エル様漫遊記・~セイルーン偏そのニ~


「……何かやけに静かだな?」
門に入るなり、あまりの人通りのなさに思わずつぶやいているゼルガディス。
「ま、仕方ないんじゃない?フィルが死んだと思われてるんだし♡」
さらりといったそんなあたしの言葉に続くように。
「……あ、あのぉ?僕は別行動……」
つぶやくように言って来るゼロス。
そんなゼロスをちらりとみるあたし。
あわてて。
「あ!嘘です!嘘!はい!」
あわてて言いつくろっているゼロスだけど。
「……ゼロス。前々から思ってるんだが……。貴様はどうしてそんなにリナを恐れてる?」
「い…いやですねぇ?ゼルガディスさん?そんなことはないですよ?あはははは……」
……ゼロス。
顔が引きつっているんだけど?
ここ、セイルーン。
あたしとガウリイが来るのは二度目、ではあるんだけど。
ゼルガディスは一度目だし。

ガランとした大通り。
辺りには先日よりも多いい兵士の数が目についている。
「う~ん、町の人達がいないばかりか、兵士が多いですねぇ……」
つぶやくようにいっているゼロスのそんな台詞に。
「……おい、リナ……あれ。」
そういって、掲げられている国旗を示しているゼルガディス。
そこには。
普段なら高々と掲げられているセイルーンの国旗が半旗となっていたりする。
「……まさか……」
それをみて、アメリアの心に不安が押し寄せていたりするけど。
「とにかく!王宮に!」
ぱたぱたと。
走って城の中に入る門にと向かっているアメリアに。
「とまれぃ!」
何を考えているのかアメリアに槍を突きつけている門番の兵士二人連れ。
「無礼者っ!この私の顔を見忘れたのですか!?」
そんな突きつけられる槍を手で払っているアメリアだけど。
その言葉にはっとして。
「こ……これは!アメリア王女!」
あわてて、敬礼している兵士達。
「……気付くの遅くないか……?」
当然のことごとくつぶやいていたりするゼルガディス。
とりあえず。
あたしとガウリイは、以前に面識もあることもあり。
そのまますんなりと、王宮の中にと入ってゆく。

「姫……姫ではありませんか!」
そういいつつ、頭に白い布を巻いて、出てくるのは。
「クリストファ叔父さま!」
先日の混乱はどこにやら。
その遺恨はまったくみせずににっこり笑って挨拶しているアメリアに。
ふと、こちらに気付き。
「おや、リナ=インバース殿にガウリイ=ガブリエフ殿。先日は大変に……」
あたし達に気付いて声をかけてくる、クリストファ=ウル=ブロッソ=セイルーン。
「……おい、リナ?誰だ?」
初めて顔をあわせるゼルガディスは、そんなクリスをみて眉をひそめていたりするけど。
「あ、そ~いえばゼルガディスさんは初めてでしたよね。
  この人はクリストファ叔父さまです。父さんの弟なんですよ。」
その言葉に。
「……ほう。」
小さく声を漏らしているゼル。
そういえば、先日のここでの騒動、噂でゼルは知ってたわねぇ♡
「なあ?あんた、もういいのか?」
のほほ~んと。
以前ちょっとしたことで記憶を失っていたクリスの息子アルフレッドに、
そんなことを聞いていたりするガウリイ。
「ええ。グレイシア達とそして、新しく入った教育係の方々のおかげで。大体は。」
そういってにっこりと微笑むアルフレッド。
その教育係が……面白いんだけどね♡
「……はあ、あのぉ。一体何があったんですか?」
そんなあたし達の会話に、話がついていけないゼロスがそんな質問していたりするけども。
「……う、うむ。話は聖堂で……」
そういいつつ。
無言のまま、あたし達をここにある聖堂にと案内してゆくクリス。

聖堂の中心に。
なぜかあるフィルの銅像。
そして、その後ろに結構綺麗な白い花々が添えられていたりする。
「……もしかして、本当にお亡くなりなんですか?」
にこやかに笑みを崩さぬままそんなこをいっているゼロス。
それをみて顔色が悪いアメリア。
「……おい、あんた、一体何があったんだ?」
多少。
その銅像に何かの違和感を感じなくもないが、などとおもいつつ、
クリスに問い詰めているゼルガディス。
「う……うむ。兄がこのようなことになり……私としても遺憾と思っている……」
そう言うクリスに続いて。
「……実はここ数日、フィリオネル叔父さまを狙った暗殺騒ぎが続発しているんです。」
以前よりかなり素直になっているアルフレッド。
ま、素直すぎて騙されている。
というのもあるんだけど♡
そんな息子であるフルフレッドのその言葉に続くように。
「うむ。それで自分が狙われることで、一般市民を巻き込むことを恐れた兄は。
  私達が止めるのも聞かずに一人街から離れ……」

