エル様漫遊記・~セイルーン偏そのニ~
「そこまでだ!異境の地より出でしものよ!
その傍若無人なる振る舞い、これ以上見逃すわけにはいかん!」
そういいつつ。
岩山の上に佇む一人の男性。
そのまま。
「とう!」
掛け声とともに、ここに出現しているレッサーデーモンたちにと向かっていっていたりする。
しかも素手♡
デーモン達が放った光線が、その口元のマスクを剥ぎ取るが。
その下から出現したのは、口ひげを生やしている、見覚えのありすぎる顔。
「あしたの平和のためにうけよ!平和主義者くらぁぁぁしゅ!」
そういいつつ、デーモンを殴り倒していたりするし♡
「……やっぱしか……」
思わず頭を抱えているゼル。
そういえば、ゼルが始めにフィルにあったときも、
フィルは素手で雑魚デーモンを駆逐してたっけね♡
ふふ♡
それをみて、目を輝かせているアメリア。
「父さん!」
目を輝かせてフィルに近寄るアメリアを手で制して。
「アメリア、感動の対面は後じゃ!正義を愛するものの真なる戦い、しかと見届けるがよい!」
「はいっ!」
この親子、性格はそっくりなのよねぇ。
う~ん。
ナーガも多少、この性格受け継いでいるけど♡
「……お~い、リナ、どうするんだ?」
あまりの展開といえば面白い展開に、ぽりぽりと頬をかきつつあたしに聞いてくるガウリイ。
「面白いからフィルにまかせときましょ♡あ、お茶飲む?」
そういいつつ、手をくるりとまわし、
虚空より紅茶カップなどを取り出して、出現させた椅子にのんびりと座る。
「……だから…ど~してそういうことが……簡単に……」
などとぶつぶついっているゼルガディスがいたりするけど。
「あら、誰でもできるって♡」
出来ないって……
あたしのその言葉に同時に心で突っ込みを入れてくるガウリイとゼルガディス。
一方では。
「う~ん!父さん、すばらしいです!」
椅子に座り。
優雅に紅茶を飲むあたしの横では、目をきらきらとさせて浸っているアメリア。
その前では。
素手でものの見事にレッサーデーモンたちを倒していっているフィルの姿が。
しかも、その器に入っている雑魚の精神をも殴っていっているし♡
「うけよ!人類みんなともだち!ハンドハンド!」
いいつつ、両手を平手打ち。
それだけで倒れている情けない奴等の姿もあったりするし…
本当に情けないったら……
「再会のよろこび!ペアーバック!」
そういいつつ、両手にデーモン抱えてその二つを叩きつけて倒していたりする。
やっぱりこのフィル、楽しいわ♡
少し干渉しただけのことはあったわね♡
ふふ♡
「……あの見も蓋もない技は……たしかにフィルさんだな……」
「……まあな……」
そんなフィルをみてあきれていっているガウリイとゼルガディスだけど。
「父さぁん!すばらしいです!」
一人、アメリアは手をふって声援おくっていたりする。
「ああもう!私もじっとしてられません!リナさん!お願いします!」
目をきらきらとさせていってくるアメリア。
くすっ♡
「はいはい♡
一応やっぱり人間やってるからには、一応呪文をいわないとね♡
あたしの放った風にのり、術も何も使わずに空を飛んでいるフィルに向かっていくアメリア。
そして。
上空で互いに手を取り合い。
「父さん!」
「娘よぉ!」
などといいつつ、手をつなぎ。
「父と娘の愛情ダブルインパクト!」
そいって、上空からプラストデーモン達にむかって降りてくるこの親子。
う~ん♡たのしい♡
ぐわぁぁぁぁぁん!
