エル様漫遊記・ソラリアの謀略偏
ざわざわざわ。
面白いまでにソラリアの町の夜はざわついていたりする。
何しろゾードがやじ馬たちを殺していった光景は数十人の人々に目撃されてるし。
昨日の合成獣騒ぎと、ゾードやザイン達といった黒尽くめ達を関連づけて考えるのは人情として当たり前。
領主代行は、無実な人を捕らえて事件をもみ消そうとしたのでは?
という疑念が人々の間に湧き。
あからさまに怪しい黒尽くめ達とラーヴァス代行を関連付けるものがほとんど。
それでなくても、まったく聞いたことのない名前の人物がロード代行になったとたん、
あからさまに怪しい施設がどんどん作られるわ。
反対住民がことごとく行方不明にるわ、
この町にと向かっていたはずの旅人が商人、挙句は町の子供たちや近隣の人々が行方不明になるわ。
そんな状況がここしばらく続いていたりするこの現実。
ラーヴァス代行に代わってからあからさまにその事件が増えている事実からも、
人々のそんな噂話は当たり前。
というか本当にあの人間、その辺りのこと考えてないからねぇ……
すでに先にとこの町にと潜入していた国王軍の指導の下、
何やらソラリアに滞在している兵士達もまた、施設の調査に赴くことを決め……
一部の兵士たちがこの場に現場検証として残り。
一部のものたちは町の警備。
そして、数十名の兵士達が五人づつ組を組んで施設内部の調査に赴いてゆくことになり。
ゆえに町は騒然としていたりする。
まあ、ベルギスは城の中のものたちには『命令あるまで待機』。
と町の騒がしさに騒然となる兵士達にそういってるみたいだし。
またザイン達空間を渡れる能力などをもっている存在たちには、『実験体』の始末を命じているし。
すでに他の兵士達がそこに向かっている、ということを知らずにね♪
とりあえず、あたしとユニット、そしてガウリイと、ミリーナとルークを伴い、
何かしているのならば、大きな神殿に見せかけている施設、というのは一目瞭然なので、
城の付近に点在する建物の一つにとやってきているあたし達。
ドームの屋根の神殿風の建物。
その周りに、『命令だから。』と警備に当たっている普通の警備兵達。
「
バタタッ!
あたしのつぶやきと同時に、そんな警備兵達がバタバタとその場に倒れ伏す。
町は騒然と未だになっているので、
夜だというのにあたし達がこの辺りをうろついていてもさほど違和感を感じなかった兵士達。
そんな兵士達はいともあっさりと眠りに落ちてゆく。
「…何かみもふたもなくないか?」
などと横でつぶやいているルークはとりあえず無視し。
そのままそのまま礼拝堂の中にと入ってゆくあたし達。
「
ミリーナが天井に向けてはなったあかすりはゆらゆらと虚空に漂い、建物の中を照らしだす。
並んだ長椅子。
中央に通路、正面には神像を背にちょっとした造りの祭壇。
ちなみに、ここも王室関係者用の神殿…とベルギスは世間には説明していたりするけど。
…普通、そんな建物がいくつもあったら怪しまれる。
ということにも気づいてないのよね…あいつは……
一応、普通の礼拝堂としても利用できるようにはしているようだけど。
あくまでもそれはカモフラージュ用として。
「とりあえず、この辺りかしら♪」
いって、床にと手を当てる。
と。
パシッュ!
床材が小さな音と共に消え去り、そこにあるのは地面。
「
軽く一言。
と。
バシュッ!
それに伴い、一気にその地面の土がかき消える。
そして――
垂直に伸びた床の穴の下から漏れている光。
「あら♪ビンゴ♪」
あたしの言葉に。
「どうやら施設は少し深い部分に隠されていたようですわね。」
いって、床にとヒザ魔づきつつも穴をのぞいていっているミリーナ。
「それはそうと、いきましょ♡」
ミリーナたちに話しかけ、そのままふわり、とその穴の中にと身を躍らせるユニットに続き。
「まあ、確かにここでいってても始まらないしな。」
いって、ミリーナと顔を見合わせ穴の中に身を躍らせてゆくルーク。
それに続きミリーナが降り。
「はい♪ガウリイもいく♪」
ドッン♪
「うわっ!?」
穴を覗き込んでいたガウリイをとりあえず手を動かさずに軽~く圧力をかけて突き飛ばす。
何やら叫びながら落ちていっているガウリイだけど。
ま、関係ないし♡
ふわり。
とあたしもまた、穴の中にと降り立つと。
むぎゅっ!
