エル様漫遊記・ソラリアの謀略偏
「人の姿を保ったまま。というのは結構難しくてね。技術としてはつい最近完成したばかりだ。
しかし、部下たちに力を与えたはいいが、それでのぼせ上がって逆らわれでもしたら困るしね。
それを防ぐ方法は……私自身が彼らより強くなること。――単純な答えだ。」
いって。
ドッン!
その身に宿る瘴気を開放しているベルギス。
「「くっ!!?」」
それをうけ、思わず防御の姿勢をとり、身構えているルーク・ミリーナ・ワイザーの三人。
そして。
「何くそ!」
ざっしゅっ!
その瘴気に手にしている剣にて斬り裂いているガウリイ。
「――ほう。この瘴気の中で動けるとは……楽しめそうですね。
武道に関しても、魔道に関しても素人の私がどこまで強くなったのか。
……実際に試すのは初めてだよ!」
いいつつ、ベルギスがその両手をあたし達にとかざしてくる。
と、同時に、その手から伸びる触手があたし達を攻撃するためにと向かってくるが。
ザザッン!
綺麗さっぱりガウリイの一閃させた剣の一撃のもと、それらは床にと斬り落とされ。
そして、どろり、と溶けて床にとしみこんでゆく。
まあ、先ほどベルギスに向かっていった下っ端はいともアッサリと倒されてるし。
まったく、情けない!
これも全部部下Sがふがいないせいよね♡
お母さん、悲しいわ♡
「――ほう。少しはやるようだな。……だが、一人では何もできまい!」
いってガウリイに笑みを浮かべて言い放つベルギスに。
くっ!
「
ミリーナがどうにか体制を整え、ベルギスにと解き放つ。
「無駄だ!」
いってそれをあっさりと魔力の塊で打ち砕き、
「
言葉と共に、ベルギスの姿が掻き消え、そして。
「きゃっ!?」
「てめぇ!」
次の瞬間にはベルギスは、ルーク達の目の前にと出現し手をかざす。
そんなベルギスの姿に驚きつつも、
ベルギスが放った攻撃をそれぞれ左右に散ってやり過ごすミリーナ・ルーク・ワイザー達三人の姿。
「ちっ!」
いいつつも、そんなベルギスにガウリイは向かって走っていき。
「何っ!?」
自分の予想していなかったガウリイのスビードに驚愕の声を上げているベルギス。
「無駄だっ……と。ぐっ!?がぐわっ!?」
次の瞬間。
剣をなぎ払い折ろうとしたベルギスの腕がいともあっさりとガウリイの剣によって切り落される。
「がっ!?ぐわぁぁ!?…おのれ…なかなかやるな……」
肘の下から綺麗に切り落された左手を右手で一瞬押さえつつ、そんなことをいってきているこのベルギス。
「だ・か・ら♡あんたが今放っている魔力が、ガウリイの持っている剣の切れ味をさらによくしてるんだってば♡」
左手を腰に当てつつつぶやくあたしの言葉に。
「ねえねえ♡リナ♡この部屋に結界を張って遊ばない?
何かあのベルギスさん、自分の実力がわかってないみたいだし♡」
胸の前で軽く手を叩きつつ、あたしに言ってきているユニット。
「それもそうね。不死の契約して。さらには一応中級魔族のフィーオレの一部を体に取り込んで、
ついでに能力をもらっている程度で、『自分が強くなった』、とこいつは思ってるし♡」
ユニットの言葉に同意しつつ、かるく手を横に振る。
と。
キッン。
「「何だ!?」」
それに気づいて何やら声を上げているガウリイとベルギス。
そしてまた。
「……?何か空気が?」
「これは?」
「…………リナ殿が結界を張ったようだな……
……二人ともこれから何が起こるか…心しておいたほうがいいぞ……」
戸惑いつつも辺りを見渡してつぶやくルークとミリーナに。
何やら額から汗を流しつつもそんな二人にと話しかけているワイザー。
「さってと♡とりあえず……っと♡」
ぐいっ!
離れていた場所にいたフィーオレを、とりあえずこの場に引っ張りだす。
と。
どさっ!!
何やら床に落ちてくる一つの物体。
髪の色は青。
そして、その黒い瞳にくっきりとした口元。
「なっ!?なななっ!?」
何やら、がばり、と起き上がり、きょろきょろと周りを見てたりするけども。
そして。
「なっ!?フィーオレ!?」
その姿をみて驚いているのは他でなもい、ベルギス本人。
そして、ふと、その出てきた見た目二十歳そこそこの男性もまた、そこにいるベルギスにと気づき。
「なっ!?ベルギス!?…私は確か呼ばれてはないんだが……」
ベルギスをみつつも、そんなことを言ってるし。
「……なあ?リナ?この魔族の兄ちゃん………こいつが契約しているやつか?