唖然としているゼルとガウリイの前で。
あっさりと呼び出されていたそれらが、破壊されていっているし。
「くっ。まさか生きていたとは……ならばこちらも新たな策を講じるのみ……」
そういいつつ、虚空に溶け消えてゆくそれ。
「……いいんですか?にげちゃいますけど?」
それが消えたのを確認して、出てくるゼロスに。
「い~のよ。その方が面白いし♡」
ま、とりあえず。
「父さんっ!!」
「娘よっ!!」
などといいつつ、何度も抱き合っているこの親子を、ひとまずはどうにかしますかね♡
「いやぁ、すまんすまん。別に皆を混乱させようとしたわけではないのだが。だはははっ!」
そういいつつ、頭をかくフィルに。
「父さん。一体どういうことなんですか?」
そんな父親であるフィルに質問しているアメリア。
「まあアメリア。お前たちの考えているとおりじゃ。
爆発に巻き込まれたとき、とあるよい考えがうかんでな。」
その言葉に。
「…とゆうか。よくまあ、あんな焼け焦げた爆発で無事だったものだな……」
などといっているゼルガディス。
「あら、ゼル。フィルは
「……おいこら……リナ……」
にっこりというあたしの言葉に。
……いや、いくらなんでも……しかし……だが相手はこのフィルさんだし……
などと心でなぜか唸っているゼルガディスだけど。
まったく。
そんな当たり前のことで悩まないの♡
「この暗殺騒ぎがまた王位継承に関ることなら、
わしがいなくなることで敵は必ず次の行動に移るとよんだのじゃ。」
その言葉に。
「……なるほどぉ♡敵が動いたところで、証拠として捕まえる気だったのですねぇ♡」
にこやかにそんなことをいっていたりするゼロス。
「ところで?リナ殿?そちらの男性は?」
ゼロスをちらりとみてそう聞いてくるフィルに。
「あ、はじめまして。別に僕は怪しいものではありません♡
ごらんの通りの謎の神官ゼロスといいます♡
にこやかにそういって挨拶しているゼロスのその言葉に。
「ほう、そうなのか。」
ごけっ!
あっさりその言葉だけで納得するフィルに、思いっきりこけているゼルとガウリイ。
「うん?どうしたんじゃ?ゼルガディス殿にガウリイ殿?
まあ、何はともあれ、城の様子を探ろうとしたそのときにお前たちが帰ってきたもんでな。
愛する娘だけには無事を知らせようとしたんじゃが……」
そのフィルのその言葉に。
「父さん!」
「娘よぉ!」
しっかりと見つめあい、またまた抱擁を交わしているし。
この父娘は♪
「…そこを俺が攻撃したわけか。だが俺は悪くないぞ?」
というか。
リナのやつ……始めから知ってたようだが……一体どこまで何を知っているのか……
……問いただそうにも……何か真実を知るのは…
…などと一人押し問答をしているゼルガディス。
「とゆ~か、また魔族がらみだけどな。」
のほほんといっているガウリイに。
「まね♡カンヅェルが舞い戻ってきてるしね♡」
にこやかにそうさらっと説明するあたしのその言葉に。
「ちょっとまて!?リナ、あれは確かに滅んでたぞ!?」
少しあわてて言って来るガウリイ。
「あら♡復活することだってあるわよv魔族なんだしv」
それに、あたしの所に戻ってきても、押し戻せばいいだけだし♡
「…え!?ちょっとまってください!?またあれがいるんですか!?」
などといっているアメリア。
「うん?確かに今、宮廷には宮廷魔道士として、カンヅェルとかいう人物を雇っているが。」
そういって、ちらりとあたしの方をみて。
「だが、あの魔族とは別人だぞ?その傷の位置も少し違うし。
何より、世の中には似たものが三人はいるというしな。がっはっはっ!」
「……おい、ガウリイ?カンヅェルとは?」
ガウリイに聞いているゼルガディスに。
「少し前、セイルーンに入り込んでた魔族だ。
だけどあれはリナが
……確かに滅んでたよな……
普通……一度滅んだものが・・復活するなんて、聞いたことがないぞ……
などと心でつぶやいているガウリイに。
「……ま…とりあえず。その魔族と同じ名前のカンヅェルとかいう魔道士は要チェックだな。」
しみじみいっているゼルガディス。
「……はぁ……」
やっぱり、こうなるんですねぇ。
……できたら僕がでていって。
あの人達には・・・何もしないでもらえるように、言いたいところなんですけど・・・
……そんなことしたら……エル様の不機嫌を買うでしょうしねぇ……
……はぁ~……
などとなぜか盛大に溜息つきつつ思っているゼロス。
くすっ♡
「ま、いいじゃないvとりあえずセイルーンに戻りましょ♡」
とりあえず。
ぐしゃ!
