エル様漫遊記


「まあ、いつものことですし。」
「だな。」
いいつつも、まるで何事もなかったかのごとくにと席についているアメリアとゼル。
まあ実際に何もなかったんだけど。
ただちょっと、フィリアやオーガが壊した町並みを再生しただけだし。
その横では。
「いやぁ、フィリアさん、すばらしいあばれっぶりでしたねぇ。僕ほれぼれしちゃいました。
  巫女というものは、平気で建物を壊すんですねぇ。」
「きぃぃぃぃ!どういう意味ですの!?
  そもそも、あなたこそ何もしなかったじゃないですか!?」
などと、言い争っているフィリアとゼロス。
そんなフィリアを。
「…とゆ~か、フィリア。落ち着けってば。」
軽くため息つきつつ、なだめているヴァル。
まあ、ここにくるまで、というか、あたしのところに来るまでに。
フィリア、似たようなことを数回以上、やってたりするから。
ヴァル、免疫がついてきているのよねぇ。ふふv
まあ、そのときの相手はゼロスではなくて、
人間だったりほかの竜だったりするんだけど、それはそれ。

あたしたちがそんな話をしているそんな最中。
店の中にと入ったあたしたちのその後で。
「…つ、つよい…なんなんだ?あいつらは?」
呆然とそんなことをいっているキースに。
「ふむ。あの呪文、私たちですら知らない術、彼女たち使ってましたね。
  それに、あの金色の髪の女性、呪文も唱えずに光の光線吐き出してましたし。
  実に興味深いです。」
などとしみじみいっている魔道士風の男性-クラウス。
「ふ。ふふふふ!これぞ、天が私たちのために使わせてくれた仲間に違いありません!」
などと、一人完全に自分の世界に浸りつつ。
思わず、笑いを漏らしながらも。
「ということで、さあ!キースさん!光の勇者の仲間をすぐに勧誘にいきましょう!」
いいつつ、一人張り切り、あたしたちが入っていった店にと向かってゆくマリィ。
「って、まてぃ!」
「やっぱり、キースさんは光の勇者なんですわね。
  こうして天から仲間が使わされるなんて、ああ、なんて素敵な……」
「って、だから、人の話をきけいぃぃぃい!マリイィィィ!」
キースが思いっきり怒鳴っていたりするけど。
時すでに遅し。
そのまま、マリィはクラウスの手を引いて、あたしたちのいる店の中にはいっているし。
「…誰かあの女を止めてくれ……」
はぁ。
盛大にその場にため息をついているキース。
あらあら、面白いのにねぇ。
ふふv