何か気配がそ~だけど?」
抜き身の剣を持ったまま、あたしにと聞いてくるガウリイに。
「そうよ♡あ、ルーク、ミリーナ。それにワイザー。どっちと戦う?
ちなみに、こいつを一応紹介しとくわね。
こいつがこのベルギスと契約しているグラウシェラーのヤツの配下にあたるフィーオレ。
一応中級魔族なんだけど。こいつがベルギスに力を与えてるのよ。
ちなみに、不死の契約もしてるけどね♡」
そんなあたしの説明に。
「――なっ!?人間の女!?どこまで知ってる!?」
面白いまでに、何やら驚きの声を上げてくるフィーオレだし。
「……つうか、あんた今…どうやってそいつ引っ張りだしたんだ?」
何やら呆然としつつ、だがしかし、
先ほど横に飛んだときに折れた剣の代わりにその辺りに転がっている剣を一本拾って、
それを手にしているルークが聞いてくるけど。
「あら♡アストラル・サイドにいたこいつを引っ張りだしただけよ♡『城』にいたみたいだけどね♡」
まあ、その【城】というのは、覇王グラウシェラーの居城のことなんだけど、別に嘘はいってないし♡
「まあ、そういう訳で、こいつを倒したらベルギスの契約も消えるし♡倒すのが楽になるわよv」
いいつつ、にこりと。
「あ♡いっとくけど、フィーオレ、ベルギス♡
あんたたち程度の力じゃこの空間内部では空間を渡ったり移動することはできないわよ♡」
なぜかとまどい驚いているフィーオレと、
契約している魔がいきなり出現し、驚きを隠せないでいるベルギス。
そんなあたしの言葉に。
「…それはそうと?リナ?ここ、何かとことんな力が微妙~に空気に含まれてないか?」
などと、じと目であたしに言ってくるガウリイ。
「気のせいよ♡」
そんなガウリイにさらり、と言い放ち。
「で?ルーク達はどっちと戦う?あ、どっちにしても、ガウリイに一人は任せるから♡」
そんなあたしの言葉に。
「ちょっとまてぃ!リナ!オレ一人でか!?」
あたしの言葉に何やらわめいてくるガウリイだけど。
「あら?別にいいじゃないの。一人でも十分勝てる相手なんだし♡
そうねぇ。倒すのにかかった時間分だけ。本格的に稽古つけてあげてもいいわよ♡」
そんなあたしの言葉に。
「本当だな!?」
などと念を押してくるガウリイ。
そんなあたしとガウリイの会話を見て取り。
「……って?あ…あの?リナさんが剣の稽古って……」
ユニットが気づけば側に近づいてきているのに気づき、そんなユニットにと問いかけているミリーナ。
「え?ああ。あのガウリイさん、リナに稽古をつけてもらうの、楽しみにしてるのよ♡
最も、初めのころは一分ももたなかったけど。
最近はぼろぼろになりながらも十分は持つようになってきてるしね♡」
そんなユニットの言葉に。
「……って!ちょっとまて!ってことはすると何か!?
あのリナはあのガアウリイよりも腕がたつのか!?」
何やら驚きの声を上げているルーク。
「?当たり前じゃないですか♡リナに勝てる存在っていませんし。
私とやったら引き分けでしょうけど…それだと、世界がいくつあっても足りないし♡」
そんなルークに至極もっとななことをいっているユニット。
そんなあたし達の会話を耳にし。
「ちょっとまて!?リナ…だと!?
まさか…まさか、この女…いや、このおかたはリナ=インバース様!?」
何やら、ずざざっ!と後ろに退きつつ、
音をたて、壁際にと積まれている宝石類の山に後ろ向きで突っ込んでいっているフィーオレ。
くすっ♡
「そのリナだけど?さって、あんたが契約しているこのベルギス。
こともあろうに、このあたしにちょっかいかけてきたしね♡ということで覚悟はいいかしら♡」
にっこりと話しかけるあたしの言葉に。
「ベベベベルギス!?きさま、何ということを!?」
何やらパニックになりつつ叫んでいるフィーオレだし。
?
そんなフィーオレの様子に首をかしげつつ。
「何をあなたともあろうものが混乱しているのです?
私たち二人の手にかかればここにいる人間達を始末することなどはたやすい。
――まあ、あなたが出てきたのには驚きましたが。こちらの有利は変わりありませんし。」
何を純魔族ともあろうこのモノが、こんなにうろたえているのだ?
