エル様漫遊記・サイラーグ偏



ぱたん。
あたしがドアより入ると。
「リナ。元の姿に戻したのか?もったいない……せめてスタイルくらいは、そのままにしといても……」
あたしの姿をみて、ガウリイがぶつぶつと何やら言っている。
「あのねぇ。抑えてるだけだっていったでしょ?ところで、ルナ。まだ治してないの?」
あたしがいうとルナは。
「ええ。リナさんが戻ってからにしようと思いまして。……では、始めます。」
ベットの上に横たわっている、シルフィールの父親。
サイラーグの神官長をやってるエルクに手をかざす。
ルナの手がほのかに光る。
……と。
「う……ううん……う……うぅ……。私は?今まで一体何を?
  ……レゾ殿?それにシルフィール?それにこちらの方々は?
  ……って!?ガウリイ殿!?ご無事でしたか!?」
みじろぎつつも、ガウリイの姿をみて、何やら言っているエルクの姿が。
記憶が混乱しているようだけど。
まあ、今までエルクは夢をみてた状態だったからねぇ。
「お父さま!!」
がば!!
「よかった……よかった!」
泣きながら、父親にすがり付いている抱きつくシルフィール。
「?シルフィール?どうした?一体どうしたというんだ?
  何だか、長い夢を視ていたような感じだが……」
エルクが不思議がっていると。
「あ、すいません。つい……。お父さま。こちらが、本物の赤法師レゾ様。
  で、こちらが、リナ=インバースさんと、ゼルガディスさんとランツさん。それに、エリスさん。
  ガウリイ様は……知っていますよね?
  で、こちらの女性が、赤の竜神騎士スィーフィードナイトの、ルナ=インバース様、後本人です。
  何と、リナさんと姉妹だそうですよ。」
涙をぬぐいつつ、シルフィールが父親に向かって説明し始める。
まあ、ルナは、スィーフィード、本人なんだけどねvv
「始めまして。」
にっこり。
ルナがにっこりと微笑む。
「神官長さん、どうもすみませんでした。私のコピーが大変迷惑を、おかけしてしまいまして……
  ほら!!!エリシエル!お前もきちんと謝りなさい!!」
レゾが、エリスの頭をつかんで頭を下げさせているが。
「……?……はい?…で……では、あのレゾ殿は、ご本人ではなかったのですか!?
  そ…それに、リナさん……といいましたかな?……スィーフィードナイト様の妹御ぉぉ!?
  そんなお人に私は手配を書けるお手伝いを!?」
エルクの言葉になぜか。
というか、エル様に手配をかけるなんて……無謀すぎるにも……
などと、声にはしていない声がルナとSから聞こえてくるが。
面白いほどに取り乱しているエルク。
「ともかく、神官長のエルクも、もとに戻りましたので。
  あとは、この町の操られている人々を正気に戻してきますね。では。」
ぺこり。
あたしの方に、誰にもわからないように頭を下げて、とりあえずシルフィールの家の外に出てゆくルナ。
別に、ここでやってもいいでしょうに。
やがて。
ぽぅぅぅぅぅぅぅ……
朝の日の出のような、暁よりも眩しき光が外に満ち、
窓といわず、空気から、辺りといわず、部屋全体にも、立ちこめる。
サイラーグの町を暁よりも眩しき光が、すっぽりと覆う。
光が消えたあとには操られていた人々が、完全に元にもどっているのは、お約束♡

