まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
#####################################スレイヤーズフォーエバーinNEXT ~最強呪文はどこ?~
「しかし。わざわざシルまでこなくてもいいのに……」
パシャパシャと水しぶきを上げながらも、横にいるシルフィールにと話しかけているリナ。
「そうはいきませんわ。リナちゃん。叔父様からも頼まれましたし」
未だに前回あたし達がこっちにきたときに消滅したサイラーグの町並みは元通りとはいかず。
再建途中であったりするけど。
忙しい父親の代わりに、セイルーンに立ち寄っていたシルフィール。
そこで叔父から今回の一件の裏に魔族が絡んでいた。
というのを聞き。
そしてちょうどセイルーンの王宮にいたリナ達と話。
半ば強引に旅にとくっついてきていたりする。
それというのも今回の一件にまたまた魔族が絡んでいる。
というのをうけて、この前のサイラーグの一件や、はたまたかつての北のサイラーグのこともあり。
真実を見極めるためにリナに同行してきているシルフィールだったりするんだけど。
まあ、それはそれ。
「しかし。おどろきましたわ。こちらのリナさんはシルフィールさんと幼馴染であったなんて」
などと、しみじみといっているミリーナ。
いいつつも、同じくプールサイドにて椅子に座っているあたしに何やらいってきているミリーナ。
ちなみにミリーナはプールには入っておらず、
ルークがものすごく残念そうな顔をしていたりするのが面白いv
「ま。ここはあたし達がいた世界とはちょっとづつ違ってるからねぇ」
そんなミリーナに対してとりあえず軽く返事をかえしておく。
「ま。パラレルワールドってそんなもんじゃない?」
そんなあたし達の会話にリナがプールの中から何やらいうと同時。
「それはともかく。……いったいいつになったら例の人物はくるんだ?」
一人、別に服を着替えることもなく、そんなことをいってきているゼルガディスの姿が。
ちなみにあたし達がいるのは、海辺にとあるとある避暑地となっている建物の一つ。
リナは上下に分かれている赤い水着に、腰にとパレオの布を巻きつけている格好をしており。
そしてまた。
シルフィールはといえば、一枚の水着の上からなぜか薄い服をきて入っていたりする。
シルフィールからすれば、日焼けするのがあまり好きではない。
という理由かららしいけど。
ま、シルフィール、肌…弱いからねぇ。
あたしからすれば、たかが多少日に焼けたくらいでどうしてすぐに炎症おこすのかが不思議だけど。
「おい。商談はどうなってるんだ?」
多少ふてくされつつも何やらいっているルークに対し、
「仕方ないだろう。相手がこないんだから」
たんたんとそんなことをいっているガウリイ。
「約束の時間は夕方よ?」
「そうそう。それまでおもいっきりたのしまないとv」
プールサイドに腰掛けながらもさらっと答えるリナに、パシャパシャと水しぶきをあげて遊んでいるユニット。
ちなみに、ユニットはピンクのフリルのついたパレオ付きの服のタイプの続いた水着を着ていたりする。
リナが水に入らない理由は、ユニットにまで胸の大きさが負けているのを気にしてのことのようだけど。
まあ、見た目十歳そこそこのユニットよりも胸が小さいことを気にするのはリナらしい、といえばリナらしい。
「ち。はやく魔族に対抗する手段をかんがえなければいけないのに、これか」
「でもゼルガディスさん。せっかくですしゼルガディスさんもおよぎませんか?」
パシャッ。
そんなゼルガディスに向かって、ユニットと同じく水の中にはいりながらも水を手ですくって投げているアメリア。
「でもリナちゃん。リナちゃんなかなか成長しませんわね」
じ~とリナの胸元をみながらもそうつぶやくシルフィールに対し、
「シルゥ。あんたおもいっきり喧嘩ふっかけてるわけ?」
何やらそんな会話を繰り広げているリナの姿。
「まあ、チビのほうはともかくとして。商談は夕方か。ミリーナ、およがねえか?」
「遠慮します」
「ミリーナぁ~……」
くすっ。
この二人ってほんっと、見てて飽きないわよねv
「そういえば、ゼロス達はどうしたんだ?」
言っても無駄。
そう悟り、あたしに聞いてくるゼルガディスだけど。
「こっちのやつは今はマルチナと行動をしてるはずよ。一号のほうはとりあえずオリハルコンをとりにいってるわ」
