このルナ番外編は。あくまで本編のルナサイドですので・・。
ご了解ください?(まてまて!)
ちなみに。今回は。セイルーン偏の1話ですv
んではではではvv
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エル様漫遊記番外編ルナ ~セイルーン~第2話~
「あ、あれです。あの茶色い屋根の家。」
私達がセイルーン・シティにとやってきて。
さすがに、今この国ではちょっとした騒ぎが起こっていることもあり、警備なども厳しい状況。
それでなくても、エル様は。
いくら人の振りをなされているときには。
その内側から発している神々しさと気配を隠していらっしゃる、というのにも関らずに。
かなりの美少女。
それに、少し意味は違うけど。
人の姿をしているエル様に何となく似た感じがする、表面上はする私に。
あとは、立っているだけでも、結構絵になる、金髪碧眼、長身の男性、ガウリイ=ガブリエフ。
それで、本人は目立っているつもりはないようだけど。
その全身を真っ白な服装で覆っていれば、まず間違いなく人目を引くゼルガディス=グレイワーズ。
ゆったりとした巫女の服装に私達のメンバーにはつりあわないような、見た目深層のお嬢様。
シルフィール=ネルス=ラーダ。
そして、この私・・ルナ=インバース。
そして、特質すべきは・・・。
そう思いつつ、ちらりと横をみる。
なぜか、母親の形見だからといって、かなりの露出度の高い服を着て。
それなりの格好をすれば、それそうおうに見えるのであるが。
この格好だと違和感ないのがはっきりいって、さすがはグレイシア姫・・というところか。
グレイシア=ウル=ナーガ=セイルーン。
かの御方・・つまり、エル様のお気に入りの一人でもある、この女性。
本人曰く、【白蛇(サーペント)のナーガ】と名乗って一人旅をしているのだけど・・。
何はともあれ。
私達は今。
エル様・・とと。
私の妹になぜかなっていらっしゃる・・【あの御方】と。
そして、その人間の仲間たちと共に今セイルーンにとやってきている今の状況。
シルフィールさんが指し示した一角は王宮の割と近くにあるとある一軒の家。
確か、ここは・・・。
そういえば、シルフィールさん、
彼の身内でもあったわね。
すっかりエル様のことがあって忘れかけてたけど・・。
シルフィールさんの道案内に従ってその家の前にまで来る私達。
・・・あら?
気配が・・・。
「あ・・あの、よろしかったら、寄ってくださいません?」
シルフィールさんが私達の方に向かっていってくる。
「そうねぇ。じゃあ、家の人に挨拶でもしときましょうか。」
うっ。
エル様・・・何か笑みを浮かべてらっしゃるような気がするのは・・。
・・・私の気のせい・・ではないわよね・・(汗)
笑みを浮かべつつ私達の方をみて。
言ってくるエル様のその言葉に。
まあ、人前ではエル様のことをそう呼ぶわけにもいかないから。
リナさんと呼んでいる私なんだけど・・・。
というか、一前でそう呼ぼうものなら・・。
・・・・・考えないようにしましょう(汗)
そんなことを思いつつ。
やがて、その示した家の玄関の前に立つ私達。
狼の形をかたどったドアノックをノックする。
コンコンコン
ドアを叩く音のみが響く。
「留守かしら?」
ドアを叩いても反応がないので首をかしげているシルフィールさん。
ドアの前でしばし警戒している様子が視てとれる。
その気になれば。
家の中を透視するなどどうとでもないこと。
かなり警戒の色を濃くし扉の向こうで聞き耳立てていたりするし。
やがて。
扉の向こう・・つまり私達の方から聞こえてくる声の中に。
聞き覚えが何となくある声・・・つまり、シルフィールの声を捉えて、ゆっくりとその扉を小さく開けるその家の主。
始めは警戒をしていたようだけど、シルフィールさんの姿を目に捉え。
「おお!シルフィールか!」
そういいつつ、破笑して扉を大きく開け放つ。
「お久しぶりです。グレイ叔父さん。」
にっこりと。
