エル様漫遊記  ~ガイリアの陽動~


ディルス王国。
その正門の前。
そんな正面門にいる兵士たちの姿が見て取れる。
「あの?すいません。ブランデッド神官長はご在宅でしょうか?とりついでもらいたいんですが?」
いきなりブランデットと呼び捨てにしたり、普通に話してもいいのだが、
一応彼らはあたしのことを誰だか知らない。
そしてまた。
あたしたちはあたしにアメリア、そしてガウリイにゼルガディス。
ついでにフィブリゾにゼロスにラルターク。
あたしとしてはそんな大所帯ではないと思うけど。
なぜだかこの程度で人は結構な人数と称したりするし。
そう門番の兵士に話しかけるあたしになぜか胡散臭そうな表情をむけ。
「なぜ?神官長の名前を知っている?お前は誰だ?」
などと警戒の色をもってあたしを見回してくるその兵士。
そ~いえば一応あの人間。
あれでも、この城の…というか、この国の中の神官の長だったりするのよねぇ。
どうでもいいけど、そんなこと。
そんな兵士の口調になぜか冷や汗をだらだらと流しつつ。
…あわわ!この人間、この御方に対して何ていう口調をぉっ!?
などと本気でなぜかおびえているゼロスに。
「??ゼロス…貴様おびえてないか?」
そんなゼロスに質問していたりするラルターク。
「それは……秘密です♡」
そんなラルタークの質問をにこやかに交わしているぜロスだけど。
ま、それはそれ。
「というか、『ルナ=インバースの妹がきた』と連絡していただければ。わかるとおもいますけど?」
一応ここは下手にでるような形で対応しておいたほうが、後々面白いというか後をひかないし。
結構丁寧語っていうのもたまぁぁに使うのも面白いからねぇ。
ふふ♡
そんなあたしのその言葉に一瞬不思議そうな表情をうかべ。
それでもむげに断ると……何か後が怖いような気が何となくするし……
などとおもいつつ、そのまま奥にと引っ込んでゆく兵士その一。
別に名前もレオンってわかってるけど関係ないしそれは。
奥に入ってゆく門番の兵士をみつつ、
「リナさん?神官長と知り合いなんですか?」
ふとそんなことをあたしに聞いてくるアメリア。
普通こういった城の神官長などは表にでることはほとんどなく。
城の中にある神殿でさまざまな行事などをこなしつつ、その役目を終えるまでまず城からは離れない。
それゆえに国外などに出ることなどほとんど皆無といってよく。
王室関係者でも互いの国の神官長の姿など、完全に把握している国などは少なくない。
今現在、ここはそういった形で人間は進化の道を歩んでいる結果ではあるけども。
普通めったと外にでない神官長。
そんな彼らと知り合うというのは今のここの様子では、
その王室とかなり深いかかわりがあるものたちに限られていたりする。
そんなことを思いあたしに聞いてきているアメリア。
「まっね。以前ルナとここにきたことがあるのよ♡そのときにね♡」
そういってかるくウィンクひとつ。
「……ルナ?」
あたしのその言葉に繭を潜めているラルターク。
そんなラルタークに向かって。
「いやですねぇ。ラルタークさん?ぼけたんですか?
  赤の竜神の騎士スィーフィード・ナイトのルナ=インバースさんのことですよ♡」
にこやかに笑顔をたたえつつにっこりとラルタークに向かって言っているゼロス。
「す……スィーフィー……フィー!」
そののままフィーを連発して絶句していたりするラルタークだし。
……ちょっとまてぃ!
こ…このリナとかいう人間は…あのスィーフィード・ナイトのい…妹だとぉ!?
などとなぜか心でかなりの絶叫を上げていたりするんだけど。
一応表面上はそうなってるわねぇ。あたしは。
この世界では表面上、形式上はルナの妹のリナ=インバースとして通ってるし♡
ルナはそれでなぜかおびえまくっていたりするけど。
「……まあ、何だな。リナが王室関係者に顔が通じるのは確かにありがたい。」
などといっているゼルガディス。
「そうですね。ここはセイルーンもあまり付き合いない国ですからね。」
確か二十年前までには付き合いも多少はあったらしいが。
それ以後は……セイルーンともこの国、ディルスは付き合いがないらしいですし。
そんなことを思っているアメリア。
そんな会話をしているあたしたちの横では。
じっとこの町とそしてしろの中を見ていたりするガウリイ。
……う~ん?
何でこの国……こんなに魔族ばっかりなんだ?
などと思って周りをのんぴりと見回していたりするけど。
ま、確かにこの国は今、面白いことにちょこっと今魔族とかが入り込んでいるからね♡
そんなほのぼのとした会話をしつつまつことしばし。
バタバタバタバタバタバタバタバタ !!!!
正門の奥から走ってくる人影が数名。
「おおおお!リナ=インバース殿か!?大きくなったものじゃのぉ!ルナ殿はお元気かな?」
その中で一番年をとっている男性があたしにと話しかけてくる。
「お久しぶり。ブランデッド。相変わらず元気そうね♡」
あたしのその言葉に少し苦笑しつつ。
「いやはや、どうにかこの老いぼれどうにかやっておりますわい。ところで…後ろの人たちは?」
彼を含めた神官たち合わせて六人がアメリアたちの方をみているが。
それを代表してあたしに聞いてくるこのブランテッド。
「あ?彼ら?あたしの旅のつれ。一応自己紹介しておくわ。」
そういいつつアメリアたちのほうを視線でみつつ。
「彼女が聖王国セイルーンの第一王子。
  フィリオネル=エル=ディ=セイルーンの二番目の娘でもある、
  アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。で、こっちがガウリイ=ガブリエフ。
  でレゾの身内のゼルガディス=グレイワーズ。でこのどうでもいいのが。」
一応簡単に説明するあたしのその言葉に。
「しくしくしく…リナさん。どうでもいいって……。と…とりあえず謎の神官ゼロスといいます♡」
そういいつつにこやかに笑い挨拶しているゼロスに。
ぶすっとしたままのラルターク。
ちなみにゼルはというとレゾの名前を出したことで。
多少ふてくされてはいるものの、
一応この国は二十年前のちょっとしたことでレゾとはかかわりあるし。
だから名前だしたんだし。
そのほうが何かと都合がいいしね♡
ちなみに彼のあの術…実はレゾも関係してるのよねぇ。
ふふふ♡
まあそれはどうでもいいことだけど♡
あたしの説明に、周りにいた兵士たちから感嘆の声が漏れていたりする。
まあ、ゼロスはどうでもいいとしても。
まがりなりにもセイルーンの王女であるアメリアと、そして、赤法師レゾの曾孫でもあるゼルガディス。
この二人の名前だけで尊敬のまなざしを送っていたりする兵士たちなんかもいたりするけど。
あたしの説明に軽く感嘆のため息をはきつつ。
「ほほぉう、何やら大物ばかりのようじゃのぉ。さすがはリナ殿。
  …ところでアメリア様…といったかの?なるほどグレイシア様の方によく似ておるのぉ。」
しげしげとアメリアをみていっている白いひげを蓄えているブランテッドのその言葉に。
「あ……あの?リナさん?こちらの人は?」
意味がわからなくてあたしに聞いてくるアメリア。
そんなアメリアのその台詞に。
「おお、そうじゃったの。そういえばアメリア姫とは初めて会うのじゃったの。
  こちらの紹介がまだじゃったか。わしはブランデッド=グリューン。
  このディルルス王国の総神官長を勤めておる。
  まあ、人によっては大司教というものもおるがな。このものたちはわしの部下たちじゃ。」
そういいつつほかの数名を見渡すブランテッド。
一般的に大司教というのが正しいのだが、このブランデッド。
そんな呼び方は自分にはふさわしくないといって、
それでは…というので周りの意見もあり、神官長を名乗っていたりする。
まあ、彼も言い出したら頑固として聞き入れないのは、周りの人間もよく承知の事実の結果。
それゆえに一応彼のことは神官長でこの国では通っているんだけども。
そんなことをいいつつ。
「こんなところでの話しも何じゃから。ささ、入りなされ。御供の方たちもみんなでな。」
そういって城の中にと招き入れるブランデッド。
ちなみに、さきほどあたしにため口聞いていた兵士などは、地面に頭をこすりつけてなにやら謝り倒していたりするけど。
ま、どうでもいいことだけどね♡
「そうね。じゃ、いきましょ。」
にっこりと笑って後ろにいるアメリアたちに微笑んで、促されるままにと城の中にと入ってゆく。