「ん?」
それに気づいたのははじめはゼル。
にこやかに、あたしたちが席にと着いているテーブルの前にと立ち。
にこにことしているマリィの姿。
「皆さん、お強いんですね。」
にっこりとそんなあたしたちにと語りかけてくる。
あたしたちが店にと戻り。
とりあえず、今少しばかり動いたので、小腹がすいた、ということもあり。
まあ、あたしは別にそんなのはないんだけど。
それはやっぱり、こういうときには食事の続きをする。というのが一般的だし。
それに、あたしの今のこの体は極力人間のそれと同じ構造にしているから、
実際に少しはお腹すいていたりするし。
まあ、時と場合によってはその構造、かえるけど。
そんなあたしたちが誰もいなくなった店の中。
追加注文を出して食事の続きをしている最中。
話しかけてきているのは、先ほどのこのあたりの神官服を着ている一人の女性。
先ほど、アメリアとゼロスにと話しかけてきた、その当人でもあるマリィ。
「私、マリィといいます。で、そっちがクラウス。」
にこやかに微笑みつつも、あたしたちに向かって勝手にと自己紹介を始めていたり。
そんなマリィの紹介にぺこりと頭をさげているクラウスと紹介された、
このあたりでの一般的な魔道士の格好。
といっても、そのマントのしたに軽いよろいを身に着けているのは。
まあ、彼らが今やっているお仕事にも関係あるんだけど。
「って、だから、まてって、マリィ!」
そんな面白いまでに勝手に自己紹介をしているマリィをあわてて止めているキース。
「で、こっちがキース=クラウドさんです。」
にこやかに、そう、今店にと入ってきたばかりのキースを視線で指し示し。
にっこりとあたしたちに向かって微笑みかけてくる。
「…それで?」
何か、僕…はてしなぁぁぁく、エル様がこの町に向かわれた理由……
今、理解しました…なるほど…
などと、なぜかそんなことを思いつつも。
いつものにこ目のまま、そんなマリィにとといかけているゼロス。
きょろり。
一応、あたりを見回し、誰もいないのを確認し。
というか、さっきの騒ぎで、
この店の中にいた客全員がここからいなくなっていたりするんだけど。
ほかに誰も客がいないのを確認し。
といっても、この店の主人やウェイターなどといった従業員はまだいるけど。
そんな彼らのことは、きれいさっぱり考えずに。
きっぱりと、大きな声で明瞭に。
「実は、その腕を見込んで。
  ぜひ皆様がたに『光の勇者』である、キースさんに協力してほしいのです。
  あなた方のあの技、見たこともない術、そしてその実力。
  そのすべては悪を懲らしめるために神が勇者に使わされた仲間に違いありません!」
一人、そういいつつ、こぶしを握り締めているマリィ。
そんなマリィに。
「マリィさん、といいましたね。悪を懲らしめる、その話、詳しくきかせてください!」
「まあ、さすかがは神が遣わせし勇者の仲間たるべく人たちですわ!」
ガタンと席を立ち上がり、マリィの言葉に感激というか、興奮し。
がしっとマリィの手をつかんでいっているアメリア。
「おい!マリィ!誰が勇者だ!誰が!オレはんなものじゃないっていっているだろうが!」
そんな叫びをあげているキースは
当然のことながらいつものごとくにマリィに無視されているけど。
抗議の声をあげているキースの声はいともあっさりと無視され。
「光の勇者?」
いいつつ、ちらりとガウリイの方をみているゼル。
「う~ん。そのあなた方のいうところの『光の勇者』とは別かもしれませんけど。
  まあ、基本的には同じ血筋ですけどねぇ。
  その、『光の勇者』の末裔さんなら今ここにいらっしゃいますよ♡」
にっこりと笑ってそんなマリィたちにといっているゼロス。
まあ、嘘ではない、というか事実だけど。
にこやかにと笑いつつ、すっとその指先でガウリイを指差しているゼロス。
ちなみに、ガウリイは今回出された食事の中に、ピーマンが入っているがゆえに。
一人せっせとナイフとフォークを使いつつ。
ピーマンを別の小皿に盛り分けていたりする。
そんなゼロスの言葉に。
『…は?』
面白いまでに間の抜けた声をだしているマリィ、キース、クラウス、この三人。
そしてまた。
「そういえば、フィリアがいってたな。
  ゴルンノヴァの継承者がリナ=インバース…さん、と、共にいる、…っと。」
まあ、フィリアはルナから聞いたんだけど。
そんなことをつぶやいているヴァル。
「あら?ヴァル?今あんた、このあたしを呼び捨てにしようとしてなかった?」
にこやかに微笑みかけるあたしの言葉に。
「い、いや、まさかそんな礼儀のないことはしませんよ。許可をもらっていれば別として。」
何か、本能的にきちんと敬称をつけないと危険な気がするからな。
などと思っているこのヴァル。
「別にいいけどねぇ。呼び捨てでも。
  そうなったら、ヴァルもまた、ゼロスやゼルガディスと同様に、
  あたしの便利なアイテムと化すだけだし。」
「…って、オレはアイテム扱いか?リナ…」
そんなあたしの言葉にじと目で抗議の声をあげてきているゼルガディス。
「あら、きまってるじゃないv」
「………」
まあ、魔族の中。
しかも腹心以外では一番の実力をもっているという、とてもそうは見えないが、
あのゼロスですら道具扱い。
もといただの使いっぱしり扱いみたいなことをしているリナには。
何をいっても無駄か。というか、いったら何かとてつもなく命の危険を感じるしな…
そんなことを思いつつも無言になっているゼルガディス。
「あらあら?ゼルちゃぁぁん?どういう意味かしらねぇ?それは?
  命の危険を感じる、と思うなんて?ん?」
「って、だからどうしてリナ、お前は人の心をそう読み取れるんだ!?」
なぜかこの程度のことで叫びをあげているゼル。
まったく、度胸がないわねぇ。
「だから、誰でもこんなの常識だってばv」
『いや、それは絶対に違う(とおもうぞ)(思いますわ)』
そんなあたしの台詞に同時に突っ込みをいれてきているゼル、ヴァル、フィリアの三人。
ちなみにアメリアはいまだにマリィと会話が弾んでいたりする。
そんなあたしたち…というか、あたしとゼルガディスの会話を横にとききつつ。
「あ、あの、どういうことですか?」
疑問に思ったことは、聞く。
それが彼のポリシーであり信念。
今のゼロスの言葉に疑問をもち、質問を返してきているクラウス。
まあ、魔道を研究するもの、というか扱うものは。
常にその探求精神を持ち合わせてないと、その結果は得られない。
というのは、どの種族でも常識。
クラウスの質問に。
「ああ、というか、知らなかったんですか?ガウリイさんの家には……
  …あ、ガウリイさん、というのはこの金色の髪の男性のことですよ。」
ふと、まだガウリイが誰なのか説明してなかったことに気づき。
にこやかに、ガウリイを指し示しつつ説明しているゼロス。
こほん。
そんなゼロスの台詞に軽くひとつ咳払いをしつつ。
「と…とにかく。だ。
  とりあえず、今は…このガウリイの家には代々、『光の剣』が伝わっていたんだ。
  もっとも先の事件で今はあれはないが…な。」
などと、これ幸いと話題をかえ。
ゼロスとクラウスの会話にと乱入しているゼルガディス。
「ええまあ。今ゼルガディスさんがおっしゃったとおりです♡
  何しろ、ゴルンノヴァさんは、千年と少し前の、降魔戦争以前からありました……
  …というか、こちらの世界にいましたからねぇ。あのおひとは♡」
さらっとそんなことを続けていっているゼロス。
「それをいうならば、ガルヴェイラもそうだがな。」
そんなゼロスの台詞に追加訂正を入れているヴァル。
「「????」」
そんなゼル達の会話にただただ首をかしげているキースとクラウス。