いきなり何もないところでつぶれた…もとい岩に押しつぶされたゼロスはそのままにしておいて。
「あれ?ゼロスさん?どうしたんですか?」
いきなりつぶれたゼロスをみて言っているアメリア。
「おそらく岩山から岩が落ちてきたのではないのか?アメリア?」
「そ~ですね。」
それで納得しているフィルとアメリアに。
「ま、つぶれてるゼロスはおいといて。戻りましょ♡」
「ですね。」
「…う~ん……ゼロス……哀れな……」
などとつぶやくガウリイの言葉をそのままに。
岩の下敷きになってるゼロスをその場に残しておいて。
あたし、フィル、アメリア、ゼルガディス、ガウリイ。
ともあれ、フィルも合流したのであたし達は一度王宮にともどることに。
ぴぃぃぃぃ!
フィルの口笛とともに、
少し目つきが面白い白い馬がやってきて、それに飛び乗っているフィル。
そのままフィルを先頭に、町にと戻ってゆくあたし達。
「門をあけろぉ!」
門の前まできて、馬の手綱をもちつつ、叫ぶフィルのその言葉に。
門を守っていた兵士達のどよめきの声が湧き上がる。
「殿下だ!」
「生きておられたぞぉ!」
その言葉とともに、セイルーンの門が開かれる。
わっ!
その言葉に町の人々が一斉に家の中から飛び出し。
『殿下だ!おかえりなさい!』
わっと町の中が歓声で溢れかえる。
ポン。
ポン。
ポーン!
帰還を祝しての花火が打ち上げられ。
通りに並ぶ人々の姿。
『殿下!よくぞご無事で!』
『わ~わ~わ~!!!』
全ての町の人々が通りにでて、フィルに生還のお祝いの言葉をかけていたりする。
「う~ん、フィルさんって以外と人望あるんだなぁ。」
それをみてさらっとつぶやいているガウリイに。
「見かけはああなのにな。」
そんなガウリイの意見に同意しているゼルガディス。
「ひどいです!ゼルガディスさん!見かけは関係ありません!」
馬にのって進んでいるフィルの後ろについていっているあたし達。
そんなゼルガディスの言葉に抗議の声を上げているアメリアだけど。
「ってことは、お前も認めているというわけだな。」
うっ。
図星を言われて少し顔をしかめていたりするアメリア。
「ま、フィルだし。とりあえず、これからが面白くなるわよ♡」
ふふ。
くすくすと笑うあたしをみつつ。
……何かリナのやつ……まぁた何かたくらんでるな……これは……
などとあたしをみてそんなことを思っているガウリイだし。
何はともあれ。
道を埋め尽くす通りを通り過ぎて、あたし達はそのまま王城内部にともどってゆく。
数時間経過のち。
謁見の間にて勢ぞろいするあたし達。
橙色の絨毯が敷き詰められているその両脇に、ずらりと並ぶ人々の姿。
「みなの喜びの顔、儂はうれしい。だがこの悦びはこの騒ぎが収まるまでとっておこう。
儂は今回の暗殺騒ぎの首謀者を必ず見つけ出す!」
ワー!
パチパチパチ。
フィルの演説にわきあがる歓声と拍手の渦。
とりあえず。
それらの行事が終り。
あたし達を交えての作戦会議をすることに。
「ふむ。とりあえずリナ殿達にはわしのボディーガードを頼みたい。」
そういってくるフィルのその言葉に。
「あら♡高くつくわよ♡これくらいでどう♡」
そういいつつ、一応ここでも主流になっている算盤を取り出すあたし。
「うぉ!?リナ殿、これは高いぞ!?」
「あら♡じゃ、これくらい♡」
こういう掛け合いって結構面白いのよね♡
ぱちぱちと算盤をフィルとあたしがはじく音が部屋にと響き渡る。
そんな遊びをしていると。
ぱたん!
