まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
こんにちわ。
新年、明けまして、おめでとうございます。
本年度もよろしくお願いします。
・・・って。何番外編と平行して、打ち込んでいるのでしょうか?
しかも、他のを全然手を着けずに・・・。
というか。書き殴りにて、大捜索に登録。やってたら、じ・・時間が(汗)
うーみゅ・・。
エル様漫遊記の番外編登録・・・・またにしよ・・(こらこらこら!)
ふふふふふふふふふふふ♪
さぁぁて!
うっふふふふふふふふふふふふ♪
(しくしくしく・・・保存せずに打ち込んでたら・・消えたぁ!か・・返して!私の三時間!!!涙)
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願うのはただ一つ。
母なる存在よ。
我らの願いを聞き入れたまえ――
過去も現在も未来も関係ない。
時空の狭間。
そこに迷い込んでいる一つの島。
彼等の望みは―…ただ、一つ………
「ぎゃはっはっはっ!」
その日はこの島にとって祭りの始まる日でもあった。
かつての、大きな戦いが終わり。
そして。
この時期。
島全体で、人やエルフ、それぞれにわたって。
形式は違うものの。
形を変えて、祭りという形にと姿を変えてとりあえず平和になったことを祝うもの。
そんな賑わいの中。
出現した一つの存在にそのにぎやかさは打ち砕かれる。
ゴゥ……
島全体にと広がってゆく噴煙に巻き起こる悲鳴の数々。
「はぁぁぁ!」
そんな中。
一人の少年がかけてゆく。
青い髪に緑の瞳。
その青い髪をなびかせながら。
そして。
背中にさしている剣を引き抜き。
目の前にいる存在。
このあたりの小動物を媒体として物質世界にと具現化している。
魔族ともいうにも、あまりに下級過ぎるほどの精神生命体である、それら。
いわゆる、この世界の存在の名称でいくなればレッサーデーモンと呼ばれる代物。
それに向かってかけてゆく、青い髪に緑の瞳の少年が一人。
その手にもたれている剣には刃がない。
そして。
口から吐き出されてゆく、炎をことごとく交しつつ。
その、レッサーデーモンと呼ばれている、彼等にとっては異形のものの懐にとはいりこんでゆき。
「光よ!」
少年の声と共に、刃のない剣の柄に青白い光の刃が出現し。
そのまま。
デーモンの姿は、無とかしてゆく。
「ぎゃはははは!」
少年が向かっていたのは前日に約束してあった、友達…彼にとって大切な女性との待合場所。
今はそんなことをいっているときではない。
彼女は無事なのだろうか。
いきなり、島のいたるところに出現したレッサーデーモン。
不安が襲い来る。
そして。
たどり着いたその場所―エルフの隠れ里で彼がみた光景は。
祭りの酒をがはがばと飲み干し、笑っている緑色の物体一つと。
そして。
所狭しと、散らばっている、食べ物や。
冷たい骸と化しているなきがらを食べているデーモンの数々。
中には。
今だに息があり。
声にならない悲鳴をあげつつ生きたまま食べられている、という光景も見て取れるのであるが。
そして。
最も怖れていたこと。
つまりは。
視界の先に。
彼にとって、大切なエルフの姿が映りこむ。
そこには。
信じたくない光景。
金色の髪に青い瞳の少女。
その瞳は固く閉ざされている。
身動き一つせずに横たわる少女の姿が見えるのみ。
「う……うわぁぁぁぁ!」
剣を掴み。
辺りにいるデーモン達を滅ぼしつつも。
