エル様漫遊記・聖王都動乱バトルオブセイルーン


「けど、思っていた以上に混乱しているようですわね。この町。」
シルフィールが食後のお茶をすすりつつ、小さな声でつぶやく。
「しっかし……何だって、この町こんなにざわざわしてるんだ?」
ガウリイが何やらぽつりとつぶやくと。
ぽろり。
思わず手にしているナイフを落としているルナ。
シルフィールの目は点と化している。
「あ……あの、ガウリイさん??…もしかして、この町が今ごたついているのか。
  その辺りの事情を全然知らないなんてことは……」
面白いことに、汗を流しつついうルナの声はかすれている。
「全然知らない。」
どきっぱりと言い切るガウリイだけど。
ぐわがしゃぁぁぁん!
そのまま、椅子ごと転げ落ちているルナ。
あら♡ガウリイ、あんた、やるわね♡
シルフィールなどは、完全に凍り付いている。
「くすくす。ナーガ♡あんたから説明してよね。」
くすくすと笑いつつ、ナーガに話を振る。
「お~ほっほっほっ。任せておいて!」 
昼間からビールジョッキの特大をすでに十杯飲み干しつつ、ナーガが高笑いをしながら言い放つ。
まだまだだけどね。
「ふっ。ま、いいわ。簡単に説明すると私の家、今お家騒動のまっ最中なのよ。」
そこで、自分の家とあっさりいうのがさすがにナーガv
「??私の家って…ああ、そうか!」
ぽん。
あることに気づいてポンと手を叩くガウリイ。
「確かあんた、セイルーンの……」
「ストップですわ!ガウリイ様!」
はたと気づいたシルフィールがガウリイの台詞をさえぎる。
「ガウリイ様、そんなことを大声でいうものじゃありません!!」
「何でだよぉ~……」
不服そうなガウリイ。
それでなくてもこのメンバー、ナーガの格好からして目立ちまくっているからねぇ。
面白いからいいけど♡
シルフィールの言葉にガウリイが不満な声を漏らしている。
「話を進めていいかしら?半年ほど前に、エルドランお爺様が病気で倒れてね。
  ベットから起き上がることができない状態になってるの。
  もちろん私もすぐに急いで戻ろうとしたんだけど……」
ナーガがそこまでいって、言葉を濁す。
「つまり、半年間も戻ろうとして、道に迷ったまま帰れなくなってて、
  おまけに、路銀までなくなってたのよね♪
  ま、ナーガが路銀もってないのは、いつものことだけど♪」
くすくす笑いながらいうと。
「ふっ。さすがね。その通りよ、リナ!!さすがは私の生涯最大のライバルね!!
  そこまで見越しているなんて!お~ほっほっほっ!!」
そんなナーガの台詞に、威張ることなのでしょうか???
シルフィールがそんなことを思っていたりするけど。
そしてまた、セイルーン…大丈夫なんでしょうか?
といった不安も感じ取れるけど。
ま、一応ナーガは公務と私事は、きちんとこれでも区別するからね。
ナーガの素を知っているのは、本当に身近な臣しかいないからねぇ。
くすくすくす♡
本当に面白い♡
「半年もって……」
シルフィールがあきれたようにつぶやく。
シルフィール、それで驚いてちゃだめだってば♪
ナーガの方向音痴は、すごいものがあるからね♪
何しろ城下町に出かけていって、道に迷ったあげくに、ディルスの方までいくナーガだから♪
「ともかく、そのころから、いろいろ騒ぎが起こっているらしいの。
  私の方にも、その情報は流れてきているわ。
  で、王室から、ちょっとした依頼もあったから、私も一緒についてきているの。」
ルナがナーガの言葉に続いてお茶をのみつつ、話してるけど。
「そうそう♪今のセイルーンの状況は、第一王位継承者であるフィルが殺されかけたのに始まって♡
  町の中とか王宮の中とかで何人ものお偉いさんが、暗殺されたり♡
  そのうち、フィルが行方をくらましちゃって♡
  町のどこかに身を隠しているんだろうって、ことで、
  兵士達や怪しい連中がこぞって町の中をうろついているわけ♡分かった?ガウリイ?」
くすくすと笑いつつ説明するあたしに。
「リナ。あんたもあいかわらず、情報をしっかりと捕らえてるわね。」
ナーガがあたしの方をみながらいう。
「あら♪このあたしに分からないことなんてあるはずないじゃない♪」
くすくすと笑うあたし。
もし分からないとすれば、それは、『わざとあたしが知ろうとしない。』というときに限るわね♡
「……なんとなく分かったような気がする。」
