エル様漫遊記・覇軍の策動偏
ディルス王国首都、ガイリア・シティ。
カタート山脈を望む国でいろいろな意味であるいみ有名。
最近でいうならば、『魔族の住みかなど馬鹿らしいことあるわけはない。』とかいって、
今まで国交が閉ざされていた海や砂漠の向こう側の人々が、対抗する術ももたないのに出向き、
行方不明に成り果てる事柄が多発いていたりするが。
まあそれは自業自得というもの。
すこし前のガーヴの一見で町の主たる重役などになっていた人々が消滅したのをうけ。
ディルス王国自体そのものが、また新たな住人代表や、重役などを決めていたりする今の状況。
先の消失事件をうけ、そのときの当時のこくおうが心労で死亡し、今は血縁者にあたる、
『ヴェルズ=ゼノ=ガイリア』が即位してまだそう時間はたっていない。
「…やっと…かえってきたんですね……」
「…ああ……」
丘の上からガイリア・シティを見下ろし、そんなことをいっているジェイドとグライア。
「水をさすようでわるいがな。浸っている場合じゃねえとおもうぞ?
何しろどう考えたところでここからが本番なんだからな。」
重い口調で吐き捨てるように、コードヴェル兄弟にと話しかけているルーク。
「あの黒い【魔族】もアレからでてきませんしね。」
そういうシルフィールに。
「だいじょうぶです!正義がこちらにある限り!悪は必ず滅亡しますっ!」
一人ぴしっと空を指差し言い切るアメリアに。
「…なあリナ?何か見えてるあの城から何か魔族の気配がすごいするぞ?
何かゼロスの母ちゃんたちと同じような気配がしてるんだけど?」
丘の上から城を、そして町を見下ろしそんなことをいっているガウリイ。
「「……まて……」」
なぜか数名、そんなガウリイに対して突っ込みをいれているけど。
そんなガウリイの言葉をきき。
「さ…さすがガウリイさん……何かどんどん野生の勘が人間離れしていってますねぇ~……
ま、まあそれはそれとして……。いやぁ。まさか
そう知られたら面白いほどに驚くでしょうねぇ。面白そうです♡」
ガウリイの言葉に多少驚きつつも、あたしと旅をしているのであれば何があっても不思議ではない。そう心で思いつつ、にこやかにいっているゼロス。
「…魔族はそれでいいのか?」
そんなゼロスに突っ込みをいれているゼル。
「ええ。どうせ僕の上司ではありませんし♡それに前にもいいましたけど。
『覇王様に手をかさない。』というのは、
ならばからかって遊ぶ…もとい楽しむのが得策かと♡」
にこやかに言い切るゼロス。
ま、たしかにからかうのは…面白いわよね♡
「ともかく!悪事を働いているという
いって一人張り切り町のほうにむけて歩いてゆくアメリアに。
「…叔父様。本当にリナさんたちの言うとおり……
かつてのレイナードと同じようなことが起こっているのでしょうか?」
「わからん。こればっかりは……な。」
そんな会話をしているメフィとミルガズィア。
「な~んか嫌な予感がするなぁ~…」
つぶやくルークに。
「おじけづいたのならルークは一人で残ってください。」
「…ミリーナぁ~……」
ピシャリ、と言い放つミリーナに情けない声を出しているルーク。
「リナさん。以前ガイリア・シティでやったという魔法陣でこの国というか町を覆ってはどうでしょうか?」
何やらシルフィールがそんなことをいってくるけど。
「できるけど♡それをやったら今国王をやってる
ぴたっ。
あたしの言葉にその場に足をとめ。
そして。
「「陛下が危ないとは!?どういうことですか!?」」
何やら同時に叫んでくるジェイドとグライアだけど。
くすっ♡
「あら♡言葉どおりよ♡」
というか、グラウシェラーのやつが、あれに耐えられる。
とは思えないしねぇ♡
Sですらなぜか気絶するのよねぇ~…情けないことに……
「…いや、それよりもその……『魔法陣』というのが気になるのだが……」
あたし達の会話をきき、つぶやくミルガズィアに。
「ああ。
「応用の仕方によっては、金色の母の力も上乗せできるしねぇ。リナは確か♡」
「そうそう♡」
ぴっしっ!