その中心にいる、緑色の存在にと向かって走ってゆく少年。
だが。
いともあっさりと傷一つすら付けられることなく。
「ぎゃはははは!楽しませてもらったぜ!」
捨て台詞を残し。
やがて。
ふいっ。
空間を渡りその場からいなくなってゆくそれ。
純魔族。
ある程度、力のある精神生命体である魔族はその力のみで、実体化することが可能。
といっても。
力あるものほど物質世界で、活動するのに影響がない姿をとることができるのであるが。
しかし今。
掻き消えたそれは、どうみても異形の存在にしか映らない。
「……ラウリイ……来て…くれ……た……の?」
すでに、視界が聞かない手を上げて抱きかかえる少年の頬に手を当てるエルフの少女。
少女に見えても年齢はすでに、二十代にといっているのであるが。
エルフは、その長い寿命と影響して成長速度も人とは異なる。
「しゃべるな!駄目だ!メリルーン!駄目だ!」
握り返す、その手から温もりがなくなってゆく。
「……よかった……あなたが……ぶ…じ……で……」
ぱたん……
そのまま静かに目を閉じてゆく。
「……?メリルーン……っ!!!!!」
やがて。
周囲に倒れていた他のエルフ。
そして、島のいたるところにと転げている、
すでに暖かさをもっていない冷たい骸を青白い光が覆ってゆく。
そして。
ラウリイと呼ばれた少年の目の前で、腕の中の少女もまた。
その亡骸から、青白い光の粒子が舞い出てゆき。
「……フェアリー……ソウル……」
人の魂が結晶化したもの。
そう、伝説というか噂ではそうあった。
島と、その願いと、命を共にする存在。
こんな、歴史は……あってはならない。
島と、そして。
島に存在していた全ての祈りが。
全ての嘆きが島全体を覆ってゆき。
やがて。
フェアリーソウルと、霧に包まれつつ。
島は。
突如として。
その場から、掻き消えてゆく。
地図にはあるが、たどり着けないその場所。
それよりのち。
一年で一度だけ島に立ち入ることが、許されるようになったのは。
……今から、五百年ほど前のこと。
とある、宿屋の一室で手鏡を片手に何やら、話しこんでいる、一人の少女。
――それで?どうする気?リナ?
鏡の中にと映っているのは。
どうみても、手鏡をもっている少女ではない。
手鏡をもっているのは栗色の髪に、紅の瞳をしている少女。
対して。
鏡の中にと映って、なぜか鏡の中に映っているのに口が動き、会話をしているその姿の少女は。
栗色の髪の少女の年とはうらはらに。
こちらは、十二、三歳程度であるのだが。
鏡の中の人物は、どう見ても、十歳か、それより下。
よくみて十歳前後。
である。
そして。
黒く長い髪をポニーテールにと赤い喋々リボンで大きめにまとめ、
にっこりと鏡の中で微笑んでいたりする。
「まあ、時期的にもいいでしょ。原因のあいつが、島に戻っているし」
そう言っているのは、手鏡を持っている少女。
そして。
「まあ、この一年ばかり前に。また、あの島に戻って、好き放題やってるし。
どうやら。それに。このまま、時空の狭間に、あの島、漂わせているわけにもいかないし」
その言葉に。
――あいつを滅ぼしたり、消滅させたくらいじゃ。魂の願い叶えられないんじゃ?
「だから、時間率、そのものを変えるのよ。といっても、活躍してもらうのは。
あくまで、ここの次元に存在するそれらの生命。その役目だから。
自らの身は、どうなってもいいから。島が望む時間に戻す。
純粋なる、願いをもっている人間もいることだし」
その言葉に。
―― じゃあ?エルが直接手をかけるわけ?
