたその後には、その場にはもはやガーヴの姿はなく。
そこにいるのは……
「おぎゃぁ~!!!!」
何やら泣き喚いている一人の赤い髪の人間の赤ん坊。
ちなみに男の子♡
パチン♪
それと同時に軽く指を鳴らすと、水晶の中の二人が開放される。
「…な゛!?ガーヴ様!?」
「な゛!?」
などと叫びつつ、
赤ん坊になっているガーヴと思われる人物のほうにと駆け寄っていっている二人だけど。
が。
「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!」
当然、記憶も何もかも消しているので、ガーヴに二人がわかるはずもなく。
面白いまでに、知らない人がいるというのでさらに泣きわめき始めていたり♡
「はい♡フィブリゾ♡あんたは、ガーヴをあやしてらっしゃい♡」
あたしの言葉に。
「はっ…はぃ!!」
なぜか直立不動の姿勢で返事をし。
そして、あわてて、転がるようにとガーヴのほうにとかけてゆくフィブリゾの姿。
そして。
フィブリゾがガーヴのほうにと走っていき、赤ん坊を抱きかかえるのをみつつも。
「あ…あのぉ?終わられましたか?」
のんびりと、のほほんと聞いてくるゼロス。
そして、その隣にはガウリイの姿。
「いやぁ。何度も説明してもらったんだが、…全然わからんかった。」
にこやかに言ってくるガウリイに対し。
「……はぁ……」
ゼロスがため息をつき。
そして。
「疲れちゃいました…僕。ガウリイさん、説明してもしてもわかってくれないんですもん……」
などいいつつ、多少いじけているゼロスだし。
「ま、ガウリイだしね。とりあえずこっちは終わったわよ♡で?どうする?あんたたち?
  ガーヴはとりあえず、千年以上はその人となる封印解けないわよ♡
  大体千年くらいの封印にしといたし♡」
何やらフィブリゾにあやされている赤ん坊をみて混乱している、
ガーヴの直属の部下でもある、ラーシャートとラルタークにと話しかける。
「お……お前はいったい?」
ラルタークが口を開いたそのとき。
「お母様?この赤ん坊ガーヴどうされるおつもりですか?
  …僕としては滅ぼそうかとおもってたんですけど……」
何やらガーヴを抱いてフィブリゾがあたしのほうにと戻ってくる。
そして。
ちらり。
とラルタークとラーシャートに視線をむけ。
そして。
「この二人も滅ぼしちゃってもいいですか?」
さらりと何でもないように、それでいてあたしに対して怯えつつも聞いてきているこのフィブリゾ。
「ま、どうせ何もできないでしょうしね。ほっていていいわよ♡
  で、このガーヴはね。んふふ♡神殿に預けるのよ♡神族側のね♡
  まあ、とりあえず人間の神殿にでも預けておけばいいでしょ♡んふふ♡
  さって、本来魔族であるこいつが、
  神族側の神官の心得などを習得していったらどうなるかしらね♡ま、実験ね♡
  ちょうどそんなのを創ってみてどうなるかしら?と思っていたところだしね。
  いい実験材料ができたわ♡」
あたしのにこやかなまでの至極もっともな言葉に。
「…じ……実験ですか?」
なぜかあたしに聞いてくるゼロスに。
「そう♡」
あっさりとあたしが答えると。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」
何やら顔を見合わせて、
なぜか同情の視線を赤ん坊にと向けて無言になっているゼロスとフィブリゾ。
そんなあたしたちの会話をききつつ。
「……お…【お母様】……だと?
  …冥王ヘルマスター様がそう呼ばれるお方といえば…『あの御方』しか……」
そんなフィブリゾの言葉をきき、何やらつぶやいているラルターク。
そんなラルタークにむかい、にこにこしつつ。
「そのまさかなんですよ。ラルタークさん♡ラーシャートさん♡
  ね?知らないほうがいいでしょう?♡」
ゼロスがそんな二人の横にと移動して、ラルタークの肩をぽん、と叩きつつも。
その手をラルタークの肩において、にこやかにと話しかける。
そんなゼロスの言葉に。
『な゛!!??』
面白いまでに見事に言葉を詰まらせて、何やら絶句しているラルタークとラーシャートだけど。
あたし達がそんな会話をしている中。
「あら♡どうやらゼル達が戻ってくるみたいね♡」
岩壁のほうにと視線をむけて、あたしがつぶやくのと同時に。
岩壁から出てくる三人の姿が。
そして。
「リナさん!無事ですか!」
「リナ!無事なのか?!」
などといいつつ、アメリアとゼルガディスがあたしのほうにと駆け寄ってくる。
いまだになぜかラーシャートとラルタークは固まってるけど。
「あら♡どうしたの?二人とも、そんなにあわてて♡」