部屋の扉が開き、そこから出てくる二つの人影が。
「兄上!」
白い服に身をつつみ、両手を広げて出てくるのは、フィルの弟でもあるクリストファ。
「おお、クリス。」
がたんと席を立ち上がるフィル。
「なぜお知らせくださらないんですか?」
そういいつつ、フィルの横にと近づいていくけど。
一応、前回の騒ぎは、魔族がらみということもあって、
何もお咎めなしということに決定しているのよねぇ。
ここでの会議の結果は。
それに、アルフレッド事態が記憶喪失になったことでもあるからね♡
「うむ、すまん。前回同様に回りのものに被害が及んではと。隠れておったのじゃ。」
そういって手を握るフィル。
「しかし、兄弟の間で隠し事など。
このクリス、全身全霊をもって兄上の全てを守ると決めているのに。」
本気でそんなことをいってるクリストファだけど。
あらあら♡
どうやら前回のアルフレッドの魔族がらみの行動が、少しばかり緒を引いているみたいね♡
そんなことは知らないゼルガディスとしては。
…そうはいってるが、一番怪しいのは…この第二皇子ではないのか?
などとおもってそんなクリストファをみていたりするけども。
「うむ。だが安心せい。ルナ殿はいないにしろ。
前回同様に、またリナ殿たちが協力してくれることになった。」
そういって、あたし達をみてくるフィルのその言葉に。
「おや、これはリナ殿。また兄がお世話になります。
何しろあれから、黒魔術をもたくわえてはという意見もあったものの……」
そういいつつ、言葉を濁すその続きを。
「それはいかんということで話はついたであろう?クリス?
我が国が黒魔術をたくわえては他国を脅かす。セイルーンは今のままでよいのじゃ。」
そう言っているフィル。
「あ、アル。その後の調子はどう?」
アルフレッドに問いかけているアメリアの言葉に。
「う~ん。グレイシアのおかげでだいぶ元にもどってきたよ?
でもまだ一時の間の記憶は戻らないけどね。」
そんなことをいっていたりするアルフレッド。
ま、前回の一件で、彼は記憶失ったからねぇ♡
あたしがそうしたんたけど♡
「まあ、今回もリナさんがいるから、大丈夫でしょうけどね。」
そんなことをいうアメリア。
アメリアがそう言ったその刹那。
『その力是非拝見願いたい。』
そういいつつ、出てくる二つの人影が。
ごげっ!
あ、ガウリイとアメリアがおもいっきりこけてる♡
「な!父さん!何このマゼンダさんなんて雇ってるんですか!?」
というか、この人…生きてたんですか!?
などといいつつ。
そこにいる紅い髪の女性を指差しているアメリアに。
「……とゆ~か、よくまあ、こいつら。まぁたリナに関る気になってるよなぁ……」
あきれたようにつぶやいているガウリイ。
「うん?ガウリイ殿はご存知なのか?いや、世の中には似たものがいるとはいうが。
前回の一件で宮廷魔道士を増やすことになってな。
それでこの二人を新規に雇ったのだが。」
のんびりといっているフィルに。
「まあ、確かに姿は同じでも別物ですし。あれとは。」
などとうんうんうなづいているクリス。
思わずその言葉に、頭を抱えているガウリイだけど。
『??』
当然のことながらv
あたし達の事に関しては復活させる…もとい。
ここに戻したときに記憶抜いているので、この二人には意味わかってないしv
首をかしげつつも。
「クリストファー殿に仕えている宮廷魔道士カンヅェル。」
「同じくマゼンダと申します。」
そういって軽く頭を下げているこの二人。
そんな二人をみつつ。
「…騒ぎが起こるわけだよ…」
溜息ついているゼルガディス。
「まあまあ♡いいじゃないvガーヴ配下の行動って結構面白いし♡」
にっこりと微笑んでそういうあたしのその台詞に。
あ、面白い♡
カンヅェルとマゼンダの表情がかわってる♡
「…うん?リナ殿?それは一体?」
意味がわかってないフィル。
「あら?フィルは気付かなかったの?このカンヅェル、前回のカンヅェルと同一人物よ♡
んでもって、このマゼンダはカンヅェルの同僚♡」
にこやかににっこりと微笑んで説明するあたしのその台詞に。
「確か、このマゼンダさんは、ザナッファー…もとい。
あの邪教集団のときに…リナさんと知り合いになってるはずじゃぁ……」
そんなことをつぶやくアメリアだけど。
「あら?アメリア♡一回彼女死んでるんだから♡忘れてても当然でしょ♡」
にこやかにそんなのほほんとした会話を繰り広げているあたし達。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
なぜかそんな当然の会話をしているあたし達のその台詞に。
顔を見合わせているフィルとクリストファー。
しばしの沈黙。
「な……何を…証拠に……」
あ、面白い♡マゼンダの声が震えてるv
「んじゃ、確実な方法を♡金色の王♡」
うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!