「す…すごい!?こんなことが簡単にできるんだ!?」
何やらそれをみておおげさに驚いているランツ。
「あら簡単よ。誰でも出来るって。」
ひらひらと手をふっていうあたしの言葉に。
『誰でもって……』
ゼルガディスとシルフィールの言葉が一致してたりするが。
簡単なことなのにねぇ。
「・・・・・・・・・・」
なぜか汗をながしつつ、しゃらんと手にもった仗をならして。
「……では、私はコピーと話し合ってきます。」
レゾはそう言って、家の外へと出かけてゆく。
さってと。
「さて。所でエルク。あたし達の手配をといてくれない?」
あたしがいうと。
「……私からもお願いします。お父様。」
シルフィールも懇願している。
まあ、自分の手を使う必要もないしvv
できるけどvv
「……無論です。少々、いろいろと手続きがありますので、多少、時間はかかりますが……」
エルクがいうのと同時に。
「それ、私も手伝います。」
ルナが部屋にと戻ってくる。
「……リナさんに手配がかけられていては私も困りますので……」
まあ、こんな程度では、かるいお仕置きしかしないから、そんなに怯えなくてもいいのにね♡
なぜか、ルナが冷や汗ながしつつエルクの手伝いをする、と申し出てるし。
「じゃあ、俺達は何をする?」
ゼルガディスが、あたしに聞いてくる。
「とりあえず、その辺りの魔族も、今の光でいなくなったわけだし。
  魔族のくせに、なさけないったら……まあ、のんびりと町見物でもしてましょうよ♪
  それと、サイラーグの北にいってみない?」
「でぇぇぇ!?サイラーグの北!?」
ガウリイが驚いている。
「あそこは、廃墟しかありませんが?」
シルフィールが話しに入ってくる。
「……廃墟?たしか、数年前に突如として廃墟になったとか……」
ランツがふと、思い出したようにいう。
まあね。
まあ、瘴気にやられてあの町は、住めなくなってたし……
フラグーンがその瘴気を吸収して、今は無害だけどね。
数年前。
レゾの秘密の研究室を暴こうとしたやからが。
レゾが、保管用にしていた、とある力の予備を開放してしまい、起こった出来事。
たまたまガウリイが、この町に依頼主を送り届けたその矢先。
なりゆきで、ガウリイがその事件はかたづけたのであるが。
……何を考えてるのかしらね?
この世界の魔族って??
……くぅぅ!!
おか~さん、かなしいわっ!!
一応、魔族がらみ……というのだろうけど。
あんな些細なことでも。
それは、ガウリイが、ゴルンノヴァで滅ぼし元凶を壊し。
町は完全に全壊して廃墟となったものの、一応事件は解決。
「何だ?ガウリイ?知ってるのか?」
ガウリイが北の町を知っているのに、少し驚いているゼルガディス。
まあ、ゼルガディスもガウリイの傭兵としての通り名前…知っているでしょうに。
まあ……『金の閃光』というのが、ガウリイだとは……夢にも思わないでしょうけどね。
本気になったガウリイの剣の動きには、誰もついていけないからついた通り名。
まあ、関係ないけど。
「い……いやぁ……。以前にちょっと……」
言葉を濁しているガウリイ。
「兄貴?しかし……やっばりリナさんと一緒だと、とんでもない大物に会いますよねぇ……
  別の意味で命がいくつあってもたりない……」
ぶつぶついってるランツ。
「あら。ランツ?あんたもくる?北の町?」
あたしの言葉に。
「いや、あそこにはいきたくないので。俺はこの辺りで失礼する……もとい、しますです。」
ですます口調のランツ。
なんで、そんなにあたしに対して怯える必要があるのかしら♡