何か足元にやわらかい物体一つ。
「あら?ガウリイ?何寝てるの?床で♡」
みれば、なぜかガウリイが足元にと倒れてるし。
「あ…あのなぁ!リナ!オレは飛べないんだぞ!いきなり突き落とすなよぉぉ~!!」
などといいつつ起き上がるガウリイに。
「……つうか。あんた、あの高さから落ちて平気なのか?」
そんなガウリイに何やら言っているルーク。
ほんの数メートルにも満たない距離を落ちただけなのにね♪
「いや別に?たぶんいつもリナ達から何かしら何かを受けてるからか、
何だか体が丈夫になっている気もしなくもないし。」
起き上がりつつ服をはたきつつもルークに答えているガウリイ。
『―――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
なぜかそんなガウリイの言葉と、
怪我一つしていないガウリイの姿をみて無言になっているルークとミリーナ。
普通、あの高さだと下手したら死ぬか、もしくは骨折、または打撲くらい受けるんじゃぁ……
そんなことを二人して思ってるし♡
「ま、ガウリイさんですし♡そんなことより、どうやらここは施設内の通路みたいですね♡」
そんな二人ににこにこと微笑みかけて言っているユニット。
白い壁が左右にと続いている通路。
いろいろある燭台とそれに灯る明かりがまっすぐな通路をほのかにと照らし出している。
……もっとも、この燭台が隠し扉の入り口のスイッチになってるんだけど。
「それはそうと?リナ?ま、いっても無駄だろうし。もう文句はいわないけど。
この壁の向こう、幾人かの気配がするぞ?」
左手側の壁に手を当てて何やら言っているガウリイ。
そして。
「何かこの奥、広い空間のような気配がするんだけど……」
などと、そんなことをいってるし♡
そんなガウリイの言葉に。
「なっ!?わかるのか!?」
驚きの声を上げてガウリイを見るルークに。
「普通わかるだろ?人の気配とか壁の向こうが空間になってかどうかなんて。」
さらり、と言い切っているガウリイに対し。
「「いや、普通わからないかと……」」
同時にぴったりとそんな突っ込みを入れているルークとミリーナ。
「ま、ガウリイだし。とりあえず、
だごがっ!!
あたしの言葉と共に左手の壁が砕け散る。
壁にあいた穴の向こうには、ちょっとした大きさの一つの部屋が。
「……なっ……なっ!?」
いきなり壁が壊され、部屋の中でうろたえている魔道士姿の男達、計五名。
「…本当に部屋がありやがる……」
などとつぶやきつつも、壁をくぐるルーク。
そして、ミリーナともども。
「「――……なっ!!?」」
短い声を上げてたり。
この部屋の中にとあるある物を目の当たりにして。
部屋の中には数十本の合成獣製造用のクリスタル筒。
【生命の水】が満たされているその中には人とデーモンの合成実験の実験体の数々。
半ば人、半ばレッサーデーモンのような姿のまま浮んだ男
首から下が異様な変形を遂げている女性。
全身をいびつに変化させた子供。
子供や大人、男女問わず何やら固まった数個の人間の顔を持ったもの。
かつて人間だったものが、少なくとも自らの意思で進んで望んで実験体になったのではない。
ということだけは一目瞭然。
そして、そのうちの一つのケースの中には……
「カナ…ンさん!?」
口元に手を当てて、叫んでいるミリーナ。
そこには、先日、共に行動していたカナンの姿。
といってもその顔はおなか辺りに出現しており、
その上下にはちょっとしたよくあるレッサーデーモンの上下半身の溶け崩れたようなものが生えていたり。
「――てめぇら!!」
思いっきり頭に血を上らせ、完全に怒ったルークが手近にいる魔道士の人りの襟首をひっつかむ。
「わ……わわっ……!?」
あたし達とは反対側にいた魔道士が逃げようと、そこにあるドアに手をかけようとし……
どがっ!!
