まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

こんにちわv
またまたやってまいりましたvエル様漫遊記、番外編v
・・・・・確か誰かからこれ・・リクエストもらってたような・・・そうでないような(・・・おい!)
何はともあれ。こちらの時間率としては。ゾアナ王国の一件が終わてからしばらくしてからのこと。
ついでにいえばヴェゼンディより前です。あしからず・・・・。
ゆえに、いまだにアメリアたちはゼロスの正体、知りません(まて)
何はともあれ!いってみましょぅ!今回は!スレイヤーズスペシャル20巻!
ミッション・ポシブル!です!

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エル様漫遊記・番外編  ~ミッション・ポジブル編~

声は唐突にあたしたちの側から。
「尾(つ)けられてるんですぅ。」
『―は?』
ものの見事にその女性の言葉に目を丸くしているアメリア、ゼルガディスのこの二人。
ちなみに。
ぱくぱくぱく。
そんな台詞に動じることなくいまだにもくもくとサンドイッチを食べているのはガウリイ。
同じくサンドイッチなどをかじっていたアメリアたちの手が止まる。

先日、ゾアナ王国を後にして。
とりあえず、ディルス王国にでもいってみよう。
そしてその次に異世界黙示録(クレアバイブル)がある、
というかそれの入り口がある竜達の峰(ドラゴンズピーク)に行くことに話がまとまり。
沿岸諸国連合を北に北にと進んでいるあたしたち四人。

とりあえずそんなこんなでとある町にと差し掛かり。
なぜか人目があるからといって、食堂、というか実際のところは食堂が満杯だった。
というのが一番の理由だけど。
あたしが誠意ある行動にてそんな人々を退出させようとしたところ、
なぜかないてとめてくるガウリイやアメリア、そしてゼルガディス、この三人。
そんなこんなで、食堂に入ることなく、あたしたちはその町の広場の一角にある、小さな公園の噴水にと腰かけて。
昼食のサンドイッチなどを食べていたそんな矢先。
そんなあたしたちに声をかけてくる女性が一人。
ふふふ。
面白いからわざとこっちの道選んだのよね。あたしはv
アメリアがその手にしているホットドックを片手に声のしたほうを振り向くと。
そこにいるのはやはり当然というか何というか。
見た目の年齢は二十歳と少し。
実際にはただいまこの子、二十二歳。
ストレートに伸ばした金色の髪に、といってもそんなに凄烈なる金色でもないけど。
まあ、ガウリイより少し色の抜けた程度の髪質。
そして、一応は整っている顔立ち。
服装はごく質素なベージュ色の上下の服。
ちなみに瞳の色は青。
見た目普通の町の人とはっきりいって変わりがない。
沿岸諸国連合のとある片隅にと位置する、ここ、小さな王国、リハード王国。
あたしたちがいるのはそんな王国の城下町。
首都、とは名ばかりでほとんど発展してないというか大都市、という感じは受けない都市。
そんな場所に今、あたしことリナ=インバースと。
そしていまだにこのあたしに剣の相手をしてくれ、とかいってきているガウリイ=ガブリエフ。
そして、セイルーンの第二王女、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。
そして、なぜか部下Sとほとんど同化していた、赤法師レゾの子孫、ゼルガディス=グレイワーズ。
この四人。 
そんなあたしたち四人にと目の前の女性-ちなみに名前はミリエラv
ミリエラが声をかけてきたのはうららかな午後の昼下がりのこと。

「つけられてる…んですか?」
思わずその意味を理解できずに問いかけているアメリア。
「はい!」
どうしてこの姉ちゃんはいきなりそんなことを俺たちにいってくるんだ?
などといぶかしりつつそんなミリエラをみているゼル。
もくもくもく。
「だなぁ。とりあえず見たところ五人くらいはこっちにむかってきてるぞぉ。」
ぱくぱくもぐもぐ。
「あああ!ガウリイさん!私たちのも残しておいてくださいよぉ!」
などといいつつもばくばく、もぐもぐとサンドイッチなどを食べる手を止めていないガウリイ。
そんなガウリイに抗議の声を上げているアメリア。
「…って、何そんなのんびりとぉ!もうすぐそこまできてるんですよぉ!?」
などとぱにくっているミリエラの叫びがあたりにとこだまするが。
「…何かまた厄介なことに巻き込まれてるんじゃないだろうな…」
などといいつつなぜかため息ついているゼル。
厄介というか面白いことなんだけどねv
きゃいきゃいと、残りの数個のサンドイッチをめぐり。
「って!おいこら!ガウリイ!どうして俺のまで食べてるんだ!」
ふとゼルが視線を向けると、ゼルガディス用に買っておいたサンドイッチにまで手をつけているガウリイ。
「うん?ゼル食べないんじゃないのか?」
「あ、あほかぁ!」
などといいつつ面白いことにサンドイッチの奪い合い。
う~ん、いつもながらこのメンバー、面白いわよねぇ。
本当に飽きないし♡
「…ってそんなことをしている場合じゃないですよぉ!メロディさんたちぃぃ!」
などと一人で叫んでいるミリエラ。
それと同時に。
「「ふふふ…覚悟するんだな。」」
いかにも怪しいです。
といっているばかりの全身しかも黒尽くめの格好をした数名があたし達の視界にと入ってくる。
どごぉぉぉぅ!!
その声とそして姿を認めるが早く。
「悪あるところに正義あり!こんなうららかなしかも真昼間から!民間人をどとうを組んで襲うとは何事です!」
アメリアの魔風(ディム・ウィン)がそんなどうみても怪しいです。
といわんばかりの黒尽くめの男たちを五人、吹き飛ばす。
「…おい、アメリア、んな街中でんな術いきなり使うなよ…」
などとため息ついているゼルガディスに。
「…なぁ?アメリア?お前だんだんとリナに似てきてないか?」
「ええええ!ガウリイさん!そんな恐ろしいこといわないでください!」
そんなアメリアをあきれた視線で見つめているゼルガディスとガウリイ。
ガウリイの言葉にそんなことをいっているアメリア。
ほぉぉぅ。
「あら♡アメリアちゃん♡どういう意味かしらねぇ?」
にこやかに微笑むあたしの言葉に。
「リ…リナさん、いえ、別に意味は…って!あ、大丈夫ですか?」
リナさん…目が笑ってません…
などとおもいつつ、ふと話題を変えるように。
そういってミリエラにと声をかけ。
呆然としつつうなづく彼女の様子をみてとり。
「とりあえずこの人たち、どうしましょう?」
そんなことをいいつつそこにころがっている男達を指で指し示していたりする。
いきなりアメリアの呪文で吹き飛ばされた男たちは、いきなりのことで少し先にて目を回していたりするけども。
「あら、きまってるじゃない。こういう世間迷惑のやつからは二度と悪い考えが浮かばないように。
  この場にみぐるみはいでぐるぐる縛りにしてほうっておくのよ♡」
にっこりと微笑むあたしのその言葉に。
「あ!それいいですね!リナさん!そうすればいくらなんでもこの人たちの目も覚めますね!」
などといっているアメリア。
「…な…なあ、ガウリイ?なんかアメリアのやつ…やっぱりリナのやつに影響されてないか?」
ぽそぽそとそんな台詞をガウリイにいっているゼル。
「…ま、まあリナだし。」
それで済ませているガウリイ。
何しろあの魔族、見たところかなり高位のあいつすら、恐れてるリナだもんなぁ。
などと思っているガウリイだけど。
まあこのガウリイ、あいつが魔族と気づいてるからねぇ。
まだアメリアたちは気づいてないけどv
そのうちにどうせ部下Sたちのことだからあいつよこしてくるのは目に見えてるけどねぇ。
そんな男性陣の会話をききつつ。
今後悪事を働かせないためにまっとうな道に戻すため。
などと一人納得しつつもあたしと同じくあたしに従い、倒れている男達の服装…ちなみに下着のみにしておいて。
後の残りは全部剥ぎ取ってゆくあたしとアメリア。
そして、そのまま。
財布から何から何からすべてを没収し。
その場に縄でぐるぐる巻きにした男達をほうったまま。
あたし達は先ほど声をかけてきた女性をつれて、その場を後にしてゆく。


