エル様漫遊記・ソラリアの謀略偏


――と。
ざわり。
いくつかの気配が出現し、空気が変わる
それと共に、あたしたちの目の前に出現する三つの影。
ちなみに、このうちの一人はザインだったり♡
そして少し遅れて残りの黒尽くめ達まで町外れの…つまりはあたし達のいるこの空き地にまでやってくる。
「…やって…くれたな……だが…もう逃がさん……」
ゆらり、と一歩前にと歩み出て言ってくるその言葉に。
「てめぇ!?この間の!?」
そんなザインに向かって叫んでいるルーク。
だがしかし。
「…まあいい。ここで貴様らと決着をつけてやる。
  なぁに、城に忍び込んだ賊が領主クラインを誘拐、殺害したがゆえに我らが退治した。
  とでも世間にはいえばいいことだしな。
  ロードが死ぬのを待っていたのだが、こうなれば直接手を下しても問題はないしな。」
いって、その口元にて笑みを浮べ。
「これで我らが故郷の再建の一歩となる…」
などといいつつも。
「まずは…貴様からだ!リナ=インバース!!」
いって、何やらザインが術を放とうとしてるけど。
「―――何やら騒がしいな。こんな夜更けに……一体何をしておる?まあ、聞かずともわかるが…な。」
いって出てくる覆面男性が一人。
そして、ちらり、とあたしとそしてカルアスが支えているクラインに目をやり。
「…ほぅ。領主を助け出したのか。それならばお前たちがあせるわけだな。」
いって、その口元に笑みを浮かべて苦笑する。
そして。
領主ロードラングマイヤー氏の周りをしっかりと固めているがいい。
  このかなの何人かはおそらく、デーモンとの合成体なのでな。」
そういう彼の言葉に。
『なっ!!?』
あ♡
面白いまでにルークや、それにザイン達まで動揺してる♡
「…きさま!?何ものだ!?何をどこまでしっている!?」
ザインがまたしても何も考えずにそんなこといってるし。
というか、それって思いっきり肯定している、というのに他ならないのにねぇ。
「あ、リナ?それはそうと、ロードさんはどうする?」
横であたしに聞いてきているユニットに。
「そうねぇ…。あ、カルアス♡ロードと一緒に首都に移動させるから後はあんたたちの仕事をしてね♡」
にっこりと。
何やら後ろで固まっているラクインとカルアスに話しかけ。
「えい♪」
パチン♪
軽くあたしが指を鳴らすと同時。
後ろにいた二人の姿が掻き消え。
次の瞬間、彼らの姿はこの国の首都の王城の前にと出現していたり♡
「なっ!?きさま!?何をした!?」
それをみて、何やら叫んでくるザイン。
今の移動させる波動は……この自分にもわからなかったぞ!?
そんなことを思ってるし。
こいつは。
「あら♪首都に送っただけよ♪ロードの口から国王には説明したほうがいいでしょ♡」
くすっ。
何かあちらでは、いきなり王城の前に出現して、クラインとカルアスはかなり驚いてるけど。
ま、ここの王室にもフィルからすでに連絡はいってるし…ね♡
「くっ……まあいい。覆面は生かして捕らえろ。あとは殺せ!」
ザインの言葉と共に、周りの黒尽くめ達が一斉にと動き出す。
中の一人が塀の上にと飛び乗ると同時、その手に炎の槍をうみ、あたし達にと解き放つ。
まったく。
霊光壁ヴァスグルード♡」
つぶやいたあたしの前にちょっとした大きさの魔力障壁が出現し。
黒尽くめの一人が放ったその一撃は、そのちょっとした家の壁ほどある大きさのそれにはじかれ消滅する。
「何!?」
それをみて一瞬動揺し、動きをとめている黒ずくめ達。
黒妖陣ブラストアッシュv」
ポビュッ。
ザア……
さらにつぶやくあたしの言葉に数名が塵と化してかき消える。
正確にいえば、消えたように見せかけて、カタート山脈に送り込んだんだけど、それはそれ♡
「ね♡リナ♡ちまちまやっても何だし♡」
いって何やらすでにロッドをその手に出現させているユニット。
ミリーナたちのほうはといえば、
雷花滅撃吼ラザクロウヴァ!!」
ザインに向かって術を解き放つけど、それを地を蹴りあっさりと交わすザイン。
「……いやあの?もしかしてそれ……」
ユニットが手にしているロッドをみて何やら掠れる声でつぶやいている先ほど出てきた覆面の男性。
「あら♡ワイザーさん♡分かってるんじゃないですか♡」
にっこりいって、軽くユニットがそのロッドを振ったその刹那。
チュドドドドッ!!