城の正面の正門をくぐると。
緑の芝生が広がりそしてその正面にまっすぐに伸びている白い石畳の道。
緑の芝生の中には小川などが作られており、ところどころに噴水なども設置されている。
いきつく先は黒大理石で作られた飾りのないとぼしい重厚なデザインの王宮。
といっても全部が全部大理石で作られているわけではないにしろ。
城壁に囲まれたさほど広くない。
なぜかこの程度で人間なんかは、ただっ広いと表現するらしいけど。
とにかくそんな敷地内部にところどころ離れや別館が点在している。
左手の方では整列した騎士たちが訓示を聞きつつ訓練なんかをしていたりもするけども。
「……何かざわついてるな……」
そんな王宮の様子をみてそんなことをぽつりとつぶやいているゼル。
まあ普通の兵士などに魔法を教えている姿など。
一応ここでは魔道士協会からは禁止されているにもかかわらずに。
ある目的のためと称して兵士たちなどにレクチャーをしている、魔道士・・といっても実は彼ら魔族なんだけど。
それにだぁれもきづいてないし♡
そんな訓練をしている兵士たちの様子をみてつぶやくゼル。
そんな光景を目の端にとらえつつ進むあたしたちに。
「とりあえず神殿のほうにご案内いたしますの。ほっほっほっ。」
そういいつつ長く伸ばしているあごひげをなでているブランデッド。
そういえばこのほうが少しは威厳があるように見えるとかいう理由で、
こいつひげ・・伸ばしているのよね。どうでもいいことでしょうに。
そういいつつ王宮の中にある神殿の総本部にとあたしたちを案内するブランデッド。