「たまにはいいでしょ?あ、ユニットもくる?」
―― 面白そうね。じゃあ、チケットは。こっちがそっちにいって入手しておくわ。
「わかったわ。それじゃ……数ヵ月後に」
やがて。
会話が終わり。
鏡をかたん。
と、側のテーブルに置くと。
そこには。
ただの普通の鏡が回りの部屋の様子を映しこんでいるのみ――
エル様漫遊記 ~完全無欠版スレイヤーズ!~其の一
「う~ん。いい天気」
このあたし。
リナ=インバースは只今、エルメキアに位置しているとある町にと進んで足を進めているまっ最中。
瞬間移動や空間移動。
そういった一瞬で移動できる方法も簡単にできるものの。
やっぱり。
こうして自らが創り出した世界の一つを自らの足で見聞しつつ歩いてゆくのも悪くない。
というか。
世界そのものが、あたしの中の一部のようなものだけど。
まあ、そんなことはどうでもいいとして。
この時期。
その町から海を隔てて、
いつもは深い霧にと閉ざされているとある島に定期便というか、観光船が出ているのである。
その船に乗り込むために、こうして進んでいるのだが。
かつては、陸続きで移動が可能であったのだが。
ほんの五百年ほどまえ。
あたしが今向かおうとしているミプロス島はその意思によって。
この世界から異なる時間率でと動き始め。
というか時空の狭間にと、その島全体を置いている。
この時期。
フェアリーソウルが漂い始めるこの時期限定でその時空の狭間が現代と結びつき。
こうして、他の行き来が可能となっているのだけど。
まあ、待ち合わせは船つき場か、もしくは船の中。
そう決めているからそんなに急ぐ必要もないし。
ミプロスに向けての定期便が出ているその町にと行き着くには。
ちょっとした山と崖を渡って、いくしか道がなかったりもするが。
その横に川を携えながら。
狭い道のその横に切り立った絶壁のすぐ下には、川が流れその周りには木が生い茂り。
そして、さらに視線の先には広がる海が太陽の光にと反射してきらきらと煌いている。
そして。
その海の横に位置しているのが目指す町並み。
すたすたすた。
明るい日差しの太陽のもともくもくとそんな街道を進んでいると。
どさ。
いきなり進行方向直前にと投げ出されてくる一つの足。
ふみ。
そのまま気にせずに足を踏み、すたすたと歩いてゆくあたし。
その直後。
「いてぇ!」
わざとらしく踏まれた足を抱きかかえ、がさりと茂みの中から足を投げ出したまま出てくる一人の男性。
そして。
「どうした!兄弟!」
「こりゃひでぇ、骨が折れてる!やいやい、姉ちゃん、どうしてくれるんだよ」
いって。
月並みよりも最低な台詞をつぶやいているが。
すたすたと。
あたしはそのまま足を進めて行き、すでに彼等の視線の先の彼方にとその姿を移動していたりする。
「って……ちょっとまてぃ!」
そんなあたしを追いかけてくる、二人の男性。
「ちょっとまてっていってるだろうが!」
ぜいぜいぜい。
息を切らせつついう髪を短くまとめたその男性の言葉に。
「あら、運動不足じゃない?」
あたしがいうと。
「いやぁ。ここんとこ、運動らしきものはしてなくて。そういや、心臓の調子も……」
などと言っている体格のいい男性に。
「そういや、俺も、ここんとこ動機が激しくて……って!健康診断をしてるんじゃない!
やいやい!どうしてくれるんだよ!兄弟の足を無断で折りやがって!」
いってくるその言葉に。
すっ。
あたしは、視線で彼等の後ろを指し示す。
その後ろからは。
「おおい!まったくれぇ!」
どすどすと。
これまた息を切らせつつ走ってくる、先ほど足を投げ出していた人物が一人。
『…………』
それを認め、しばし言葉を失いつつ。
すぐに気を取り直して。
「ま……まあ、冗談はほどほどにして。姉ちゃん、命が惜しかったら有り金全部置いていきな」
話をはぐらかしてくる。
「あら。あんた達、おいはぎ?」
にっこりと、あたしが微笑むと。
「まあ、そうともいうな」
「つまり、立派な悪人ってわけね♡」
「いやぁ、そうほめてられても」
別にほめてないけど?
あたしの言葉にこの三人はてれ始めてるし。
ま。
別に相手をしても構わないけど、ちょっとここ場所が狭いしね。
というわけで。
「あっそ。んじや、そういうことで♡
ドドゴォン!
『ひぎゃ!?』
ひゅるる……
ボチャン。
あたしが放った、ここの世界の精霊魔法の一つ。
ど~でもいいような、その術であっさりと吹き飛ばされてるし。
こいつらは。
そのまま崖下の川にと流れていき。
バッチャァァン!