あたしの言葉に。
「こちらに魔竜王カオスドラゴンがこなかったか?」
何やら多少声を震わせつつ言ってくるミルガズィア。
くすっ。
「ガーヴ?来たわよ?ま、依り代にしていた人間をおいていなくなっちゃったけどね♡」
いって、フィブリゾの抱いている赤ん坊を指差すあたし。
嘘ではないし♡事実でもないけど♡
そして、ふと。
今さらながらに。
「!?お前は…竜将軍ラーシャート!?なぜここにいる!?
  あの話ならば何度も断ったはずだが?」
ふとそこに、水晶から出てきているラーシャートがいるのに気づき、
何やらいっているミルガズィア。
そんな彼の言葉に、はたっ、と我にと戻り。
そして。
「あの話はなかったことにしてもらおう。いくぞ!ラーシャート殿!」
なぜか混乱しつつも、何やら言い捨てて、
あわてて、ラーシャートと共に姿をかき消してゆくラルタークの姿がそこにあったりするけども。
そんな二人をみて。
「……いいんですか?ほっといても?」
あたしに聞いてきているゼロス。
「あら、別に害はないでしょ♡」
さらり、とゼロスに返し。
そして。
「それはそうと、聞きたいこと聞けたのかしら?二人とも♡」
にこやかにゼルとアメリアにと問いかける。
「あ……あぁ……」
「まあ、一応は……」
顔を見合わせて、面白いまでに歯切れの悪いゼルとアメリア。
まったく。
完全に理解してもいない、あたしの存在を聞いただけで、
そこまで畏れなくてもいいじゃないのよね。
彼らが思っているのは、『金色の魔王=混沌の海』まあ、嘘ではないけど、
完全なる事実でもないし。
そもそも、宇宙空間とも別に言われることもあるあれは、
あたしが産み出した、というか創り出したものだしね♡
「ま、ならよかったわ♡あ、そうだ、アメリア、あんたに頼みがあるんだけど、いいかしら?
  この赤ん坊、セイルーンの神殿でかくまってやってくれないかしら?
  ガーヴに利用されてたからまた利用されてもいけないし♡
  この子に神官の力でもつけさせたら、それもなくなるだろうから♡」
いいつつも、フィブリゾが抱いている赤ん坊を指し示す。
そんなあたしの言葉に。
「そういうことならよろこんで!任せてください!
  二度とこんないたいけな赤ん坊を悪の手には渡しません!!」
すぐさま返事をしてくるアメリア。
そんなアメリアに対して。
「……事情もロクにきかんでいいのか?お前は……」
じと目で、そしてあきれつつも、アメリアをみていっているゼル。
そんなゼルに対して。
「正義は常に一つです!」
いって、ぴしっと空を指し示すアメリア。
そんなアメリアの姿をみつつ。
「…言うだけ無駄か……」
などといいつつ、ため息一つついているゼルガディス。
ま、いつものことだし、それにアメリアだしね♡
「なあ?それはそうと?リナ?みんな戻ってきたけど…これからどうすんだ?」
のんびりと、あたしに聞いてきているガウリイ。
ミルガズィアはアメリアの反応や、
そしてまた、ラーシャートたちが退散したのをうけて、何やら戸惑ってるけど。
「そうね。とりあえず、セイルーンに行きましょう。この子預けないといけないしね♡
  あ、そうそう、ミルガズィア。二人の案内ありがとね。
  あたし達あとはオリハルコンをちょこっととってからこの峰から出るから♡」
にこやかに話しかけるあたしの言葉に。
「……それはそうと、その赤ん坊…何なんだ?」
「それは秘密です♡」
なぜかかすれる声で、説明を求めてくるミルガズィアににこやかに答えているゼロス。
「ま、聞いても別にどうってことないしね。元ガーヴでもあった赤ん坊よ。
  ガーヴが利用してた、ともいうかしら♡」
嘘でもないけど完全に真実でもないそんなあたしの説明に。
「……人を媒体にしていた…ということか?だが…魔竜王ガーヴは……」
「ま、細かいことまでは気にしないの♡
  さ、それはそうとして、アメリア、ゼル、ガウリイ。
  オリハルコンとってからセイルーンにむけて出発するわよ♡
  あ、ゼロス、あんたたちは荷物持ちね♡」
「「…は…はぃ……」」
あたしの言葉に、なぜか素直に従うゼロスとフィブリゾ。
だから…何でこのゼロスともあろうものがこの人間の言いなりになってるんだ??
そんなゼロスの姿をみて、ミルガズィアは何やら思ってるけど。
「あら、気にしないのよ♡ミルガズィア♡それはそうと、みんな、いきましょ♡」
「な゛!?」
なぜ、この私の考えていることがわかったような言葉を!?
なぜかその場にて固まるミルガズィアをそのままに。
あたし達は、とりあえず、オリハルコンの鉱脈がある場所にと向かってゆく。