「へえ、結構さっぱりしてますね。」
あたりを見回しそんなことをいっているアメリアに。
「まあ、セイルーンの神殿とまではいきませんがの。」
そういいつつ。
「ささ。どうぞ。」
そういいつつあたしたちに席を勧めてくる。
神殿のちょっと奥にあるちょっとした部屋。
赤い絨毯が敷き詰められ、歩いていると足が少し埋まる程度。
そこにある大理石のテーブルにあたしたちを促すブランデッド。
そんなあたしたちにここに勤めている巫女や小間使いなどが飲み物を運んできたりしていたりするけど。

「……で?本日お見えになられたのはどのようなご用件ですかの?」
そういってたわいのない会話をしたあとに、あたしたちに聞いてくるブランデッド。
ちなみにあたしたちは用意された飲み物やクッキーをかじりつつ、会話をしていたりするけども。
そんなブランデットの言葉に。
「その前にこの町……どうにかしたほうがいいんじゃないかぁ?」
ぽつりとつぶやいていたりするガウリイ。
まあ、神殿の中にいる多少の存在も魔族だとガウリイ把握できてるからねぇ。
「ま、それもいえてるわね。」
そんなガウリイのその言葉に紅茶を一口、口に含みつつ答えるあたし。
「……?あの?はて?何のことですかの?」
意味がわからないらしく首をかしげるばかりのブランデッド。
「あら?気づいてないの?
  これだけ町の中やしろの中に。ど~でもいい下級雑魚魔族が潜んでるのに。
  一応あれでもまったく役に立たない程度の力しかないやつらだけど。
  ここでは中級魔族とか下級魔族とか呼ばれているような輩が。
  この城の中や町のなかにうろうろしてるわよ♡」
にっこりと微笑み、紅茶カップを手にもちつつそういうあたしのその言葉に。
「いや~?やっぱり?どうもいっぱい魔族がいるなぁ…と思ってたんだよな。
  やっぱり気のせいではないのか。はっはっはっ。」
などと明るくいいつつクッキーをかじっていたりするガウリイ。
『な゛!?』
そんなあたしとガウリイのその台詞になぜか絶句していたりする、アメリア、ゼルがディスに。
そしてここの神殿に使えている人間たち。
しばらく絶句したのちに、がたんと席を立ち上がり、
「な゛!?何と!?それはまとこですか!?リナ殿!?」
「そうですよ!それ本当なんです!?リナさん!」
ブランデッドとアメリアがあたしにそんな質問を投げかけてきたりするけど。
ちなみに、ラルタークといえば。
……なぜ……気配がわかるんじゃ?この人間……何者?
などと思っていたりする。
そんな二人が立ち上がるのとほぼ同時に。
そんなほのぼのとした会話をしていると。
「失礼しますぞ。ブランデッド神官長殿。
  こちらにリナ=インバース殿が見えられている。とお聞きしたのですが……」
そういいつつ入ってくる、一応あまり飾り気のない鎧に身を包んでいる男性もどきが一人
そんな彼をちらりとみて。
「ラーシャート将軍か。何か用かの?」
今はそれどころではないというのに。
今の言葉の真偽を突き止めるのが先じゃ。
などとおもいつつそれでもむげにできずに話しかけているブランデッド。
そんな彼のその言葉に少し苦笑しつつ。
「いえ、私どももリナ=インバース殿にお話がありま…し…て……」
そういいつつラーシャートと呼ばれた彼の言葉がラルタークの姿を目に留め、思わずとまる。
そのまま驚愕したように。
「ラ……ラルタークどの!!?」
いきなり驚愕して、おもいっきり後ろに飛び下がりつつ叫んでいたりするこのラーシャート。
「ば…馬鹿!ラーシャートっ!」
そんな彼の言葉にあわてて静止の言葉をかけているラルターク。
でももう遅いわよ♡
その言葉に入ってきた男性をみつめ、ばっと立ち上がり。
つかつかとそのラーシャートの前にあるいていき、ぴっと指をつきつけて。
「あなた!ラーシャート将軍…とか今呼ばれてましたよね!?
  何でこのラルタークを知っているんですか!?もしかして……あなた……」
そういいつつじと目で目の前にいるラーシャートを見ているアメリア。
そんなアメリアの様子に。
『?』
意味のわかってないここの人間たちは首をかしげつつ。
「どうかされたのですかの?
  どうやらそこの老人とラーシャート将軍が知り合いのようですが?何かあるのですかの?」
そういって聞いてくるブランデッド。
ほかの人たちも不思議そうにラルタークとラーシャートを見比べていたりするけど。
「いやぁ、それはそうでしょえねぇ。
  このラルタークさんこれでも魔族の一員ですし。はっはっはっ♡」
にこやかにさらりといっているゼロスに。
「ま、ゼロスのいうとおりよ。このラルターク。
  とあるやつをちょっとお仕置き…もといおびき出すために。
  とってるいわゆる人質みたいなものかしら♡
  あ、一応こいつ、これでも竜神官りゅうしんかんですから♡」
そういってちらりと目でラルタークを指し示し、残った紅茶を一気に飲み干す。