あたしとユニットの会話になぜか固まり。
そして。
「…い、いや……それはやってもらっては困るのだが……と、所で。先に町によってから。
それからエルフの里にいく。というので本当にそれでいいのか?相手は覇王将軍。
いや、下手をしたら覇王本人も出てきかねん。」
あの【御方】の力を借りる…ということは、世界が終わりかねん。
などとそんなことを思いつつ、なにげに話題を変えているミルガズィア。
そんなミルガズィアの言葉に。
「あのシェーラとかいう女が魔族ならばなおさらです。国王に進言し。そして父とともに王国を正さねば。」
「一人国に残った父も気になりますし。」
交互にいっているグライアとジェイド。
「大丈夫ですっ!いざとなったら奥の手がありますからっ!」
などと一人、胸を叩くアメリアに。
「奥の手?」
いって首をかしげるシルフィール。
「はいっ!父さんから預かっている書状です!」
元気に答えるアメリアに対し。
「あ~…それは確かに。無視できないでしょうねぇ♡」
その言葉に面白おかしくつぶやいているゼロス。
「ま。様子をとにかく先にみておく。というのも別におかしくも不思議でもないし。
とりあえず十三人いるから目立つかもしれないけど。それはそれで別に問題ないでしょうし♡
とにかく…一応先に町の様子だけでもみておかない?」
にこにこと全員わ見渡し笑みを浮かべて言うユニットの言葉に
「それもそうですね。」
「だな。」
「正義は常に私たちの側にあり!ですっ!」
「…父上…っ!」
「……陛下……」
「ま。先に町の様子を見て知っておく。というのも悪くないし別にかまわんがな。」
などとそれぞれに同意の声を上げてくるミリーナ・ルーク・アメリア・ジェイド・グライアの五人に。
腕をくみつつもつぶやいているゼル。
「とりあえず♡どうせ通り道なんだし。よってみましょ♡」
あたしの言葉に全員がうなづき、とりあえずガイリア・シティの町の様子を確かめることに。
「…申し訳ありませんがお通しするわけにはまいりません。」
兵士の手にしたハウルバードがあたし達の行く手をさえぎる。
「…ど、どういうこと…だ?」
そんな兵士の言葉に、目をぱちくりさせて兵士達をみるジェイドに、半ば呆然としているグライア。
「?どういうことなんですか?」
そんな兵士にといぶかしりつつ問いかけているアメリア。
そんなあたし達の横では、他の人々がどんどん町の中に入っていたりするが。
中にはかなり面白い…もとい、怪しい格好をしている人々も。
「傭兵募集の件できた。」
といって町の中にとはいっていたりする。
「もう一度いう。ガイリア王宮。青騎士団。第二部隊所属。ジェイド=コードウェルと、
王宮近衛団、第三部隊体調。グライア=コードウェル。我らは特命あって街を出ていた。
つれの身分は私が補修する。それでも不満か?」
そういい問いかけるグライアに対し。
「その…ご身分のほうは存じ上げております。ですからお通しできないのです……」
「…どういう意味だ?」
くちごもりつつもそういう兵士の言葉に問いかけているルーク。
額の汗をぬぐいつつ、兵士のうちの一人。マイアスは、あたし達…というか、ジェイドとグライアをみつつ。
「その…命令が下っておりまして……その…ジェイド殿と兄君のグライア殿を…その……」
口ごもるマイアスに
「マイアスさん。はっきりいわないとわからないわよ?」
そんなマイアスに、にこやかに話しかけているユニット。
「…え?私…名乗りましたっけ?…と、とのかく。お二人は無断で出奔した罪…とかで…
その…騎士団、そして近衛団より除名…と……」
『……なっ!?』
とまどいつつも言うマイアスの台詞に、同時に短く叫んでいるルーク・ゼル・シルフィール。
そして当の本人たちコードヴェル兄弟。
「その…そして、もどってきても町にいれるべからず…と……」
そんなマイアスの説明に。
「誰が下した命令だ!?」
吐き捨てるようにつぶやくジェイド。
「あ…あの。一応私としましては、陛下の認可を受けてのご命令ですし…
……個人としては納得がいかないにしろ……」
ぽつり、と本音を漏らし言うマイアスに対し。
「…わかった。気に病むな。君の責任じゃあない。…は異例な。というならば仕方ないが。
その代わり…といっては何だが頼みたいことがある。
父上…グランシス=コードウェル将軍にと連絡を取ってもらいたいのだが……」
平静を何とか保ちつつそういうグライアの言葉に、さらに表情を曇らせて。
「それが……その……」
口ごもるマイアス。
「?どうかしたんですか?」
その表情に不安を感じ、問いかけているシルフィール。
シルフィールの声にとまどいつつも、
「その…お二方のお父君であらせられるグランシス将軍は…その…お亡くなりになりました。ご病気で……」
『―――!?』
マイアスの言葉に今度こそ立ち尽くすグライアとジェイド。
しばし傍らでそんな会話を聞いていたアメリアであるが。
我慢しきれず。
「あなたっ!それでも国を守る兵士なんですか?!国が混乱している。という時に。
『命令だから。』と何もしないなんてっ!貴方たちもですっ!!」
いって回りにいる兵士達にも叫び言っているアメリア。
「他人が口を出すことじゃあ…我らとてこの現状でいい。と思っている訳では……」
マイアスとは別の兵士が、そんなアメリアの言葉に返事を返してくるものの。
「おだまりなさいっ!過ちを正すのが国に仕える兵士、そして騎士の役目っ!