「すごいですぅ!」
しばらく進み、とりあえず回りに誰もいなくなったころあいというか。
この町の道にはほとんど人通りなんてものははじめから皆無だけど。
そんなことを歩きながらいってくるミリエラ。
とりあえず詳しい話を聞こうと思っているゼル達の思惑とははずれ、一人でいきなり話し始めていたりする。
ま、ミリエラだしねぇ。
目をきらきらとさせつつ。
「すごいです!一発でしたよ!一発!その格好、てっきり敵を欺くためかとも思ってたんですけど。
  本当に魔法、使えたんですね!メロディさんたち!私は一人と思ってましたけど複数だったんですねぇ!」
などといってくるミリエラ。
その言葉に思わず足をとめつつ。
「…メロディって…誰だ?」
何か果てしなくいやな予感がするのは、多分俺の気のせいだよな?
などと思いつつ問いかけているゼルに。
「なあ?メロディ・・・って、くいものか?」
どめしっ!
あ、面白い。
ガウリイの台詞に思いっきりまともにこけているゼル。
う~ん、最近ゼル、リアクションが面白くなってきてるわねv
そのまま思いっきり顔から地面にのめりこむように倒れてるし。
「ガウリイさん、メロディ、というのは歌のことですよ。食べ物じゃないです。」
こちらはこちらで冷静にガウリイに説明しているアメリア。
そんなゼルやそしてアメリア、そしてガウリイの会話や態度をみつつ、一瞬硬直するものの。
すぐさまに笑みを浮かべ。
「あ、そうか。そうですよねぇ。さすがメロディさんたちですぅ。わたしぃ。ミリエラ=イングラムですぅ。」
にこやかにのんびりとした笑顔で自己紹介をしてくるこのミリエラ。
「…いや、だから自己紹介とかでなく…」
どうにか今のガウリイの台詞から起き上がりつつ疲れたようにいっているゼル。
実際に面白いほどに疲れてるけど、今のガウリイの台詞で。
「そうですよ。いったい何が…」
言いかけるアメリアの言葉をさえぎりつつ。
「あ、それもそぉですねぇ。ちょぉぉっとまってくださいねぇ。」
そういいつつ懐より一枚の羊皮紙を取り出し、しばらくそこに書かれている内容を見つめ。
「…ええっと。今日は鳩ぉ、みかけませんねぇ?」
「…は?鳩?」
「…鳩…ですか?」
そんなミリエラの言葉にきょとんとした声をあげているゼルとアメリア。
『………』
しばらく沈黙がその場を支配してゆくけど。
面白いからそのままただ黙って成り行きを見つめているあたし。
さって、そろそろ気づくころよね。わくわくわくv
そしてその沈黙を破ったのは。
「いやですねぇ。メロディさん達ったらぁ。違いますよぉ。わたしがああいったら、
  『鳩なら向こうの通りでみかけましたよ。えさの取り合いをやっていた。』っていってもらわないとぉ!」
などといっているミリエラ。
そんなミリエラの言葉に顔を見合わせつつも。
「…あのなぁ。さっきからお前何がいいたいんだ?」
額に手をあててつぶやくゼルに。
「そうですよ。いきなり自己紹介してきたのは正義にのっとってますからいいですけど。」
いいんか・・・
そんなアメリアの言葉に思わず心で突っ込みをいれているゼル。
「それに先ほどの男達、どうしてあなたを追いかけていたのか。まだ私達は聞いてません。」
そう話を続けているアメリア。
「それにだな。
  どうして俺達のことをわけのわからんその『メロディ』とかいうふうに呼んでいるんだ?それに何だ?その鳩って?」
あきれつつもつぶやくように問いかけるゼルガディス。
「ちなみに私はアメリアです。それでこっちがゼルガディスさんで。で、こちらがリナさんとガウリイさんです。」
名前を呼ばれて軽く手を上げているガウリイ。
「え?」
アメリアのあたし達の自己紹介にしばらく硬直しているミリエラ。
そしてしばらく硬直したのちに。
その手にもっている紙とそしてあたし達と見比べつつ。
「…で、でもぉ。さっきあなた達ぃ。噴水の側でサンドイッチ。食べてましたよねぇ!」
ほとんど涙目でいってくる。
「食べてましたよ。」
「ほとんどガウリイの旦那に食われたがな…」
などといいつつじと目でガウリイをみているゼルに。
きょとんとした顔でそんなミリエラに答えているアメリア。
「…じゃ、じゃあ…って……え!?でも…あれ?・・・・・・ああぁぁぁぁぁあっ!?」
ようやく気づいたみたいねぇ。
しばしその手にした紙を眺めてそこにかかれている文字にようやく気づき。
「あああああ!一日間違ってるぅぅぅ!」
などと一人叫んでいたりするし。
その言葉に首をかしげつつも。
「いや、あのな?お嬢さん、いったい何が間違ってるのかしらないが。いったい全体何なんだ?」
そんなうろたえるミリエラの台詞にため息まじりにいっているゼル。
「そうですよ。私はてっきり誰かに襲われているから助けてください。というのかともおもいましたけど。
  でもいきなりつけられている。といってきましたし。しかも私達のことをメロディさんたち。とかよんできますし。
  私達は正義の仲良し四人組です!」
「…だから、その呼び方はやめろ…アメリア…」
きっぱり断言するアメリアに深いため息とともに言っているゼル。
「まあ、確かになぁ。それに何だか暗号みたいなこともいってくるしなぁ。」
のほほんと会話にさらりと乱入してきているガウリイ。
「って…でぇぇぇ!?ガウリイさんがそんな単語をしっている!?」
「…おい。こら、それはどういう意味だよ…」
本気で驚いているアメリアに突っ込みをいれているガウリイだし。
「言葉どおりの意味です!そういえばそうですね。さっきの鳩とかまるで暗号……」
そこまでいいかけて、はたりとアメリアの言葉がとまる。
そしてちらりと視線をゼルガディスにと向け。
そして、その視線をうけ、ゼルガディスもまた凍り付く。
二人の思考は完全にと一致していたりする。
暗号みたい?
もし、それが『みたい』なものでなかったとしたら……?
そんなことを二人が同時におもいつつ、ゼルガディスとアメリアの額に一筋の汗が流れ出る。
この人(女)ひょっとしたら…
そんな考えが二人の脳裏に浮かぶのとほぼ同時。
「見つけたぞ。セレニアの犬ども。」
やっぱりですかぁあ!?
やっぱりかぁぁ!?
面白いまでに同時に内心同時に絶叫しているアメリアとゼルガディス。
そんな二人の考えを裏づけする台詞は、あたし達の横から聞こえてきていたりする。

セレニアス王国。
ここ、リハード王国の隣国で面白いことに非常に仲が悪い。
もっとも、その仲の悪い原因は過去、というか数代前の出来事からによるんだけど。
ちなみにその原因も少し面白かったり。
当時互いに一人っ子であった王子と王女が喧嘩して、で、それ以後、仲の悪さは恒例となっていたりする。
ちなみに、面白いことにどっちの国にもあれがあり。
そしてそれを燃やしたのがリハードのものだ、といって因縁つけてきている、というのも理由に挙げられる。
まあそんな細かいことはどうでもいいけど。