出てきた中年の男性に微笑みかけているシルフィールさんのその言葉に。
「久しぶりだなぁ。いやいや、前に来たときはまだまだ子供だったが。
すっかり綺麗になって、とにかくよく来た。立ち話も・・。」
私達の存在にそこで気付き、こちらをみてくるその人間。
「・・・・この人達は?」
警戒を隠さない声と瞳でシルフィールさんに問いかけつつ、不信感をあからさまにして。
誰でもわかるほどに狼狽してるこの男性。
ここまであからさまに動揺している態度をとっているのに。
まったく気付いてないシルフィールさんもシルフィールさんだけど・・・・。
「ああ、こちらは、リナさん、そして、ガウリイ様。」
そういいつつ、動揺を隠し切れないその男性に向かって、私達の自己紹介を始めているシルフィールさん。
そんな言葉をさえぎって。
「あら、やっぱり。どこかで見たことある・・というか、やっぱりこの家・・・。
あなた、グレイじゃないのよ。ご子息のトラン君はどうなさったのかしら。ま、ともかく久しぶりね。」
そうグレイシアさんが言うと同時に。
くすくすとエル様が笑っている感じが私には分かる。
「??叔父さんを知ってるんですか?」
きょとんとしたシルフィールさんのその言葉に。
ようやくグレイシアさんに気付いたグレイさんと呼ばれたその男性は。
しばし。
音を立ててその場にと固まっていたりする。
「あら、固まっちゃったわね。」
うーん。
この反応は面白いわね。
思わず笑ってしまう私。
息抜きも大切よね。うん。
グレイさんはしばし硬直状態。
「ぐ・・・・・グレイシア姫様!?」
思わずグレイさんは叫びかけ、そして、はたと自分の口を押さえ。
「と・・・ともかく!!こんな所では何ですから!!上がってください!!話はそこで!」
いうなり、せかすように、私達を家の中に押し込んで。
厳重に何重にもかぎを賭けているグレイさん。
まあ、確かに。
彼の気配が家の中からしてるので、彼の警戒もわかるけど・・・。
そんなことを思っていると。
パタン。
私達をあわてるようにと玄関の中にと押し込んで。
すぐさま扉を閉めるグレイさん。
私達の後ろで。
バタン。
扉の音のみが大きく響いてゆく
扉が閉まり。
周りをまたまた警戒しつつ。
私達には目もくれずに、グレイシアさんを奥にと案内してゆくグレイさん。
それについてゆく私達。
・・エル様が静かなのが気になるんだけど・・・・
「ささっ。どうぞ、こちらに。」
案内されるままに客間に通される私達。
そんな私達が席につくと。
「ようこそ。」
かたん。
お茶を運んでくる一人の女性。
「あら、マリア、久しぶりね。」
その女性に向かってグレイシアさんが、さりげなく声をかけているけども。
「ま・・・・まさか、グレイシア様!?まぁ!!お懐かしゅう存じます!!」
この家の主であるグレイさんの妻らしい。
この女性、マリアさん。
まったく私達には気にもとめていないけど。
「あ!!こうしては、いられないわ!」
ぱたぱたぱた。
軽くグレイシアさんと会話をしてから後に、あわてて奥にと入ってゆく。
そーいえば。
奥に彼・・いるみたいだしね。
「ああ・・・こほん。」
マリアさんが奥に引っ込んだのをみてとり。
完全にわざとらしく咳きを一つし。
「と・・ところで、シルフィール、グレイシア姫はともかくとして。このほかの方々は?」
いいつつ、私達の方をざっとみてくるグレイさん。
お・・お願いですから・・。
この御方の機嫌を損ねる言い方だけは・・どうか・・(汗)
そんな私の気持ちを知ってか知らずか。
「ああ、さっき、説明の途中てしたわね。叔父様。
こちらが、リナ=インバースさん。で、こちらがガウリイ=ガブリエフ様。
ガウリイ様は光の勇者の子孫ですわ。で、こちらが、ルナ=インバース様。
こちらのリナさんのお姉様で、ゼフィーリアからいらしている、
ゼフィーリアの『赤の竜神の騎士(スィーフィードナイト)様です♡」
にっこり。
微笑みつつ、私達を指差しつつ、グレイさんに説明している、シルフィールさん。
―ぶっ!
