エル様漫遊記 ~白銀の魔獣編~
始めに、我に返ってあたし達を追いかけてきたのは、二人の獣人。
ヴァイレウスとルーディア。
そして。
あたし達にと追いつき。
開口一番。
「……あんたたち、クロウヅ…いや、ザナッファーを始末するつもりか?」
そんなことを聞いてくるヴァイレウス。
「まね♡その口調からして、クロウヅってヤツは完全に精神を食べられているようね♡」
あたしのそんな言葉に対し。
にがにがしく。
「……ザナツファーは完成した…と昨日クロツ様がおっしゃったからな……」
などと小さくつぶやき。
そして。
ふと。
「しかし、何でそんなことを知ってるんだ?お前たちは?まだ、オレたちは、
【ザナッファーが生きている鎧】だなんてことは一言もいってないぞ?オレは?」
そんなことをいってるし。
そしてまた。
「動き出したあいつは何をやってもうけつけん……」
顔色もわるく、ヴァイレウスにかわって言っているルーディア。
くすっ。
「ま、マゼンダくらいじゃ到底かなわないでしょうね♡
ましてや、人間じゃあねぇ。情けないけど。」
あたしの言葉に。
「まて!貴様ら!」
そんな彼らの後ろからかかってくるクロツの声。
「あら♡まったく、しつこいわねぇ。ゼロス♡
ここはあんたに任せるわ♡好きに遊んでもいいわよ♡」
にこやかに、ゼロスに微笑むあたしの言葉に。
「まてというのに!」
何やらいいつつもあたしたちにと近づいてきているクロツ。
「え?いいんですか?」
「いいわよ♡許可するわ♡」
あたしの言葉に。
「それでは、お言葉に甘えまして♡」
何やら嬉々とした声を上げているゼロス。
「あ~。クロツさん。あなたのお相手は僕がしますので♡」
そんなことをいいつつも、クロツの前にと立ちふさがっているゼロス。
「とりあえず、あたし達は先に進みましょ♡」
あたしの言葉に。
「……いや、リナさんに許可されてから行動するゼロスさんって……」
「…よっぽどそれだけリナが怖い、ということだろ。
とにかく、先を急がないとヤバイ。というのには違いはないし。急ぐぞ。」
そんなことをいっていたりする、アメリアとゼルガディス。
とりあえず、そんなゼロスとクロツをその場に残し。
あたし達はそのまま、先にと進んでゆく。
やがて、とある扉の前にとたどり着くあたし達。
扉をくぐると、そこに…それはいたりする。
あら♡
結構成長してるじゃない♡
大きさはちょっとした竜程度。
鬣をもつ、鋼の獣。
体のあちこちから生えている、銀色のムチというか触手。
そんな姿がちょっとした容器の中にと浮んでいたりする。
「こ…これがザナッファー!?」
その姿をみて驚きの声を上げているアメリア。
と。
ゴウンッ!
ちょっとした揺れが建物を襲う。
あらあら♡
ゼロスのやつ、別に好きにしていい、とはいったけど、そんなに力を使わなくてもね♡
「っ!容器が割れるぞ!?」
今の揺れにおいて。
ピシリ。
とあたし達の目の前にある容器にとヒビが入ってゆく。
ゼルガディスの叫びと同時。
ピシッ……
ピシピシピシッ……
パリィィィィィィィィィン………
音を立てて、ザナッファーの入っていた入れ物が今の揺れにて壊れ、
中から出てくるザナッファー。
瞬間。
ジャッ!!