あなた方が仕えているこの国の現状はすでに、わが国、セイルーンにも伝わってきております!
ゆえに、父。フィリオネル=エル=ディ=セイルーンは、又かつてのようにこの国が、
『魔族』に入り込まれているのではないか?と心配し。
この私、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンを内密の使者として出向かせたのですからっ!」
ばっと懐より取り出したセイルーン王家の紋章の入った印籠をかざし、言い放つアメリア。
ざわっ!
その印籠を目にして、辺りにいる兵士達がざわめきたつが。
「我がセイルーンにもこの国がおかしくなっている。との情報ははいっています!
あまつさえ、一年前この国に
またこの国で何かが起こっている。というのは明白っ!
数ヶ月前よりディルス王国からの外に世界に対する使者も途絶ええていますっ!
ある筋の話によれば、今度はこの国に別の魔族が入り込んでいる!との情報もありますっ!
それなのに国を守るべき貴方たちがそんなことでどうるすんですかっ!
自らの力で何が真実なのかを見極めることすらしないで。
ただただ、『命令どおりにすればいい。』というものではないでしょう!?」
しぃぃん……
ざわっ。
アメリアの言葉に、辺りにいた兵士達が静まり返り。
そしてまた、町の中に入ろうとしていた人々よりざわめきがわきおこる。
アメリアの今いった、【魔族】という言葉に人々の間に動揺が走り、
何やら面白いことに多少パニック状態になっていたりするけど。
「まあまあ。アメリアさん、おちついて♡」
そんなアメリアを、にこやかになだめているゼロス。
「とりあえず数日後。あたしたちまたくるから。この一件、きちんと上に報告してね♡」
アメリアをなだめているゼロスの前。
つまりはマイアスたちの横にいき、彼らにと話しかけるそんなあたしの言葉に、
なぜか無言でうなづく兵士達。
「あらあら♡アメリアさん。そんなに力まないで♡とりあえず今は覇王将軍シェーラさん達と戦うのに。
エルフの里に武器の調達にいきましょ♡」
わざと透き通るような澄み切った、鈴を転がしたかのようなかわいく響き渡る声で、
嫌でも人々に聞こえるように言っているユニット。
ざわっ。
……覇王…将軍!?
その言葉に、一部の兵士達がざわめきたつが。
そんなあたしやユニットの言葉に。
「……わかりました。ではまた。数日後に私たちは訪れます。
それまで貴方たちは貴方たちの真実をみつけなさいっ!」
すこし落ち着きつつも、だがしかし、兵士達にびしっ!と釘をさすように言い放つアメリア。
そんなアメリアの言葉に兵士達はしばし沈黙。
彼らとて今の現状に満足しているわけではない。
ないが…下っ端の自分達が何をいっても無駄。
下手をすると…逆らった同僚たちが次々と行方不明になっている。
という事実があるがゆえ、それゆえに行動にうつせないでいる彼ら立ち。
とりあえず今日のところは、今も騒然としているガイリア・シティをあたし達は後にすることに。
-続くー
HOME TOP BACK NEXT
####################################
あとがき:
薫:とりあえず、一話につき大体2P分……いったい本当に何話になるんでしょうか?(笑
何はともあれ…一番気の毒なのは誰でしょう?
事情を知らされていない兵士達?それとも…エル様…もとい。
あの御方が介入されたことを知らない覇王?(まて
何はともあれ。次回の前置きでディルス王宮のちょっとしたやりとりをばv
ではでは、また次回にて。
2006年1月16日某日
HOME TOP BACK NEXT