二人の脳裏に浮かんだ答えはまったく同じ。
つまりは。
セレニアス王国とリハード王国の仲は非常に悪い。
この国にと潜入したセレニアスのおっちょこちょいな諜報員が私達を仲間と勘違いして声をかけてきた。
こう思っているアメリアに。
セレニアス王国とリハード王国の仲は非常に悪いのは周知の事実。
となれば、考えられることは。
先ほどの台詞からしても、この国にと潜入したセレニアスのお間抜けな諜報員が俺達を仲間と勘違いして声をかけてきた。
このように思っているゼルガディス。
つまりは二人して同じことを思っていたりするんだけど。
「…な、なんかゼルガディスさん…私達すごくいやな状況に陥っているように思いませんか?」
恐る恐る問いかけるアメリアの言葉に。
「…同感だな。」
などとため息まじりに答えているゼルガディス。
「あらv面白いじゃないv」
にっこりと微笑むそんなあたしの言葉に。
「…リナ、お前はじめからわかってたんだろ…」
などといいつつじと目であたしをみていってくるガウリイ。
まあガウリイも伊達に流れの傭兵をしていたわけでもなく。
この二つの国が仲がわるい。
というのは知っているからねぇ。
今現れた男が、『セレニアの犬ども』こういった時点で、状況を判断したようだけど。
そんなあたしの言葉に。
「「リナぁぁぁぁ(さぁぁぁぁん)……」」
情けない声をあげてくるアメリア、ゼルガディス、ガウリイのこの三人。
みれば。
あたし達の行く手のその先にいるのはその数たったの十人の男達の姿。
ちなみに姿格好は全員ばらばら。
一応普通の先ほどのいかにも私は怪しいです、といった格好ではなく、
人ごみなどにすぐに溶け込めるような格好をしている男達の姿が。
ついでにいえばそんな彼ら全員の目の光はほぼ同じ。
ここ、リハードの諜報員達。
「あらvさっきのやつらはおとりよvこいつらが本命ねv
  …もっとも、こいつらはあたし達もこのミリエラの仲間とおもってるわよv」
にこやかにいうあたしの言葉に。
「ちょっとまて!オレたちは関係ないぞ!」
などと叫んでいるガウリイに。
「そうだ。俺達は旅の途中だしな。」
ガウリイの言葉に続けていっているゼルガディス。
そんな二人の会話に。
「ああ!?何を今さら関係ないふりをしているんですか!?今さら!?」
思いっきり叫ぶミリエラに。
「つーか、俺達はまったく関係ないだろうが!きっぱりと!」
そう断言するゼルのその言葉に。
「ほう、関係ない、と言い切るか。そんなあからさまに怪しい格好をしておいてからに。」
そういいつつゼルガディスを指差しいってくるのはこのチームのリーダーを張っている一人の男性。
「ひどいです!ゼルガディスさんのことを怪しい!だなんて!
  そりゃ!ゼルガディスさんはたしかに、見た目怖くて、
  しかも人前に出るのが恥ずかしい、とかいってこんなあからさまな格好をしていますし!
  肌も合成獣の岩の肌で!人とは違いますけど!でもゼルガディスさんはキメラでも優しいんですからね!」
ずんっ。
そういいきるアメリアの言葉に面白いまでにショックをうけているゼル。
そのまま言葉に押しつぶされるかのようにそのまま地面にとのめりこみかけてるし。
「…つーか、アメリア…それ、ゼルにショック与えてるぞ…」
ぽつりとしたそんなガウリイの突っ込みが風にとかき消されたりするけど。
「ま…まあ一応、あくまでも関係ない、と言い張るんだったら。身元くらい明かしてもらえるんだろうな?」
そういうその言葉に。
「何をいうんですか!人にものをたのむのにそんな態度!あなた達!両親からいったいどんな教育を!
  たとえどんな場合でも礼儀をもってつくすべし!そう教わらなかったのですか!」
などといいつつ。
ぴしっと。
相手に指をつきつけて言い放つアメリア。
「ま、あたしは見たとおりの旅の魔道士よ。
  ちなみにこの子の名前は聞かないほうがいいわよ。あんた達後悔することになるから。
  ついでに、こっちでまだ少し落ち込んでいるのは、あんたたちも聞いたことあるでしょう?
  『白のゼルガディス』の名前くらいは。」
そんなあたしの言葉に。
ざわりっ。
あたし達を取り囲もうとしていた男達の動きがざわめきつつも変化をもたらす。
「あたしの名前は協会にでも問い合わせたらわかるでしょうけど。あたしはリナよ。リナ=インバース。」
そういうあたしのその言葉に。
『ぷ…あはははは!』
それまでゼルの名前をきいて緊張していた男達の笑い声が辺りにと響き渡る。
「リナ=インバース。ほう、お前があのリナ=インバースだというのか?
  なるほど、有名な極悪魔道士リナ=インバースや。
  あの白のゼルガディス、その名前をかたれば、我々が畏れをなして去ってゆく。とでも思ったわけだ。
  だが浅知恵もここまでくると笑えるものだな。」
笑いつつもそんなことをいってくる目の前の男性達。
「ほぉぉぉぉぅ。誰が極悪魔道士ですって?」
にっこりと笑っているあたしの目が笑っていないことに気づかないらしく。
そのまま言葉を続けてゆく彼らたち。
「いいお。教えておいてやるからよぉく聞け。残念だが君の外見はリナ=インバースとは一致しない。
  本物のリナ=インバースは巨大な体格と薄青い肌、額に生えた小さなツノをいつも前髪で隠しており、
  つきのない夜にしか活動しない、ということが、我々の綿密な調査でわかっているのだ。」
ふん。
鼻で笑いつつそんなことをいってくる。
…そーいや、こいつらそんなこと思ってるんだったわねぇ。
というか…んふふふふ♪
誰のことをそこまで愚弄していると思っているのかしらねぇ?
「…おいこらまて。お前ら…命が惜しくないというか何というか…」
ほとんどひきつつ脂汗をだくだくと流しつついっているゼルに。
「…いったい全体どんな綿密な調査をしたらそんなことに…」
などといいつつ、ゼルガディスにと視線をむけ。
「…あ?あの?それって本当に人間なんですか?」
思わずそんな彼らの言葉に突っ込みをいれているミリエラ。
その言葉に間髪いれずに。
「違うにきまってるだろう。」
「…おい、アメリア、防御結界…張れるか?」
「…自身ありませぇん、というかリナさんの呪文…しゃれになりませんし…」
などと小さくぼそぼそとそんな会話をしているゼルとアメリア。
「ほぉぉぉぉぅ。よくもまあ、好き勝手いってくれたわねぇぇぇぇ?」
にぃぃぃこり。
にっこりと笑いつつ、すっとその手を空にと伸ばす。
そんなあたしの動作にまったくその意味することを気づくこともなく。
「さあ、わかったらおとなしく…」
そういって一歩前にでてくる男達。
「…あ゛。リナのやつこの辺り一体…結界はったぞ…」
なぜかガウリイの声は震えているけど。
「だぁあ!アメリア!急げ!」
「うきゃぁぁ!リナさん、落ち着いてくださいぃぃっ!ってゆうか手加減してくださいぃぃい!」
あわてて風などの結界を自分達の周りに何重にもかけているアメリアとゼル。
ま、死んだら死んだで生き返らせればいいだけのことだし。
「んっふっふっ。よくも好き勝手いってくれたわねぇ?」
手を伸ばしたその先に、虚空よりと出現する、あたしがよく愛用している大鎌ひとつ。
その身長よりも長い鎌をふわりと手にとり。
にっこりと微笑みつつ。
目の前にいる男性達にとその大鎌を振り下ろしてゆく。
振り下ろすと同時に。
つどごぉぉん!
なぜかあたしの鎌の一振りで、辺りに荒れ狂っている混沌の力を含んだ竜巻や、そして雷もどき。
『うきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』
『うどわぁぁぁぁぁぁあ!?』
なぜかしばし。
アメリア、ガウリイ、ゼルガディス、ミリエラ、この四人と。
そしてあたしに対して悪口雑言をいっていた男達の悲鳴とが、
あたしの作り出しているその空間内にとしばし響き渡ってゆく。