なぜか。
その先にある滝つぼにと落下してゆく。
ヒュルル……
ぽて。
ちょうど彼等を吹きとばすと同時に彼等がもっていた財布が落ちてくるけど。
「あら♪ちょうどいいから。これで何か食べましょv」
あまり入ってないけど。
まあ、ちょっとした間食する程度なら足りる程度だしね。
なぜか。
今の一撃だけで本当に足の骨を折ったり体の一部が焦げたりした彼等は、
まあ弱いことこの上ないのでおいといて。
そのまま、何事も無かったかのようにと町にと向かって足を進めてゆく。
町はいつにもまして、ざわめきを増している。
というのも。
この閉じられた。
まあこの程度というか、あの程度の結界くらいで、行き来ができなくなってる存在って…力がないわよねぇ。
本気で。
東はエルメキアから、北はライゼール王国。
それら全ての住人の一部というか物好きがミプロス島にと渡るための観光旅行にと来ているため。
この町もこの時期ばかりは、かきいれ時。
とばかりに顧客の争奪戦いが水面下で面白いことに繰り広げられているのは結構楽しい。
とりあえず。
そんな町並みには用事もないので。
海岸の一角にと設けられている炭火焼の小さな露天で、
とりあえずサザエのつぼ焼きを頼んで食事をしていると。
「やぁと、みつけたぞ!」
なぜか松葉杖を手にしている男や体に包帯を巻いている男達。
この町に来る前に絡んできたごろつき三人の姿。
「あら、生きてたの」
あっさりといってそのまま無視して食事を開始する。
ひひくく。
なぜかそんなあたしの態度にこめかみをひくつかせつつ。
「へ……へん!そんな態度に出られるのも、今のうちだ!
こっちには強力な助っ人がいるんだからな!やってしまってください!先生!」
その呼びかけと同時に。
「お~ほっほっほっ!」
プルン。
無意味に胸をそらして、口に手を当てて高笑い。
棘付きのショルダーガードに黒いマント。
そして、気持ちほど、胸などを覆っているだけのそのコスチューム。
そんな一人の女性が岩陰から出てくるし。
「お~ほっほっほっ!一体、何処の誰かしら?
この最強にして、美人魔道士の白蛇のナーガ様の相手というのは。お~ほっほっほっ!」
いいつつ岩陰からでてくるのはナーガだし。
ちょうどいいし、ナーガも連れて行きますか。
一応、目的地……同じみたいだしねぇ。
ナーガがいたからといって、別に目的が出来なくなるってこともないし。
いや、むしろ楽しくなりそうだしv
「ナーガ、んな所で何やってるの♡」
ぴっと箸を突きつけるあたしに。
「あら、リナじゃない。ということは、貴方だったのね。
極悪で胸がなく態度がでかい追いはぎ魔道士というのは」
……こら。
「まあいいわ。相手が誰であろうと。依頼は依頼。リナ、覚悟……」
「
チュドドドドォ!