空よりちょっとした光の槍が黒尽くめの男達にと雨のようにと降り注ぐ。
「「なっ!!??」」
それをみて、何やら驚いているミリーナにルーク。
そして。
「…騒ぎを大きくしたら人がくるぞ?」
つぶやくように言ってきている覆面の男性――ワイザー。
彼とは以前ちょっとしたことで知り合いでもあるしね♡
だがしかし。
「きゅしゃぁぁぁぁ!」
黒尽くめのうちの一人はその攻撃に同様することもなく。
逆に動きを止めたミリーナに向かってチャンス、とばかりに連続して斬りかかる。
「―――っ!!」
その連続攻撃を何とかかろうじて剣で受け流しつつ、ミリーナは少しづつ後ろにと退る。
「てめぇ!俺のミリーナに!!」
そんなことを言いながら、ミリーナの援護に回るルークに対し。
「誰が『あなたの』よ。」
こんな状況でもなおかつ冷静にルークに突っ込みをいれているミリーナ。
「……なあ?リナ?人が来たぞ?」
ふと、ガウリイがあたし達のいる広場の横のほうにとちらりと視線を向けて、何やら言ってきているけど。
ちなみに、ガウリイはザインと斬り結んでいるまっ最中。
「警備兵さぁん!!」
先ほどのユニットのちょっとした作業…あの程度くらいでは攻撃とはいわないし♡
空より降り注ぐ光の槍。
何事か、と思い、そして音も気になりこの場にとやってきている町の人間達。
「―――ちっ!」
ガウリイに面白いまでにおされ気味だったザインが面白いまでにと動揺し。
どうにか持ちこたえていた剣を構えたまま、大きく後ろにと飛びのくザイン。
ガウリイは一応ザインと遊んでたからねぇ。
殺さずにガウリイには生かして捕らえたほうが何かと便利だから♡ということで。
事前にガウリイには【生きたまま捕らえてね♡】とはいってあったし♡
他の黒尽くめ達もまた、やじ馬たちがわらわらと集まってきたのを見て取り、大きく飛びのき。
――そして、ザインと顔で合図をして、その場から駆け出し闇にとまぎれとけ消えるようにと逃げてゆく。
だがしかし。
たった一人だけ、ミリーナと斬り結んでいた男の反応は異なり。
ミリーナとルークから少し離れて間合いをとり、ここまではザイン達と同じだけど。
「邪魔だ。」
無造作に言い放つと同時に左の手を一閃させる。
刹那。
「がっ!!?」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~!!??」
「うわぁぁあ~~!!?」
断末魔の悲鳴を上げて倒れる一人のやじ馬でやってきていた町の人間。
横で胸を貫かれ、血を噴き倒れるそんな男を目の当たりにし、
集まってきていたほかの野次馬たちから悲鳴と叫びが辺りにと響き渡る。
そしてまた。
その叫びを聞き、何事か!?とさらに集まってくる町の人々や旅行者、そして兵士達の姿。
次の瞬間にも、また手を一閃させ……
「何をする!?ゾード!」
ザインから飛ぶ叱咤の声。
「見たやつをぶち殺しただけさぁ!