問答無用であたりかまわずに閃光吐息(レーザーブレス)を吐いてくる。
ちなみに、その正面を常にガウリイのほうに向けていたりするし。
そんなそれの姿をみて。
「……ちっ……」
あたしの横にてゼルガディスが小さく舌打ちし。
「ヤツめ……オレたちなど眼中にもないとさ……」
などといっているゼルガディス。
そんなゼルガディスの言葉に。
「知ってるんですよ。」
などとつぶやきつつ。
「…自分を倒せるのはあの剣だけなんだって……」
そういってガウリイをみて、そんなことをいっているアメリア。
「あら♡そうでもないわよ♡」
そんな二人ににこやかに話しかけるあたしの言葉に。
「?どういうことだ?それは?」
何やらいってくるゼルガディス。
くすっ。
「そういえば、アメリア。
あんた前、どうやって魔王のやつを倒したか知りたい、とかいってたわよね♡
見せてあげるわ♡まあ、ちょっとかなり押さえてる術になるけど♡」
「お、おい!リナ!」
ガウリイが何やらいってくるが。
「あ、危ないからさがっておいてねぇ♡」
とりあえず、呆気に取られているゼル達はおいといて。
アメリア達の手前、そのまま、カオスワーズを唱え始める。
別に唱えなくてもいいんだけど、これ、ただの飾りだし♡
それに、一応いっとかないと、突っ込まれそうだしね♡
「無限の時をたゆとうし、永久の果てを過ごすもの、
闇よりも暗き 夜よりもなお深き我が一部の欠片にて 我が意思に転じて、力となさん。
闇よりもなお暗きもの 夜よりもなお深きもの
混沌の海 全ての混沌と虚無を生み出せしもの
我いわく呼ばれしもの 悪夢を統べる王の名前のもとに。」
とりあえず、始めの言葉は、隠しているあたしの力を引き出すために。
別にいわなくても、大丈夫なんだけど♡
何ごとも、気分は大切だからね♡
「
その言葉と同時に、あたしの指先に小さな生まれる闇の塊。
声とともに、それが掻き消えて、ザナッファーの中に移動する。
「な゛…ば…ばかな……ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
そのまま、中心に吸収されるように、そのまま、闇にと解け消えてゆく。
そして。
どぉぉぉぉぉぉんんんんんんんんん!!!!!
その直後。
辺りは、なぜか、些細な力なのに、クレーターと化し。
地下深くなのに、なぜか空が見えていたりする。
「すごい威力ですねぇ。」
感心するアメリア。
「なんかあっけなかったな…」
つぶやくゼル。
拍子抜けしたという感じで。
「まあ、リナにかかったら、そんなものだろ?」
悟っているガウリイ。
そんな会話をしていると。
ちなみに。
なぜか、今の些細な力で。
ここにいた組織の連中は。
同調して、クロウズが引き込んで、道連れにしていたりする。
「おや、こちらもすんだようですね。」
ゼロスが扉からやってくる。
「リナさん、クロツさんは、倒しておきました♡
では、僕はこれで♡とりあえず、用事もそちらもすまれたようですから。」
いいつつ、汗を流していたりするが。
そういって一礼し、
あたしがうなづくのを確認してから後、そのまま、空に向かって飛んでゆくゼロス。
「ゼロス、ゼラスによろしくねぇ♡」
あたしの言葉に、なぜか一瞬石化しているゼロスだけども。
とりあえず、そんなゼロスを完全に無視して。
「リナさん、今のが魔王を倒した術ですか?で、その悪夢を統べる王ってなんですか?
それに、ゼロスさんにいってた、ゼラスって一体??」
アメリアが質問攻めにしてくる。
「ああ、ゼラスはゼロスの上司vv
んでもって、悪夢を統べる王っていうのは、
大概なぜかそういうふうに呼ばれてるからそう表現しただけvv
他の呼び方だと、名前の頭文字をとっての、エルとか。金色の王とか、
混沌の海とか、混沌の海を統べる存在とか。
いろいろと呼び称されているけどねvv
あとは、中には、創造主っていう呼び方している存在もいるわねぇ♡」
「??よくわかりません。」
「…おい…(汗)リナ…それって……」
首をかしげるアメリアに、なぜか顔色がなくなっているゼルガディス。
そういやゼルはレゾとともにいたときに、一応、金色の王の。
つまりは、あたしについての間違った知識を知ってるからね♡
「ま、簡単にいっちゃえば、すべての理、物理、世界。その仕組み。
すべてを創り出してるというか創り出した存在のこと♡」
ま、それがあたしなんだけどねv
「……世界そのものって……え…えぇ!?」
なせかあることに気づいて、驚いているアメリア。
「あ、そういえば、ゼル、写本を探しているんだって?」
あたしの問いに。
「ああ、今のあれには、肝心なことがかかれてなかったからな。
写本が駄目なら、オリジナルでも探し出すまでさ。ま、他の知識も捜すつもりだが…」
苦笑するゼルガディス。
「ゼルガディスさん、どうして、写本を探したいんですか?