「…え、えっと実はリナ様達に話しておかなければならないことがあるんです。」
なぜか様づけでよんでくるミリエラ。
ミリエラが話しを切り出したのは。
あたしが先ほど暴言を吐いてきた男達をしばらくお仕置きしてからしばらく後のこと。
なぜかあたしに対してかなりおびえつつ、恐怖の感情を撒き散らしつつも震える声でいってくる。
「…それで?」
本気でリナのやつは人間なのか?!
などと思いつつこちらはこちらでなぜか疲れているゼルガディス。
そんなミリエラの言葉に気のない相槌をうっていたりするけども。
そんなゼルの言葉に促されるように。
「実は…わたしぃ…そのぉ…隣の国のセレニアス王国から派遣されたぁ…諜報員なんですぅ…」
ほとんど涙目。
「…それくらいもうすでに気づいてますよ。ミリエラさん…」
こちらもこちらで疲れた口調でいっているアメリア。
「まあまあ、アメリア、ゼル、この程度ですんだんだからいいじゃないか。あいつらとりあえず死ななかったみたいだし。」
「…ガウリイさん、そういう問題でもないと思うんですけど…」
「…そういう問題か?」
にこやかにいつものこと、と割り切りそんなことをいっているガウリイ。
そんなガウリイの言葉に即座に突っ込みをいれているアメリアとゼルのこの二人。
「えええ!?どうしてですか!?」
そんな二人の反応に思いっきり驚いているミリエラ。
「というか誰でもわかると思うぞ…あの状況だと。」
あきれたようにいうガウリイのその言葉に。
「へぇぇぇ。リナ様達ってすごい勘…じゃなくて推理力が高いんですねぇ…
  実はぁ。その通りなんですぅ。
  実はわたしぃ、顔も知らない仲間と接触しろって指令されてぇ。
  一日間近得手いったら目印のシュリプサンドを食べているリナ様達がいたからぁ…」
そういいつつもなぜか震えてるし、このミリエラは。
まったく。
そうもおびえなくてもいいじゃないのよ。
あたしはそんなに怖くないっていうのにねぇ。
「…そもそも、そんな大事なことを日にちを間違えるほうがどうかしてる…」
何なんだ?この女は…
などとため息つきつつミリエラに返事をしているゼル。
そんなゼルの言葉にいささかむっとして。
「…だって、指令書の文字が汚くて読みにくかったんですから。ほら。」
そういいつつ懐から取り出した羊皮紙をゼルガディスに向かって突き出すミリエラ。
それを受け取り。
「「どれどれ?」」
などといいつつ、ゼルガディス、アメリア、そしてガウリイがその紙に書かれている内容を覗き込む。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
やがて一通り眺めたのちに。
面白いまでに無言になっているこの三人。
書かれているのは確かに悪筆で、日付と時刻と落ち合う場所、
相手がシュリンプサンドを持っていることと合言葉が記されていたりする。
ま、もともとこれ、ほとんど彼女のある意味ためだけに投げやりでかかれたものだからねぇ。
丁寧に書かなかったのはわからなくもないけど。
まあそんな理由はともかくとして。
しばらく目を点にしつつも。
「…あ?あの?ミリエラ…さん?これ、頭にでかでかと。『部外秘・読後処分のこと』…って書いてありますけど……」
そういいつつ目を点にしてミリエラにといっているアメリア。
「…つーかこんなことが書かれているもん人にみせてもいいのか?」
「…いや、やばいとおもうなぁ、オレは…」
面白いことにそんな会話をしているアメリア達三人だし。
そんな三人の言葉に。
「え?どこです?」
などといいつつ、今はアメリアが手にしているそれを覗き込んでいるミリエラ。
「だからここですよ。」
そういいつつ、頭に大きく、ついでにいえばこの文字だけは丁寧に、しっかりとしかも色違いにて書かれている文字が。
それを指差していっているアメリア。
「…ああぁぁぁぁ!ほんとだぁ!
  あんまり大きくかかれてるんで単にそういうデザインなんだとおもってました!ほら、そういうことってありません?」
「ないと思いますけど…」
「…つーかあんた本当に諜報員なのか?」
「…いや、あんまりないとおもうなぁ…オレは…」
そんなことをつぶやく三人の様子をみつつも。
はたとようやく今さらながらに気づき。
「はっ!ということはあなた達、これ読んじゃいましたね……」
などといいつつ、アメリアの手からその紙を受け取りつつもじと目であたし達をみてくるエミリア。
「つーかお前がよませたんだろうが!…ああ、なんか俺…頭いたくなってきた…」
本気で頭を抱えているゼルに。
「…よくこんな人が諜報員務まってますねぇ…」
ある意味関心しているアメリア。
「…いやぁ、そうですねぇ。それはまったく同感ですv」
にこやかな場違いの声は、そんな会話をしているあたし達の後ろから聞こえてきていたりするけども。
「あら、ゼロス。」
振り向きつついうあたしの言葉に。
当然のことごとくにその視線の先にいるのは、いつもの黒い神官服にと身をまとっている、一人の男性。
「おー、ゼロス、なんだ、お前もここにいたのかぁ。」
などとにこやかに手をふりつついっているガウリイ。
その姿を認めていささかむっとしているゼルガディス。
「あれ?ゼロスさん?どうしてこんなところに?」
首を傾げつつもその声の主の姿を確認し、問いかけているアメリア。
「それは―」
言いかけるその言葉に。
「秘密なのか?ゼルス?」
「ゼロスです!ゼ・ロ・ス!ガウリイさん!それに…ガウリイさんの意地悪うぅぅう!」
などといいつつその横にある木にとよりかかかり、
のの字をいきなり書き始めていたりするゼロスだし。
「まあ、とりあえず。しっかし、またまた面倒なことに巻き込まれてますねぇ。さすがはエルさ…とと、リナさんというか…」
そうつぶやくゼロスの言葉に。
「あら、そういうあんたはここでまたあの長くかかりすぎてる仕事をしてるわけ?
  Sはまあ無能だからああだけど、遊びつつ仕事してるゼロスの方がましかもしれないわねぇ。
  今度Sの仕事ゼロスに回すようにいっとくわv」
にっこりと微笑むあたしのその言葉に。
ずざっ!
面白いまでに音をたてて退きつつ。
「ごごごごこごご遠慮させていただきたいのです!はい!」
だぐだくだくと、なぜか大量に汗を流していってくるゼロスの姿が。
「まあとりあえず、どうでもいいゼロスさんはいいとして。」
さらりと何気に面白いことをいいつつ、しばし手を口元にあてて考え込んでいるアメリア。
「…ど、どうでもいいって…」
いじいじいじ。
そのアメリアの台詞にまたまたいじけているゼロス。
「まあ、どうでもいいゼロスはおいとくとして。」
アメリアと同じことをいっているそんなあたしの言葉に、なぜかさらにいじけ始めているゼロスの姿が。
「そうだな。まあゼロスなんかはおいとくとしても…だ。どうするんだ?リナ?
  俺たちにしかけてきた男たち、リナ達がのした時点で、絶対に俺達も仲間と思われてるぞ…」
ため息まじりにそんなことをいっているゼル。
「あ、そうです!原因はともかく、結果としてあなた方がわたの機密に触れてしまったことはたしかですぅ!」
何かいきなり出てきたあの神官さんもかなり気になりますけど。
そんなことを思いつつもあたしたちにいってくるミリエラ。
「というかこのまま、というわけにはいきませんね…」
「多分やつらは俺達も仲間とみなして延々と襲ってくるぞ…」
しみじみいっているアメリアとゼル。
「まあ無難なところで彼女をセレニアスの国境まで連れてゆく。
  そんなところじゃないかしら?それにあたし達が向かっているのもそっち方面だし。」
にこやかにいうあたしの言葉に。
「…はぁ。それしかないか。だがセレニアスには入らないコースで進むぞ…」
などとため息ついていっているゼル。
このままなかったことにして進むにしても、とりあえず彼女の仲間にそれなりのことは一言言いたいのが本音。
「あはは。そうですねぇ。僕もお仕事で写本を偶然にも手にいれたのですが、なぜか燃えちゃいましたしv
  間違いなく僕たちもお仲間とみなされるでしょうねぇ。あはははは。」
などといいつつ復活したゼロスがにこやかに笑っていたりする。
「なに!?きさま!?写本を燃やしたのか!?」
などと詰め寄るゼルガディスに。
「いやぁ、不可抗力で。『抵抗しないでください。』というのに襲い掛かってくる人たちが数ダース単位でこられましてねぇ。
  そのごたごたの間にせっかく手にいれた写本燃えちゃいましたしv
  そんなこともあり、今この国、かなり神経質になってるようですよ。あはははは♡」
「きっさまぁ!」
ぐいっ。
そんなゼロスの襟首をつかんで揺さぶるゼルガディスに。
「…もしかして私たち引き返せないところに来てるんじゃないでしょうか…」
呆然とつぶやいていたりするアメリアの声が、あたりの風にと掻き消えてゆく。
そんな彼らの会話をききつつ。
「えええ!?ついてきてくれないんですかぁ!?」
などと叫んでいるミリエラ。
「あたしとしては面白いからセレニアスに入ってもいいけど。
  とりあえず今あたし達はディルスに向かっている途中だからね。
  それに今ここであいつに気付かれたら面白くないしねv」
今実はセレニアス、面白いことにガーヴの部下が入り込んでいたりするのよねぇ。
ふふv
そこで対決したら元もこもないし。
やっぱり対決するのはドラゴンズ・ピークでないとねv

