エル様漫遊記  ~魔竜王ガーヴ~


「へっ。やっとみつけたぜ。」
そういいつつ虚空から出てくる赤い髪の男性が一人。
う~ん、面白くなってきたわねぇ。
『ガ……ガーヴ様!!』
その姿をみて水晶の中から叫んでいるラルタークとラーシャート。
ちなみにガーヴは彼らが置かれている水晶のちょうど後ろにと出現していたりする。
うん?あいつらの声?
きょろきょろと周りを見渡し、そしてふと足元に転がっている水晶にと気づき。
その中には、見覚えのある人影二つ。
それに気づき。
「うん?何だ?お前ら?そんなところで何してる?」
とゆ~か、こいつら何遊んでるんだ?こんな水晶の中で?
そんなことをおもいつつひょいと水晶を拾い上げるガーヴ。
そして自分の目線の高さに水晶をもっていき、
「何遊んでるんだ?さっさとこの中からでてこい!」
二人にむかって一喝しているけど。
『そ……それが……』
そういいつつ水晶の中で顔を見合わせている二人の男性。
どうやっても力を尽くしてもこの中からは出られない。
そのことになぜか驚愕しているこの二人。
「どうした?」
水晶の中で戸惑っている二人に問いかけているガーヴ。
くすくすくす♡
「あらあら。無駄よ。そいつらごときがどんなにがんばっても…ね♡」
そんな様子をみつつくすくす笑うあたし。
その言葉にあたしの方を振り向くガーヴ。
くすくすくす。
「しっかし、ガーヴ?あなたフィブリゾが流した情報にあっさりと踊らされて…
  そこまではまあいいとしても♡
  そのためにこのあたしの命を狙うとは、いい根性してるじゃない♡
  そういえばこの前、このあたしの結構お気に入りでもあった迷路と庭園……
  めちゃくちゃにしてくれたよねぇ?ガーヴ?あんたは?」
にこやかにそういうあたしの言葉に首をかしげ。
「????何のことだ?」
本気でわかってないガーヴだし。
う~ん、情けないわねぇ。
この声じゃ、わからない…か。
「まったく、この『声』じゃあわからないみたいね?
  あんたといいSといいここの魔族って……まったく。
  まあいいわ。だったら。『この声ならどうかしら?ガーヴ?』♡」
ぴしぃぃぃぃぃぃん!
あ、面白い♡
ガーヴがたったまま硬直してる。
そして次の瞬間には。
ずざざざざっ!
面白いまでに音を立ててあたしの後ろで、フィブリゾとゼロスが反射的に膝まづいているし。
う~ん、完全に硬直してるわねぇ。
だらだらだらと、ガーヴの体から大量に面白いまでに汗が吹き出てるし。
「そそそそそそそそそ!?」
その次の言葉が出てこないし♡
「そ……そそそそその声…ままままままさか!?」
なぜか口をばくばくさせて、汗をだらだらとかきつつ、あ、顔色も悪くなってる♡
何やらそんなことをいいつつ口をばくばくさせて叫んでいるガーヴ。
「お~い?リナ?何か騒がしいけど、何かあったのかぁ?」
そういいつつのんびりとあるいてきて、そしてそこにいるガーヴを見つけ指をさしつつ。
「なあ?リナ?この魔族のおっさん…誰?」
のんきにさらりとあたしに聞いてくるガウリイ。
……な゛!?
そのガウリイの台詞に絶句しているゼロス、フィブリゾ、ついでにガーヴ。
「あらガウリイ。こいつ?こいつは魔竜王カオスドラゴンガーヴよ。
   水晶の中にいるラルタークとラーシャートの一応上司♡」
そんなガウリイに説明すしておく。
ちなみにガウリイには声を戻して、『リナ』としての声で話しているけど。
「おお、そっか。なるほどうりで。
  そのラルなんとかってやつと。ラトなんとかってやつに魔力波動が似てると思った。」
あたしの言葉にぽんっと手を打っているガウリイ。
そういえばガウリイ、その存在のうちに眠る力の波動まで見定めることできるのよね。
どうでもいいけど、むちゃくちゃに簡単ことだし。それって♡
「あ……あああああの!?ガウリイさん!?そんなことまでわかるんですか!?」
そんなガウリイの言葉になぜか驚愕の声を上げているゼロス。
「え?誰でもわかるだろ?」
のほほんというガウリイに。
「……ガウリイさんだけですよ……それは絶対に……」
などと突っ込みをいれているゼロスだけど。
「まあいいわ。ゼロス、ガウリイをちょっとかまってて♡んで、フィブリゾはこっちね♡」
あたしのその言葉にようやくそこにいる子供に気づき、驚愕の声を上げているガーヴ。
……気づくのが遅すぎよ……まったく。
「……な゛!?き…貴様!?何でお前がこんなところに!?」
ようやくここにいるフィブリゾに気づいてわめいているガーヴ。
一方ゼロスはガウリイにガーヴのことを説明しているけど。
少しばかり苦戦しているみたいだけどね♡
ま、ゼロスに説明は任しておきましょう。
ガウリイ、意味がよくわかってないようだしね♡
ちなみに説明を受けているがためにこちらの様子はガウリイには見えてない。
まあそれが目的でもあるんだけど。
「あら?フィブリゾが何でここにいるかって…何わかりきったことをいってるの?ガーヴ?
  そりゃ、このあたしを利用しようとして、ただで済むわけがないし♡
  だけど、一応無駄にも謝りにきているのよ♡このフィブリゾは♡」
にっこりと微笑みつつフィブリゾを一瞥していうあたしの言葉に。
……あう…
心でなぜか泣きながら、その言葉に面白いまでに恐怖という感情を撒き散らしいるフィブリゾ。
「ガーヴ。あんたへのお仕置きは…っと。そうねぇ♡
  滅ぼしても意味ないから、ちょっと変わった方法にしてみましょうか♡」
いいこと思いついたし♡
面白いこと♡
くすりと笑ってにっこりと微笑みかけ。
『…………』
なぜかあたしの笑みに凍り付いているガーヴとフィブリゾ。
「とりあえず中途半端な術は解除して……っと♡」
かっ!!!
あたしの言葉と同時にガーヴを金色の光が包み込む。
「お♡オレは!」
死にたくない!などと何やら光の中で叫んでいるガーヴだけど。
簡単に殺したらそれこそ面白くないじゃない♡
やっぱりお仕置きはそれなりのものを用意しないとね♡
「さってと、そうね♡ガーヴの記憶ちょっと操作してっと♡
  魔族としての記憶封じて人間にしてみましょうかね♡」
あたしの言葉と同時に光が消える。
そして、光がなくなったそのあとには、そこにはもはやガーヴの姿は微塵も見えない。
そこにいるのは―