「エ…エル様!いきなりそれはやめてくださいぃい!」
どてっ。
あ、天井から黒い物体までおちてきてるし。
どすっ!
とりあえず虚空から取り出したスコップで、そんな黒い物体を突き刺しておく。
「なるほど、一番確実なんですね。魔族の正体を確かめるのに。」
天井に隠れていたゼロスには気にも留めずに。
ま、天井板と一緒に落ちてくれば。
まさか虚空から落ちてきたなどとは思わないようだけどねぇ。
ゆらりと。
あたし達の見ているその前で、カンヅェルとマゼンダの姿が揺らぐ。
「ああああもう!なけさないわね!
これくらいのこと…通り名聞いただけで!人間形態やめないの!」
あたしのその言葉に。
「…おい、リナ?そ~いう問題か?」
なぜかあたしに突っ込みを入れてくるゼルガディス。
「そういう問題よ♡」
きっぱしと答えるあたしのその台詞に。
「……な・……なあ、旦那?本気でリナって……何ものなんだ?」
「……オレに聞くなよ……ゼルディガス……」
「ゼルガディスだ!」
などと会話をしているゼルガディスとガウリイ。
『な゛!?』
あ、面白いv
フィルとクリストファとアルフレッドと、ついでにここにいた兵士達が、それをみて言葉を失っているし。
情けないことにあたしの通り名前を聞いただけで。
人間形態やめてるカンヅェルとマゼンダの二人だけど。
本当に情けないっ!!
「くっ!正体がばれたからには!」
そういいつつ、回りを結界で覆ってくる。
ちなみに。
混乱しているためか。
いまだにスコップで突き刺され倒れているゼロスには、この二人は気付いてなかったり♡
「ちっ!作戦変更だ!マゼンダ!」
「了解!カンヅェル!」
そういいつつ、あたし達に魔力の力をぶつけてこようとしていたりする。
まったくもって無駄もいいところよね♡
「ふふ、セイルーンの結界は魔族にはやっかいなところだからねぇ。
場所を変えさせてもらったわよ…・・・ 」
部屋全体に結界を張り、すでに人の姿をしてないマゼンダのその台詞に思わず額に手をやり。
「…あのねぇ。この程度の結界をやっかいといってど~すんのよ……」
当然のことをいうあたしのその言葉に。
「リナさん、問題はそこじゃあないと思います。」
そんなあたしに言って来るアメリア。
ふと我にと戻り、人間形態をやめた二人の姿にと今さらながらに驚きつつも。
「うぉ!?おぬしたち、魔族だったのか!?」
「……見て分からなかったのか?フィルさん?」
本気で驚いているフィルに、そんなことを言っているガウリイ。
「……いや、ガウリイ、見ただけで分かるの……多分貴様とリナくらいなものだぞ?」
そんなガウリイの台詞に、突っ込みいれていたりするゼルガディス。
「な……何なんですか!?父さん!?これは!?」
いきなりのことで混乱しているアルフレッドを抱きしめつつ。
まあ、実は記憶はあまりもどってないから、
いきなり目の前で魔族を具間みて、驚いていたりするアルフレッドだし。
以前はそう驚く自分がカンヅェルと契約かわしていたのにね♡
ちなみに。
そこにいた兵士達は腰をぬかしては…いなく。
面白いことに普通の剣や槍を構えてクリスとフィルの前に出ていたりする。
う~ん、愛国心があふれているわね♡
「って……リナ、来るぞ!」
マゼンダが呼び出した自分の配下の魔獣。
それをあたし達に差し向けようとしていたりするけど。
そにこいるのは、ちょっとしたコブラの巨大版。
ちなみに手足はきちんと四本あるけど♡
「さって、少し暴れるわよ♡結界の中なら何しても問題ないからね♡」
にっこりと微笑むあたしの言葉に。
「……やっぱしリナと一緒だと……何かに巻き込まれるな……」
などといいつつ、呪文を唱え始めるゼルガディス。
「さあ♡いってみましょう♡カオス・ロンド♡」
「お……おい!リナ!それは!(汗)」
きゅどどどど!