ぱっちぁぁぁぁぁんんんん!!!
思わずなぜか飲んでいたお茶を噴出し。
そのままソファーから転げ落ちているけど。
このグレイさんは・・・・
「す・・・・スィーフィードナイトって・・・・・。」
ソファーにすがりつつたちあがりかけ、グレイさんがむせ返りつつ、シルフィールさんに、聞き返しかけたその刹那。
同時に。
「おお!!お主、いつぞやの魔法娘ではないか!」
横手からやおらかかるのぶとい声。
・・・やっぱり呼びにいってたのね・・・・マリアさんは・・・。
「・・・・え?」
その言葉に聞きなれないというか。
聞いたことのない声らしく。
不思議そうな顔をして、声がした隣の部屋に続く扉の方を向いているシルフィールさん。
そこに一人の男性が佇んでいる。
大柄で、ドワーフをそのまま引き伸ばした体格。
ひげを生やしていて、四十からみ。
・・・・・・・・私としてもあまり好きこのんで。
会いたいとは思わないのよね・・。
いやその・・・・ギャップが・・ねぇ。
いくら容姿や見た目で判断しない。
というのが根底とはいえ。
・・・・彼を王子と呼ぶのは私も抵抗があるので、【殿下】と呼んでいる次第だし・・・。
何回か立場上、【赤の竜神の騎士(スィーフィードナイト)】として。
公式行事でご一緒したことのあるこの国の第一王位継承者。
それが彼。
「お父さま、お久しぶりです!お元気そうで何よりですわ!!」
おーほっほっほっほっ!
頭に響くような高笑いをしつつ。
グレイシアさんがそういいつつ、立ち上がり、マントのすそを掴んで礼をとり。
そして、かろやかにまるで絵のように、優雅にお辞儀をし。
・・・この格好でなければ・・ねぇ?(汗)
そして、顔を上げてそちらにと近づいてゆくグレイシアさん。
「おお、グレイシア!!会いたかったぞ!!」
近づく彼女に向かって手を広げ。
次の瞬間には。
そういって、彼女を抱きしめている殿下。
娘であるグレイシアさんを抱きしめつつ。
「どれどれ?うんうん、ますます母さんに似てきたな。ずっと、母さんの形見の服を着ているのか?」
そういって話しかけているのは。
この国の第一王位継承者。
フィリオネル=エル=ディ=セイルーン殿下。
その当人。
・・・・・世間一般でいう、続にいうところの【王子様】。
・・・・現実は甘くないと切実に分からせてくれる人物でもある。
「え?グレイシア様のお父様・・・ってことは・・・。」
そんな二人をみて。
かなり心なしか顔色の悪くなっているシルフィールさん。
・・・・そーいえば。
心構えがなってないと・・。
かなりのインパクトは強いわよね・・これは・・・。
「お久しぶりです。フィリオネル殿下。ご無沙汰しております。」
とりあえず。
久しぶりということもあり。
そしてまた。
以前に呼ばれてたこともあるので、ここはきちんと挨拶しておくのが筋というもの。
形式にのっとって、正式に挨拶する私の言葉に。
「ん?おお!!赤の竜神の騎士(スィーフィードナイト)のルナ殿ではないか!!
いや、こんな所で出会うとは、奇遇、奇遇。がっはっはっ!!
ときに、何で、娘(グレイシア)と、そこの魔法娘とともにいるんだ?」
ナーガさんの髪をくしゃりとしつつ、
頬にキスをして親子のコミュニケーションをとっているフィル殿下。
・・・・纏うオーラが似通ってないと・・・・まずこの二人・・親子には見た目には見えないわね・・。
そんなことを思いつつ。
だけどもそれは表には出さすに。
にっこりと微笑み。
いや・・あの・・・・魔法娘って・・。
お母様をそういう呼び方はやめてぇぇぇ!
心の叫びを何とか隠し通し。
「リナさんは、私の妹ですので♡」
そういうこの世界での形式にのって、伝えますので、ご容赦を!