「とりあえずオリハルコンをとって戻りましょう!」
「……好きにしてくれ。」
ため息混じりにいうゼルに。
「あら?何いってるの?ゼル?呪文を唱えるのは当然あんたにきまってるでしょ?
  まさか、か弱い女性のあたしたちに地精道ベフィス・ブリングを唱えさす気?」
にっこりと微笑みかける。
ちなみに、オリハルコンは、
人間程度のちょっとした魔力程度では、それに影響を及ぼされることがないので。
地精霊に干渉した穴を掘る術を唱えただけで精製されたオリハルコンがぽこぽこと手に入る。
という実例があったりする。
まあそれも魔力の大きさによっては簡単にそれも消滅するんだけど。
ちなみに、その地精霊によって消えた土などは。
実は某所に地精霊の王をここにて任せているノームがとある場所にと移動させていたりする。
簡単にいえばてっとりばやく地下深くのマグマにそれを入れているだけなんだけど。
その事実はいまだになぜか知られていないが。
「……おいこらまて!どうして俺が!」
わめくゼルに。
「はいvガウリイはこれねv」
そういってスコップを手渡すあたし。
「…えええええええええええ!?」
それをみてなぜか絶叫を上げているガウリイ。
「ゼロスvフィブvあんたたちは魔力を使わずにこれねv」
そういってつるはしを手渡すあたし。
『えええええええええええええええ!?』
なぜかそれをみてガウリイと同じく絶叫をあげているゼロスとフィブリゾ。
「う~ん?ゼロス。この子僕が抱っこしたままだと作業できないから?君がおぶってね?」
にこやかにゼロスにいっているフィブリゾ。
「……はい(涙)」
うう……どうせ僕は中間管理職魔族……
エル様はともかくとして……冥王様にも逆らえませんし……うう……
などとなぜか心で泣き言をいいつつも、
紐で赤ん坊バージョンガーヴを、背中にくくりつけているゼロス。
「……いや、だからどうして貴様……リナ殿に従っているんだ?」
そんなゼロスをみて思わず目を点にしているミルガズィア。
「それは……秘密です♡」
そういいつつ、つるはし片手に。
どうせなら格好からと、頭にヘルメットとそしてランプをともし、鉢巻などをしているゼロス。
「・・・・・・・・・・・・・」
いっ……いったい、このリナという人間は……いったい……何者?(汗)
ゼロスをこうも簡単にあしらうことができるとは??
などとおもいつつ首をかしげているミルガズィアだけど。


