エル様漫遊記 ~ドラゴンズピーク編~
ガイリア・シティの魔道士協会に、
遥か昔竜たちが一斉に飛び立ったことがあり、まさに空を金と黒との二色に染め上げた。
という記録が残っていたりする。
黄金竜と黒竜といえば、
カタート山脈にすんでいる魔王竜と古代竜エンシェントドラゴンを除いて、
竜族の中でも一、二の能力をもっている種族といわれている存在。
ま、この惑星に限ってのことだけど。
とりあえず、話はゼロスやあたしがいるからすんなりと進むでしょうけどね♡
ま、そのときに、アメリア達もゼロスの正体知るでしょうけど、別に問題ないわよね♡
今通っている、名もないちょっとした大きさの森を抜ければ、そこが竜たちの峰。
もちろん街道というものがあるはずもなく、獣道の細い道一本のみ。
「ところで?リナ?」
伸びた枝葉と草とを掻き分け、道を歩きながら。
「何?」
「何で竜族が
あんたなら、何かに利用しそうな気がするんだが……」
何やらゼルが聞いてくるし。
くすっ。
「人間の手にでもあったら、その技術を応用、
または利用して、魔族に対する脅威にもなるでしょうね。
ま、写本は不完全なことが多いから。
間違った知識で作られた【ザナッファー】みたいなのもできるしね。
ま、だからか獣王ゼラス=メタリオムは部下に写本の処分をやらせてたらしいけど♡ 下っ端魔族には脅威になるうるからって。
それに
そんな存在の知ってることなんて、ほんの雀の涙ほどもないし。
あたしにとっとは全部知ってることだしね♡」
そんなあたしの言葉に。
「……知ってるって……リナ…お前……」
何やら言いかけているゼル。
あたし達がそんな会話をしていると。
「あ!ついたみたいですよ!わぁ~!!すっごぉ~い!!」
いいつつ駆け出しているアメリア。
「お~!すげえ!本当に竜がいるぞ!」
そして、ガウリイもまた、空をみてとぼけたことをいってるし。
そしてまた。
「……ま、まさかこれほどの竜が……」
ゼルもあたしとのやり取りを忘れ、その光景をみて絶句している。
森を抜けた崖の上。
そこの峰にはちょっとした数の竜たちが飛び交っていたりする。
見渡す限り、といっても過言でない、竜、竜、竜の姿。
ちょこっと眼下を見下ろせば、
多少雲がかかっていたりするちょっとした高さほどるあそんな場所。
バサッ!!
あたし達が崖の頂上で立ち止まり周りをみていると、頭上より聞こえてくる羽ばたきの音。
「あ!リナさん!竜が降りてきますよ!」
いって、アメリアが上空を指差す。
周囲の竜よりはちょっとした大きさの黄金竜。
あら♡
あたしが知ってるやつだったりするし♡
というか、あったことあるしね。彼とは♡
ちなみに、ゼロスも知ってたりするのよね♡
ま、どうでもいいことだけど。
そして。
降りてくるなり口を開き、開口一番。
「…人間よ、何しに来た?何のようだ?人間よ……」
何やらあたし達に向かって問いかけてくる。
そんな竜の様子と言葉を聞き。
「うどわっ!?リナ!竜が人間の言葉をしゃべったぞ!!」
何やら言っているガウリイ。
「話したわよ。」
いともあっさりと、ものめずらしそうに声を上げているガウリイをさらり、とかわす。
「――ほう。そこの人間。竜がしゃべるのは珍しいか?」
ガウリイのリアクションが面白く気に入ったようね。
こいつは。
ガウリイにそんなことをいいつつ話しかけてるし。
そんな彼の言葉に、ガウリイはぽりぽりと頭をかきながら。
「いやぁ。竜が話すのって初めてみたから…
…けど人間の言葉なんて、どうやって覚えたんだ?」
初めてじゃないでしょうが♡
初めてじゃ♡
そんなガウリイの言葉に。
「我ら竜族は長き時を生きるもの。
時の流れをすごすうち、戯れに他のものたちの言葉を操れるようにもなる。」
淡々としたそんな彼の言葉に。
しばし、ガウリイは考え。
そして。
ぽんっ。
軽く手を叩き。
「なるほど。つまり『何となく、ヒマつぶしに覚えた。』ってことか?」
のほほんと問いかけてるし。
「……ま、まあそうだが……」
この人間、何か変わったリアクションをするな…
こんな反応する人間など今までにないタイプだな…
そんなことを思いつつガウリイをみてるけど、こいつは♡
ちなみに、ちょこっと額に汗を流しているのはご愛嬌♡
「話せるなら話がはやいや。な。リナ。このおっさんに事情を説明して……」
「…お、おっさん!?」
あ、面白い。
目を見開いてるし。
このミルガズィアは♡
そんなガウリイに。
「ガウリイさん!!