ああ!
どうにかこれでエル様の機嫌が悪くなりませんように!
とりあえず。
まさか、エル様の正体をいうわけにもいかないし。
それゆえに、一応表向きには、この世界では、恐れ多くもエル様が私の妹として形式上はなっているので。
それにのっとってフィル殿下にと説明する私。
「何と!そなた、スィーフィードナイト殿の妹御であったのか!!」
驚愕しているフィル殿下。
・・本当は上司です・・・・
なんて、言えるはずないじゃないのよぉぉぉ!!!!
あうあうあうあぅ・・・・。
「あ・・・あの?殿下?お知り合いですか?」
はっ!
声をかけてきたグレイさんのその声で。
何とか気を取り直す。
おどおどと、どうやら飲まれていたのか、呆気にとられていたグレイさんが言葉を発していたりする。
とまどっているその感情が近くにいる私にも手に取るように分かる。
「うむ、以前少々な。
それに、ルナ殿には、何度か王宮にもお越しいただいている御身であらせられるからな。
このものたちならば、信頼にたる、信用してもいい人物だ。」
まあ、確かに。
エル様のことを知られないように。
私は率先して、自分の存在をアピールしてたからねぇ・・。
私が目立っていれば。
間違いなく、妹として存在されている、エル様・・・お母様には目が向かないはずだから・・・。
会話というか、状況が理解できてないらしい。
・・・・ま、理解ができたらすごいけど・・。
グレイさんに完結に説明しているこの殿下。
「―そうでしたか。」
そこで安堵のため息をつき、ようやく椅子に腰掛けていたりする。
今だに、汗をかいたままであるけど。
ま・・まあ、私がスィーフィード・ナイトであることは、別に知られても構わないことだけど。
絶対に!
エル様・・・いえ、リナさんの正体だけは!知られないようにしないとぉ!
後が・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・考えないようにしましょぅ(汗)
「あ・・・あの?グレイ叔父さん?そのかたは・・一体?」
あ、忘れてた、私も。
彼女のことすっかり。
戸惑いの表情でグレイさんに質問しているシルフィールさん。
「ああ、この方はな・・・・・。大きな声ではいえんがな。」
グレイさんは身を正して、はっきりとした口調で、シルフィールさんにと向き直り。
「実は、この御方こそ、フィリオネル=エル=ディ=セイルーン。
この聖王国セイルーンの第一王位継承者フィリオネル王子であららせれる。」
・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・え・・・・・?」
その言葉に思考が停止したのが見てとれる。
「・・・・気持ちは分かるぞ・・。」
などとつぶやいているゼルガディスさんのその言葉も耳に届いていないようだし。
・・ま・・ねぇ。
イメージと・・ここまで違うからねぇ。
このフィル殿下は・・・。
一瞬の間を置いたのちに、ぎこちなく、ギギギィ。
と、顔をこちらに向ける。
すでに、その顔色には、血の気は一切なくなっていたりするけど。
「・・・・おうぢ・・・・さ・・・ま?」
シルフィールの言葉に、うなづくエル様と私。
・・・・気の毒に・・。
同情はするけども。
今の私には思いやる余裕は・・はっきりいってない。
何しろ、エル様の機嫌を損ねないようにするのが精一杯。
・・・ゴメンね(汗)シルフィールさん・・・・・。
くすくす。
そんな様子をみて。
横でくすくすと笑っている、栗色の髪に紅の瞳をしている少女の姿をしていらっしゃるエル様……
彼女が実は今は私の妹としてなぜか降臨されて。
人間ライフをなされている、私達の上司でもあり。
そして、創造主でもあるこの御方。
あまりに恐れ多いので、その本名など言えるはずもなく。
頭文字をとって【エル様】とお呼びしている存在の御方。
全ての混沌の源であり、金色の王。純粋なる意思にて純粋なる力。
全ての混沌を創りだし、そして抱擁せし存在。
・・その事実はあまりというか。
私達・・・神族の中でも、まず本当のことをきちんと理解しているのは。
間違いなく、私とレイくらいなものだし・・・。
「くすくす。・・・だから、夢見たいなことは、忘れたほうがいいって・・いったでしょ♡」
エル様のその言葉に。
「・・・・・・・・はうっ!!!」
そのままその場に卒倒してゆくシルフィールさん。
バッタァァァァァァンンンン・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・これ、治しておくべき・・・なのよ・・ね?(汗)
「あ、私が治します。」
一言そういっても。
別に何の返答もなかったから。
この判断で間違いはなかったようだけど。
・・・少しでも判断間違うと。
・・・・・しゃれにならない事態になるからね・・・
「・・う・・・うう・・・ん・・・・・。」
私の力にて気を取り戻させても、まだその視点が定まっていない。
・・まあ、まがりなりにも、このシルフィールさん。
普通の人間だから。
これが普通の反応なのかしら?