などと思いつつ、フィーオレに向かってベルギスが何やら言い放ってるけど。
――が。
「貴様はわかってない!話しによれば、この人間(?)は我らが王であるルビーアイ様よりも強いんだぞ!!」
「「―――なっ!?」」
そんなフィーオレの言葉に何やら絶句してるミリーナとルークだけど。
ワイザーにいたっては、ありえるかも……などと思ってるし。
「あら♡いらないことはいわないの♡」
ざっくっ!
あたしの言葉と同時。
どこからともなく飛んできた槍がフィーオレの頭から垂直にと貫き、串刺しにする。
「うがっ!?」
何かそれをうけて、のたうちまわっているフィーオレはとりあえずほっといて。
「とりあえず、ガウリイはソレの相手ね♡
で、あたし達はルーク達と一緒にベルギスに攻撃しかけるから♡」
にこやかに話しかけるそんなあたしの言葉に。
「……リナぁ。いくら何でもアレは気の毒だとおもうぞ?」
槍を頭から未だに突き刺した状態でのたうちまわっているフィーオレをみて言ってくるガウリイだけど。
「あら。あのくらいどうってことないわよ。――さってと。アレはガウリイに任せたわね♡
―――で、このあたしに喧嘩を売ってきた以上、覚悟はいいかしら♡」
にっこりと微笑み。
ぽっ。
手に軽く黒い球体を出現させ、そのままベルギスに向かって解き放つ。
「…効かん。って……何!?」
それを手で払いのけようとし……
ポビュッ。
いともあっさりと、その振り落とそうとした左手ごとベルギスの体よりそれは掻き消える。
何が何だかわかりませんけど・
などと、心で思いつつ。
「
唱えた呪文を解き放つミリーナ。
そして。
「何が何だかわかんねえけど……いくぜ!」
いって、呪文を唱え。
「
いって、とにかく事情はよくわかんねぇが、だが、こいつを倒さなければならない。
というのは間違いようのない事実だし。
などと、そんなことを思いつつ、
ベルギスに向かってその手にしている剣の刃に力を上乗せし――紅い光でそれを包み込む。
そして紅い光で包まれた刃をベルギスにむかって繰り出してゆくルーク。
――が。
「っ!?何!?」
ルークが一閃させた光の刃はものの見事にベルギスのわき腹を切り裂き……
「ぐっ!?」
それと同時に、ルークもまた、ベルギスが放ったとがった触手にと肩を貫かれ苦痛の声を上げる。
だが、それでも構えを説かないままに、後ろにと飛び退き、体制を整えているルーク。
そして。
「きかねぇよ!」
思いっきりやせ我慢をしつつ、いって力任せにつかんだままの剣をベルギスに向かって投げはなち、
その足元に転がっている別の魔力剣を手にしているルーク。
「――馬鹿め!
こんなの感嘆によけられる。
嘲笑しつつ、ベルギスが叫ぶ……が。
パッキィィン!
「何っ!?」
ようやくベルギスが空間をわたる。
というか移動できないのに気づいて驚愕した声を上げると同時。
ルークの投げた剣がベルギスの胸元の剣を打ち砕き、そしてそのままベルギスの胸にと突き刺さる。
――と。
「
その瞬間、ワイザーの放った術がベルギスの体を包み込む。
……が。
「ごっ…ぐぁぁ!」
バチッ!
ベルギスの叫びとともに、その電撃は掻き消える。
あらv
「えい♡」
見れば、ユニットが足元に転がっている水晶を拾い上げ、ベルギスに向かって投げてるし。
「がっ!?ぐわぁぁ~~!!!」
それと共にベルギスの体が黒い力の包み込まれてゆく。
ただし下半身だけ。
ユニットが投げた水晶のその衝撃だけで、なぜかベルギスの体は二つに分断され、その直後。
水晶の中に閉じ込められていた『
結果。
ベルギスの下半身は瞬く間にその力に飲み込まれ塵と化す。
「……貴様……」
「「「なっ!!??」」」
黒い霧が収束し、そこにある一つの物体をみて何やら叫んでいるミリーナ・ルーク・ワイザーの三人。
それと共に、何やらその物体が言っているけど。
「まだ生きているのか!?」
そんな声を上げた物体…ベルギスに対して驚きの声を出しているルーク達。
「きさま……よくも私の体を……」
そういうベルギスは、今は上半身のみでふわふわと虚空にと漂っていたりする。
一方で。
「なっ!?本当に人間か!?」
などといいつつ、ガウリイとやりあっているフィーオレ。
どうにか体を貫いていた槍を引っこ抜き、というか体より押し出して、
向かってきたガウリイと対峙しているものの。
力の差は当たり前ながら歴然v
ガウリイはあたし達の稽古によって、だいぶ実力つけてるしね♡
「まあ…あんたに恨みはないけどなぁ~。だけどほっとくとリナが怖いしな。」
などといいつつも、完全にフィーオレを圧しているガウリイ。
――と。
ドッシュッ!!