一方では。
「それはすばらしいですね!」
「あなた、話がわかりますわ!」
がしっ!
実は意気投合して、話し込んでいたマリィとアメリアが同時にと言い放ち。
にこやかに笑いつつ、手を組んでいたりする。
そして。
「さあ皆さん!今ここに正義の仲良し四人組ブラス愉快な仲間たちの使命が下りました!
  この人たちといっしょに悪の巣窟、『闇の祝福ダークブレス』の総本部を。壊滅させにいきましょう!」
いいつつ。
ダン!
そのまま、近くのテーブルの上にとのっかり。
ぴしっとボーズを決めていたりするアメリア。
「…とゆ~か、アメリア、机の上にのるんじゃない……」
それをみて、ため息まじりにつぶやいているゼルガディス。
「…な、なあ?クラウス?もしかして、巫女とか神官とかって、全員あんな性格なのか?」
そんなアメリアをみておもわずぼつりと横にいるクラウスにときいているキース。
「…類は友を呼ぶ。といいますから…」
「…納得……」
そんな会話をしているこの二人。
「というか、まったく、話がみえないんだが?」
一人、首をかしげているガウリイ。
「ま、いいじゃない。-詳しく話し、聞かせてくれない?」
にこやかにいうあたしの台詞に。
ため息を吐きつつ。
「…しかたねぇ…まあ、人手があったほうがいいのは事実だかんな…」
覚悟を決め、キースは近くのテーブルから椅子を引っ張り出し。
そのまま、どがっとその椅子にと腰をおろし。
あたしたちにと説明するためにと体制を整えてゆく。

一方では。
「ああ、何てすばらしいんでしょう!これぞ赤の竜神のお導きです!」
「ああ、神よ、感謝しますわ。
  こんなすばらしい私の意見に同意してくださる同士を私たちのお仲間にと遣わされて!」
それぞれに、各自自分の世界に完全に浸りきっているアメリアとマリィ。
この二人、根本的なところでは、性格、同じだからねぇ。ふふふv

さって、楽しくなってきたわねv
あの、ラムダ、面白いものをもってるのよねぇ♡
ふふふふふv


                                    -続くー

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あとがきもどき:
薫:ううう。なんかいきなり、会社で突如として頭がいたくなりました・・・
   なので頭痛しつつ、の打ちこみです・・・・ガンガンするよぉ・・・
   頭はいたいし、心臓はいたいし(これはクスリのんだ)
   ついでにお腹はいたいし(それは期間的にしかたがない・・・涙
   今日はいい子でねましょぅ・・・・。はい・・・・。熱は平熱・・・とは言いがたいが。
   そんなにないんだがなぁ・・・・あぅ・・・。
   というわけで、明日の更新が…やばひかも。
   いや、大体ヨルにストック、というか、対外半分程度打ち込んで。
   それから次の日更新しているのもで・・・
   とりあえず、まじで頭がガンガンしてるので…ねます・・・
   んでは・・・・またいつか・・・・・
   (ちなみに、今回の話…ノートでたったのイッページ分だったり・・あはは・・・汗)
   ではでは・・・・
 2003年12月16日某日

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