その魔道士の背中にルークの投げ放った剣が突き立ち。
ずっ。
そのまま、その魔道士の体は力をなくし、ドアにもたれてずり落ちる。
ルークは昔の仕事柄、一撃でナイフとか短剣とか使わせたら急所をしとめるしねぇ。
無意識でも。
だから、普段は普通の長剣使ってるんだし♡
「動くな。殺すぞ?」
低く言い放つルークの言葉。
いくら鈍い人間でもここまでのあからさまな殺気は誰にでもわかる。
そのルークの静かに放つ殺気をうけて、襟首をつかまれている魔道士はその言葉に凍りつく。
「全部話せ。いやなら指を一本づつねじり折る。それでも話さないなら殺して次のやつに聞く。」
淡々と言い放つルークだけど。
ルーク、本気だし♡
普通なら、いつもならばすぐに止めているミリーナですら、
目の前のクリスタル・ケースを目の当たりにしているのでルークを止めようとはしていない。
「わ…わかった!話す!話すから!
我々はラーヴァス代行に明治られてここで実験をやらされていただけだ!」
いともあっさりと根性のないことに、
顔色を真っ白にさせつつ、ルークにつかまれている魔道士の男は話し出す。
「人間にアストラル・サイドから召喚したデーモンを憑依させる実験をさせられていただけだ!
命令だったんだ!私が…私が悪いわけじゃない!」
などといってるし。
まったく反省のない魔道士の言葉に、ルークの瞳に殺気がこもる。
「なるほど…命令…ねぇ。命令でこんなくだらねぇ実験やってたわけだ?
そこに浮んでいる女子供達、自分で志願したわけじゃあねぇだろう?
命令なら誰に何をやってもおめ~は悪くないわけだ。
だったら、もし俺が誰かの命令でお前を打ち殺しても俺は悪くねぇわけだ。」
「……まっ!」
どぐっ!
鈍い音と共に、襟首をつかみあげている手ではないほうでないルークの手が魔道士の心臓を捕らえている。
先ほど逃げようとした男に放ったときに、
つい癖で袖口にもう一つ入れていた懐から取り出していた残りのタガー。
心の臓を一突き。
たったのそれだけでこと切れ、そして力を失うその魔道士。
ぱっ、と手を離すと同時。
ドサリ。
そのままルークがつかんでいた魔道士はそのまま床にと崩れ落ちる。
それをみて、完全無欠に凍りついている残り三名の魔道士たち。
「やりすぎよ。ルーク。」
そんなルークに静かに言っているミリーナ。
だが、ミリーナとて、魔道士に同情を向けているわけではない。
「これみて何ともおもわねぇのかよ!ミリーナ!命令とかいってよ!
こいつら自分のやったこと悪いとも何ともおもってやがらねぇ!こんな連中!」
珍しくミリーナに反論しているルークだけど。
だがしかし、ミリーナとてルークが本気にそうしようとしたらどうなるかがわかっているがゆえに。
だからこそ。
「そいつらをどうにかするより先に、何とかしなければいけない連中がいるでしょう?」
静かにたしなめるように言い放つ。
そんなミリーナの言葉に。
「……っ!」
小さく唇を噛み、そして。
「――……こういうのを見るとよ…人間キライになっちまいそうだぜ……」
そんなルークの言葉に。
「私も人間よ。そしてあなたも。」
静かにルークに語りかけているミリーナ。
そんなミリーナの言葉にルークの肩から力が抜け。
そして。
「そう…だな…なら、こいつらは……」
いいつつ、ちらり、とルークが残りの魔道士たちに視線を向けると、
魔道士たちは面白いまでに怯え、震えているけど。
でも、自分たちが悪い、とは彼らもまた、まったく思ってないのよねぇ。
命令だから自分は悪くない。
とか三人が三人ともこいつらは思ってるし……
だがしかし。
「そんなことより。そいつらをどうにかするより先に一仕事ありそうだぜ?」
いって、壁にあいた穴から通路を眺め、剣に手をかけつつ言ってくるガウリイ。
そして、すらり、と剣を引き抜き。
「おいでなすったぜ。まだ姿はみえねぇし、気配も一応は殺しているみたいだけどな。
囲まれているぜ。この部屋。」
そんなガウリイの言葉に。
「わかるのか?」
いぶかしりながらも声をかけているルーク。
「あら♡」
「あ♡」
あたしとユニットの小さな声と共に。
「まあいいさ!ちょうどくさくさしていたところだ!やってやろうじゃねぇか!」
いいつつ、かがみこみ。
ズッ。
魔道士の体からタガーを引き抜き、軽くそれについている血を振り払う。
ルークの払った血がクリスタルや辺りにと飛び散るのとほぼ同時。
ガゴォン!