などと叫びつつ、アメリアがガウリイの腕を引っ張ってるけど。
「……こいつのことは気にしないでくれ……」
いって、ガウリイの頭をポカッと叩いているゼルガディス。
そんな三人の姿をみて。
「……か、かわった人間達だな……」
いったい、こんな人間達が何をしにきたんだ?
そんなことを思いつつも、ガウリイ達三人を眺めているこの黄金竜。
名前をミルガズィア♡
ちなみに、この峰を束ねる長老だったり♡
まだ若いのにねぇ。
まあ、古い竜たちがすべて死んでる、という事実もまたあるけど♡
カツン。
そんな会話をガウリイ達がしていると、ゆっくりと前にと一歩進み出るゼロス。
そして。
「お久しぶりですねぇ♡ミルガズィアさん♡」
にこやかにミルガズィアに向かって話しかけるゼロスだし。
そんなゼロスの言葉に、面白いまでに露骨にイヤそうな顔をし思いっきり嫌悪の口調で。
「本当に久しぶりだな…。降魔戦争以来だな…。
もっとも、私としてはもう会いたくもなかったが…
「あらっ♡」
「ゼ、ゼロスさん!?竜族を知ってるんですか!?」
「降魔戦争だと!?ゼロス、まさか貴様!?」
「こうま??何だ?そりゃ?」
ずべしっ!
あ、面白い。
その言葉にゼロスがこけかけてる♡
「ガウリイさん!降魔戦争です!」
「伝説によれば、その昔、竜族と魔族は敵対関係にあった。と聞いている。
…まさか、ゼロス貴様魔族か!?」
何やら叫んでいるアメリアやゼルガディス。
「そ…そんな!?ゼロスさんが魔族!?ゼロスさん!今からでも間にあいます!
魔族なんてあこぎで因果な稼業はやめて!真人間になるんです!」
アメリアがそんなことをいいつつも、ゼロスに詰め寄る。
くすっ。
「い、いやぁ…そういうわけにも……」
そんなアメリアの反応に面白いまでに戸惑っているゼロスだし。
「まあいいじゃないか。ゼロスだって好きに魔族に産まれたわけじゃないんだから。」
のんびりと何やらいっているガウリイ。
それって、フォーローになってないってば♡
「ああ…闇に身を置き、恐怖と恐怖を司るもの。生きとしいけるものの天敵!