結局、あたし達はしばらく町の見学をしてから北の町に出発することに。
ランツは、そのまま、出て行ったけど。
…ま。
別にいっか♪


数時間後。
どぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんんんんん!!!!!
あたしにとっては、そんなでもないけど普通の人にとっては大音響とともに町全体が揺れる。
ばちゃっ!
「な……何だ!?地震か!?」
お茶を飲んでいたゼルガディスがいい。
「「かなりでかいぞ!?」」
何やら叫ぶゼルガディスとガウリイ。
今の衝撃で、ゼルガディスのコップの中からは、お茶の半分がこぼれていたりする。
ガウリイの持っているジュースは、一滴もこぼれてないのだが。
「お……おい!!リナ、何をのんびりしてるんだ!どこかに避難しないと!」
ガウリイの言葉に。
「大丈夫よ。すぐに収まるから、」
あたしの言葉が終わると同時にゆれが収まる。
「何だったんだ!?今のは?」
ゼルガディスが、いぶかしりつつもまた座りなおし困惑した表情でいい。
あたしはのんびりと、テラスで紅茶を飲みながら。
「レゾのは、コピーとレゾがぶつかったのよ。ま、決着もついたみたいね♡」
結界の中で対峙していた、彼らの決着がついたようだし。
そんなあたしの説明に。
「ん?そういえば、結界の中で戦え……とか言ってたな、リナ、お前。」
ゼルガディスが、ふと思い出し。
「言ったわよ?」
「何でだ?」
なぜか、疑問に思うらしく聞いてくる。
「まあ、二人が本気になったら、
  この町どころか、この国くらい、かるく消滅したり又吹き飛ぶからよ。
  実際、結界の中とはいえ戦ってても……今のあれよ。」
親切にも、説明するあたし。
なんて、心が広いのかしら♡
首をかしげるゼルガディスは、とりあえず、面白いから、このまま見ておくとして。
「そろそろ、神殿に戻りましょ♪」
あたしは、サイラーグの町にある、喫茶店のオープンテラスの椅子から立ち上がる。


神殿につくと。
しばらくして、二人の男性が現れる。
まったく。
このあたしに手配をかけるとはねぇ♡
「は~い♪レゾ♡どうやら、決着vvついたみたいね♡」
にっこりというあたしの言葉に。
ずざっ!。
なぜか、一気に顔面蒼白になってるし。
「も……申し訳ありません。リナ様……。力を抑えていたせいか、多少手間取りまして……」
いいわけじみていうレゾに対して、精神面からは。
『うう。すいません、手間取りまして。コピーの中の下っ端。とりあえず、(力づくの)説得を・・・』
などといっているSもどき。
こらまてS!!。
仮にも、魔王が配下に対して、説得してどうする!?
精神面からあたしに経過を説明しているS……
「ほら!お前も謝る!まがりなりにも、あの御方に手配をかけるとは!」
レゾはそういって、両目の色が違う自分のコピーの頭を押さえつけている。
エリスは、レゾに言われて、これ以上サイラーグに、迷惑かけないようにと。
とりあえず、北にある研究室から、ここに役立つ品物をお詫びにあげなさい。
といわれて、取りにいっていたりするが。
だが。
エリスの力では、あの封印結界……とけないんじゃぁ?
どうやら、そのままそこで足止めくらってるし♪
あとでからかいにいくけどね♪
「……リナ、お前。よっぽど、レゾに尊敬されてるな……」
ゼルガディスが、そんなレゾの様子をみつつ。
こんな様子のレゾは、あたしの前以外ではみたことないらしく、ぽつりとつぶやく。
「いや……とゆ~か、怖れてるぞ?……ぜったいに……」
オレには、恐れをなしているように見えるが……
というニュアンスを含めてガウリイがゼルガディスに応えている。
と。
そんな、わきあいあいとした会話をしている最中。
ふいっ。
いきなり、突如として、虚空から一人の人物が出現する。
「あら、レゾ、レイ。話し合いは済んだの?
  だったら、二人とも!!手配をとく手続き!!手伝ってよね♡」
『うどわぁぁぁぁ!?』
いきなり出現したルナに驚いているガウリイとゼルガディス。
「……いきなり現れるな……。この姉ちゃん……」
なぜかこの程度で汗を流しているゼルガディス。
突如として出現したのは。
S達が戻ってきたのを察知して、手配解除を手伝わすためにやってきたルナ。
やがて、レゾたちをひこずりながら。
「では、リナさん。またあとで♡」
ふいっ。
ひこずるように、レゾと鳥とコピーをつれて、またまた虚空に解け消えてゆく。


