エル様漫遊記・ソラリアの謀略偏
軽く指を鳴らすと同時に、あたし達の姿は瞬時のうちに城の外にと移動する。
ワーワーワー!
そでに東の空が少し明るくなり始めているソラリアの町。
すでに主たる国王軍が町の中にと突入し、施設内部から実験体として閉じ込められていた人々などを救出し。
町はちょっとした騒動となっていたりする。
彼らの手ではどうしようもない、すでに『実験体』にされた人々はどうすることもできず。
かといって、人であった、とわかるがゆえに殺すわけにもいかずに、それゆえにケースの中にそのまま放置し――
町の中はそういったことをも踏まえ、騒然としていたりする。
「国王軍か……早かったな。」
そんなつぶやくワイザーの言葉に。
「国王様はとても物分りがよくてですね♡
すでにセイルーンのフィル殿下からも連絡があった、というのもあるようですけど♡
『早く行動しないと町ごと消し去る♡』といって、
近くの山を消して差し上げましたら素直に言うことを聞いてくださいましたよ♡」
そんなワイザーにとにこやかに話しかけるゼロスの言葉に。
『……【近くの山を消した】……って……』
そんなゼロスの言葉に、何やら同時につぶやいているワイザーやルーク達。
何か錫杖を向けただけでちょっとした山が一瞬で消滅したのをみて、素直に即座に行動したのよねぇ。
この国の国王って……まったく、肝が小さいんだから♡
「とにかく。宿に戻りましょ♡」
騒ぎを聞きつけ、ごった返す人々の中。
あたし達は宿屋にと向けて戻ってゆく。
「しかし……何か洒落になんねぇやつだったな。」
明けて翌朝。
とりあえず、後は国王軍に任せて休もう、ということにより。
そのまま宿にと戻り、パタリ、と昼近くまで…というか、すでに昼はすぎてるけど。
爆睡していたルークとミリーナ。
すでに再び日は傾きかけており、ちょぴっと宿に戻ってからガウリイに稽古をつけた所。
ガウリイもばったりと爆睡していたりするこの現状。
昼と朝ご飯をかねた食事の最中、何やらそんなことを言ってくるルーク。
すでに、【ラーヴァス代行】を名乗っていた人物が、実は、かつてのルヴィナガルド王国の国王であり、
ここ最近頻発していた行方不明事件は、実は彼が人体実験を行うためにと誘拐していた。
という【噂】は上のものが隠そうとしても、瞬く間に町中にと広まり、町はさらに騒然さを増しているこの現状。
「これからが大変でしょうけどね。この町も。」
いって、スープを口にと運ぶミリーナに。
「しっかし…あの黒尽くめ達。何かいろんなところにちらばって行動してたみてぇだったし……
そいつら、ボスがおっちんだのに未だ知らずに行動してんのかなぁ~…」
などと、サラダを口に運びつつ、ルークが何やら言っているけど。
「ま、別にどうでもいいじゃない。とりあえず。国王軍が正式に調査に乗り出したし。
それに一応合成されていた【魔族】だけは、
ゼラスとダルフィンが
まあ、合成されていた【魔】を引き剥がされたことにより、瞬く間に溶け消えた存在達もいたりするけど。
あたは、姿が当然異なったままで『殺して』といっている存在など様々。
まあ、それはルークやミリーナに説明することでもないし。
そんなことをつぶやくルークにあたしが言うと。
「ま、とりあえず礼はいっとくわ。」
「礼?」
そんなルークの言葉に、ルークを身ながら首をかしげているガウリイ。
「ああ。あんたたちが来なかったら……オレのミリーナがあいつらに何されてたかもわかんねぇしな。」
いって、自分があの【ラーヴァス=ネクサリア=ラングマイヤー】
と名乗っていた代行のことを疑っていなかったことを思い出し、
もしあのままだったらミリーナが何をされていたことか…
などと思いつつ言ってくるルークに対し。
「誰があなたものですか。ルーク。」
いって、そのままさらり、とミリーナはルークに言い放ち、手にしたスプーンでスープに手をつける。
「あら♡お礼なんて♡そうね。金貨一万枚♡」
――ぷぴっ!
あたしのその至極最もな言葉に、ルークの横でミリーナが口に運んでいたスープを噴出してるけど。
「……ま、まあ、何にしろ…全員が無事でよかったよな。」
あたしの言葉に、視線を泳がし、何とか話題を変えようとしているルークに。
「一万枚♡」
「……それはそうと、あのワイザー、とかいうおっちゃんは………」
「なら、まけて九千九百枚♡」
再度言い放つ、そんなあたしの言葉に汗を流しつつも。
「だぁぁ~~!!何だって俺が払わなくちゃいけないんだよ!それに。だ!