百害あって一理なし!害虫以下のシロモノと一緒に旅をしていたなんて……」
そんなアメリアの言葉に。
「いやあの……そこまでいわれると僕としても……」
何やら横にてぼそぼそとつぶやいているゼロスだし。
そんなやり取りをしばし、呆気にとられつつもみつつ。
「あ……いや、それで?一体何のようだ?獣神官ゼロスよ?」
ミルガズィアが声を出したのは、しばらくしてから。
面白いまでに多少声もどもってるけど。
「あ。実はですね。ここにある
にこやかにいうゼロスの言葉に。
「…魔族のおぬしがか?」
いぶかしげな口調で問い返してくるミルガズィア。
「いえいえ。僕じゃあなくて、こちらの人間に少々あれを使わせてもらいたいんです♡」
にこやかにいって、視線でゼルガディスを指し示す。
「人間に?」
いぶかしりながらも、しばし、あたし達を見つめ。
そして。
「………一体何をたくらんでおる?獣神官よ?」
静かに、警戒を含めた声で問いかけてくるミルガズィア。
「さあ?僕には全然♡」
にこやかに、そんなミルガズィアの問いかけを交わしているゼロスだし。
「…断ればどうする?」
「話し合い以外の手を考えます♡」
涼しい口調で何でもないように言うゼロス。
そんなゼロスをしばし、まじまじとミルガズィアは見つめていたりするけども。
くすっ。
「あら♡ゼロス、二人だけで話しを進めないのよ♡さってと。それはそうと久しぶりね♡
水竜王ラグラディアの最長老ミルガズィア♡元気そうね♡」
いいつつも、ゼロスの横にとあたしは数歩、歩み出る。
「…お前は?」
あたしをみて、わからないらしくて、首をかしげるミルガズィア。
「リナよ。リナ=インバースす。まっさか、忘れたわけじゃないでしょうに♡
たかだか五歳前後のあたしにここの竜たちは全員負けたものねぇ♡
ちょっかいだしてこなければいいものを♡」
にこやかにいうあたしの言葉に。
「――!!!!??」
あら、ようやく思い出してるし♡
そんなあたしの言葉に。
「?リナさん?この竜を知ってるんですか?」
何やら問いかけてきているアメリア。
「知ってるわよ。あたしここには、オリハルコンをとりによくきてたのよ。
で、そのときに知り合ったの♡」
嘘ではないしね♡
そんなあたしの説明に。
「…オリハルコンって…ここ、取れるところがあるんですか!?」
驚いているアメリアだし。
「あるわよ♡何だったら後でとりに行く?」
「ええ!ぜひともお願いします!」
そんなあたし達の会話をみつつ。
「……ゼロスよ?なぜこの人間と共にいる?千年前の降魔戦争の折、
我々竜の一族を全滅寸前までたった一人で追い込んだお前が……」
『な゛!??』
そんなミルガズィアの言葉に面白いまでにアメリアとゼルガディスの声が重なってるけど。
「そういいましても♡まあ、詳しいことは秘密です♡ミルガズィアさん♡」
にっこりと。
いつものポーズでさらり、と返しているゼロス。
しばし、あたしや、そしてゼロスをみつめ。
ため息一つつき。
「…我らではそなたたちをどうやっても止めることなどはできまい…
…わかった。好きにするがいい…」
深いため息とともに、その一言を吐き出しているこのミルガズィア。
あら♡
力を解放してないあたしに負けるのが根性ないのよ♡
ま、誰も勝てないのも当たり前でしょうけどね♡
「それでは♡お言葉に甘えさせていただきます♡」
にこにこにこと、そんなミルガズィアに対して、にこやかに言っているゼロス。
「ただし……。この私もそれを見届けさせてもらうぞ。」
いって、ミルガズィアは天に吠え。
瞬間、その全身が揺らめき。
黄金色の霞と化したその体は、瞬くまに小さく収束して人の形をとってゆく。
人の形というか形態は、
ゆったりとした青い服にと身を包んだ、金髪の人でいうところの中年男性くらい。
「――案内しよう。ついてくるがいい。
…といっても、そこのリナ殿は場所を知ってるが…な……」
などと、あたし達にむかって言ってくる。
とりあえず、あたし達はミルガズィアの案内で目的の場所にと向かうことに。
岩肌のむき出しになった山道を歩くあたし達。
今、この場にいるのは。
あたしとガウリイ。
そしてアメリアにゼルガディス。
ゼロスとフィブリゾ、そしてミルガズィアのこの七人。
「……なあ?ゼロス?」
歩きつつもいきなり口を開いているガウリイ。
「何です?」
気楽な口調で問いかけるゼロスに、ガウリイはいともあっさりと。
「あんたって……むちゃくちゃに爺だったんだなぁ。」
ごけけけっ!!!