  オレ達の殺し合いの邪魔をするやつなんざ片っ端からぶちころしゃぁいいんだよ!」
いいつつ、今度はやってきた兵士の胸をその手に生み出した光の槍で貫くゾード、と呼ばれた黒尽くめ。
そしてその次にはその風を凝縮した空気の見えない槍をその手に生み出して、
次々と見物人たちに向かって解き放つ。
「うわぁぁ~!!」
「人殺しぃぃ~!!」
それをうけて、パタパタと見物人や兵士達が倒れてゆくのをみて、大バニックになっている人々の姿。
「きさま!?正気きか!?騒ぎが大きくなりすぎた!いったんひくぞ!まだまだ人が集まってくるぞ!」
などといっているザイン。
というか、集まってくる、というより、この場から蜘蛛の子をちらウにうに人々が逃げていってるんだけど。
その代わりにやってきているのは町を警備している兵士達の姿。
そんなザインの言葉に。
「ならその分だけ殺しゃぁいいんだよ!」
いって、込んだはそれをあたしにとむけて投げてくくる。
――が。
ポビュッ。
「なっ!?」
たどり着く前に掻き消えた風の槍を感じ取り、何やら驚いているザイン。
黒妖陣ブラストアッシュ!」
「ちっ!」
その隙を見逃さず、ミリーナが術を放つが、その瞬間、前に疾つているゾード。
そんなゾードに。
「てめぇ!」
などといいつつ、突っ込んでゆくルーク。
はっきりいって、どちらが悪者か見た目あきらか♡
まあザイン達の格好は、面白いまでに【怪しい者がここにいます。】といっているようものだし♡
ザゾンッ!
ルークの剣の一薙ぎはゾードのわき腹を深々と切り裂いてゆく。
よっし。
やった、手ごたえあり!そうルークが思う間もなく。
わき腹を裂かれながらも、ゾードはルークに向かって剣を繰り出す。
今までの動きとまったくかわることもなく。
「何っ!?」
ギッン!
驚愕の声を上げながらも何とか一撃を受け流すルーク。
「てめぇ!?」
「きゃはは!無理だよ!これくらいじゃオレは死なねぇょ!」
いって笑い声を上げるゾードに。
「――退くぞ!」
そんなゾードにすでに他の仲間たちを退避させ、そんなことを言っているザイン。
「ゾード!」
「退けよ!勝手に!オレはもっとこいつらと殺し合いをやりたいのさ!」
けたけたと嘲笑をあげつつ言い切るゾードに。
「…貴様のその勝手な行動。ベルギス様はどう思われるかな?」
びくくっ!
ザインのそんな言葉にあからさまに動揺し。
そして。
あわてて大きく飛びのくと、ルーク達との距離をとり。
「……わ、わかったよ!オレが悪かった!」
面白いまでにあせった口調で素直にザインの言葉を聞くゾード。
そして。
「退くぞ!」
いって、ザインはゾードをつれて、この場より掻き消える。
『なっ!?消えた!!?』
何やら横手の方では兵士達がそんな掻き消えた彼らの姿をみて驚愕の声を上げてるけど。
そして。
やがてその中の一人が。
「何がどうなっているのか説明してもらえますかな?」
いって、あたし達のほうにと近づいてくる。
そして、覆面で顔を覆っているワイザーにと顔を向け。
「貴公は?」
そういって、聞いていたりするけども。
「申し訳ない。」
そんな彼らの言葉にかく会釈をしつつ言って覆面を取り去り。
「私はルヴィナガルド共和国特別捜査官ワイザー=フレイオンと申すものだ。
  不法な魔道実験を行い逃走中のベルギス前国王と王室近衛兵団を追跡している。
  この町に奴らが身を寄せている、というのは明白だったのだが。
  なかなか尻尾をつかませなくてな。
  彼らが介入してくれたおかげで奴らをいぶりだすことができた。」
いいつつ、懐から取り出していたルヴィナガルド共和国特別捜査官の紋章を懐にしまいつつ。
「先ほどの黒尽くめ達は、手配中の王室近衛兵団のものたちだ。
  ――最も、幾人かはその身をデーモンと合成しているようだがな。
  どうやらこのリナ殿たちがどこかに幽閉されていたであろう。
  ロード・ラングマイヤー氏を助けたことにより、あちらから仕掛けてきたようだがな。」
いって、あたし達をみて言ってくるワイザー。
「久しぶりね。ワイザー。」
あたしの言葉と。
「あ♡ワイザーさんだ♡」
などといっているユニットの声が一致する。
ザワッ!