「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

一人の赤い髪をしている赤ん坊が泣き喚いていたりするけども。

パチン♡
そしてあたしが指を鳴らすのと同時に水晶の中の二人が開放される。
ちなみにガーヴが手にもっていた水晶は、赤ん坊の横にころころと転がっていたりする。

今まで着ていた服の上で泣き叫んでいる赤ん坊。
ついでに記憶も全部まっさらにしておいたけど♡
『……な゛!?ガーヴ様ぁぁぁあ!?』
あ、面白い♡
ラルタークとラーシャート、二人の絶叫が同時にこだましてるし。
そこに横たわる赤ちゃんガーヴをみて絶叫上げているこの二人。
そんな二人の前でただただ赤ん坊は泣くばかり。
「はい♡これで完成♡あ、フィブリゾ♡あんたガーヴをあやしてらっしゃい♡」
あたしのその言葉に。
「は……はぃぃぃぃぃい!」
あわててこけそうになりながらそこに向かって走ってゆくフィブリゾ。

「終わりましたか?」
のほほんとようやくガウリイに説明し終えてあたしに言ってくるゼロス。
そしてその後ろにはガウリイ。
「いやぁ、何度も説明してもらったが、…ぜんぜんわからんかった。」
にこやかに笑いながら言い切るガウリイに。
はぁ…
そんなガウリイを恨めしそうな瞳で見て、ため息をつき。
「……つかれました…僕……」
どうしてあそこまで説明して……わからないんでしょうか?ガウリイさん……
ガウリイに説明するのに本気で疲れているゼロスだし。
「こっちは終わったわよ?
  あ、そうそう、あんたたち?一応ガーヴは約千年以上はこれ、とけないからね♡」
まあ約年千ほど人間やってたら面白いことになりそうだし♡
にっこりと微笑みながら゛カーヴの二人の神官と将軍に向かって言うその言葉に。
「お……お前は・・いったい!?」
なぜかラルタークが口を開いてくる。
「お母さま?この赤ん坊ガーヴ、どうなさるおつもりですか?
  僕は滅ぼそうかとおもってたんですが……」
ガーヴを抱いてフィブリゾがあたしの前にとやってくる。
そしてちらりとラルタークとラーシャートをみつつ。
「それと、この二人。滅ぼしちゃってもいいですか?」
にっこりと微笑んで、でもなぜか畏怖を抱きつつも、あたしにと聞いてくるフィブリゾ。
「ま、どうせ何もできないし。ほっときましょ。
  で、このガーヴはね。んっふふふ♡神殿に預けるのよ♡神族側のね♡
  本来魔族のこいつが神族の神官の心得などを習得いっていったらどうなるかしら♡
  何事も実験よ、実験♡ちょうどそんなの創って遊んでみようかと思ってたところだし。
  いい実験材料がみつかったわ♡ふふふふ♡」
にっこりと微笑むあたしのその言葉に。
「実験……です……か?」
多少声をかすれさせているフィブリゾ。
……よ……よかった。僕がそれにならなくて。
などとなぜか本気で安堵してるこいつだし。
どういう意味かしらねぇ♡
「そう♡」
きっぱりとにっこりと言い切るあたしのその言葉に。
『・・・・・・・・・・・・・・・』
なぜか無言になっているゼロスとフィブリゾの二人だけど。
まったく。
何をこのくらいで、心底冷や汗かいてるのかしらね?
さってと、そろそろゼルガディスたちも戻ってくるころかしら♡