その言葉に、見事に転んでいるアメリア・ゼルガディス・ゼロス・フィブリゾの計四人。
「……な…何をいきなり……」
身を起こしながら、問うゼロスに。
ガウリイはぽりぽりと頭をかきながら。
「いやぁ。そっちの竜がいった、降魔戦争って。どっかで聞いたような気がしたんだが…
で、ずっと思い出そうとしてたんだ。あれって…たしかとことん大昔の話だろ?」
なごやかにいうガウリイに。
「はぁ…正確にいえば、今から千と十二年前の話ですけど…」
錫杖を使って起き上がりつつ答えるゼロスに。
「だろう?ってことは、あんた少なくとも1012歳以上ってことだ。
どうみたって千歳以上になんてみえねえからな。いいとこ二十代だ。
歳なんか気にすることないさ。」
完全無欠にまったく関係のない、というかぼけたことを言っているこのガウリイだし。
魔族の見た目と年齢が比例するはずないのにね。
老化現象なんて、一部の生物などに限ってのことだし♡
「は…はぁ…ありがとうございます……」
面白いまでに、さすがにどう対応していいのわからなかったらしく、
こちらもまた、とぼけた返事を返しているゼロスだし。
「ふっ。本当に変わった人間達だな。」
そんな会話をみてとりつつも、ガウリイを見て何やらいっているミルガズィア。
そして。
「ときにリナ殿はあのゼロスが魔族だ、ということを知っていたのか?」
何やら聞いてくるし。
「あら♡知ってたわよ♡ま、便利な使いっぱしりとして♡」
結構Sより役に立つし♡
さらりとしたあたしの言葉に。
「……あのゼロス、相当強い、ということもしってるのか?
そういえばゼロスがお主に従っているように見えるのは……」
何やら言いかけて口ごもってるけど、このミルガズィアは。
あらあら♡
「あら♡別にあたしにSもとい、シャブラニグドゥごときの欠片が封印されているわけじゃないわよ♡
何かそのように思ってたようだけど♡ミルガズィアは♡
ま、ゼロスは上から言われてあたしについてきているだけだしね♡」
あたしの言葉に。
いや…なぜに私の思っていたことが?
などと思いつつも。
「……上から?って……」
疑問に思いつつも問いかけてくる。
「ま、昔カタートへよくリナさんは赴かれて、魔族たちで何やらしてましたからねぇ……」
ふと、なぜか遠い目をしてつぶやいているゼロスに。
「あら♡あれはね♡ヒマだったから、カタートに出向いて遊んでいただけよ♡
あたしの一撃で滅ぶ根性のないやつが悪いのよ♡」
「…僕としてはこれ以上戦力を減らされたくないです……。
というかリナさんの攻撃うけて滅ばない存在なんていませんって……」
そんなあたしやゼロスの会話に。
なぜか、だらだらと冷や汗を流しつつ。
「お…お主の実力って……」
何やらつぶやいているミルガズィアだし。
「ま、それはそうとして。ついたみたいよ。」
いって、あたしは足をとめる。
「あ……ああ。そうだな。」
いって、同じくまた、ミルガズィアも足を止める。
そして。
全員が立ち止まったのを見て取り。
右の岩壁にすうっと音もなく、体の半分をミルガズィアはもぐりこませ。
「この奥に
岩壁に見えるが普通に通り抜けられるはずだ。来るがいい。」
いって、ゼルガディスにと視線を移すミルガズィア。
「いってらっしゃい♡アメリア、ゼル♡
ガウリイは行かないほうがいいでしょうね。まず中で迷うこと間違いなしだから♡」
パタパタと手をふりつついうあたしに。
「リナさんは行かないんですか?それに迷うって…迷路にでもなってるんですか?この奥?」
首をかしげつつあたしに聞いてきているアメリア。
「確かに迷路ともいえる。しかし、その枝道の数は無限に等しかろう。
私とて言って戻ってくるその道しか知らぬ。
魔族や竜族ならまだ帰り道を見出すこともできようが、人の身で迷えば…
……一生を費やしてすら、帰ることはできんであろう。」
淡々と答えているミルガズィア。
「そういうこと♡あたしはここでゼロス達と待ってるから♡
ま、思う存分に聞きたいことを聞いてらっしゃいな♡」
あたしの言葉に。
「では、言葉に甘えさせてもらおう。」
「それじゃ、いってきますね。」
顔を見合わせつつ、ゼルガディスとアメリアが言ってくる。
「――行くぞ。」
いって、ミルガズィアは二人を促し。
そして、岩壁の中にと入ってゆく。
-続くー
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あとがき:
薫:さてさて、次回でガーヴ登場までいけそうですね(笑
もう少しほど、この無修正版にお付き合いくださいなv
んではではv
2005年2月9日某日
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