今のままで十分に綺麗で素敵ですが?」
「…アメリア、それ男にはほめ言葉にはならないぞ?」
ガウリイがつぶやいているが。
「俺は人の体に戻りたいからな。」
淡々と答えるゼル。
「あら♪オリジナルってあんた達が呼んでいるのは、アクア…
つまりはラグラディアの記憶の欠片なのよね♡
その入り口がある場所、知ってるけど♡あたし♡」
その言葉に、はっとあたしをみるゼル。
「案内しましょうか?」
「な!?どういうことですか!?リナさん!!?」
アメリアが再び質問してくるし。
「あら、知らなかったの?
こともあろうに、あんな戦い程度で、分断した、水竜王の知識の欠片なのよ。」
あんな戦いって…降魔戦争……
アメリアとゼルガディスが心でつぶやく。
「それで、その戦いの余波でできた、こことは違う空間にその身を置いててね。
入り口もかなりあるのよ♪空間の歪みの中に入る入り口は、そうねぇ。
有名なところだと、カタート山脈を望む、
他にも、いろいろと完全な写本や、知識に近い写本。かなり広まっているけどね♡
ま、アクアは、ここの神族の中では、知識の神と言われてたからね♪」
「ずいぶんくわしいんですねぇ。」
「あら、こんなの、常識だってば♡」
「……リナ、どうしてそんなことを知っている?」
感嘆するアメリアに疑問をぶつけてくるゼルガディス。
「あら、ルナから聞いてるし。他にもいろいろとねvv」
本当は違うけど♡
「……まあ、頼むかどうかは別として……どうもリナ。
あんた達と行動ともにしていたほうが、俺にとっては有利のようだな。
しばらく行動ともにさせてもらおう。」
リナに頼んだら…後が怖いし……
などと思っているようだけど……
ゼル!
どういう意味よ!
「お~!!また一緒に旅ができるのか!ゼル!」
ばんばんとゼルガディスの肩をたたくガウリイ。
「素敵です!!これからは、正義の仲良し三人組がずっと四人組みになるんですね!!」
「……アメリア、頼むからそれはやめてくれ・・。」
アメリアに疲れたようにいっているゼル。
「で?リナ、次はどこにいくんだ?」
「そうねぇ。とりあえず、ディルスに向かいながら、いろいろと尋ねていきましょv
ドラゴンズ・ピークには、ディルスにいかないと、いけないんだからvv
それか、一気に移動って手もあるけどvvそれだと楽しくないしね♡」
「じゃ、決まりだな。」
「さあ!!悪を懲らしめるために、仲良し四人組みの出発です!!」
一人盛り上がるアメリア。
ふふ♪
楽しくなりそうね♡
ま、その布陣は巻いたしvv
マゼンダとカンヅェル、また王宮に入り込んでるしね♡
さぁぁて、しばらく楽しませてもらいますか♪
…多分、Sのやつのことだから、
あたしのことを報告うけたら、ゼロスのやつを勅命でお供につけるんでしょうけどねぇ。
ま、それはそれでいいとしましょ♡
アメリア、ガウリイ、ゼルガディス。
あたし達の旅は当分続く♡
― 白銀の魔獣編完了。ヴェゼンディ編へ続く―
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あとがき:
薫:さてさて、白銀の魔獣編も完了です。
このあたりはあまり元々アップしてるのと代わり映えがないかな?(笑
まあ、何はともあれ。次回でヴェンゼンディー編です。
とりあえず、ガーヴのところまではこれは打ち込みますv
いや、それ以外はほとんど元のノートと同じなものでv
それでは、また次回にてvv
2005年2月3日某日
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