「……がっ!?」
ガウリイの剣によって、あっさりと壁際まで退いていたフィーオレが壁から出てきた黒い錐にと体を貫かれる。
そして。
「――なっ!?ゼロ…ス様!!?」
彼がその攻撃をうけ、振り向けば、その横にいるのは黒い神官服のゼロスの姿が。
「なるほどぉ♡フィーオレさんが力を与えていたんですか♡ですけど……ご存知ですよね♡
魔王様があの御方…『リナ=インバースさんには絶対に手を出すな!』と命令を出されているのは♡」
にこにこと言い放つと同時に。
「がぐわっ!!?」
フィーオレの体は四方より出現した黒い錐にと貫かれ、
「というわけで、滅んじゃってくださいね♡」
パシュ!
にっこり。
とゼロスが言い放ったその刹那。
フィーオレの姿は完全に塵と貸し、そしてその本体もまた溶け消える。
「……ゼロス。人の邪魔をするなよな…そいつと戦った時間分リナが剣の稽古つけてくれる。
って珍しくいってきたから、そういうことになってたんだぜ?」
横に出現したゼロスをみつつ、驚くわけでもなく、残念そうな声を上げているガウリイの姿。
そして。
「おや、それは済みませんでした♡って…ガウリイさん。
まだリナさんに稽古つけてものうの懲りて…もといあきらめてないんですか!?」
にこやかに言い放つと同時に。
ガウリイの言葉に驚きながらもそんなことを言っているゼロス。
「だってもったいないじゃないか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
さらり、とさも当然のように言い放つガウリイの言葉に面白いまでに無言になっているゼロスだし。
ゼロスがフィーオレを滅ぼしたその直後。
「がっ……ぐわぁっ~!?」
あたし達の前においてベルギスの体に変化が訪れる。
ふよふよと虚空に漂いながら…そまままぐるぐるとのた打ち回り始め、回転とかしていたりする。
「――何だ?」
それをみて、自分で回復魔法をかけて傷を治していたルークが何やら言ってるけど。
というか、ミリーナにせがんだら、『自分でできるでしょ?』とあっさりと却下されたのよね。
ルークは♡
面白いことに♡
「あら?簡単よ♡ゼロスがこのベルギスの中に取り込んでたフィーオレの本体を滅ぼしちゃったからねぇ。」
あたしの言葉に続き。
「つまり、こんなになってまで生きていられたのは、フィーオレさんとの契約と。
そしてその身に彼の一部を取り込んでいたからだろうし。
その力がなくなったらどうなるかは歴然よね♡」
にこにこと、そんなベルギスをみていっているユニット。
「何が何だかわかんねぇが…お返しだ!」
ざっん!!
のたうちまわっているベルギスにと、ルークの紅い刃がくいこみ。
その体をいともたやすく左右二つと切り裂いてゆく。
どっ
どさっ
少し遅れその左右の斬られ体は床にと落ちていき…そして、床に転がるベルギスの体。
それはそのまま、白い砂と化し、崩れ去る。
それと共に。
パチン♪
軽く手を鳴らすこの結界を解いておく。
「――終わった……のか?」
いって、ガウリイが何の気なしに、剣を横にむけ……と。
すぱぱぱぱっ!