がさがさがさ。
「じゃあどのルートでいきますか?」
などといいつつ地図を取り出して切り株の上にと広げているアメリア。
「そうだな。」
そんなアメリアの言葉に返事をしているゼル。
ちなみにセレニアス王国に抜ける一般的なルートは。
大きめと人間が称している街道が二つとそして小さな裏街道がひとつ。
またはいったん別の国に抜け、そして別のルートで入る道。
道のない山や森などを進んで行く、という手段も存在する。
「一応、知られている道筋にはもののみごとに、手勢の人々がいらっしゃいましたよ?
  いやぁ、まったく。たかが写本ひとつもえたくらいでそこまで神経質にならなくてもいいでしょうにねぇ♡」
にこやかにそんな会話の横から話を入れているゼロス。
「普通大事なものを燃やされたら誰でも怒るとおもうぞぉ…」
そんなゼロスの言葉に思わず突っ込みをいれているガウリイ。
「いやぁ。あっはっはっ。いやですねぇ。
  そんな細かいこと気にしてたら、人生、長生きできませんよ。ガウリイさん。あっはっはっ。」
「…お前がいうか…」
そんなにこやかに微笑むゼロスの言葉にため息まじりに突っ込みをいれているゼル。
「それはそうと、えっとミリエラさん。でしたっけ?
  どうしてあなたのような諜報員に向いてない人がこんな仕事を?いえ、単なる好奇心なんですけど。」
さらりとそんなガウリイやゼルガディスの言葉を交わして。
アメリアが広げている地図を覗き込んでいるミリエラにと問いかけているゼロス。
その言葉に。
「え?ああ、そのことですかぁ。わたし、子供のころから、昔からの夢、憧れだったんですよぉ。
  なんかかっこいいじゃぁないですかぁ。吟遊詩人のそういうのをきいてからもうすっきり好きになっちゃって。
  それで子供のこぉろぉ、近所のみんなと諜報員ごっことかよくやってたんですけどぉ。」
その言葉に。
「…どーいう子供だ…」
思わずつぶやいているゼルガディス。
まあそれで家の中とかに忍び込んでいた彼ら達。
彼らの親たちはその為によく謝っていたりしていた事実があったりしたことは、当然ゼルガディスたちは知らない事実。
「なのに、なのにぃ。まったくわたし諜報員の役なんかやらしてもらえなくてぇ。
  なぜかいつも巻き込まれて殺される花やの役とかばっかりでぇ。
  それでぇ。『十六になったら絶対本物の諜報員になってやるぅ!』って決めてたんですぅ。」
そんなことを説明してくるミリエラの言葉にふと首を傾げつつ。
「え?でも普通諜報員とかってなろうとおもってなれるものではないでしょうに?」
少しばかり疑問に思い、問いかけているゼロス。
その言葉にぱっと瞳を輝かして。
「そうなんですよぉ!将軍さんのお屋敷がたまたま近所だったんでぇ。
  相談してみたんですけどぉ。なぜか『やめとけ。いいから。』って即刻宣言されてぇ。」
「…いや、普通そうだと思いますけど…」
この人間、やっぱりかなり変わってますねぇ。
などと思いつつそんなミリエラの会話を聞いていたりするゼロス。
「私がちょっと待ち中で評判のうっかりやさん、っていうだけで。偏見ですよねぇ。こういうのって。
  私よく『遠くから観察していると笑える。』とか子供のころからほめられていたというのにぃ。」
そうつぶやくそんな彼女の言葉に。
「…それってほめてないとおもいます…」
思わず目を点にして突っ込みを入れているアメリア。
「で?そんなんでどうしてあんたみたいなやつが諜報員になったんだ?」
とりあえずここまで聞いたので最後まで何か聞くのも怖いが気になるし。
などと思いつつ、話の先を促すそんなゼルガディスのその言葉に。
「とりあえずぅ。あんまりかなしかったんでぇ。
  将軍さんの飼っているワンちゃんにぃ。門の外から泣きながら身の上相談をする、っていう地道な就職活動をぉ。
  一月くらいつづけてたらぁ。ある日将軍さんがわかったっていってくださってぇ。」
『うわっ…』
そんなミリエラの言葉に。
同時に異口同音なつぶやきをもらしている、アメリア、ゼルガディス、ガウリイ、そしてゼロス、この四人。
「な…なんつーか大変だったんだなぁ…」
しみじみとつぶやくそんなガウリイの言葉に。
「ええ、そりゃあもう。」
きっぱり、一言のもとに断言しているミリエラ。
「…いや、俺たちがいうのは将軍のほうなんだが…」
四人の脳裏に柵の外から犬に向かって延々と独り言
つまりは人生相談をしているミリエラの姿が、脳裏にと浮かんでいたりしてv
その光景をおもいつつも面白いまでに思わず冷や汗ながしていたりする。
「とりあえず、裏をかいてやっぱりここは表から。ですね。何しろこちらは何も悪いことをしているわけではありません!
  こそこそするのはそれすなわち、正義に反します!」
などといいつつ。
一番人通りの多い街道筋の場所を地図の上で指し示すアメリアに。
「ま、確かにどこを通っても一緒だろうしな。」
それに、人がたくさんいれば逆にこいつを狙っている連中も、目だって仕掛けてはこないかもしれないしな。
そんなことを思いつつもつぶやいているゼルガディス。
「んー。リナはどうなんだ?」
そんなやり取りを面白おかしくみていたあたしにと聞いてくるガウリイ。
「だからvそんな面倒なことしなくても、一瞬でいけばいいのよv」
にっこりと微笑むそんなあたしの言葉に。
「って!リナさん!あれは何度経験しても心臓に悪いですし。」
「とりあえず、そこまでする必要はないと思うぞ?な?」
などといいつつ二人して同じことを同時にあたしにと言ってきているこの二人。
「まったく、情けないわねぇ。いい加減になれなさいよ。」
『・・・・・・・・』
いや、無理だと思います…
無理だと思うぞ…俺は…
そんなあたしの言葉に二人して同じことをおもいつつもなぜか無言になっているアメリアとゼルガディスだけど。  


とりあえず。
アメリアの意見を尊重し。
あたしたちはそのまま、並あるルートの中でも、人通りが一応そこそこにある道を選び。
そこからセレニアスの国境付近にまでいくことに。
ちなみに、その国境付近といっても、また違う国の国境付近でもあるルートに続くこの街道筋。
そんな作戦を立てゆくあたしたち。

「…で?どうしてゼロスさんまでついてきてるんですか?」
なぜかついてきているゼロスに対し、問いかけているアメリアに。
「いやぁ、困っている人はほうっておけないじゃないですか。あっはっはっ♡
  それに、僕もいささか理由がありましてねぇ♡できればある出来事を根にもつ人々を説得しようとおもいまして♡」
ゼロスのいう説得とは、いわゆる力づく、という言い方もできるけど。
もしくは口封じ。
「あ、それはいいですね。とりあえず。無関係な私たちまで攻撃を仕掛けてくるような輩、それすなわち悪!
  そんな悪人達にはきちんと正義の説得をほどこして真っ当な道にと戻すのが、
  正義の使者である私たちの役目ですよね!」
などといつつ瞳をきらきらとさせているアメリア。
ひくくっ。
そんなアメリアの言葉に多少顔を引きつらせていたりするゼロスだけど。
そして、そんなアメリアの言葉に。
「…アメリア、誰が正義の使者だ…誰が…」
深いため息とともにそんなことをつぶやいているゼル。
そんな会話をしつつ。
あたしたちは街道筋を進んでゆく。