ガウリイが小さくつぶやく。
本当、かなりゴルンノヴァのやつ…ガウリイの知能喰べてるわよねぇ。
そんなにあたしを怖がって、消耗しなくてもいいじゃないのよ?♡
なぜか、ゴルンノヴァのやつ、
あたしと一緒にいると畏れて怯えあがって、かなり精神消耗していってるのよね。
情けないったら。
それでも部下Dの腹心なわけ?
今あいつ達は、ちょっと混乱してるけどねぇ。
そのうち、お仕置きするのはすでに決定事項だけど♡
今はまだ面白いから、ほっといているんだけどね♪
「り…リナさん、でも、何ですの?その第一王位継承者って。
  それにリナさん、呼び捨てにしてますし??」
シルフィールの言葉に。
「何ってるつまり、王位を受け継ぐ権利が・・。」
ルナが言い返すと、眉をひそめるシルフィール。
「そうじゃないんです。どうして、リナさんが、そういう言い方をするのかって思いましたので。
  それに呼び捨てですし。結局のところ、フィリオネル王子様なのでしょう?
  つまりは、セイルーンの王子様。」
「ま、確かに、お父さまは王子だけどね。」
ナーガが肯定している。
「ま、あのフィル殿下を王子って呼びたくないのは分かりますけどね。私も殿下で通してますもの。」
ルナが納得したようなことを言っていたりする。
「―?でも、暗殺者に王位を追われ、町に身を隠す王子様♡さぞかし素敵な方なのでしょうね♡」
すでに今の時点で、フィルが子持ち。
ということは、完全に頭の概念に入ってないシルフィール。
俗にいう、白い馬にのっている美青年を想像し。
ぽっと、顔を赤らめていたりする。
夢見心地な眼差しでいうシルフィールの言葉に。
だがしゃぁぁぁぁぁ!
あ、楽しい♡
思わず、ルナとナーガが椅子ごとひっくり返っているし。
くくくく♡
笑いをどうにか抑えつつ。
「シルフィール、王子っていっても、このナーガの父親ってことを忘れないように♪
  そんな夢みたいなことは忘れたほうが身の為よ♡」
くすくすくす。
笑いながらいうあたしの台詞に。
「ふっ。確かにお父さまは、見た目にはちょっと王子のイメージではないでしょうけどね。」
娘が認めてどうするの♡
ナーガが髪をふぁさっと掻き揚げながら言い放つ。
まるで何ごともなかったかのように、椅子に座りなおしつつ。
ルナはちょっと、今のでダメージ受けたみたいだけど。
ま、些細なことだし。
気にしない、気にしない♡
「あんたも姫ってイメージじゃないと思うんだが……」
ガウリイがまともにナーガに突っ込んでいる。
「ふっ、このセンスが分からないようじゃまだまだね!!お~ほっほっほっ!!」
すでに、ナーガの高笑いに耐え切られなくなったらしく、
まだらに客がいる状態の食堂に、ナーガの高笑いが響き渡る。
面白いことに、食堂のオーナーがだくだくと涙を流しつつ耳栓していたりもするけどね♡
「……え?」
ナーガ達のやりとりをみて、一瞬戸惑っているシルフィール。
それでも、美丈夫なハンサムな男性の王子のイメージを持ち続けているシルフィール。
乙女の思い込みって…面白いわね♡
「と…所で。シルフィールさん、手紙を届ける親戚の家には連絡しているの?」
話題を変えようとするのが見え見えのルナ。
「ええ。前にカノン・シティのメッセージセンターで連絡を取り合いましたから。」
そこまでいって、食後のお茶を一口。
「―間違いないと思いますけど……。
  その親戚というのは、神官と魔法医を掛け持ちでやっている人なんです。」
シルフィールの説明に。
話題が意識的に変えられたことに気づいてないシルフィール。
「掛け持ちでって…そういえば、知り合いにそんな人がいるわねぇ。」
ナーガがシルフィールの言葉につぶやいている。
「なあなあ、どうでもいい話はおいとして。とっととじゃあいこうぜ。」
ガウリイが何も食べるものがなくなったためというのと。
周りの目がこちらに注目し始めたのに気づき、それとなく言ってくる。
「私も賛成です。いきましょう。リナさん、グレイシア様、シルフィールさん。」
ルナがかたんと立ち上がる。
別にナーガを様付けしなくてもルナはいいでしょうにね。
気分から、つけてるようだけど。
…ま、スィーフィード本人ってばらしてないから、形式の形でつけてるようだけど。
一応、ルナは普通の人間ってことになってるからねぇ。
どうでもいいけど。
「じゃ、そろそろいきましょうか♪」
あたしもいって立ち上がる。