とりあえず。
ひとしきりの抱擁の後。
グレイシアさんの対面に座ってくるフィル殿下。
「時に、グレイシア?なかなか戻ってこなかったが?また、道にでも迷っていたのか?」
そういいつつ話しかけていたりする。
未だにシルフィールさんの視点は定まらないまま。
「ふっ。その通りですわ。お父さま、たまたまリナ達が、
ここ(セイルーン)に来るっていうから一緒に帰ってきたのですわ。それで、お爺様の具合は?」
そう胸を張って答えて、高らかにいっているけど。
・・・・エル様に手配かけられている賞金目当てに。
・・・・確かグレイシアさん・・やってきたのよね・・。
まあ、それでエル様の気分が悪くなられなくて。
よかったんだけど・・・。
「おお、そうだったのか。あいかわらずに、方向音痴だな、グレイシアは。」
こつん。
そういいつつ、笑ってグレイシアさんの額を軽く小突いている殿下。
・・・・(汗)
こ・・これは・・視界的に・・結構くるものが・・ある・・わね(汗)
どうやら私と同じ思いらしく。
私も石化してるけど。
シルフィールさんやグレイさんまで一瞬石化しているようだし。
ゼルガディスさんにいたっては・・あ。
どこか何か現実逃避している感じを受けるんだけど・・・。
「あ・・・・あのところで、フィリオネル殿下?どうしてこんな所にいらっしやるのですか?」
と・・・とりあえず。
精神の安定のために話題を変えるのが先決よね・・・。
その言葉で、ふと、気づいたように。
「おお、そうだったの。では、こちらから説明しよう。」
そういって、出されたお茶とせんべいをたべつつ。
豪快にぱりばりとかじりつつ。
フィルさんは、今の現状を私達にと説明を開始してくる。
まあ、この国の魔族が入り込んでいるのは分かっていたことだし。
それで。
エル様が何をする気なのか・・・。
私なんかには分かるはずもないけど。
・・とりあえず。
絶対にご機嫌を損ねるような結果だけは免れないと!
この世界はその時点で・・・・。
そこまで思いかけた私に向かって。
―ドスッ!
「・・・・うっ!」
「?どうかしたのか?ルナさん?」
いきなり胸を押さえた私に言ってくるゼルガディスさん。
・・・し・・しまった・・・。
ああ!申しあけありませんですのです!
エル様!!!