ナーガの台詞をさえぎってあたしの精霊魔法が直撃する。
まあ、といっても別にここの精霊の力を本当に使っているわけでなく。
あくまで、あたしの中にある、その力を使っているんだけど。
何であたしが自分が創り出している
このバースト・フレア。
普通の赤ん坊が放っただけで一応、
それなのに。
青白い炎が直撃してもまったく答えていないナーガ。
一応、少し一瞬、こげているものの。
「り……リナちゃん……ひどひ……」
そういう言葉を言っているときにはすでに無傷の状態で復活しているし。
軽く周りの空気がこげただけなのよね。
今の一撃でも。
「あのねぇ。ナーガ、何悪人の用心棒なんてやってるのよ。情けなくないの♡」
あたしの言葉に。
「……へ?そうなの?」
気づいてないナーガだし。
「どう見てもこいつらは悪人でしょうがv」
あたしの言葉に。
「だって……人を外見で判断しては駄目じゃない?」
まあこの辺りはフィルの影響で【人を外見で判断することなかれ。】という精神が育まれているようだけど。
物には限度っていうものがあるわよね。
本気で♡
「どうみても、そうでしょうが」
あたしの言葉に。
「ふっ。分かったわ。じゃあ、そういうことで」
いって。
ナーガは、こちらについて。
ごろつき達から品物を巻き上げることに決定しているし。
楽しいv
「ちょっとまてぃ!それはないんじゃないか!俺達は、高い金を支払っているんだからな!」
そんなナーガに抗議の声。
「ふ。悪人との契約は無効にしていいっていう、法律があるのを。知らないわね」
髪をかきあげ言い切るナーガのその台詞に。
『ないない。そんなもの』
なぜか、三人の首が横にと振られてゆく。
「あら、ゼフィーリアにはあるわよv」
あたしの台詞に。
『……え゛?(汗)』
ゼフィーリアの名前を聞いて青ざめているし。
別に、そんなに青くなるほどの国柄でもないでしょうにねぇ。
ただ、あそこに入り込んだら最後。
二度と、知り合いには出会えないという、彼等也のジンクスがあるだけだし。
まあ、あの国。
小さな物心つかない赤ん坊でもトロルの一匹や二匹程度、
簡単にやっつけられる実力もっている人間がごろごろといるからねぇ。
「まあ、それはともかくとして。だぁれが極悪非道ですって♡」
「ってことで問答無用!」
ドゴゴガアァァァン!!!!
静かな砂浜にあたしとナーガの呪文の炸裂の音が響き渡ってゆく。
なぜか。
その程度のことだけで一瞬にして、髪の色を真っ白にしている男達。
死に掛けたところに、復活させてまた、攻撃を仕掛けるというのを数万回やった程度なのに♡
根性がないったら♡
「しけたものしかもってないわねぇ」
身包みはぎつつ彼等がもっていた品物を物色しているナーガ。
「まあ、こんなものでしょ。名前もない、追いはぎなんだし」
「ふっ。それもそうね」
並んでサザエのつぼ焼きを食べているあたしとナーガ。
「あ…あの?せめて、お名前を聞かせてくれないでしょうか?」
恐る恐る、ぐるぐると縛り上げられた一人があたしに聞いてくる。
「あたし?あたしは。リナよ。リナ=インバース」
『でぇぇぇぇ!!!?』
その言葉に。
縛られたまま、ずざざざっ!と後ろにと下がってゆく男達の姿。
そして。
「し…しらなかったんだぁ!ゆるしてくれぃ!に…女房と子供は無実だぁ!」
「た…たのむ!俺を合成獣の実験や。魔物の餌にはしないでくれ!」
「す……すると、あの、
あの、凶悪なドラゴンすらもまたいで通るという、あの!リナ=インバース!?」
……ほぉぉぉぉう。
「あんた達♡だぁぁれに向かってそんな台詞・……聞いているのかしら?」
ぐいっ!
『うるどえぅぅぅ!!?』
なぜか。
縛られたまま白めを向いて口から泡を吹いて気絶する三人の姿。
「ちょっと、リナ。何やったのよ?」
「ただ、こいつらの精神vちょっと、別の所に飛ばしただけよv」
「……は!いけない!」
あたしの言葉に、なぜかしばし硬直しつつ。
ぴらり。
二枚のチケットを取り出して叫んでいるナーガ。
「急いで!リナ!時間がないわ!」
あわててるナーガだし。
ゴォン!