そして、あたし達は、セイルーンの首都。
セイルーンシティにと足を進めることに。



「あ、アレです。あの茶色い屋根の家。」
シルフィールが指差したのは、町の中心部。
王宮のわりと近くにある一件家。
まっすぐ伸びるとおりの向こうに見える王宮の入り口に当たる門。
それと、王宮を囲んでいる高い塀。
しっかし、空からの攻撃には、この守りはまったくの無駄よね。
その王宮に入る道すがらの右側に、シルフィールが指し示した家は存在している。
それほど大きなつくりでない建物だけど、
一応、人が住んでいる建物の中にしては、わりとしっかりとしたつくりの建物。
ま、それでも、簡単な地震などには弱いけどね……
情けない……
もっと、建設技術とか発展しないものかしらね♡
一応、防火対策に燃えない外装をほどこしてはあるようだけど。
シルフィールがその家に近づいていきながら。
「あ…あの、よろしかったら、寄ってくださいません?」
シルフィールがあたし達の方に向かっていってくる。
「そうねぇ。じゃあ、家の人に挨拶でもしときましょうか。」
あたしがいうと。
その言葉にうなずくルナ。
ナーガは、
あら?
という顔をしているけど。

とりあえず、狼の形をかたどったドアノブをノックすることしばし。
しばらく待つと。
「???留守かしら?」
返事がないので、首をかしげているシルフィール。
ま、今は、ここの家の人達は警戒してるわよね♪
シルフィールは再び、ドアノックに手をかける。
そのときようやく家の中から気配がし、がたがたと扉の奥でうごめく音。
それをしばらく続かせることしばし。
やがて、少しあけた扉から顔をのぞかせるようにしたのは、一人の中年男性。
顔にはやっぱりといって過言でないけど、疲労と警戒の色が見えていたりする。
彼は、シルフィールの顔をみると破笑しつつ。
「おお!!シルフィールか!!!!」
いってんして、扉を大きく開け放つ。
あらあら♡
「お久しぶりです。グレイ叔父さん。」
にっこり。
笑顔でグレイに話しかけているシルフィール。
出てきたのは、一応この家の主であるグレイ。
「久しぶりだなぁ。いやいや、前に来たときはまだまだ子供だったが。
  すっかり綺麗になって、とにかくよく来た。立ち話も……」
いいかけて、ようやくあたし達に気づくグレイ。
「…・・・ この人達は?」
警戒しまくった声と瞳でシルフィールに問いかけつつ、
不信感があからさまに誰でもわかるほどに狼狽してるグレイ。
その様子に何も疑問を感じてないシルフィール。
にこにこしたまま、あたし達の方を振り向き。
「ああ、こちらは、リナさん、そして、ガウリイ様。」
シルフィールがあたし達の名前を言いかけたそのとき。
「あら、やっぱり。どこかで見たことあるというか、やっぱりこの家。
  あなた、グレイじゃないのよ。ご子息のトラン君はどうなさったのかしら。ま、ともかく久しぶりね。」
ナーガ。
その格好で、恒例の挨拶するのは……
面白いからいいけど♡
「??叔父さんを知ってるんですか?」
ナーガのその言葉に疑問がっているシルフィール。
グレイは、その言葉というかナーガの声をきき。
そして、ナーガの方を振り向いて―――
―――ぴしっ。
あ、凍り付いてるし♡
「あら、固まっちゃったわね。」
ころころと笑っているルナ。
グレイはしばし硬直状態。
「ぐ……グレイシア姫様!?」
思わずグレイは叫びかけ。
そして、はたと自分の口を押さえ。
「と…ともかく!!こんな所では何ですから!!上がってください!!話はそこで!」
いうなり、せかすようにあたし達を家の中に押し込んで、厳重に何重にもかぎを賭けているグレイ。