馬にのり。
とある森にと差し掛かったときに、そこに攻撃呪文が炸裂してたり。

「私たちが駆けつけたときには捨てに遅く。焼け爛れた大地に残っていたのは唯一つ。
  兄を追いかけて出て行ったグレイシアの行方も知れず……」
そういいつつ、その柄にセイルーンの紋章が入っているそれを。
アメリアに差し出すクリス。
アメリアの顔が不安で染まる。
「……それで?フィリオネル王子を狙った暗殺団の手がかりは?」
その言葉を促すように聞いているゼルガディス。
その言葉に。
「それが……その行方は用として知れず。今は息を潜めその姿すら見せないのです。」
疲れたようにいうそんなクリスのその言葉に。
「ふむ。表向きはどうやら敵はあくまでフィリオネル王子がターゲット。
  というような感じなのですねぇ♡」
などといっいるゼロスだけど。
「可能性としてはセイルーンを狙った敵国の陰謀……という、可能性もあるな。」
腕をくみつつそんなことを言っているゼルガディス。
剣を握り締め。
「嘘よ!こんなの嘘!」
そういいつつ。
そのまま。
「父さんが悪に負けるはずがない!私をおいていなくなるはずがないわ!」
などといいつつ、かけてゆくアメリアだけど。
「……で?所で?リナ?説明しないのか?」
「あら♡ガウリイ、さすがね♡」
くす。
気配で気付いてるし♡ガウリイは♡
「ま、いいじゃない♡お楽しみはこれからってね♡」
にっこりと微笑むあたしのその言葉に。
「お……お前なぁ……」
……せめて生きていることくらい……アメリアに教えといてやれよ……
などとおもいつつそんなことをいっていたりするガウリイ。
ま、今教えたらちょっとばかり面白くないからね♡

ごろごろ。
空に稲妻が走る。
ああ……まるで私の心の中のようです……
などとおもいつつ、空を私室から見上げているアメリア。
コンコン。
「アメリア、入るぞ?」
そういいつつ、入ってゆくゼルガディス。
アメリアはアルバム片手に窓から外を眺めていたりする。
「元気出せ。アメリア。お前の父親を狙った奴等は。俺達が見つけ出してやる。」
そういい、言葉を選びつつ。
そこに散らばっている本を片付けながら。
「おい、アメリア、お前がしっかりしなくてどうする?
  それに……もしかしたらだ。お前も狙われる可能性があるんだぞ?」
そんなゼルガディスのその言葉に。
「……え?」
戸惑っているアメリアだし。
「まあ、噂では、多少のいきすぎはあるものの。
  何でもお前の父親は平和主義者だというじゃないか。
  だとすれば人に恨まれるような人ではない。
  そんなフィリオネル王子を狙う心辺りとすれば。それは限られてくる。」
淡々というその台詞に。
本をもったまま突っ立っているアメリア。
「可能性としては、これがあげられる。
  一つはセイルーンを狙う敵国が第一王子であるフィリオネル王子の命を狙った。
  それとも、お前の父親がもつ、第一王位継承権を欲しがるものの仕業か。」
確か。
ここ、セイルーンでは。
その王位継承権を巡って。
第三王位継承者とそして、
第二王位継承者の息子であるあのアルフレッドが以前騒ぎを起こしていたはず。
何でも噂ではアルフレッドは記憶をなくしてことなきを得たとかと、俺は聞いているがな。
などとゼルガディスは思いつつ。
ま、嘘ではないわよね♡
「もし、後者だとしたら。王子の娘たる第二王女である、アメリア。
  お前も狙われる可能性……つまり邪魔になる。」
話を聞けば。
ずっと行方不明であったグレイシア王女も、
フィリオネル王子と共にまた再び行方不明になったらしいし。
などとおもいつつ、こつこつと部屋を歩き回っているそんなゼルに。
「……もし……そうだとしたら……一体……誰が……」
以前のときは、魔族の介入があったがために、あの騒動は起こったようですけど。
などと思っているアメリア。
そんな会話をしていると。
がらがら・・・。
ピシャァン!
空に稲妻が再び走りぬけ。
そして。
窓に張り付くとある人影♡
「伏せろ!!アメリア!」
がばっとアメリアを抱きかかえ。
アメリアを窓際から離し、そのまま。
火炎球ファイアー・ボール!!!」
どぉぉん!
その窓に張り付く怪しいv人物に向かって術を放っているゼルガディス。
「何だ!?どうしたんだ!?」
その爆発の音に気付いて。
部屋の中にと駆け込んでいるガウリイに。
「賊だ!油断するな!」
そういいつつ、アメリアを庇いつつ警戒を解かないゼル。
「う~ん。でももう逃げられたようですよ♡」
のんびりと。
その場にそぐわない声でにこにこと言っているゼロス。