「あ?あのぉ?こんなところでゆっくりしててもいいんですかぁ?」
どごがぁぁん!
あたりに鳴り響く攻撃の音。
「何をいってるんですか!ミリエラさん!
  ここに悪のアジトがある!そう村の人がいっていたのに壊滅させないでどうするんですか!」
ぴしっ!
などといいつつ。
すでに黒こげとなっている家の残骸の柱の上にたち。
びしっと空を指差してそんなことをいっているアメリア。
セレニアス王国にと続く街道。
そんな街道筋にある、小さな村にて村人が噂していたのは。
この村の北にある森の中に盗賊のアジトがあり。定期的に近辺の町や村などが襲われている。
という内容。
「…まあ、とりあえず。お金がないと話にならない。というのは事実だしなぁ。」
すでにもはや完全に免疫ができているガウリイはそんな一言で済ませていたりするけど。
「だな。誰かたちのせいで大きい町とかには入れないしな…」
などといいつつじと目でゼロスをみているゼルガディス。
「いやぁ。あっはっはっ。いやですねぇ。ゼルガディスさん。
  警備の兵士が配備されてるのは何も僕だけのせいじゃ、ありませんよ♡」
そういってにこやかに笑うゼロスに。
「ま、あいつらも必死なんでしょ。あの日記、人の手に渡ったら。…まあ面白いんだけどねぇ。」
そんなことをいいつつも。
いまだに向かってくる根性があるらしい盗賊の一人をそのまま一瞥の元にと地にと伏れさす。
「?リナさん?その日記って何ですか?」
首を傾げつつ問いかけてくるアメリアの言葉に。
「ああ。ミリエラ達。というかそのお仲間が狙っていたの。
  実は写本もあったけど、その日記がメインだったのよね。
  それに王国を揺るがすとあることが書いてある。そう昔からの言い伝えが互いの国にあるからねぇ。ふふv」
にっこりと微笑みつつ。
とりあえず。
まだうめいている盗賊たちにと、無数に取り出したスコップを一人につきとりあえず三本づつ突き刺しつつ。
アメリアたちにと説明する。
ちなみに。説明すると頭に一つ、背中に一つ、ついでに下半身に一つ。
その計三つ。
「…というか、どうしてリナ、そんなことを知っている?」
いぶかしりつつきいてくるそんなゼルの言葉に。
「あらvルナから聞いたのよv」
というか、まあうそでもなければ真実でもないけど。
あたりには焦げた香ばしい肉を焼いたようなにおいが風にと流れ。
ところどころで火の手が具間みえていたりする。
ちなみに消化をしようとしてそんな炎に巻かれている
盗賊の一部のもの達もいたりしていたりするけど。
関係ないし。
「ま、まあルナさんならいろんな国の情勢、しっててもおかしくないですよね。」
などといいつつ、納得していたりするアメリア。
「そうかぁ?オレは違うとおもうなぁ。ルナさんに聞いた。んじゃなくてリナだから知っている。と思うんだが…」
「ガ…ガウリイさん、何気にさらりとすごいことをいってますね…」
そんなガウリイの台詞に思わず引いているゼロス。
「?で、でもぉ。こんな騒ぎ起こしたらぁ。私たちがここにいる、っていっているようなものでぇ。」
そう首を傾げつつもつぶやくそんなミリエラの言葉に。
「その通りだな。」
そんな声は。
炎の煙の先から、あたしたちの耳にと届いてくる。
まあ、あたしはわかってたけど。ちなみにガウリイとゼロスも。
「くっ。さすがブロだな…気配を隠すくらいお手のものか…」
ちなみにゼルガディスは半径数ヒャクメートル以内に相手がきて。
殺気と気配を殺しているそんな彼ら―すなわち。
リハード王国の諜報員&特殊部隊の面々。
そんな彼らの気配にと気付いていたりする。
ちなみにガウリイはその視力と同じく、半径一キロ以内に入ってきたところで気付いており。
あたしは別にそんな指定はまったくない。
まあそんなどうでもいいことはともかくとして。
うきゃぁぁぁぁぁ!
あたりに広がる女性の悲鳴。
「だ、だからいったじゃないですかぁ!どうするんですかぁ!きゃぁ!きゃぁ!きゃぁぁぁぁぁぁあ!」
「「う……五月蝿いぃぃぃぃぃぃ!!!」」
そんな一人騒ぐミリエラの言葉に思わず同時に突っ込んでいる、ルとそして出現してきた刺客達の姿。
「…この人本当に諜報員ですか?」
思わずあきれてそんなことをいっているそんなゼロスの言葉に。
「…い、いや、われわれも何かの間違いのような気がひしひしと…」
こちらはこちらで。
ゼロスのいまだに手配書というか特徴が書かれた書類が届いていないので。
いつの間にか真横にいるゼロスの言葉にまったく動じずに、目を点にして答えている一人の男性。
「ま。まあ、バロン殿。あの女、手当たりしだいに三日前から。
  メロディさんですか?とか問いかけてましたし。水のあるところのいたるところで…」
思わずぽそりといっている別の男性。


ちなみにメロディは。
指令書が届いたその日から。
日付などをまったく確認せずに。
しかも【噴水のそばでサンドイッチを食べている。】というのすら読まずに。
とりあえず、水のそばにいる人物に話しかければいいんだ。
と思い、手当たり次第に声をかけていた。
という何とも面白い事実があったりするんだけど。
しかもようやくあたしたちにと話しかけてきた理由は。
その前に。
「違う人じゃないの?」
 と言われて、
「でもぉ。ここにかかれてますぅ。」
といいつつ、まったく関係のない普通のとある女性にと話しかけ。
ミリエラがもっている紙をみせ。
「あんた。これ、よくよんだのかい?ここにちゃんとサンドを食べている人。ってかいているじゃないか。」
「あああ!本当だ!」
それでようやく噴水のそばでサンドイッチ。【】という文字に気づいた。
という真実がそこにはあったりするんだけど。
まあ。その見せた人の旦那さんが、実はリハード王国の諜報員の一人で、何もしらない奥さんがそんな旦那にと話した。
ということからミリエラの正体は思いっきりばれていたりした。
という何ともほほえましい出来事があったりしたのだが。


ふと、そうしてようやくいきなり聞きなれない声が真横から聞こえることに気づき。
「「うわっ!?いつの間に!?」」
などといまさらながらに驚きつつも警戒している男たち、約十人ばかり。
ふと聞きなれない声を聞き。
横を振り向いた彼らのめに映りこんだのは。
にこやかに人懐っこい笑顔を浮かべている一人の神官。
そう彼らの目には映っていたりする。
「とりあえず。あなたたちには手を引いてもらう。ということはできません?
  いやぁ、実はとある御方があの中にいらっしゃいまして。
  世界のためを思うのならば手を引かれる。というのが無難な選択だと思いますけどねぇ?」
にこやかにさらりと何気にそんなことをいっているゼロス。
ほぉぉぉぉぅ。
「あら?ゼロス?どういう意味かしらねぇ?」
少し離れた位置からあたしがそんなゼロスにと問いかけると。
びしっ。
なぜかその場にそのまま石化して固まっていたりするゼロスの姿が。
そしてそんな固まっているゼロスを尻目に。
すちゃっ!
その場にすちゃりと構えなおし。
「きましたね!あなたたち!何の役にも立たないこのミリエラさんを追い掛け回すより!
  自国のこのような悪事を取り締まること!それがすなわち正義!
  というものではないんですか!そんなこともわからないようならば!それ、すなわち悪!この、アメリア…」
アメリアがフルネームを名乗りかけたその直後。
むぐっ。
そんな指を突きつけてびしっとポーズを決めて、断言しているアメリアの横手から。
あわてて、そんなアメリアの口をふさいでいたりするゼル。
「んっ~!!!」
じたばた、じたばた。
そんなゼルの手の中でアメリアはじたばたもがいていたりするけど。
「こ、この馬鹿!お前のフルネームなんか言ったら!それこそ大事になるだろぅがぁぁ!」
アメリアの口を押さえつつ。
いまだにじたばたと正義の向上を述べようとしているアメリアにと、必死で言い聞かせているゼル。
「おーい?ゼル?アメリア、顔色が悪くなってるぞ?」
はたと気づけば。
何となくアメリアの顔色が青ざめてきているような気がしなくもない。
あわてて。
「あわわっ!すまん!」
アメリアの口から手を離しているゼルの姿が見受けられていたりする。
すぅっ。はぁ。
一、二度、深呼吸しただけで。すぐさまに復活し。
「ともかく!役に立たないミリエラさんを追い掛け回し!
  あまつさえ、自国の悪を見逃している悪事は許せません!
  私たち、正義の仲良し四人組があなた方を正義の道にと戻して差し上げます!」
びしっ!
そのまま何事もなかったかのように向上の続きをいっていたりするアメリアだが。
そんなアメリアをみつつ。
…セイルーン…本当に大丈夫なのか?
あのフィルさん、そして姉、そして…このアメリアあり…だ。
はぁ。
などとそんなことを思いつつ、盛大にため息をついているゼルガディス。
ある意味、今のゼルガディスの行動は、セイルーンを巻き込んだ戦争を回避した、とも取れる行動ではあるのだが。
あたしとしてはそれはそれで面白そうな気もするんだけど。
まあ、今ここでアメリアがフルネームを名乗ったら。
その最後にあるのは当然【セイルーン】この名前。
当然、聞く耳持たない暗号名ではあるがバロンたちとて、その名前くらいは聞き覚えがあるのは事実。
アメリアがまずフルネームを名乗ったとすれば。