人数が増えたこともあり、とりあえず先々の資金確保を兼ねてオリハルコンを採掘にいっているゼロス一号。
「…前もおもったが、お前にかかったら魔族も魔族でないな……」
前回、あたしたちがこちらにきたときのことを思い出し、何やらつぶやいているゼルガディス。
「ま、そんなことより。のんびりしましょ、のんびりと♪」
たまにはこういうふうにのんびりとするのもいいわよねv
しばし、それぞれのやり取りを眺めつつも、海沿いにとあるプールサイド。
その一角でのんびりとすごすあたしたち。
あたしたちは今、リナが以来したというとある組織の連絡を待っている状態。
裏の事情に詳しいという人物が重要な情報をつかんでいる。
そう先日壊滅させた盗賊の一味から聞き出して、そのつなぎをまっている状態。
まあ、あれは別に重要なものでも何でもないけど、面白いから黙っているんだけど。
さって、今回も楽しくなりそうよね♪
「あんたのほしがっている情報はここにある」
周囲は日がおち、夕焼け色にと染まってゆく。
海の地平線の向こうに太陽が沈みかけ、太陽の輝きがゆっくりと落ちてゆく。
そんな中、森の中にと建てられているやぐらの一つ。
そんな中にと移動しているリナ達の姿。
「でも、どうして私たちはここでお留守番、なんですか?」
やぐらの下にて上を見上げながらも不満そうにいっているアメリア。
商談にむかったのは、リナとガウリイ。
そしてルークのミリーナの四人。
それ以外のあたし、ユニット、アメリア、ゼルガディス、そしてシルフィールはお留守番。
「あまり大人数だと相手に警戒を抱かせるから、というリナさんの意見だけど」
「それに、ルークとミリーナはその筋のプロだしねぇ」
一応、あの二人の本業は宝探し屋だし。
「しかし、ボーデンというやつは、裏でいろいろとやっているらしいが」
「せっかくですから正義の道をときたかったのにぃ」
それぞれにこたえるユニットとあたしの台詞に何やらつぶやいているゼルガディスとアメリア。
「まあまあ。それよりもわたくしは相手のほうが心配ですわ。
リナちゃんのことですから品物だけをもらって、
そのまま相手を力づくでいいくるめて呪文で吹き飛ばすこともありえますし」
さすがにリナの性格を把握しているだけのことはあり、さらっとにこやかにそんなことをいっているシルフィール。
あたしたちがそんな会話をしている最中、上にあるやぐらの中において、
「さすがね。ミスターボーデン。闇のマーケットを取り仕切るボスだけあるわ。それで中身は?」
目の前に座っている人物に問いかけているリナの姿。
ちなみに、リナの前には男性が一人座っており、向かい合わせにリナが座っている状態。
なぜかパイナップルがらの服にもみあげの頭。
彼の周囲にいる人物はなぜか首に骨でつくられた首飾りをつけて腰布だけつけていたりする。
そのうちの一人は、ボーデン、と呼ばれた彼に延々と団扇で風をおくっていたりするけど。
風くらい普通におこせばいいのにねv
そんなリナの質問に、
「その昔栄えた幻の古代王朝の遺跡のありかが書かれている地図。
聖なる加護をうけれるという究極の呪文書のありかが示されている」
脚を組んで鷹揚に言い放つそんなボーデンに対し、
「で?どんな呪文なの?」
「俺の仕事はここまでだ。宝探しは商売じゃない」
「まあ、仕方ありませんわね。それでいくらですの?」
「即金で十万」
「たかっ!ならこの商談は決裂ね。本当にそこに呪文書があるかどうかも不明だし」
「よく偽物つかまされることがあるしなぁ」
「ふざけるなっ!こっちは元手がかかってるんだ!地図は絶対に本物に間違いはないっ!
このボーデン様を愚弄するつもりか?!」
「でも実際に品物をみてないのに本物、ともいいきれないでしょうに。
せめて千、もしくは百程度ふっかけてくるならわかるけど」
「いやまて。百、というのはいくら何でもひどくないか?」
思わず至極もっともなことをいっているリナに対して突っ込みをしているルークだけど。
「あら?銅貨で百っていってるんだからかなりの金額よ?」
「「って銅貨!?」」
さらっというリナのセリフになぜか同時に叫んでいるボーデンとルークの二人。
「て、てめぇ!そこまでわれわれを愚弄する気か!?このボーデンさまにあまりなめた口をたたくなよ!?」
「ふぅん。いいわよ。そっちがそのつもりならねぇ」
ボーデンの合図に従い、リナ達にむかってくる彼の手下。
だがしかし、そんな彼らに対してにこやかにほほ笑み、
「火炎球!!」
ドグワアッン!!