・・・・下手なこと・・思わないようにしようって・・・誓ってたのに・・・。
魂そのものに。
何ららかの攻撃が成され、しばし、その場に胸を押さえてうづくまるしかない私。
・・・・・・本当に、気をつけましょう・・・(汗)
しばらく胸を押さえていると。
何らかのやり取りをしているエル様と、フィル殿下の会話が聞こえてくる。
「あら、やっぱり、これくらいはなくちゃ♡」
「おお!?国家予算の百年分!?それは、ちょっと!!これくらいでどうじゃ?」
ぱちぱちぱち。
なぜかそろばんをはじく音。
「・・・・リナさん、そのそろばん・・どこから取り出したんですか?」
ふとその言葉に顔を上げれば。
・・・・今創り出した気配のある【そろばん】と呼ばれている計算器具を取り出して。
値段の交渉をしているエル様の姿が・・。
「シルフィールさん、世の中には、知らないことがいいこともあります。」
ぽん。
そんなシルフィールさんの肩にと手を置き。
余計な詮索はされないようにそういって一応釘を指しておく。
やがて。
聞こえてくる会話。
「うーん、ま、簡便しておくとして。とりあえず、話だけでも聞いてみますか♡」
「簡便って・・・・リナ、この金額は・・ちょっと・・・・・(汗)」
「何よ?無難でしょ?」
「・・・・・十億が・・か?(汗)」
「当然vv」
・・・まあ、エル様にとっては・・ねぇ・・・。
・・・・・・・・・。
だけど何も言わないでおく私。
私達全員の顔を見渡してから。
「うむ。儂が、一人で王宮を抜け出したことは、先にもいったが。
儂に味方してくれているもの達は、ひょっとしたら、儂はもう死んでいるのでは、
殺されているのでは、と思い始めているようで、どうも落ち着かないようなのじゃ。」
・・・・おそらく。
間違いなくエル様・・干渉されているとおもうけど・・。
このフィル殿下の強さには・・・。
怖くて確認なんて出来ないけど・・・・。
「それで、そのものたちに、何とか、儂の無事を知らせて、安心させてやりたいのだ。
この、グレイも、持ち回りで、五日に一度は、王宮の神殿で、仕事につくが。
そこで、つなぎを取らせるのは、危険すぎるのでな。」
そこで言葉を区切るフィル殿下。「なら、私が、戻って伝えればいいじゃないですの。」
そんな父親であるフィル殿下のその言葉に、そんなことをいっているグレイシアさん。
「いや、いかん、そんなことをすれば、今度は、お前が刺客達に襲われかねん!」
まあ、確かに。
グレシイアさんを操るというか騙すのは。
・・・・かなり簡単でしょうしね・・。
この格好をしているときには。
完全に【私】の立場で行動するから。
公の立場でなく。
一応、公私の区別はしっかりと徹底しているのよね。
このグレイシアさんは。
「おーほっほっほっ!!この、ナーガ様、刺客者ごときにやられるとでも!」
「グレイシアも儂に似て、か弱いからなぁ。」
『どこが。』
思わず突っ込みをいれてしまう。
・・・絶対にか弱くないと思う。
それはどうやらシルフィールさんも同じだったらしく。
顔色を真っ青にして同時に私と共に突っ込みをいれているけど。
「ともかく、グレイシアに危険なまねはさせられん。
伝言をしてもらいたいのは、この辺り。
どちらか片方だけに、接触して、もう片方に伝言をしてくれるように伝えてくれればいい。
ただ、二人とも、王宮の外にてることは、滅多にない。」
・・・私が出会ったとき・・。
家族で正義を広めるのだ!
とかいって出かけてたのは・・何処の家族なのかしら?
滅多にないどころかちょくちょく外にでているこの家族・・・・。
まあ、どうでもいいことなんでしょうけど、今のこの時点においては。
「もし、引き受けてくれるのであれば、王宮に忍び込むことになろう。かなり、危険になることは確かだな。」
そういいつつ顔をしからめ。
「しかし、フィルさん、この暗殺騒ぎの首謀者が、誰かまったくわからないんですか?」
『おおおおおお!?ガウリイ(様)がまともなことをいってる(ますわ)!!!?』
ええええええ!!?
あのガウリイさんがまともなことをいってる!?
というか、ちゃんと普通のように行動してる!?
殺伐とした傭兵次代の雰囲気を隠したままで!?