ゴォン。
「あと少しで船がでるぞぉ!」
行き交う人々。
家族連れや、どうみても観光旅行の人々の数々の姿。
それら全てがにぎわっていた町から一斉に船着場にと移動してゆく。
「あら、そういえばそうねvそれじゃv」
パチンv
あたしが指を鳴らしたその刹那。
ぐらり。
空間が歪み。
「わきゃ!?」
なぜか、ナーガが悲鳴を上げているけど。
そのまま船着場の待合室にと移動してゆくあたし。
「ちょっとぉ!リナ!いきなり、今の何なのよぉ!」
「瞬間移動v」
「…………」
なぜか無言になってるナーガ。
「あら、誰にでもできるでしょv」
「……とりあえず!早くしないと!」
とりあえずあまり深く考えないようにして。
あわてて人ごみの進む方向に進路を変えているナーガの姿。
ざわざわざわ。
船つきばにと向かうその道のりは人々の姿でごったがえし。
「はい。これ。」
ナーガがチケットを二枚船員にと手渡そうとするけど。
「あら、ナーガ。あたしも持ってるから。あ、連れ、もう入ってる?」
いって。
懐から、銀色に輝く一枚のチケットを取り出すあたし。
「こ……これは!プラチナチケット!
ということは、ご予約いただいている、リナ=インバース様ですね!ようこそ!
はい!すでにお連れ様は、もう、部屋にと入っておられます!」
いきなり、低姿勢にとなってくるし。
「ちょ…ちょっと!?リナ!?それってかなり高いやつじゃないのよ!
この私のチケットがディスカウントなのに対して!」
何か叫んでいるナーガ。
まあ、このあたしがもっているチケット。
この、客船の中で一番待遇のいいチケットであり。
その下に、ゴールド・チケット。
そして、一般のチケット。
最下層に、ナーガのもっているディスカウントのチケットがある。
大概。
どこぞの国の王族でも手がでる範囲中なのが、ゴールド・チケット。
さらに、その上の十倍の金額がかかるのがあたしがもっているチケット。
ついでにいえばこれ一つ買うのには。
普通の存在などが一生かかって働いてもなぜか手に入らない金額だったりするけども。
なぜ。
そんなものを販売しているかというと。
それは、一重に話題づくりのため、に他ならない。
そんな、豪華な物があるのだから。という理由で。
人々や、生きとしいける存在達は無意味に尊敬の視線を向けるがゆえに。
過去。
これで旅行したのは数えるほどしかいない。
そしてまた。
このチケットを手にいれるがために死んでいった人間なんかもいたりするという。
何ともほほえましい伝説をもっているこのチケット。
「あ……あの?そちらのお連れ様は?
まあ、そのチケットで、ある程度の人数まで。追加は聞きますけど?」
問いかけてくる、その船員の言葉に。
「リナちゃぁぁん♡」
いきなりナーガが低姿勢になってくるし。
……たのしい♡
プラチナチケットの待遇は他の客とは明らかに違い。
まず。
専属の用事を言いつける船員が一人つくのと食事なども最高級。
部屋で食べてもよし。
そして。
広間で食べてもよし。
そして。
ミプロスについてからの、宿も最高級のスイートルーム。
そういった特典付きv
たかが、百二十一億五千万くらいの金額が払えないなんて、ちょっと悲しいわよね。
ちなみに。
これ一枚で。
数年間の利用が可能。
どこのミプロス島中などの店では無料で買い物ができる。
という、些細なおまけつき。
このたびの船団の一つの目玉。
それは。
プラチナチケットを購入した観光客がいる。
ということ。
その噂は、すでに今回の一般客、全員にと知れ渡っていたりする。
……何かやったわね……ユニット……
とりあえず。
ボーイにと案内されて。
ナーガも伴ってあたしは用意されている、防音設備もそこの部屋だけ完備。
揺れなども魔力を利用して極限に押さえ、その家具も一応、この世界では一流。
と呼ばれている品物をそろえてある一室にと案内されてゆく。
そ~いや。
ナーガ。
彼女には初めてあうんだっけ?
……ま、いっか。
-続くー
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あとがきもどき:
しくしくしく・・・・・。
三時間・・・・返してぇぇ!!!!!
正月早々・・・・。打ち込んでいた、パソコンの最中・・。
エラーが発生して・・・・。保存してなかったために。
半分くらい打ち込んでいたのに。消えるハメになった私です・・。
しくしくしく・・・・・。とりあえず・・・・・。全てを打ち込んでから、まとめて投稿しますv
んではでは・・・・。
しくしくしくしく・・・・・。
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