周囲にかろやかなまでの爆発の音が響き渡る。
「しかし、おまえ、あれはひどくないか?」
思わずじと目でそんなことをリナにといっているルークの姿。
「かまいせん!あの人物は悪い噂ばかりなんですから!リナさん、よくやりましたっ!」
そんなルークとは対照的に、きっぱりといいきっているアメリア。
何やら後ろのほうでは焦げて動けなくなっているものが見えていたりするけどそれはそれ。
リナの放った術はもののみごとにボーデン達を直撃し、とりあえず地図の代金として銅貨十枚を払ったリナ。
「どちらの世界にしても、リナさんはリナさんなんですね……」
ふう、とため息ひとつ、ぽそっとつぶやいているミリーナ。
「まあ、リナちゃんですし。それよりリナちゃん。それには何とかかれているんですか?」
リナが手にしている地図をのぞきこみながらも問いかけているシルフィール。
「おまえ、慣れてるな」
「長い付き合いですので」
そんなシルフィールにとあきれてつぶやくゼルガディスにとにこやかにこたえているシルフィールだけど。
「ともあれ!これで悪が一つ滅びたわけですしっ!次はその宝の地図を解読するだけですねっ!」
一人はりきるアメリアに対し、
「まあ、いっても無駄、というのはよくわかったけどな。とりあえずそれをみせてみろ。
こういうことは本職にまかせとけ」
古代の遺跡。
ということはそこにいくばくかの宝物がある可能性がある。
それゆえに宝探し屋としての力の見せ所。
「どれどれ?…どうもジャングルの中にある遺跡、のようですわね」
「まあ、直接にいくのも可能だけど、ここはルークさんとミリーナさんのお手並み拝見としますか?ね、エルv」
「確かに。そのほうが面白そうよね」
『いや。直接いくのが可能、って……』
「ま、エル達だしなぁ」
にこやかにそんな会話をするあたしたちのセリフになぜか同時に突っ込みをいれてくるリナ、アメリア、ゼルガディスの三人。
一人ガウリイがそんなことをいっていたりするけど。
「まあ、たしかに。リナ達なら可能なんだろうけどな。いきなり移動させられてもたまったものじゃないし」
「とにかく。今はこれの解読が先決ですわね」
リナから受け取った地図を眺めてそんな会話をしているルークとミリーナ。
「じゃ、今日中にそれ、二人は解読しとしてね。あたしたちは今日のところはゆっくりと休みましょ」
「そうですね!こういうのは本家にまかせればいいでしょうし」
リナの言葉にさらっと同意し、きっぱりといいきるアメリアだけど。
「じゃ、決まりね。じゃぁ、ひとまず宿屋に向かいましょ♪」
何やら地図をみながら唸っているルーク達とは対照的に、あたしたちは近くの村の宿屋に向かってゆくことに。
「おのれ!リナ=インバース!!おぼえてろぉ~~!!」
あたしたちが宿屋に向かうその最中。
ようやく意識を取り戻したボーゲンが何やら空にむかって叫んでいたりするけど。
まったく、仮にも魔道士のはしくれなんだから、あの程度の術くらい防ぎなさいよね。
ボーゲンv
【貴婦人の横顔の小道を抜け、その先の矢印を目指せ】
「簡単に説明すれば道のりはそうかかれているな」
翌日、ひとまず地図に示されていた場所にと出向き、そんな会話をしているあたしたち。
「しかし、その貴婦人の横顔、って何よ?」
ルークの説明に思わずつっこみをいれているリナ。
「まあ、宝の地図とかいうものは、暗号のようなものだろうしな」
そんなリナに対して溜息と同時につぶやいているゼルガディス。
あたしたちがいまいるのは、ちょっとした森の中。
生い茂る木々が行く手をさえぎるかのようにそびえたっている現状。
「それでしたら、おそらくあれですわ」
いいつつも、とある一点を指し示しているミリーナ。
そちらには山がそびえたっており、ここからは完全なる姿は垣間見えない。
「上空から確認しましたところ、山の形が女性の横顔のようになっていました。
おそらくその地図に書かれている暗号の貴婦人の横顔はあの山のことだとおもいます。
山と山の間に続く道もありましたし」
伊達に宝探し屋を生業にしているわけではない。
そのあたりの確認は当たり前。
「なるほど。つまりあの山の付近があやしい、というわけか」
淡々と説明してくるミリーナの台詞にしみじみとつぶやいているゼルガディス。
「なら、あっちにすすんでいけばいいんですね」
「ガウリイさんを誰かが連れて飛んで行けば全員空からいけるんじゃないですか?」