「何ぃぃい!?セイルーン!?ということはセレニアスはセイルーンと手を組んだのか!?」
「何!?卑怯な!上に報告だ!」
などという会話がなされ。
しかも、当然のことながら一応アメリアはこれでもセイルーンの王女。
彼女の意思に関係なく。
そのままセイルーンの名前が使われて、そのまま戦争にと発展する。
というパターンだったんだけど。
そして、両国、そして隣国などをも巻き込んだ後。
今回の争いの原因があの面白い日記にある。ということを知り、参加した人々が途方にくれる。
という未来がまっていたりしたんだけどねぇ。
まあそれはそれで面白いけど。
今はそれにはなってほしくなかったし。
何しろ今、フィブリゾのやつやガーブのやつが面白いことしでかしてることだし。
あいつらにしっかりとお灸をすえないことにはね♡
ふふふふふv


「…頼むからその呼び方はやめてくれ…アメリア…」
ただむなしくゼルガディスのつぶやきが、
あっけにとられているリハード王国の諜報員達の間にただただ風にと流されていき。
「…な、なあ。こんなかわったやつらを相手に俺たち…何してるんだろうな…」
「…いうな。これも仕事だ…悲しいがな…」
ひゅぅぅ・・・・。
その場に静寂なる風が吹き抜けてゆく。
そんな沈黙を破ったのは。
ゼロスの一声。
「どうでしょう?ここはまああのミリエラさんのことは。そのまま国境の外に逃がしてあげては?
  その代わり、なぜかある人たちが落としたこれ、差し上げますし。」
にこやかに。
笑いつつそんなゼロスが持っているのは一冊の本。
ちなみに、ミリエラの仲間-つまりはリハードの諜報員が盗み出した日記の中の一冊。
そういいつつ。
ばらりとそれをめくるゼロス。
「ええと。何何?
  『今日はセレニアスの馬鹿がこの私の悪口をいった。私のお母さんは出べそなんかじゃないもん!
   それを父さんにいったら、そのままセレニアスと当然のことながら戦争に。
   ぜぇぇぇぇったいに!私のほうが正しいってことを!ライルに教えてやるんだから!
   確かこれで私たちの喧嘩で始まった戦争は記念すべき千回目v
   このままセレニアスのあの馬鹿王子をぎゃふんといわせてやるんだから!』」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ゼロスが読み上げる日記の台詞に、しばしその場にいた全員が沈黙。

ひゅぅぅ・・・・・・。
ただ周囲には風の音が響くのみ。

「…え…ええと。年代がかかれてますねぇ。これ…五百年前の日付ですね…。あ、まだありますね。
  『今日は何を考えたのか!ライルのほうから喧嘩吹っかけてきたしぃ!
   きぃぃぃい!昨日、私がライルの臆病者。といったのを根のもって!
   いいもん!この前国の賢者から倣ったドラグスレイブお見舞いしてやるんだから!
   それでセレニアスの町が崩壊しようが私が絶対に正しい!んだし!
   父さんも私の意見に同意してくれてるし!』」
読み上げるゼロスの台詞に、さらに沈黙がその場を支配してゆく。
『…おい。』
思わずそんな言葉をつぶやいたのは諜報員の男性達と、そしてゼルガディスとガウリイの言葉はほぼ同時。
「…とゆーか俺たち…あんなものを必死で守ってたのか?」
一人のつぶやきに。
しばし刺客、として追いかけてきた男たちがさらに沈黙してゆく。
彼らの一番の使命は。
門外不出になっている古から伝わる王家の書物。
それを守ること。
そしてそれが盗まれた、という話をきき。
誰ともなく仲間かどうか聞きまくっていたミリエラを追い掛け回していただけなのだが。
「それで?どうされます?このままおとなしく引き下がってくれるのでしたら。拾ったこれはあなた方にお渡ししますけど。
  でも、まだそこにいる、四人、得にあの御方…もといリナさんにちょっかいをかける。
  というのであれば。僕この場であなたたちを全員混沌に沈めちゃいますけど♪」
何気にさらりと面白いことをいっているゼロスではあるが。
しばらくそんなゼロスの言葉を理解するまでもなく。
ただただ。彼らは、無言でうなづき。
そしてゼロスからその日記をうけとり。
その場を後にしてゆく姿が。
一時もたたないうちにと見受けられてゆく。
後には意味が理解できてないアメリアやゼルの姿がこそに見受けられてゆくのみ。
とりあえず、簡単にアメリアたちには説明はしておきますかね♡



「どうにかもうすぐ国境ですね。」
「…だな。」
もはや完全に疲れきり、そんなことをつぶやいているゼル。
アメリアの口調も心なしか疲れを含んでいたりするけど。
「というか。最後のつめがのこってるみたいだぜ?」
心底、嫌そうな声をだしつつ。
ガウリイがそこにあるごつごつとした岩影をみつめてそんなため息をついていたりする。
「見たいねぇ。ふふv」
にこやかに微笑むそんなあたしの言葉に。
「…リナさぁん!何がそんなに楽しいんですかぁぁ!?」
などとなぜかいまだになきつつも叫んでいたりするミリエラ。
数日前。
とある一件で一組のとりあえず追いかけてきたものたちは撃退したものの。
それでしばらくあたしたちの周りは静かになり。
それならば。
ということで、資金集めをもかねて、片っ端から道筋に位置していたすべての夜盗や盗賊などのアジトを片っ端からつぶし。
ついでにいえば度胸をつけさせるために先発隊としてミリエラを先に。
上空からそんな彼らのアジトに放り込んだりした。というのが大体約102件。
なぜかその程度のことでつかれきっているアメリア達。
「まあまあ。そんな細かいことで泣き言をいわないのvミリエラvそれにあなたのお仲間も周りにいたりするし。
  どうやらここで、とりあえず、残りの日記を追いかけてきたやつらとそれとゼロス、あんたを追いかけてきたものたち。
  ここで待ち伏せしてるみたいよ?ん?」
にっこりと微笑みつつ、なぜかいまだについてきているゼロスにと話しかけるあたしのその言葉に。
「あ…あはは。すいません。とりあえず。そうですねぇ♡
  こうなったらこの場所ごと、吹き飛ばすvというのはどうでしょうか?」
にこやかに言い放つそんなゼロスの言葉に。
「何をいってるんですか!ゼロスさん!そんな悪のようなことはだめです!
  そんなことしたら、ゼロスさん、正義の仲良し四人組の中に入れませんよ!」
そんなゼロスの鼻先にぴしっと指を突きつけていっていたりするアメリア。
「…別に入りたくもないですけど…」
「いいえ!ゼロスさんも私たちと同様に!正義を広める使命があるのです!
  ああ、使命。なんて甘美な響きなんでしょう。」
きらきらきら。
目を輝かせつつ腕を組み、一人の世界に浸っているアメリア。
「まあ、とりあえずゼロスの意見も一理あるわよvつまりは完全に戦意を喪失させればいいわけよねv」
にっこりと微笑むそんなあたしの言葉に。
『-え?』
なぜか同時にアメリア、ゼルガディス、ガウリイ、そしてミリエラ、
そしてそのままあわてて掻き消えていっているゼロスの姿が。
「見つけたぞ。お前ら…」
そういいつつ、姿を現した、リハードの国の者たちがつぶやいたその直後。
ドォォォン!!!
あたりにすがすがしいまでの轟音と。
そして。
荒れ狂う黒い嵐のような渦がいくつも巻き起こってゆく。
どうしてちょっとあたしが手をかざしただけで。
このような光景になるのかしらねぇ?ふふふふふv