音と共に扉が外から内向きにと吹き飛び、
ヴオッ!
それと共に部屋の中が火炎の色にと紅く染まる。
扉の向こうにいる黒尽くめの一人が放った火炎球によって。
「「ぐわぎゃぁぁぁぁぁ~~!!?」」
何やら断末魔が先ほど魔道士たちが固まっていた方からしていたりするけど。
彼らの目的はいたって単純。
つまりは、証拠隠滅と、関係者の排除。
それぞれの施設においても、彼らと兵士達の戦いが展開しているようだけど。
まあそれはそれで別にルーク達に説明することでもないし♡
というか未だにこういった、【術】があたしには無意味だってわかってないし……
ちなみに、もし火炎球から逃れようと壁の穴から飛び出せば、
すでに待機している彼らの仲間か呪文を浴びせかける。
そんな彼らは作戦を立てていたようだけど。
ピッシ。
ピシピシピシッ!
パッシャァァ~ン!!
炎の熱によりクリスタルケースにとヒビが入り、人々を入れていた水がケースよりあふれ出て、
それと共にリスタルが飛び散り中の人間達が姿を現す。
すでに炎はクリスタルが割れたときの水で収まっており、辺りにはもくもくと立ち込めている水蒸気。
ガウリイが『外に敵がいる』といった時点でこの部屋ごと吹き飛ばされる恐れを思いつき、
ミリーナが唱えていた耐火呪文によって、ルークやミリーナはまったく無傷。
というか炎などこれっぽっちも浴びてはいない。
あたしとユニットの周りでは、炎のほうがなぜか畏れて近寄ってもこなかったしね♡
炎が収まり、ミリーナが術を消したその直後。
だっ!
振り向きざまに地を蹴り、扉の外にと飛び出すガウリイ。
それに続き、ルークとミリーナも又、ガウリイにと続いてゆく。
「とりあえず♪」
パチン♪
軽く指を鳴らしたその刹那。
部屋の中にちょっとした魔方陣が浮かび上がり。
次の瞬間、なぜか人々に憑依していた下っ端魔族は消滅し。
後に残るは気を失っている人々のみ。
とりあえず、そのままそんな人々はおいといて。
ガウリイ達に続いてあたしとユニットも又、扉の外にと躍り出る。
面白いことにルークとガウリイの二人の行動だけで、
そこにいた十三名ほどの黒尽くめ達はすでに四名にまで減ってたり♡
ドシッュ!
一方では、あたし達がいる部屋とは違うところにいた黒尽くめ達はといえば。
何やら虚空からいきなり出現した黒い錐にと貫かれ。
ある存在は即死、ある存在は体の一部をごっそりと削ぎとられ、何やらうめいていたりする。
そして……
「……リナ様ぁ……いきなりアレはないかと……
おや?ルークさんにミリーナさんじゃないですか♡お久しぶりですねぇ♡」
バッシュ!
いって、あたし達に向かってこようとしていた黒尽くめを瞬時に吹き飛ばし、その後ろより出てくる一つの影。
「あら♡ゼロス、遅かったわね。」
あたしの言葉に。
「…とりあえず、あちらはゼラス様たちに任せてきみしたから……」
いって、ふっと視線を横に向け。
「――そこにいるのはわかってますよ♡出てきたらどうですか♡」
にこにこと、横の壁に向かっていうそんなゼロスの言葉に。
ふっ、とゼロスの横より出現する影一つ。
「そういえば、リナのかけたあの封印、数時間しかきかないようにしてたっけ♡」
にこにこと、その姿をみて、あたしに言ってきているユニット。
「そうよ♡そのほうが楽しいし♡」
そんなあたし達の会話も何のその。
「……待たせたな……」
いって、ゆらり、と姿を揺らめかせでてきたのは、いうまでもなくザイン本人。
「どうやらこの人達。一人、一人に特殊能力が持たされているみたいですねぇ♡
…もっとも、この御方達にちょっかいをかける。というのであれば。
……僕らとてわが身がかわいいですからね♡
手出し無用、という命令がない限り…手加減しませんよ♡」
そういって、すっと目を見開くゼロスに対し。
……なっ!?