そんなことをいうんだったら、あんたたちだってあの部屋からいろいろ持ち出していたじゃないか!
そいつの剣だって!」
根性のないことに、根負けし、何やら叫んでくるルークだし。
「あらあら♡ルークさん♡あの程度でねをあげてちゃ♡未熟者っていわれますよ?」
にこにこにこ。
そんなルークに対してにこやかに笑みを浮かべながらも言っているユニット。
「あら?ベルギスの計画をつぶしたお礼として。
【あの部屋にあるものは全部もらってもいい。】という話しはつけてるわよ♡カルマート国王に♡」
「ルークさんやミリーナさんはぐっすりと爆睡されてましたしね。
朝方リナさん城に出向かれて話しをつけてこられてますし♡
まあ、素直に許可してくださったようですよ?国王さんは♡
僕はといえば、昨夜からゼラス様たちのお手伝いをしていたものでご一緒には行ってないですけど♡」
そんなあたしの言葉に続いて追加説明をしているゼロス。
「……ま、リナだし。それよりあんたらは、これからどうすんだ?」
そんなあたし達の言葉さらり、と何でもないようにとそれですまし、
ルークとミリーナにと問いかけているガウリイ。
「――これまでと同じ、ですね。」
とりあえずはあの男性の無念は……少しは晴れたうちに入るでしょうし……
そんなことを思いつつ、そう答えるミリーナに。
「これからもミリーナと二人のラブラブお宝探し……だな。な♪ミリーナ♡」
「ラブラブかどうかはおいとくとして。とにかくそういうことですね。」
ルークの言葉をあっさりと却下し、淡々と言い放つミリーナに。
「ミリ~ナァ~……」
何やら横でいじけているルーク。
と。
「おいおい。まだあんたたちには一応事情聴取と現場検証の立会いが残ってるんだからな。
すぐにはこの町から出られないぞ?」
そんな会話をしていると。
ひと段落し、少しほど落ち着いたので、ミリーナ達がおきだしていないか確認にやってきていたこのワイザー。
宿の入り口より入り、そしてあたし達のテーブルに近づきつつも言って来る。
「一応あんたたちはあの【ラーヴァス】に雇われていた身、ということだしな。
まあ、事情はあんたたちが眠っている間にリナ殿達から説明はされたが……
しばらく最低でもここ数日は事後処理に付き合ってもらうぞ?」
そんな近づいて何やら言って来るワイザーの言葉に。
「―――げっ!?」
「……いたし方ありませんわね……」
小さく叫んでいるルークに、ため息をつきつつも答えているミリーナ。
「あら?ワイザー。あっちはもういいの?」
ワイザーのほうを振り向きつつ問いかけると。
「一応当事者たちから事情を聞きたい、ということでな。リナ殿たちを迎えにきた。」
いって、にっと笑い。
「――悪いがしばらく付き合ってもらうようになると思うが…まあ乗りかかった船と思って納得してくれ。」
そう言い放ち。
「――で?つきあってくれるな?」
再度確認の言葉を投げかけてくるワイザー。
「ま、乗りかかった船だしね♡」
「でも、とりあえず、今は食事中だし…ね♡ワイザーさん♡」
あたしとユニットが同時にいい。
そして。
そのまま、ワイザーをそこにおいたまま、あたし達は食事の続きにと入ってゆく。
「ま、確かにな。そういえば……」
などといいつつ、自分も何も食べてないのを思い出し、
あたし達の横のテーブルについて何やら注文して食事を始めているワイザー。
さってと。
数日、この町に滞在して、もし要請があれば人々を元に戻す…というのも悪くないかもね♡
ゼラスたちもまだここにいることだし…ね♡
とりあえず、あたし達がこの町を出るのはもう少し先になりそう♡
もう少しこの町では楽しめそうね
-ソラリア編完了ー
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あとがき:
薫:・・・・・終わりました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ちなみに、このソラリア編は全部でノート的には37Pほどあります。
で、きりいい場所でくぎっていってたら12話・・・・・・
・・・・・・・もーちょっと1話の容量を増やせばよかったかなぁ?
ま、何はともあれ。
これにて、このソラリア編は完了ですv
気がむきましたら、次のクリムゾンに入っていきますけどね(笑
さてさて、何はともあれ、ここまでお付き合いくださった方々、ありがとうございますv
それでは、またいつかv次回にてv
2005年2月28日某日
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