うう……まさか力作業をするハメになるとは……」
「……ま、リナにさからったら命がいくらあってもたりないからな。坊主。」
泣き言をいっているフィブリゾにそんなことをいっているゼル。
ちなみにアメリアもゼルもフィブリゾの正体、いまだに気づいていなかったり。
ついでにいえばミルガズィアも。
「ほらほらvサボらないでとっとと掘るv」
あたしの言葉に。
『はぁぁぁぁぃ(はぁ……)』
返事とため息をこぼしているゼロスとフィブリゾとそしてゼルガディス。
ちなみにガウリイは結構面白がって掘っていたりするけど。
その岩壁を、仲良く掘り進んでゆく男性陣の姿が。
「う~ん、これは楽ですねv」
アメリアはそんな掘り出されたオリハルコンの選定をしつつ、袋にと詰めていっている。
そんなこんなで数時間、あたしたちはオリハルコンの発掘作業にといそしんでゆくことに。


「じゃ、またね♡」
「いろいろとありがとうございました。」
「えっと…でっかいトカゲのえらい人、さようなら。」
どごっ!
そんなガウリイの言葉に、ものの見事にあたしとガウリイを除く全員がひっくりこける。
「そ…そういう呼び方はやめてもらいたい…人間よ。」
起き上がりつつも言ってくるミルガズィアに。
「…こ…この男、天然!?かなりの精神攻撃をしてくるな……」
何やらつぶやいているフィブリゾ。
「…が、ガウリイさぁん、一応相手は黄金竜なんですから……」
などと、錫杖をついて起き上がりつついっているゼロス。
「…ガ、ガウリイさんって……」
「……ま、いつものことだな……」
疲れたように何やらいっているアメリアとゼルガディス。
「ま、まあ。ガウリイだしね。とりあえず、あたし達はいくから、それじゃあね♡」
いって、全員を促し、あたし達はそのまま、ここ、竜たちの峰ドラゴンズピークを後にする。


とりあえず、山をおり、近くの村にてとりあえず今日のところは休むことにして。
そして…その日の夜。
とりあえず、フィブリゾを呼びつける。
「さってと♡ガーヴのほうは、あれでいいとして♡
  あんたにはちょこっと面白い本格的に近い封印を施すわね♡
  ま、四、五千年くらい眠ってなさい♡といいたいんだけどね。
  時期が来たら目覚めるってことでね♡簡単に滅ぼしても面白くないしね♡」
なぜかその場にてだくだくと汗を器用に流しつつ、
さらにはひざまづいているフィブリゾに向かってにこやかに話しかけるあたしの言葉に。
というか、頭を床にこいつはすりつけるように下げてるけど。
「あ…あの?封印って……」
何やら震える声で聞いてくる。
「あら♡何を当たり前なことを♡もちろん、一切の干渉力をなくすのよ♡
  ま、意思疎通くらいはできるようにしといたげるけど♡
  だって、あっさりと滅ぼしても面白くないしねぇ。
  それよりここの結界なくして、この地区と外の地区。
  つまりは、結界の中の地区と結界の外の地区の交流をみたほうがよっぽど面白そうだし♡」
にっこりと微笑みながら説明するそんなあたしの言葉に。
なぜか。
ヘタリ……
そのまま、崩れるように床にとほぼ腰を埋めるこのフィブリゾ。
そして。
「……滅びたほうがよかったかも……」
何やら小さく声を漏らしてるけど。
そんなやさしい処分というかお仕置きにするはずないじゃない♡
そして。
赤眼の魔王ルピーアイ様。申し訳ありません…
  …できるだけ結界のほうの維持は努めますが…おそらく…」
何やらSにむかって精神で語りかけてるし♡
「はい♡そこまでね♡」
あたしの言葉と同時に、フィブリゾの意識と気配は完全にと途絶えてゆく。
とりあえず、完全に精神世界にと隔離、というか半分眠ったような状態にしただけだけど。
今、フィブリゾにできること、といえば、精神感応力による、情報の伝達などのみ。
それ以外は一切何もできないようにしてみたり♡
まあ、ガーヴと違って、こいつの力を使った術だけは発動するようにしてるけどね♡
でも、こいつ本人が使うことはまったくできなかったりするけどね♡
そのようにこいつを封印して…っと♡
「さって、アメリア達の言い訳でも考えますか♡」
あたしがフィブリゾを封印してすぐに、ゼロスはゼラスに報告に戻ってるし。
ま、どうやら明日までには戻りそうだけどね。
さってと。
とりあえず、今日のところは休むとしますか♡