「……お母さま…だ……と?
  冥王ヘルマスター様がそう呼ばれるお方といえば……あのお方しか・・・・」
フィブリゾのその言葉を耳に捕らえてつぶやくラルターク。
「いやぁ、そのまさかなんですよ。ラルタークさん、ラーシャートさん。
  ね?知らないほうがいいでしょう♡」
にっこりとそんな彼らにむかって微笑みかけてその肩に手を置いているゼロス。
ずざぁぁぁぁ!
『……な゛!?』
あ、面白い♡
二人の色が一気になくなって同時に叫び、見事の二人の声が重なってる♡
ちょっとまてぃ!まままままままさか!?
リリリリリリリリナ=インバースという人間が……
あ…あああああの御方だとぉぉぉぉ!!!!!?
などと同時に心で叫んでいるこの二人。
あらあら、そんなに驚愕するようなことでもないでしょうにね♡

「それはそうと、それより♡そろそろゼルガディスたちが戻ってくるわよ♡」
くすくす笑いつつあたしが彼らが先ほど入っていった岩壁の方を見ると。
そこから出てくる三つの人影が。

「リナ!!!!」
「リナさん!」
「リナ殿!」
『無事(か)(ですか)!!』
同時にそう叫んでいるゼルガディス、アメリア、ミルガズィアの三人。
そう叫ぶなりあたしの方にとかけよってきたりするけど。
「あらあら、どうしたの?そんなにあわてて?」
にっこりと微笑むあたしのその問いかけに。
「どうしたもこうしたも!リナさん!!!」
息を切らせているアメリアに。
「こっちに魔竜王カオスドラゴンガーヴがこなかったか?」
そう聞いてくるミルガズィア。
「ああ、ガーヴ?ま、一応はきたわよ?でも寄り代にしていた人間をおいていなくなったけどね♡」
そういいつつフィブリゾが抱いている赤ん坊を指差す。
まあ、嘘ではないし♡
真実でもないけど♡
ふとその横にいる人影二つに気づき。
「……な゛!?お前は…!?竜将軍ラーシャート!?なぜここにいる!?
  あの話ならば何度も断ったはずだが?」
警戒の色を含め問いかけるミルガズィア。
そういいつつラーシャートの方にと敵意を向ける。
「……う~む。あの話はなかったことにしてもらおうかのぉ?いくぞ、ラーシャート殿。」
そう断言しそのままラルタークとラーシャートの姿は掻き消えてゆく。
「……いいんですか?ほっといても?」
それをみつつ聞いてくるゼロスの問いかけに。
「あら、別にあんな下っ端がどこにいこうが害はないでしょ?」
「……はあ……まあ…そ~ですけど……」
運がいいですねぇ、あの人たちは。
などと思っているゼロスだし。
「ま、それはともかく。ゼルガディス、アメリア。聞きたいことは聞けたかしら?」
にっこりと問いかけるあたしのその言葉に。
「あ……ああ……」
「……ま…まあ一応は……」
二人とも歯切れが悪いし。
う~ん、別にあの程度のあたしに関する情報を聞いただけで、
どうしてそこまで気にしているのかしらね。
本当、人間に限らず存在する命あるもの達の考えって…面白いわよね♡
あたしの問いかけにしばらく顔を見合わせて黙り込むアメリアとゼルガディス。
そして、また。
ラルタークたちが消えていった虚空をじっと眺めてにらみつけているミルガズィア。
そんなこんなで少しばかり時間が過ぎてゆく。


              -続くー

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あとがきもどき:
薫:・・・・・・・うっしゃぁぁ!とゆーか・・・・・。
  ここでくぎっていいのか?
  ノートには・・・・あと二ページしかないぞ?この話?
  でも・・・・ここかいたとき・・・眠くて・・ほとんど会話オンリーにしてるから。
  加えつついったらどうにかなるか?うん(笑)
  ガーヴ、赤ちゃん登場ですv
  ではではv2003年7月8&9日。

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