「刺客だ!!刺客が城内に入り込んだぞぉ!」
「追え!まだ近くにいるはずだ!」
わらわらと。
その騒ぎを聞きつけた兵士達が、手にたいまつをもって、
今の不審人物の探査に乗り出していたりするけど♡
しっかし。
あの格好だと、私は怪しいものです♡
といっているようなものじゃない♡
ね♡フィル♡
くすくすと笑うあたしに。
「……おい、リナ……お前……今いたのが誰か分かってるな……」
じと目であたしを見てくるガウリイに。
「当然♡でもまだ内緒♡」
にっこりとそれでさらりとかわしておく。
ガウリイ、気配で誰かわかってるからねぇ。
ま、ガウリイらしいけど♡
「おい、アメリア?大丈夫か?」
アメリアを気遣うそんなゼルガディスのその言葉に。
ふるふると肩を震わせて。
「……ゆ……許せない……」
わなわなと拳を握り締め。
「自らの悪しき野望を叶えるために!父さんを!!
  ぜぇぇったいにゆるさないんだからぁぁぁ!
  そんな悪は父さんに代わってこの私が!私が自ら正義の鉄槌をくだしてやるぅぅ!」
などといいつつ。
壊れた壁に足をつき、宣言していたりするアメリア。
そんなアメリアの様子をみつつ。
「な……なあ?リナ?今の気配フィルさんだって……いい加減に教えてやれよ……」
ぽつりとそんなことをつぶやくガウリイに。
「何!?それは本当なのか!?」
あっさりといったそんなガウリイに。
目を見開いているゼルガディス。
「そ~よ?でも今のアメリアには、聞こえてないでしょうけどね♡」
くすくす。
壊れた壁から外にでて、城の頂上にある見晴台の上に上り。
未だに雨が降りしきる中、びしっと空に手をつきつけて、
正義の口上をいまだにアメリアは続けていたりする。
「……リナ。どうして早くそれ……教えてやらない……」
まあ、アメリアの父親なんだから、そう簡単に刺客なんかにはやられないだろうが……
死んだと思わされたフィルが生きていることを、あたしとガウリイから今聞かされて、
おもわず頭を抱えているゼルガディスに。
「あら?その方が話が盛り上がるじゃない♡」
にこやかに。
そうきっぱりと宣言するあたし。
『・・・・・・・・・・・・。』
なぜかそんなあたしの言葉に無言になっているゼルガディス、ガウリイ、ゼロス達。
「……な、なあ、ふと思ったんだが……どうもリナの基準は。
  『面白いかそうでないか』なんじゃ……ないだろうな(汗)」
なぜか汗をながしつつ、そんなことをガウリイにつぶやいていたりするゼルガディス。
「まあな。でも出会ったころからそうだぞ?リナは?」
のほほんといっているガウリイに。
「……ま…まあ……リナ様ですし……」
というか……
そもそもここに、力のない人間としてあの御方がいることすら……気まぐれ…
…とと、とんでもないことなんですけどぉ……
などと内心おもいつつ、そんな会話をしていたりするゼロス。
「さあって、とりあえず明日にはアメリアもフィルが生きていること知るでしょうし。
  今日はあたし達は寝ましょ♡」
にこやかにそう宣言するあたしに、なぜか疲れたようにうなづくガウリイ達。
「あ、ゼロス♡いらないことはしないようにv」
「……は……はいぃぃぃい!」
びくりと。
あたしのその一言に。
体を震わせているゼロスだけど。
……うう……
やっぱり……あのままあの二人は……見逃すしかないんですかぁ?
というか、カンヅェルさんは一回滅んだんじゃあ!?
……って……やっぱり……
エル様……しかおられませんよね……復活させたの……しくしくしく……
などとなぜか思って泣き言を心でいっているゼロスだけど。
あら♡
当然♡
だってその方が面白そうだしね♡

「……おーい、アメリア。いい加減におりてこぉぃ……」
結局。
深夜まで、雨の中、一人高々と空にむかって何やら言い続けるアメリアに。
そんなアメリアを迎えにでているゼルガディスの姿が。
その日。
セイルーン王宮内で見受けられていたりする。
さって♡
明日が楽しみよね♡