パキィィィン・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・。
……ああもう!情けない!
「こら!何少しばかり無の力の舞だけで壊れる結界にしてるのよ!」
あたしが放った虚無の球の舞に対し。
たったのそれだけで、マゼンダ達がはった結界は壊れてるし。
「い…いや、リナ様。普通無理ですよ……混沌の力を防ぐのは……」
背中にスコップつきさしたまま、そんなことを言って来るゼロス。
ちなみに、なぜかその様子をみて兵士達は気絶していたりする。
……根性ないわねぇ。
本当に……
な!?
一体……このリナ=インバースという……人間は……
なぜかそんな些細なことで。
おもいっきり負の戸惑いの感情を振りまきながら、
恐怖の視線であたしをみているマゼンダたちだけど。
そしてようやく、ここにいるゼロスに気付いていたりする。
「……な゛!?どうして貴様が!?」
なぜか悲鳴を上げているカンヅェルに。
「それは、秘密です♡」
にこやかにいつもの調子で答えるゼロス。
「くっ!マゼンダ!ここはひとまず引くぞ!」
「くっ!わかったわ……」
その言葉とともに、二人の姿は掻き消え。
後には。
シィン・・・・
普通どおりの部屋がその場所に残るのみ。
「あら、逃げられたようね♡」
あたしのその言葉にはっとなり。
「……はっ!とにかく、至急、マゼンダとカンヅェルの行方を捜せ!」
あわてて、兵士に命令下していたりするクリスだし。
う~んv
面白くなってきたわねv
-続くー
HOME TOP BACK NEXT
#####################################
あとがきもどき:
薫:・・・え・・・エル様・・・。・・・・いえ、何でもないです(涙)
エル:まったく、根性ないわよねぇ。
ちょこっと無の力の光球が、空間を踊り狂って、
円を描いたくらいで結界壊れるなんて♡
薫:・・・とーぜんかと(汗)
エル:でも面白いわよね♡カンヅェルを違い別人として雇い入れているセイルーン♡
薫:(・・・・だから復活させたのですね・・・・汗)
エル:さってとvあたしはそろそろ戻るわねvまだ正体知られたら面白くないしv
薫:(・・・よく正体・・・バレないよな・・あはは・・・・滝汗)
エル:じゃねv
薫:・・・え・・・ええと。エル様はまたリナ=インバースに戻りましたから・・。
・・・しかし。・・・普通はわかるわけがないか・・・。
・・・・万物の母たるそんな存在が・・人間やって遊んでいるなんて・・。
・・・・マゼンダ・・カンヅェル・・玩具・・もとい。
遊び道具・・もとい、暇つぶしに選ばれ・・・ではなく。
知らずに(でもエル様が故意に記憶操作しているし)
入り込んでいる・・・・魔族ながら・・哀れなり・・。
・・・何はともあれ。それでは。また次回で・・・・。
2003年6月15日某日
HOME TOP BACK NEXT