その剣が触れた壁部分がすぱっと斬れ、
まるでやわらかいものを斬ったかのように触れただけで切り裂してゆく。
「――なっ!?」
ガウリイがそれに驚いて思わず剣を床にとつけると。
ブシュドシュュ……
「うどわっ!?」
そのまま剣に飲み込まれるようにして、体制を崩しているガウリイ。
何のことはない。
ガウリイが剣を床にとつけた。
それだけで、その切っ先が触れた部分。
つまりは、床、そして大地までもがスパスパト切り裂かれているのに他ならない。
あわてて、剣を床から引き抜き。
そして。
「……まさか……」
などといいつつも、…どうみても、その輝きからオリハルコン製の剣にと目をやり。
手にしている剣先でかるく触れる。
と。
スパッン♪
力を要れずにちょこっと剣先で触れただけで、それは瞬く間にと真っ二つに斬リ裂かれ、
ついでにその後ろの壁までが、ぽっかりと剣で斬られた穴の跡をあけてそこにあったり♡
「リナ!?何なんだ?!これ!?むちゃくちゃに危ないほどに切れるじゃないかぁぁ!!」
ようやくそれに気づいて何やら言ってくるガウリイだけど。
「あら♡だ・か・ら♡いったでしょ♡それ、周りの魔力を切れ味に転換させるのよ♡
あ、人間の体なんてちょぴっと触れた程度で綺麗に切り裂かれて分かれるから♡」
そんなあたしの説明に。
「そんなの危ないだろうが!!!とにかく、これ!何とかしてくれぇぇ~~!!!」
床におけば、そのまま、ずぶずぶと、剣が切り裂き埋まっていき、
また、突き刺すわけにもいかず。
かといって、そのあたりにころがっている別の剣の鞘にいれてもすぐにその鞘は刀身にてはぜ割れる。
壁にもたせかけたら、壁ごと切り裂いて床にとおち、床をきりさき地面にとしずんでゆく。
ゆえに。
どうにもすることができずに。
体にふれないように細心の注意を払いながらも手にもち、何やらあたしに言ってくるガウリイだけど。
「…と、とにかく終わったようだな。」
そんなあたしとガウリイの会話をききつつも、額に汗を流しながらも言っているワイザー。
「あ。そうそう。リナさん。ご報告が遅れましたけど、すでにこの町に国王軍が到着いたしまして♡
点在する施設などから様々な証拠品を没収しているようですよ♡
とりあえず、フィルさんがこの国の王室にすでに連絡を取ってくださっていたこともありましたしね♡
事情も、助け出された人々からどんどん事実が明るみになってますよ♡」
いって、ぺこり、とうやうやしくあたしにお辞儀をしてくるゼロスの言葉に。
「?あんた今まで何してたんだ?」
ふと疑問に思ったルークがゼロスに問いかけていたりする。
「いやぁ。外の人達でちょっぴり遊ばせてもらってました♡
何やらいきなりベルギスさんの気配が消えたので……急いでやってきたんです♡
それに、ゼラス様がたもこちらにこられて協力なさってますし♡」
そんなゼロスの言葉に。
「……げっ!?」
「……また、ですか?」
何やらつぶやき小さく叫んでいるルークに、額に一筋汗を流しながら言っているミリーナ。
そして、意味がわからずに首をかしげているワイザー。
ま、ルークもミリーナも、ベゼルドにゼラスとダルフィンには会ってるしね♡
「まあ、そんなことより……ここからでません?いつまでもこんな地下室にいないで?」
何やら固まっている二人にとにこにこと話しかけているユニットに。
「???」
あたし達の会話の意味がわからずに、未だに首をかしげているワイザー。
彼らがそんな会話をしている中。
「はい。これでいいわよ。その中から出したら何でもスパスパと切り裂くからね♡」
ゼロス達がそんな会話をしている最中。
とりあえず、抜き身のまま、というのも何なで、
完全に魔力を遮断する鞘を創りだし、ガウリイのもっているソレにとあてがいガウリイにと説明する。
「つうか、これ一体何なんだ?」
剣を鞘に収めて、それをみてつぶやくように聞いてくるガウリイに。
「ああ?それ?
最も、ベルギスのヤツはその上に銀がもともとかぶせてあったから気がつかなかったみたいだけどね♡」
あたしの言葉に。
「ブラスト…ソードって…あの?」
何やら剣をみつつ、驚きながらもいってくるガウリイ。
「ね?リナ?そんなどうでもいいことより、外にでましょ?少し遊んだせいか私お風呂に入りたいし♡」
そんな会話をしているあたしとガウリイに、ルークとミリーナに話しかけたその次にと話しかけてくるユニットの姿。
「それもそうね♡とりあえず外にでましょ♡」
「????意味がまったくわからんのだが……」
話しについてこれずに首をかしげているワイザーだけど。
とりあえず。
そのまま、あたし達は瞬時のうちにと外にと移動してゆくことに。
-続くー
HOME TOP BACK NEXT
####################################
あとがき:
薫:・・・あとどうやら残り1ページ半なので1話で終わりそーですv
まあ、あとは後始末というか後のごたごた(?)しかありませんけどね。
あっさりとやられたベルギス・・・と魔族フィーオレ・・・哀れかも(まてこら
何はともあれ、それではまた、次回にてv
どうやら2月中にこの回おわれそーですvではではv
2005年2月27日某日
HOME TOP BACK NEXT