ふわぁぁぁぁぁ!
盛大にあくびをしているガウリイと、げんなりした様子のゼルガディス。
結局ゼルガディスは、エキサイトして、いきまくアメリアをなだめるのに一睡もしていない。
まあ、生きていることを先に話せばアメリアも落ち着いたんだろうけど♡
あまりのアメリアの気の高ぶりように話しそびれているゼルだし。
「お~い、アメリア。こんな朝早くから何処にいこうっていうんだよ。」
朝になり、日も昇りきらないそんなうちに全員をたたき起こしているアメリア。
そして。
日が昇りきらないうちに、セイルーンを出ていたりするあたし達。
「決まっているじゃないですか!現場検証です!」
きっぱりと言い切るアメリアに。
「……げ…現場?」
「……検証?」
完全につかれきっているゼルガディスとガウリイの声が重なっていたりする。
前を歩くアメリアがそんな二人の声にと振り向き。
「父さんの襲われたところにいって!もう一度やり直すんです!」
そうきっぱりと言い切るアメリアに。
「アメリアさぁん?そんなまどろっこしいことなんかしなくても。
  怪しい人なんかがいれば、片っ端から締め上げればいいじゃないですか♡
  なぁに、腕の一本か二本、それか五体不満足にでもして差し上げれば♡
  すぐに素直に白状しますよ♡」
にこやから的確なことをいっているゼロス。
「おい…ゼロス。それはやりすぎだと思うぞ?」
そんなゼロスの台詞に突っ込みをいれているゼルガディス。
まだゼル達はゼロスが魔族だって知らないからねぇ♡
ふふ♡
「ともかく!あまりうかつな行動はできません!これは王宮内の信用に関る問題です!
  大丈夫です!たとえどんなに手ごわい敵がでてきても!
  私達正義の仲良し四人組が力をあわせれば、怖いものなしです!」
空に指をつきけつて、きっぱりと宣言しているアメリアに。
『……おいおい……』
「……やれやれ……」
頭を抱えているガウリイとゼルガディス。
そして。
う~ん、確かにこのアメリアさんとかいうこの人間……面白いですよねぇ♡
などと思っていたりするゼロス。
「ま、いくんだったら早くいきましょ♡」
その方が面白いし♡
あたしの言葉に促されるように。
そのまま、森の奥にと進んでゆくあたし達。