私の驚きのその声に。
同じく重なるシルフィールさんの声。
「いやぁ、いつも、くらげの振りしてるガウリイがまともなことをいうなんて♡」
そんなガウリイさんをみて。
おもしろおかしそうに言っているエル様。
「うーん、どうやら、ゴルのやつは、なぜか精神魔力を消耗するのがなれたようで、
最近は、あまり食事ガウリイさんからは取ってないようですわね……」
そういえば。
最近はゴルンノヴァのやつ・・・。
ガウリイさんから食事と称して知識なんかを食べてないみたいよね・・・。
ふとつぶやいた私のその言葉に。
一応に首を横に軽く振っているエル様以外の全員。
・・・そーいや、誰もまだガウリイさんが持っている【光の剣】。
正確には、闇を撒く者(ダークスター)デュグラディグドゥ。
その腹心の一人、ゴルンノヴァ。
別名【烈光の剣】。
そのことを誰も知らないんだったっけ・・・・。
「あ・・・ああ。検討はついておるが・・だな。確かたる証拠も証人もないので。どうにもできん。」
まあこの辺りはさすが上に立っているものの考えだけど。
「それで、つなぎをとってもらいたい相手だが。
・・はっきりいって、危険な仕事だ。無理強いはせん。いやなら素直にそう言ってくれ。」
ちらりとその言葉をうけて。
エル様を確認する。
どうやら今回の一件に関るおつもりのようであるらしい・・・。
なら、私のするべきことは・・・唯一つのみ。
「別に、あたしには、危険、の二文字は辞書にないんですけどvv」
くすくすとそんなフィル殿下に言っているエル様。
・・・いたらすごいと私は思いますが・・(汗)
「とゆーか、リナさんに勝てる存在って・・・いませんし・・・・。」
思わず本音が口から漏れる。
「ルゥナ♡どういう意味♡」
「ああ!!すいません!!!」
しまった!ついつい、他の人間達にも聞こえるように言葉に出しちゃった!
エル様に平謝りに謝り倒す私。
・・・それ以外に何も手が打てないし・・。
でもどうやら気分がよかったらしく。
それ以上の追求はない。
・・・・ほっ。
「というわけで、楽しそうだから、やってもいいですよvv依頼料さえもらえればvv」
本気でどうやら楽しむおつもりのようだし。
「・・すまん。」
そういいつつ、私達の方にと頭を下げてくるフィル殿下。
「殿下は、相手が誰であろうと、いうべきときには、きちんと。
礼儀をわきまえ、『すまない』と謝られるのですから。その辺りが殿下のとてもすばらしい所なのですわ。」
まあ、相手が誰であろうとも。
謝れるところでは謝る。
それゆえに、このフィル殿下は外見の容姿とは裏腹に国民の人気が高かったりするのもまた事実。
「―なら、話を進めさせてもらおう。つなぎをとってもらいたい相手というのは、
一人は、クリフェルといって、儂の身の回りの世話をしてくれていたものだ。そして、もう一人は、アメリア。」
「アメリア?そういえば、あの子、元気ですの?」
そんなフィル殿下の言葉に。
ふと顔を上げているグレイシアさん。
「・・・・?女の人ですか?」
話しについていって質問しているガウリイさん。
「確か、二番目の娘さんですよね。」
さすがにあまり話しが長くなっても何なので。
簡単に説明を入れておく私のその言葉に。
『娘!?』
そういって、フィルさんとグレイシアさんを見比べているけど。
・・あ。
今、このガウリイさんとシルフィールさんから・・かなりの・・・負の感情が・・。
何かイメージ付きで・・感じ取れたんだけど・・・
「・・・お母様似で、グレイシア様同様に、お綺麗な方ですよ。」
二人の気持ちを察したグレイさんがフォーローを入れてくる。
・・・ナイス。
「で?お父さま、?誰ですの?その黒幕とおもわしき人物というのは?」
そんなグレイシアさんの質問に。
「―うむ。おそらく・・・ ・・クリストファー=ウル=ブロッゾ=セイルーン・・・・・。」
苦々しく、そして、重い口調でその人物の名前を挙げてゆくフィル殿下。
・・・・うーん。
少し違うような感じなのよね・・。
・・・・とりあえず、契約している相手を探すのか・・先かしら・・・ね?
-続くー
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あとがきもどき:
薫:・・・エル様視点とルナ視点では。
ここまで違います(まてまてまて!)
これは、本編(漫遊記)の1と2を照らし合わせれば。
意味がよくわかる・・かと(かなり不安)
何はともあれ。
次回で・・・カンヅェルのところまでいける・・かなぁ?(汗)
んではでは・・。
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