確かに、このメンバーでいえば空を飛ぶことができないのはガウリイのみ。
アメリアが山のほうをみつつも指を指し示し、ちらりとガウリイをみていっているミリーナ。
「そんなの面倒だし。そだ。エル。この前やった空間をつなげるやつできないの?」
ミリーナが言わんとすることを察してあたしをみて問いかけてきているリナだけど。
「あら?できるけど。やる?」
「ここからみてもだいぶ距離がありそうだし。いきなり転移というより空間をつなげるやつのほうが……」
どうやら未だに空間移動に慣れないみたいだけど。
別にどうってことないでしょうにね。
「あ、エルエル!私やりたいっ!」
リナの提案にすちゃっと手をあげて立候補しているユニット。
「ま、いいわよ。別に」
「わ~いv」
あたしの言葉をうけて、くるん、と目の前の空間に大きく円を指で描く。
それと同時、円を描かれた空間が水面のようにと揺らめき、次の瞬間、別の場所と空間同士をつなげてゆく。
「ほんと。その方法便利ですよね。ぜひとも覚えたいです。城から抜け出て正義をひろめるためにも」
「あたしも同感!それ覚えたら盗賊いじめ…もとい、退治のあと疲れなくてすむし」
何やら二人して同じようなことをいっているアメリアとリナ。
「頼むからおまえら。やめとけ。それは」
「覚えたら覚えたでまじでしゃれになんないような気がするからやめとけ」
そんな二人に同時に突っ込みをいれているゼルガディスとルークの姿。
「とりあえず。それよりいそぎませんか?いつ何どき刺客がくるともかぎりませんし」
先日のゼフィーリアの一件にてリナが魔竜王ガーヴから狙われている、ということを一応シルフィールは知っている。
それゆえに心配しつつ、先を促してくるけども。
というか、すでに遺跡で待ち伏せしてるんだけど。
それはまあ面白いからだまっとくとしますかねv
ともあれ、あたしたちはユニットが作り出した【鏡面】を抜け、山間のふもとにと向かうことに。
さってと。
面白くなってきたわねv
「目指すは貴婦人の首筋、そこに次なる目印があるそうです」
すでに昨夜のうちに地図を頭にいれて暗記しているミリーナ。
とりあえず、リナが地図を手にしているものの、先頭をきっているのはルークとミリーナの二人。
二人を先頭にして進んでゆくことしばらく。
目の前のほうから歩いてくる人物が二人。
青い髪を二つにまとめ、それぞれに同じ顔。
服装もすべて同じにしているのがこだわりともいえるけど。
「…首筋、首筋……」
ミリーナの言葉をうけて、地図とにらめっこしていたリナがその二人にきづいてふと前をみる。
そちらもまた、何やら洋皮紙を手にもち同じようなことをつぶやいていたりする。
「…貴婦人の…横顔?」
ふと嫌な予感が突き抜けて、地図と相手をみつつもつぶやくリナに、
「…その…首筋?」
相手もまた、なぜか顔色を悪くしながら地図とにらめっこしつついってくる。
「…古代王朝の…遺跡?」
「その奥に隠された…呪文の書!?」
それぞれが地図を片手にそんなことをいっていたりするけども。
「お仲間か?」
「らしいな」
そんな双子の姿をみてきょとん、とした声をだしているガウリイに、それにこたえているゼルガディス。
そしてまた、
「いいなぁ。双子さんだわ」
どこか違うところで感激しているシルフィール。
シルフィール、いまだに姉妹ほしがってるからねぇ。
そんな彼らのつぶやきは何のその、
「いったいどこから嗅ぎつけてきたのかは知らないけど呪文書はあたしのものよっ!」
「そうはいかないね!あたしたちがいれてこそ価値あるものね!」
何やら面白い言い合いを始めているリナ達の姿が見て取れる。
ちなみに、名前を と 。
「お姉様と二人、これまで苦労してきたのねっ!」
「こっちだって苦労したんだからねっ!元手だってかかってるんだからねっ!」
「…銅貨十枚は元手とはいわんとおもうぞ。俺は」
「なら、とりあえず俺達はこっちかな?」
「だな」
「みつけたぞ!ボーゲン様に逆らったやつらだな!」
「少しは腕がたつって話だが今度はそうはいかないぜ。いいか、おれたちはボーゲン様の……」
「ああもう!うるさい!火炎球!!」
どごぉぉっん!
「よっし!」
「…オレ達の立場は?」
「ともかく!
-続くー
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