ぱきり。
足元の炭と化した木が転がる。
ここはフィルが襲われたとある森。
「う~んこれはまたものの見事に何もないですねぇ♡」
にこやかにそんなことをいっているゼロスに。
「確かにな。」
……というか、どうしてここまで燃え尽きているのに…あのフィルさんは無事なんだ?
などと思わず冷や汗かいているゼルガディス。
ま、ゼルガディスは昔。
あたし達に会うよりも前にお忍びで旅していたフィルに出会ったことがあるからねぇ。
彼がセイルーンの王子だと知って、しばらく寝込んだ事実があったりするけど。
「う~ん、これだと掘り返してもモグラのステーキか。
  もしくは骨も炭と化しているものしかでてこないでしょうねぇ♡」
にこやかに笑っていっているゼロスのそんな言葉に。
「何をいっているんですか!ゼロスさん!
  犯罪調査の基本は粘りと根性!そして、正義を愛する心です!」
そういいつつ。
すでに枝だけとなっている木の頂上にとのぼり。
アメリア作成、『正義の仲良し四人組』を歌い始めていたりするけども。
しばらく歌をしばし歌った後、ようやく降りてきたアメリアに。
「まあ、おそらくフィルは証拠が欲しくて一人で行動しようとしたんだろうがな。」
後ろをちらりとみてそんなことをいっているゼルガディスに。
ちゃっかりと、岩陰に隠れていたりするゼロス。
ま、指示したのはあたしだけど♡
「そうだな。まるで今のオレ達みたいだな。」
そういって、こちらもまた。
すぐにでも剣を抜けるように構えつつも気付いてない振りをしているガウリイ。
「気になるのは…父さんが単なる暗殺者に簡単にやられる。ということはありえないことです!」
そういいつつ、振り向きざまに。
炎の矢フレア・アロー!!!!」
どぉん!
呪文を放っているアメリア。
『ふふふ……』
それを合図に、何やら虚空より声が響いてくるけども。
「魔族か!?」
ゼルガディスの叫びと。
「……やっぱしか。」
のほほ~んといっているガウリイ。
「な!?また魔族ですか!?」
などといっているアメリア。
『ふふふ……このまま大人しくセイルーンを今度こそ手にいれようと思ったが……
  ……とんだ邪魔が入ったものだ。』
そういいつつ。
そこに黒い羽というか、
頭蓋骨のようなものを生やし、胸に牙のようなものをつけているものがでてくるけど。
そういいつつ、あたし達の前に出てくるけど。
「……あのねぇ。まったく……せめてもう少し人間形態に近づけなさい!
  そ・れ・にっ!!いかにも自分は人ではありません。魔族です。
  といわんばかりの格好をしないの!」
あたしのそんなもっとな指摘に。
「……リナさん。突っ込む所が違います。」
即座に突っ込みをいれてくるアメリア。
「……ま、まあ、リナの意見はともかくとして。なぜに貴様、セイルーンを欲しがる!?」
問いかけるゼルガディスのその言葉に。
「そのはあの世でゆっくりと考えるんだな。これは返すぞ。」
そういって。
今のアメリアの呪文をはじき返してきたりする。
が。
パシュ。
あっさりとそれを握りつぶすあたし。
「……な゛!?」
「あ~もう!何この程度でおどろいてるのよ!まがりなりにも魔族でしょうがっ!あんたはっ!」
なさけない!
あたしが術を無に還したことをなぜか驚いているしっ!!
「……普通驚くと思うぞ?」
ぽつりそそんなことをつぶやいていたりするガウリイ。
「……なぜに人間にそんなまねが……?」
そりゃ、面白いからってカンヅェルを復活させるときに、
あたしに関しての記憶を抜いておいたのは確かだけど。
それにしても…まったく…
「たとえ相手が魔族でも!私の正義は揺るがない!
  父さんの残したこの剣をもって今こそヤツラに正義の裁きを受けさせます!」
そういいつつ、剣を片手に飛び上がっているアメリア。
ま、その剣に魔皇霊斬アストラル・ヴァインをかけて。
ついでに。
「とかいって、烈閃槍エルメキア・ランス!」
剣と魔法の二度攻めしているアメリアだけど。
「き…貴様!?卑怯だぞ!?」
などといいつつ、丁寧にその体から青い血を流しているそれ。
「何をいっているんですか!悪の前には全ては正義なのです!」
きっぱりとそういいきるそんなアメリアに。
「……正義か?今のが?」
突っ込みを入れていたりするガウリイ。
そんな会話をしていると。
「後ろはとったぁ!」
アメリアの後ろに空間移動をしてきていたりするそれ。
「しまった!?」」
アメリアがそれに気付いて、あわてて呪文を唱えようとしていたりするけども。
その直後というかその刹那。
「そこまでだ!!異境の地よりいでし者よ、その傍若無人なるその振る舞い。
  これ以上見逃すわけにはいかん!正義の光あるところ闇のはびこる道理はなぁぁぁぁぃ!」
そういいつつ。
近くの岩山の上から。
一つの声が響いてきていたりするし。
「あら♡フィル♡」
「……本気で生きてるのか……あのフィルさんは……」
「……さすがにアメリアの父親だな……」
そこにいる人影が、誰だかわかっているあたしのその台詞に。
そして、あきれたような声を出しているガウリイ。
そしてまた。
よくまあこんなに完全に燃え尽きた場所から生還しているものだよな……
などと思っているゼルガディス。
「……おやおや♡」
のんびりとあたし達に襲いかかっている魔族に気配を悟られないように。
「……なるほど。確かにエル様が楽しくなりそう…といってた意味……
  わかったような気がします……しかし……」
このまま何もせずにいなかったら獣王様にお仕置きくらいますぅぅぅぅ!!
ゼロスの悲鳴がなぜか、こだましているし。
さって♡
楽しくなってきたわよね♡


                                       -続くー


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あとがきもどき:
薫:・・・・そろそろ部屋の本をまた整理しないとな・・・。
  と思っている今日この頃・・・。というか捨てるに捨てれない・・。
  ・・・もう置き場もないし・・・・ルールールー・・・・(実話)
  邪魔なのが・・ブリタニカ百科辞典・・・・なのよね・・・。何の役にたつというのか・・。
  幼稚園より前に父親が買ったという・・・この百科事典は・・(汗)
  あれから世界はかなり変動してるんだぞぉ?おーい(笑)
  何はともあれvこのセイルーン偏2回目は。アニメが舞台ですv
  なのでスレイヤーズフォーエバーNEXTと内容がかぶります(まてぃ!)
  それでもよければ、お付き合いくださいなvではではvv


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