次の日。
「リナさん!あの男の子がいないんですけど!」
案の定、というか、当たり前、というか、アメリアがあたしに聞いてくる。
「あら、あの子なら、昨日ゼロスがゼラスに報告に戻るっていうから。
  ゼロスにつれてってもらったわよ?」
報告をゼラスにしにいったのは間違いではないしね♡
それに、ゼラスに報告にいったのはフィブリゾのことだし♡
嘘はいってないわよ♡嘘は♡
あたしの言葉に。
「??魔族のゼロスにか?大丈夫なのか?」
などと聞いてくるゼルガディス。
「あら。大丈夫よ。あのゼロスって昔っから命令以外、というか。
  自分が命じられたこと以外のことは一切しないから。
  ま、物事が面白くなりそうなときはよくちょっかいを出してるけどね。
  ま、お役所仕事の中間管理職魔族だからね。あいつは。」
あたしの言葉に。
「昔っから…って、じゃあ、リナさん、昔からゼロスさんが魔族だって知ってて……」
「あら、当たり前じゃない?知ってたわよ♡
  あ、そういえば、きちんとあいつの説明してなかったわね。
  それじゃ、とりあえず。本名は同じくゼロス。役職は獣神官じゅうしんかん
  獣王グレーターピーストゼラス=メタリオムが創りだした神官よ。
  といっても、ゼラスは他の四人と違い、自分の直属の部下をゼロス一人しか創らなかったから。
  ゼロスの実力は五人の腹心たちの次ってところよ。
  他の四人、とくにフィブリゾなんかは、数名創ってたらしいけど。
  すべて降魔戦争で滅んでるし♡
  ガーヴはあの二人、竜神官ラルタークと竜将軍ラーシャートの二人を創ってるしね。
  ま、そんな腹心たちに直接に仕えている高位魔族の中でいえば、ゼロスの力は一番上ね。」
実はあたしが以前力をアップさせてるせいで、実際は今ではSより力があったりするけどね♡
そんなあたしの説明に。
「そんなにゼロスさんって強いんですか?」
などと聞いてくるアメリア。
「ま、一応はね。」
そんな説明をうけつつ。
「リナ、聞きたいことがあるんだが…いや。いい、やっぱりやめておく。
  何やら聞かないほうがいいような気がするしな……」
もしかして、そんなヤツが畏れているリナって……アレと関係あるんじゃぁ……
そんなことを思いつつもあたしに対して質問しようとしているゼル。
だけど、根性ないことに質問を断念してるけど。
まったく……
「ま、それはそうと、方法みつかったの?
  あきらめたらいつでもいってね♡さっさと元に戻してあげるから♡希望どおり♡」
にこやかに話しかけるそんなあたしの言葉に。
一応仲間として付き合ってくれているお礼もあるしねv
あたしの暇つぶしの♡
「い…いや、まだ外の世界が残っているし・・・この世界にも方法はあるかもしれん……」
そういえばこのゼルガディス、元の体にもどう方法を聞いただけで。
……魔力を残したままの方法を聞く前に先にあたしのことを問いただしたからねぇ。
そうこうしてたらガーヴがきたし♡
「あら?だったらいってみる?結界の外?今なら滅びの砂漠抜けられるわよ♡」
『……な゛!?』
さらっといったあたしの言葉になぜか叫んでいるこの二人。
「ど……どういうことですか!?リナさん!?」
そういいつつあたしに詰め寄ってくるアメリア。
「あら?別にどうってことないわよ?
  ただ今フィブリゾのやつ。ある存在によってお仕置き期間中♡
  それゆえに結界がなくなってたりするのよねぇ♡」
くすくすと笑いつついうあたしのその言葉に。
……いやその……その【ある存在】……っていったい何(ですか)(だ)?(汗)
……とてつもなく怖い予感がするのは・・気のせい(でしょうか)(せいか)?(汗)
あたしの言葉に二人して同じことを思っているアメリアとゼル。
「あ……あの?ちなみに聞きますけど……それって…どうしてです?」
……何となく聞かないほうがいいと思いますけど……聞かないわけにはいきませんし……
などとおもいつつあたしに聞いてくるアメリア。
「ま、簡単にいえば力を利用しようとした罰ね。それと、役目放棄の罰ね。」
にっこりとわらって説明するあたしに。
「それはともかく……としても…だ、なぜそんなことを知っている……リナ…」
声を振るわせつつ冷や汗かいているゼルガディス。
「あら?いろいろと情報入ってくるのよv」
その情報って……いったい(汗)
それ以上のことを突っ込みたいが突っ込めないでいるゼルガディスだけど。
そんな会話を朝食をとりつつしているあたしたち。
「……なあ?その…結界…って……何だ?」
どんがらがっしゃぁぁぁぁぁん!
ごげげっ!