ワイザーの言った言葉【ルヴィナガルド】という名前に、この場にやってきていた兵士達の間に動揺が走る。

ルヴィナガルド共和国。
沿岸諸国連合の一端に位置するその国が、数年前までは王国だった。
というのは今ではほとんどの存在たちが知っている。
といっても、その王室が解体された本当の理由。
というのもまことしやかに噂、として人々の間には伝わっているけど、
それが真実だ、と知るものは少なくない。
かつてルヴィナガルド王国では何を考えているのか、秘密裏にとある研究が進められており。
人間を素材にしたデーモンの作成。
目的もいたって単純。
召喚魔道士以外の人間にもコントロール可能なデーモンの量産による軍備増強。
その実験台として、アストラル・サイドから召喚したデーモンを憑依させやすい、
まだ完全に自我の確定していない子供たちをあちこちから攫いまくって実験しようとしていたり。
その計画をあたしやユニット、それにナーガを巻き込むことでつぶしたのが他ならないこのワイザー。
まあ、あたしも面白そうでもあったから、協力したんだけど♡
まあ、その結果。
その事実は他国も知るところとなり、王室は解体。
国は共和国として再出発をしているのだが……

ざわり。
詳しくは事情を知らない兵士達も、
かつてルヴィナガルドで非道な人体実験が王室絡みで行われ、そして――王室は解体した。
というくらいは風の噂で知っている。
それゆえに、人々はざわめいてるんだけど。
「……特別捜査官…って…やっぱり、リナさん達が言われたように代行がそうなのですか?」
ミリーナが剣を収めつつ、ワイザーに問いかけてるけど。
一方では、術の使えるもの達が倒れている町の人々に回復魔法を施してるけど。
中には怪我だけで済んだ人達もいるけど、
大半は脇腹やまたは、胸を貫かれて即死状態でその辺りに転がっていたりするし。
「今はこの地では、ラーヴァス、とあやつは名乗っているようだがな。
  どうやらここの領主とは親戚筋にあたるので身を寄せていたらしいが……
  まあ、ここの領主もある意味人がよかったらしいからな。あっさりとだまされたのであろう。」
腕を組みつつ説明するワイザーの言葉に。
『なっ!!??』
何やらそんなワイザーの言葉に驚きの声を上げている兵士達や。
危ないのはわかっていても、怖いもの見たさで残っていた野次馬達。
「それはそうと?リナ?あの人達、元通りにしとかない?何か寝覚め悪いし♡」
いって、すでにこと切れている人々をみてあたしに言ってきているユニット。
「それもそ~ね。あ、ルーク、ミリーナ。あたし達ちょっとあの死んでる人達生き返らせてくるわね♡」
「「……いや、生き返らせるって……」」
あたしの言葉に同時につぶやいているルークトミリーナに。
「リナ?頼むから指を鳴らしたりしただけで生き返らせるなよ?
  たぶん、というか絶対に今より騒ぎ大きくなるし……」
そんなことを言ってくるガウリイ。
「あら♡それもいいわね♡えい♪」
いって軽く右手を顔の横で鳴らすと同時。
すでにこと切れていた人々の体が金色の光に包まれ…そして、見る間に傷もふさがっていき。
次の瞬間には、新でしたはずの人々は何事もなかったかのようにと起き上がる。
『うわぁぁ~!!生き返ったぁぁ~!!』
何やらその程度のことで人々が騒ぎ驚いているけど。
「……いうんじゃなかった……」
などとつぶやき頭を抱えているガウリイに。
「――……相変わらず…と言うか……。
  と、ところで?領主とあのあの兵士の若造はどこに送ったのかの?リナ殿?」
とりあえず、見なかったことにしたいらしく、何やら額に汗を一筋流しながらあたしに聞いてくるワイザー。
「ああ。この国の国王のとこよ。今緊急会議中でしょうね。国王軍が来るのは数週間後って所ね。」
そんなあたしの言葉に。
「あ。でもリナ?何かゼロスさんがこき使われてる…
  …とまではいってないにしろ。使われているようだし?
  最も早くこっちに戻るために自分から珍しく動いてるし?