・・・・・
しばしなぜか訪れる一瞬の静寂。
『……な゛!?』
その直後、なぜかその場にいた神官たちや小間使い。
ともかく、この場にいるあたしたち以外の全員が驚愕の声を上げていたりするけど。
カチャリ。
紅茶を飲み終えてそのままコップをテーブルの上にとおき。
「……さってと♡」
そしてなぜか、
未だに状況というか意味が完全に理解できてないらしい、ブランデッドに微笑みながら。
「あ、そうそう、ブランデッド♡町とかの魔族一掃しておくから♡
  このラーシャートあたしに預けてもらえないかしら?
  一応たとえいくら雑魚ともいえる竜将軍りゅうしょうぐんといえども。
  王室がそんな魔族を雇ってるなんて外に知られたら大変でしょうし♡」
にこやかにいうあたしのその言葉に。
「……ええええ?!じゃ、この人もやっぱり魔竜王関係ですかぁ!?」
驚きの声を発していたりするアメリア。
まあ一応このラルタークがガーヴの部下だというのは、アメリアたちには話しているからねぇ。
ぱたぱたと手をふりつついうそんなあたしのその言葉に。
…くっ!
正体がなぜそこまで早くっ!?
こうなったら!
などとおもい身構えているこのラーシャート。
「ぐ…お、おのれぃ!」
そういいつつ一声ほえると同時に彼の手に面白い形の剣が出現する。
そして剣を構えたままあたしの方にとそのまま突進し、
「よせ!ラーシャート!」
ラルタークの静止の声も聞かずに突っ込んできたりする。
――キンッ!
小さな音を立ててラーシャートの切っ先がへし折れる。
ちなみに切っ先とそしてその根元から完全にへし折られていたりするけど。
折られた剣は面白いままに床の上に銀色のよどみをのこつつ、
それもとろりと溶けて床のうえにちょっとした銀色のよどみを残すのみ。
「……な゛!?」
半ば呆然と小さく驚きの声を漏らし右手をひくラーシャート。
「悪いが。オレはこいつのボディーガードなんでね。」
そういいつつ剣を構えてにっと笑っているガウリイに。
これまた。
「やれやれ、ずいぶんとせっかちですねぇ♡」
のんきにいっているゼロス。
「……おい、ガウリイ。お前本当に人間か?」
「……よくまあガウリイさん……魔族の剣……へしおれますね。」
などとそんなガウリイにあきれた声をあげているアメリアとゼル。
ちなみに、切っ先を折ったのはガウリイで、根元からへし折ったのがゼロスであるけど。
「うん?できるだろ?
  それにこれくらいできないと。リナと旅なんかしてたら命いくらあっても足りないぞ?」
のほほんというガウリイのその言葉に。
『……確かに。』
きっきりと声を重ねて同意しているアメリアとゼル。
ほぉぉぉう。
「あんたたちぃ?どういう意味かしらぁ?」
にこやかに微笑むあたしのその笑顔に。
「だぁぁ!まて!リナ!こんなところでそれはやめろぉ!」
「そうです!リナさん!当たり前のことをいっただけです!」
あたしが手にしている魔力の光をみてなぜかわめいているゼルに。
あわててそんなことをいってくるアメリア。
あたしがアメリアたちをからかっているそんな中。
「……な…なんだと?」
どうして人間なんかに……これが折られるんだ?
それに……?
このにこ目の怪しい神官は?
いまだにゼロスの正体に気づいてないこのラーシャート。
「よせ。ゼロスにはおぬし一人ではかてん。」
そういいつつラーシャートのそばにいって止めているラルターク。
……な゛!?
ゼロ…ス!?
獣神官プリーストゼロスか!?
その言葉にようやくゼロスのことに気づくラーシャートだし。
……あんた遅すぎよ。
「で…では!二人なら勝てるのでは!ラルターク殿!」
などといいつつまだやる気のラーシャート。
とりあえず面白いことを言ってくれたアメリアたちに、ちょっとした塊を数十個ぶつけておいて。
なぜかそこでうづくまりうなっているアメリアたちだけどどうしたのかしらね♡
なぜか状況についていけないらしく呆然としているブランデッドたちにと向かって。
「で?いいわよね?あれもらっても♡」
そんな言い争いをしているラーシャートを指し示す。
なぜか呆然としているブランデットを含むここの神官たち。
無言のまま。
―こくり―
全員の首が下にとさがる。
「さって♡了解えたことだし♡ゼロス、いつまでもからかって遊んでないの♡」
にっこりと微笑みつついうあたしのその言葉に。
「は……はぃぃい!」
あわててラルタークたちの横から離れているゼロスだけど。
『……いや、どうしてゼロス(殿)が、人間なんかのいうことを聞くんだ?(きくのじゃ?)』
なぜかそれをみて同時に声をハモらせているラルタークとラーシャート。
とりあえずそんなことをいっているこいつらは無視するとして。
手にちょっとした小さな水晶の珠を出現させ、そのまま彼らのほうにとなげつける。
コロコロコロ……
やがてそれは二人の足元にところがってゆき。