前にも思ったが…この男は……いったい?
そんなことを思いつつ。
じりっ、と構えているザイン。
「しかし、何やら印象がかなり代わってしまいましたねぇ♡ザインさん…でしたっけ♡
まったく人間がいくら下っ端とはいえ魔族を利用して能力アッブ…とは。いやはや♡
あなたも何を人間なんかのいいなりになってるんですか♡」
びびくぅぅ!
びくっん!
あ、面白い♡
ゼロスの言葉をうけ、ザインの中にいる【魔】が面白いほどに怯え……、
そしてザインのその反動で体をびくり、とさせてるし♡
「……きさまと遊んでいる暇はない。
俺の目的は……リナ=インバース。そしてミリアム=ユニット…きさまたちなのだからな。
――我々が国を失う原因となったきさまらを……生かしてはおけん。
ベゼルドの一件が終わってそれを知り…ゆえに俺は志願した。人間をやめることを…な。」
いって、何やら脂汗を流しつつも、あたしとユニットに言ってくるけど。
「あ♡そうそう、言い忘れてましたけど♡
すでにお仲間さんたちはここの建物にいらっしゃっていた方々は動くことは不可能ですよ♡
それと――ここ、カルマートの国王は何かと物分りのいい人でしてねぇ♡
国どころか下手したら世界が危ない♡といいましたら、快く僕たちの意見にも耳を傾けてくれましてねぇ♡
すでに外にはとりあえず僕が連れてきた国王軍の方々約百名が城に向かわれてますよ♡」
いって、にっこりと笑い、そして口元に手を当てて、その指を左右にと軽く振り。
「まったく。身の程をわきまえてくださいね♡
……あ、リナさん?これ、どうなさいますか?何なら僕が始末しますけど?」
いって、あたしにうやうやしくお辞儀をし、聞いてくるゼロス。
「そうね♡外のほうが面白そうだし♡任せるわ♡
どうせ死んだらその魂に思いっきりお灸をすえればいいだけだし♡」
「わかりました♡それでは♡」
にっこりと、ゼロスが微笑んだその直後。
――ザッシュ!!
「がっ!!?ぐ……がぁぁぁぁ!!」
上下左右から思いっきり体を黒い錐にと貫かれたザインが何やら叫び。
そして、その体は瞬く間に塵と化し溶け消えてゆく。
「「……なっ!?」」
なぜかそれをみて絶句しているルークとミリーナ。
まあ、還って来たこの人間にはしばらくあっちにてお灸を据えることにして……っと♡
「「……今の……何(だ)?」」
二人してそんなことを聞いてくるミリーナとルーク。
面白いまでに声が一致してるし。
こういうときのこの二人って息がぴったりなのよねぇ。
くすっ。
「ああ、ゼロスの本体の一部よ。いったでしょ?前?こいつこれでも一応高位魔族だって♡」
あたしの言葉に。
いや、聞いてはいたが……
などと思っているルークに。
……本当に魔族…なんですね……
などと思っているミリーナ。
「それはそうとして、ここにいた刺客さんたちはゼロスさんが始末したみたいだし♡
とりあえず…大元の元凶であるベルギスさんのところにいきません?」
そんな何ごともなかったかのように言う、というかあたし達にはこんな程度はどうでもいいことだし。
そんなユニットの言葉に。
「それもそうですね…急ぎましょう。」
ミリーナの同意をうけ。
あたし達はここを出て、城にと向かってゆくことに。
城は城で面白いことになってるしね♡
ふふ♡
-続くー
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あとがき:
薫:残りあと10ページv・・・とりあえず、がんばります・・・
何か打ち込み始めたら最近、一気にこればっかりやってるなぁ・・・あはは・・・
どこかにラーク君とか、ロベルトさんとかのアイコンないかなぁ・・・
・・・自分で自力でつくれ・・ということかな・・・あぅ・・・・
何はともあれ、ではでは、また次回にてv
次回、城に突入ですv
2005年2月26日某日
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