  2,3日後には国王軍丸ごとつれて空間移動してくるみたいだけど♡」
ちょこん、と首をかしげ左手の人差し指を頬にと当て、そんなことをユニットが言ってくるけど。
「あら、そういえばそうだったわね。何かゼラスやダルフィンも協力してるみたいだし。」
なぜかゼロスはゼラスに連絡とって、後仕事とか連絡とか彼らで協力し合ってやってるのよねぇ。
グラウシェラーには連絡を取ってないようだけど♡
「「……空間移動って……」」
何やらそんなあたしたちの会話を聞いて、何やらつぶやいている兵士達はひとまず無視。
「……リナ殿達のほかにも出来るものがいるのか。
  まあ、あの近衛団の中にもデーモンと合成されて出来るものがいるようだが……」
何やらつぶやいているワイザーもいたりするけど。
「ま、ここで何をいっててもどうにもならないし。そだ♡どうせ兵士達もいることだし。
  とりあえず、この前の合成獣製造施設を彼らに協力してもらって誘拐されている人々とか?
  助け出してからでもいいんじゃない?ま、大方、何か他のここにいる人間達半信半疑みたいだし♡」
そんなあたしの言葉に。
「なるほど。確かに一理ありますね。
  それに、捕らわれた…というか、カナン隊長さんのコトも気になりますし……」
そんなミリーナの言葉に。
「ミリーナ!俺以外の男のコトを気にするのか!?そんな!俺というものがありながら!!」
何か的外れなことを叫んでいるルーク。
何やら二人とも、さっきの人々を生き返らせたのは見なかったことにしているみたいだけど。
「でもリナ?製造施設をどうにかするって…こいつらに協力させるのか?」
いって回りにいる何やらパニックになりかけている兵士達をみて言ってくるガウリイ。
「あら♡てっとり早くていいじゃない♡
  見たところ、ベルギスがラーヴァス代行を名乗ってから造った施設がいくつあると思ってるの?
  ベルギスが造った建物は全部軍備施設のための施設だし。
  それに……彼らだって旅人とかを誘拐して実験材料にしていた。なんて思われたくないでしょうしね♡
  どっちにしろ、国王軍が着いたら、全員ラーヴァスと名乗っている彼の行動を知っててとめなかった。
  ということで断罪されることは間違いないしね。何もしなかったらね♡」
ざわっ!
国王軍に断罪される―――
その言葉になぜか兵士達に動揺が走り。
「あ……あの?今の話……真実なんですか?む
などと聞いてくるとある兵士の一人。
「そうだけど?」
あっさりというあたしの言葉に。
なぜか兵士たちは静まりかえり……
「何だったら、確かめるのをかねて。
  ラーヴァス代行が警備を命じていた施設の地下でも調べてみたら早いとおもうな♡私♡
  地精道ベフィスブリングで地下に穴を開けていったらいやでも真実はわかるし♡
  ――で?あなたたち、どうします?」
にっこり。
未だに動揺したり、パニックになり混乱している兵士達にとにこにこしながら話しかけているユニット。
「…まあ、実験体、として捕らえられている者たちの保護は何よりも優先だが。
  事を起こすのならば、今からしなければあのベルギスのことだ。
  すべてにおいて証拠隠滅するぞ?手っ取り早い方法はそれだからな。」
そういうワイザーの言葉に。
「ちょっとまて!?あいつは人間にまでそんな実験をやってるのか!?」
ふと、その言葉に何やらわめいているルーク。
「うん?お主は知らぬのか?
  かつてのルヴィナガルドでベルギス国王が何をやっていたか、ということを。
  あやつは人間にデーモンを憑依させて、
  術者以外でもコントロール可能なデーモンを量産しようとしていた。
  今また同じことをこの地でしているのは、この私の調査でも実証済みであるしな。」
そんなルークにと説明しているワイザー。
「とりあえず、どんどん人々も集まってきているし?
  まあ、この人達が何もしないのなら、それはそれでいいけど。
  となると、【自らの意思でベルギスさんに協力している。】と認められるでしょぅから。
  まあ、極刑、もしくは死刑か終身刑――でしょうね。
  それか野望を阻止するために動いたら、お咎めなしでしょうし♡
  ま、好きなほうを兵士さんたちは選べばいいし♡」
あたしの横でにこやかに、さらっというユニットに。
なぜか兵士たちのざわめきが大きくなってゆく。
そして。
「……で?どうするのだ?」
そんな兵士達にワイザーの視線が投げかけられてゆく――――


                            -続くー


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あとがき:
薫:次回で再び施設内部に侵入ですねv
  ・・・さて・・残り数ページ・・・がんばりましょぅ・・・(汗
  何はともあれ、それではまた、次回にてv
  2005年2月25日某日


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