獣神官プリーストには単体では傷をつけることすらもできん。…って…何だ?」
ラーシャートに説明していたラルタークが足元のそれに気づき、疑問の声を上げているけど。
「ふふ♡チェックメイト♡」
言葉と同時にぱちんと指をならす。
かっ!
そのあたしの言葉と同時に水晶から光があふれ出し、そのまま二人の姿を飲み込んでゆく。
そして光がのいたその後には。
そこにいたはずの二人の姿が、完全にと掻き消えていたりする。
『……な゛!?あのものたちはどこに!?』
などと驚愕している神官たちに。
そしてまた。

『・・・・な゛!?何だこれは!?だせぃぃぃ!?』
『で・・・・でられん!?いったい!?』

何やらその中でわめいているその二人。
そんな中でわめいているそれを拾い上げつつ。
「無駄よ♡それ中からはどうにもできないから♡」
くすりと笑ってそれを拾い上げる。
「…リナさん。それって…もしかして……」
なぜか復活リザレクションの術を唱えて怪我を治したアメリアが、あたしに質問してきたりしているけど。
アメリアの指さしているあたしの手の中には小さな水晶が。
そこには水晶の中でわめいている、ラルタークとラーシャートの二人の姿があったりする。
「そ~よ♡さって♡協力ありがとうね♡…さて♡」
くすり。
軽く笑ってとりあえず。
崩魔陣フロウ・ブレイク♡」
多少アレンジしてあるその術を軽く唱える。
その言葉に従って。
―カッ!!!!
あたしの言葉と同時にガイリア・シティとこの王城の中すべてが光にと包まれる。
……うどわ!?
などと心で叫びつつ、あわてて防御体制をとっているゼロスは…まあおいとくとして。

―ぐがわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
光と同時にそんな声がいたるところ・・・町中から。
そして城の中からいたるところから沸きあがっていたりする。

ばたたたた!
光が収まるのと同時に。
「た…大変です!神官長!○○がいきなり異形の形にと変化して、消えてしまいましたぁ!」
「大変です!神官長!○○が!」
「…あああ!○○が…長官が消えた!?」
などといった報告などが入り混じり、
そしてまた、面白いまでにこガイリア城の中が混乱し始めていたりするけども。
「……うーん、これはまた♡」
こういった騒動における負の感情も、いいですねぇ♡
それをうけて、そんなことを思っているゼロスに。
「……な゛?!」
がたりと。
報告を受けたそこにいた神官たち全員が。
なぜか足元をぐらつかせながら震える声になっていたりするけども。
ばたばたと次から次にと兵士や将軍、神官などといった者たちが、この場にと報告にやっており。
ちなみに当然ながら、同時に国王の耳にも入っていたりするのだけど。
それはそれ。

やがてなぜか混乱きわまるそんな中。
「誰が消えた!?いや、あれは人ではない!では一体何が!?」
城の中や町の中は面白いまでに大騒動と成り果てていたりする。
う~ん。
この程度でそんなに混乱しなくてもねぇ♡

「…い、いったい……何が……」
次から次へと入ってくる人が消えたという連絡に、何やら呆然としているブランデッド。
「あら、簡単なことよ♡このあたり一帯から中級魔族とか下級魔族を追い払ったのよ♡」
かるく微笑み、説明するあたしのその言葉に。
「……り、リナさぁん……いきなりは…その…ちょっと……僕…かなり驚いたんですが……」
などとなぜか心で涙を流しつつも、一応いってくるゼロスがいたりするけど。
「あら?あんたは大丈夫でしょうが?伊達に力あげてないわよ♡」
「……それは…まあ……そうなんですが……」
あたし以前、一応このゼロスの力を少しばかりアップさせているからねぇ。
いや、荷物もちとか使いっぱしりとかに利用するのに、力はあるに越したことはないし♡
本人気づいてないけど実はSよりも存在能力上げてみてたりするのよねぇ♡
…使えるようならどっかの世界でも任せてもいいかもしれないしね♡
あたしの言葉に困ったようにほほをかいているゼロス。
ちなみにアメリアたちは、次々と報告が入ってくる情報の処理を手伝っていたりするけども。
案外、律儀よね♡

そして……

「リ…リナ殿!大変感謝いたしますぞ!といいたいのじゃが…すまぬな。
   あなた方をかまっている暇がなくなってしまった……」
しばらく後にようやく消えたそれらが。
すべて人ではなく……魔族だと理解ができた時点で。
事後処理のためにばたばたし始めたブランデッドがそんなあたしに言ってきたりするけど。
「あの?何か私にお手伝いできることは?」
などといっているアメリア。
「助かりますわい!」
アメリアのその言葉に従い。
あたしたちはしばしなぜかこの程度のことで混乱しているこの町の。
それらのことなどの手伝いをすることに。
まったく。
たかだか数百人以上がいきなり消えたくらいで何をそんなに混乱してるのかしらねv


                    -続くー


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あとがきもどき:
薫:・・・・最近たとえ何時に寝ようとなぜか六時には目がさめます・・・・・・。
  そーいや・・・この状態・・・・会社が火事になって以降だよなぁ・・・・。
  よくよく考えたら打ち込みする気力が低下してるのも・・・。
  あれ以後だし・・・・。
  ・・・・・何一従業員がそこまでダメージうけてるんだ?私(まて!)
  一番大変なのは社長とかのはずなのにねぇ?(わかってる人)
  ま・・・まあ、何はともあれ。
  あとがきもどきv
  ・・・・うや?ノート・・・一ページをまだ打ち込んだだけ・・・なんだが・・・。
  ・・・・・編集したら・・・30KB?(汗)
  ・・・・ま、いっか。などと思っている今現在。
  今日で六月も終わりだよぉ。2003年6月30日。

・・・・それはそーと・・・・闇・・・・。
あれ・・・・・はじめたの・・・・去年の六月なんだが・・・・あ・・・あはは(滝汗)
何はともあれ、ではまた次回でvv

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