あらあらあらv
ガウリイの一言に盛大に椅子から転げ落ちているアメリアとゼルの二人。
ちょうど戻ってきたばかりのゼロスも出現するなり床にこけていたりする。
う~ん、面白い反応♡
「お……お前なぁ……ガウリイ……」
ひくひくとこめかみをひくつかせながらいうゼルのその言葉をさえぎるように。
「それなら僕がご説明しましょう♡」
いち早く起き上がっているゼロスがにこやかにと話しかけてくる。
「あら?もどったの?ゼロス?」
わかっているけどとりあえず声をかけるあたしに。
「も……もどりましたです……リナさん(汗)あ、そうそう、ガウリイさん。きちんと説明しますね?」
そういいつつガタンと椅子を引いてガウリイの横にと座るゼロス。
「そもそも、この地は、昔……」
丁寧に神魔戦争時代のことから説明しているゼロス。

ゼロスによる世界の仕組みと状態についての講義が、ガウリイにと説明されてゆく。

しばらくのち。
「……というわけなんですよ?」
「……ぐう……あ、すまん寝てた。それによ~わからん。」
ゼロスの説明を聞きながら本当にそのまま座ったまま寝ているガウリイに。
どべっ!
今度は机につっぶしているアメリアたち。
「ま、ガウリイに説明しても無駄だし。
  さっさとセイルーンに向けていきましょvこの赤ん坊も預けないといけないしね♡」
さりげにさらっと話題をかえておく。
そういいつつイスの上にと寝かしている赤ん坊をちらりと見るあたし。
「……そうですね。ガウリイさんには何をいっても無意味です。」
「……同感だ。」
「のようですね。」
口々にいうアメリア、ゼルガディス、ゼロスのその言葉に。
「……どういう意味だよ……お前ら……」
ガウリイの抗議の声が出ていたりするけど。

とりあえずそんなとりとめのない会話も終わり。
食事を済ませ、あたしたちは一路セイルーンを目指して出発する。
う~ん……
それはともかく……ゼロスのやつ……どうやらずっとついてくるつもりのようねぇ。
……ま、いっか♡


                                     -続くー


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あとがき:
薫:さてさて。この回で無修正版は完了です。
L:平行して、あんたようやく二部に当たるベゼルド編うちこみしてるけど・・・
姫:私の活躍はいつかしら♡
薫:うぐっ!!あ、あれが活躍なんですか!?あれが!?(滝汗・・
姫:そうよ♡偶然にしては上出来でしょ♡
薫:(・・・いや、ぜったいにあれは偶然でもなく、間違えたのでもなく確信犯・・・汗)
L:そういえば、あんた、あれ打ち込み始めてから、あの話読み返してるけど・・・
  なかなかに進んでないわねぇ・・・
薫:あ・・・あはは(汗)自分でかいといて何ですけど、字が乱雑でしかも薄いので読みにくいです!(まてこら
姫:・・・ま、寝ぼけてかいてたりするときもあるからねぇ・・・
  確か、のんびりと読みつつ、今ようやく10ページ目だったかしら?
薫:・・・あははは(汗
L:あれ、確か三十数ページ近くあるわよねぇ・・・ベゼルド編・・・
薫:うぐっ!!!
姫:しかも、今現在、6話目で何ページ目かしらvv
薫:ぎくくくっ!え、えっと。何やら雲ゆきが怪しくなってきたので・・・
  それでは!こんどは、どれかの小説か、もしくは、この漫遊の本編、または番外編でお会いしましょう!
姫:私の小説もねv
薫:・・・はぃ(涙
姫&L&薫:それでは、皆様、ごきげんよう♡


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