「手配解除には、数日、かかるそうです。」
夕食時。
ルナがあたしに言ってくる。
「みたいね。じゃあ、その間、ゼルガディス。あんたも、レゾの北の研究室に用事があったんでしょ?
  暇だし、全員で、そこで時間つぶししない?」
あたしのとっても素敵なアイデアに。
「……まあ、一人よりは……。それに……」
ちらり。
ガウリイの方をみているゼルガディス。
あそこの入り口の結界は、通常では破れないから。
ガウリイの剣なら、結界は解けれるだろうしな。
などと思い、ゼルガディスの中で利害が一致する。
「では、シルフィール。お前は、皆さんの案内をたのむな。」
「はい。お父様。」
「リナさん、私も、用事がすみましたらすぐに合流しますから。」
ルナがいうが。
「あら?別にい~わよvv」
あたしの言葉に。
……確か……あそこには……
なぜか、ルナもSもちょっぴし汗ながしているのだが。
彼らにとっては、別にどうってことないことでしょうに。
あの研究室の奥の一番奥の部屋って、とある封印が施されている場所と直結してるのよね♡
エリスは、それを利用しようとしてたんだけども♡
面白そうだしね♡
『いえ、時間がありましたら、すぐに合流します!』
ちっ……
ま、いっか。
「好きにしなさい。」
もぐもぐもぐ。
何やらあせった声で、声を一致させていうルナ達をひとまずかるくあしらっておく。
「……なあ?ガウリイ?どうも、ルナさん……リナに対して……
  ……妹という扱いじゃ……ないようなきがするのは……俺の気のせいか?」
ゼルガディスが、ガウリイに話を振っている。
「ん?とゆ~か、ルナさんはリナに対して、怯えてるぞ?」
はっきり、きっぱり言い切っているガウリイ。
いいつつも、彼はお皿からピーマン選別作業にいそしんでいるのだが。


次の日。
ルナ達は、手配解除のための、手続きにでかけ。
「それでは、いきますか。」
あたしの言葉に。
「では、私が、ご案内します。地元ですから。」
にっこりとシルフィールがいい。
あたしと、シルフィール、ガウリイ、ゼルガディスは。
今は廃墟となった町。
サイラーグの北側。
そこにあるレゾの研究室へと向かってゆく。



そのころ。
「ハウリングソード!!」
ぶわっ!!
「ちっ。やっぱり駄目か……」
入り口で。
とりあえず、まだ契約解除してない、という理由で。
ザングルスを捕まえて、結界がとけないかどうかを交渉していたエリス。
「これはどうやら、生半可なものじゃないぜ?いったい、ここに何があるんだ?」
ザングルスの問いに。
「……世界を揺るがすほどのもの。レゾ様の切り札……ともなるはずもの。」
しずかに結界をみつつ。
エリス……エリシエルは、作戦を考えていたりする。
レゾ様に頼まれたんだから、ぜったいに品物は持って帰らないと♡
と、心で思いつつ。
ザングルスは。
ガウリイと剣の手合わせが、もしかしてここでできるかも。
という期待を込めながら。
協力しているのは、両者の利害が一致しているから。
ザングルスとしては、ガウリイと剣の手合わせをしたいらしいけど。
エリスは、レゾのお使いをこなすため。
ゼルガディスが、ここを知っているのは分かっているから、近いうちにここにやってくるだろう。
ザングルスはそう判断していたりする。
あたらずとも遠からずよ♡
「ゼルガディスもここにくるとかいってたから待っていよう。光の剣だったら、結界はとけるから。」


結局。
隠れて、あたし達がくるのをまっていることにしているこの二人。
別に、隠れなくても、あたしには全てお見通しなのにね♡


                                      -続くー


HOME    TOP     BACK    NEXT


#####################################

あとがき:
薫:さて・・・・。次回は、完全に、TVとリンク♪
  ディーバに、ザングルスもでてきます♪ではではではぁ♪

HOME    TOP     BACK    NEXT