バタン。
扉の閉まる音がする。
しかも、辺りを警戒しつつ、かなりの用心であるけど。
…無駄じゃないかと♡


「ささっ。どうぞ、こちらに。」
いいつつも、あたし達を客間に案内するグレイ。
「ようこそ。」
かたん。
お茶を運んできた女性に対して。
「あら、マリア。久しぶりね。」
ナーガが女性に対して声をかける。
「ま…まさか、グレイシア様!?まぁ!!お懐かしゅう存じます!!」
いいつつ、グレイの妻であるマリアはナーガに向かって頭を下げていたりする。
あたし達のことは、全然きにしていないようだけど。
ま、いいけどね。
「あ!!こうしては、いられないわ!」
ぱたぱたぱた。
ナーガと挨拶交わし、
そして、はた、とようやく気づいたように部屋の中から奥にと入ってゆくマリア。
「ああ…こほん。」
グレイがわざとらしく咳払いをした後に。
「と…ところで、シルフィール。グレイシア姫はともかくとして。このほかの方々は?」
あたし、ルナ、ガウリイを目でみつつ言ってくるグレイ。
「ああ、さっき説明の途中てしたわね。叔父様。
  こちらが、リナ=インバースさん。で、こちらがガウリイ=ガブリエフ様。
  ガウリイ様は光の勇者の子孫ですわ。で、こちらが、ルナ=インバース様。
  こちらのリナさんのお姉様で、
  ゼフィーリアからいらしている、ゼフィーリアの赤の竜神騎士スィーフィードナイト様です♡」
にっこり。
シルフィールの説明と同時に。
―ぶっ!
ぱっちぁぁぁぁぁんんんん!!!

思わずなぜか飲んでいたお茶を噴出し、ソファーから転げ落ちているグレイ。
「す…スィーフィードナイトって……」
ソファーにすがりつつ、グレイがむせ返りつつ、聞き返しかけると。
同時に。
「おお!!お主、いつぞやの魔法娘ではないか!」
横手からやおらかかるダミ声。
ま、ここにいるのは知ってたし。
「……え?」
シルフィールが不思議そうな顔をしつつそちらを振り向く。
そこには、げむくじゃらの…はっきりいって、容姿を見ただけでは、どこかの盗賊の頭。
といっても誰もが信じて過言でない。
隣の部屋に続く扉。
そこに、あたしも知っている、というかあたしでなくても、このフィルのインパクトは強いからね。
そこに一人の男性が佇んでいる。
大柄で、ドワーフをそのまま引き伸ばした体格。
ひげを生やしていて、四十からみ。
あたしは彼のことをよぉぉく知っているけどね♪
「お父さま、お久しぶりです!お元気そうで何よりですわ!!」
ナーガが高笑いしつつ、フィルに礼を取っている。
礼をしてからフィルに近づいてゆくナーガだが。
「おお、グレイシア!!会いたかったぞ!!」
いって、ひしいっと抱き合う似てない親娘。
そう、あたしもよぉぉぉぉく知っている人間である♡


                              -続くー


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(前書きおまけv)
ふふ♪
エル:・・・で?何あんたは、干渉も終わってないのに、次の書き殴りの投稿のを考えてるの?
薫:・・・・ぎくっ!いやぁ・・・・。
  やっぱり、後書きバージョンエル様ばっかりだから・・・・。
  威厳のあるエル様の話も書きたいじゃないですか♡
エル:その覚悟はよろしい♡で?でも、あんたが考えてるの・・・。
   あたしが最後の方にしかちらっとしかでないんだけど??
  薫:・・・・モノノーグではでてます!!
エル:・・・・でも、活躍してないのよね?♡
  薫:・・・あうあうあう・・・・・・。
  姫:しかも、私も活躍してない・・・・。
エル:というか、ユニットは単なる見届け人と化してるしね・・・・。
 姫:しかも、あれ、二つバージョンがあるやつじゃない?
    ガウリナでアンハッピーなのと、ハッピーエンドのと・・・。
 薫:・・・・投稿する気なのは、ハッピーのほうですが・・・。
    ま、その前に、干渉を仕上げないと・・・(汗)
 姫:そうよねぇ。そっちが先よね♡
エル:そうそう♪
  薫:あうあうあう・・・・・。そーいえば、先日見た夢・・小説にしましょうか?(こらまて!)
エル:・・・・あたしが出てたのはでてたけど・・・・。
 姫:私も・・・・。
 薫:いやぁ、目が覚めたとき、驚きましたよ!(まてこら!)
    まさか、自分がリナ達と行動を共にしてたし・・・(こらこら!)
エル:ま、夢を思い出して笑っているこいつは無視して。
     ようやく、あたしの漫遊記♪今回は、スレイヤーズ、本編四巻。
     バトルオブセイルーンです♪
 姫:私がでてないけど・・・。ではでは、またあとで会いましょう♪
エル&姫:ほら、とっとと打ち込みなさい♪
  薫:・・・・はい・・(汗)
    ・・・・本当はシルフィールが気絶するとこで区切ろうかな・・と思ったけど・・・・。
    ・・・・眠いので後回し・・・(かなりまて!)それでは・・・・・・・・。

エル:こらぁぁぁ!!ちゃんと、あとがきをしなさいよぉぉぉぉぉ!!!!

いそいそ・・・・おやすみなさい・・・・・・・・。
一昨日の夢の続きがみたいなぁ♡
それでは・・・・・・・。

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