「…な、何か巻き込んだようだな…」
ちなみに数名は包帯を体にと巻いていたりするが。
あたしがちょっと手をかざしただけで。
なぜか一時の間。
あたりに黒い嵐のようなものが吹き荒れ。
すべてのものを一時無にと還していっていたりするのだけど。
それはそれ。
ちょっとちらりと見ただけでそれらは面白いから一部はそのままに。
ある程度は復活させていたりするあたし。
なぜか、そんなことをいいつつも。
あたしに対して恐怖の感情を撒き散らしつつ、話しかけてくるのはリハード王国の諜報員。
ちなみに。
先ほどのちょっとした嵐で彼らがもっていた日記のすべては、すべて燃え尽きていたりするけども。
「いえ。気にしないでください!
  正義が守れたこと!それすなわち!天がそのように私たちに味方してくれているのです!」
きっぱりと。
けが人などを治しつつも、そんなことを言い切っているアメリア。
「というかどっちもどっちだと思うぞ…」
「…どこが正義なんだ…どこが…」
そんなことをつぶやいている男性陣はまあ無視するとして。
ちなみにゼロスのやつは情けないことにいまだに精神世界で気絶していたりする。
後で少しお灸をすえておきますか♡
「と、とにかく。世話になったようだな。」
きゅぅ。
いまだに伸びているミリエラを抱きかかえつつ。
今回の作戦のリーダーであるとある男性が声をかけてくる。
ちなみに声はなぜかあたしに対してかなり震えていたりするけど。
まったく。
「まったく。あの程度でおびえるなんて。あなたたち、まだまだね。」
苦笑するあたしに。
「…ガウリイ、本当に、本当っに、リナのやつ人間なのか!?」
「いや、でもま、気配は人間だぞ?」
そんな会話を小声で交わしていたりするゼルとガウリイ。
「でもその人どうされるんですか?私はその人、諜報員には向いてない。と思うんですけど?」
問いかけるそんなアメリアの言葉に。
「まったくだな。それはこちらも同感だ。」
しみじみうなづいて返事を返しつつ。
「ところで?我々のことはどれくらいまでしっているのかな?それに貴殿たちは?」
のほほんと問いかけているものの。
一応部外秘の機密事項。
どこまで彼らが知っているかによって上に報告する内容も変わってるしな。
そんなことをおもいつつ問いかけてくる一人の諜報員の言葉に。
「どこまでって。…とりあえず。私はアメリアです!アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン!
  で、こっちがリナ=インバースさんで、ゼルガディス=グレイワーズさんに、ガウリイ=ガブリエフさんです!
  どこまで、とかいうのは。とりあえず、ミリエラさんに見させてもらった書類、くらいなものですけどね。」
とりあえずあの日記のことには触れないでいるアメリア。
ざわっっ!
そんなアメリアの言葉に。
「な。何!?リナ=インバースだと!?あの!?生きとしいけるものの天敵の!?」
「何!?セイルーン!?」
「何ぃ!白のゼルガディスだとぉ!?」
「ガウリイって、あのガウリイかぁ!?」
などとざわざわと騒いでいたりする男たち。
ひくくっ。
顔を引きつらせつつも。
「そ。そうですかぁ。とりあえずご協力ありがとうございます。そ、それで、できればお国などには内緒に願います…」
「あ、これ迷惑料です。」
などといいつつその場にいる全員の全額を袋につめて。
いきなりあたしたちの名前を聞いて低姿勢になっている男たち。
「あら?このあたしにそんな口聞いて、ただで済むとおもってるのかしら?」
とりあえず。
その皮袋をうけとり、懐にとしまいつつ。
そんな彼らにとにっこりと微笑みかけるそんなあたしの言葉に。
「「ひ…ひぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」」
なぜかしばし。
国境付近の山間に、人間たちの悲鳴が響き渡ってゆく。


「と…とりあえず、ディルスだな。」
「そうですね。」
「だな。」
なぜか見なかったことにして。
先を進み始めているゼルガディス、アメリア、ガウリイ、この三人。
ちなみに。
リハードとセレニアスは後日。
あたしの名前とそしてアメリアの名前を聞き及び。
正式に和平条約を結んでいたりするのは、まああたしたちには関係ないこと。

とりあえず。
あたしたちの向かう先は。
カタート山脈のあるディルス王国。
うーん。少しは今回の一件、楽しめたわねv


                                      -終わりー



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 あとがきもどき:
     薫:お・・・おわったぁぁぁあ!
       とりあえず今回全部で60KB!
       打ち込み始めたのが実は四日前!(かなりまて)
    リナ:遅かったわよねぇ?
     薫:・・・・ぎくっ!(滝汗)
       で、でも!書きなぐりさんにはきちんと分けて投稿してましたし!?(言い訳)
    リナ:でもv遅かったのは事実なのよねぇ?
       そ・れ・に?
       こっち、つまりは自分のページではひとつにした。
       ということはそれだけこのあたしの出番が少なくなってる!?
       ということよねぇ?ん?薫?
    薫:(だくだくだぐたく・・・・)
       と、とりあえず!
       きちんと編集するのです!
       ・・・・この下にページにおいては!
   リナ:そう?まあとりあえずv
    薫:いやぁぁぁぁ!というかエル様ぁぁぁぁ!

    ごすっ!

   リナ:はいv何かいやぁぁぁな音が響いたのはとりあえず無視するとして。
      ミッション・ポシプルでしたv
      それでは皆様、またどこかでお会いしましょうv
      それではねv


     2003年11月14日


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  ここより下は書きなぐりさんに投稿した。
  前、中編のあとがきもどきです(まてこら)

  前編あとがき:
    あとがきもどき:
     リナ:はいvこんにちはvかおの代理のLですv
        まったく、こいつは・・・・。
        いつもなぜか長くなるからって。
        とうとう分けて投稿することに決めてみたようです。
        というか本当に今日中に全部打ち込みできるのかしらねぇ?
        今こいつが打ち込んでいるのって・・・。


        『「まあとりあえず、どうでもいいゼロスさんはいいとして。」
         さらりと何気に面白いことをいいつつ、
         しばし手を口元にあてて考え込んでいるアメリア。
         「…ど、どうでもいいって…」
         いじいじいじ。』

        ここまでしか打ち込みしてないのにねぇ?まったく・・・・・。

     薫:(むぐぅぅぅぅ!!!)(訳:ばらさないでくださいぃぃ!)
    リナ:あら?何かそこに転がっている袋が動いてますね。
       ちょっとまってねv


    ―ザクッ!(手にしたスコップが袋ごとか薫を突き刺して袋の周りに広がる赤い水溜り・・)


    リナ:はいvさて、なぜかかってに動いていた袋はまあおいといて。
       何はともあれ、またみなさん、次回でお会いしましょうねv
       それではvまたvv
       それじゃあねv


   中編あとがき:
     あとがきもどき:
   リナ:あ゛あ゛あ゛あ゛!
      このあたしがまったく活躍してないじゃないのよぉぉぉお!
      薫ぅぅぅぅぅぅ!!
    姫:あ、エルvこんなところに置手紙がv
      ええと、何何?
      『とりあえずお説教が怖いのでほかの小説に取り掛かるために旅にでます。』
 リナ&姫:・・・・・・・・・・・・。

   リナ:んっふっふっ。それですませられるとおもってるのかしらねぇ?
      ふふふふふv
      それじゃ、あたしはちょっと薫に望みとおりにお説教にいってくるわねv
     姫:いってらっしゃぁぁぃv
       さって、エルが薫さんのところにいったところで。
       改めまして。はじめましての人は始めまして。
       宇空スミレですv
       ほかにはミリアムとか、いろいろと呼び名あるけど。
       一般的な名前はユニットね。ユニット=ユニバース。
       私とエル、いわゆる仲間、なのよね。ふふv
       まあ、とりあえず、エルは薫さんのところにいきましたし。
       この私が変わりにあとがきを進行させてもらっていますv
       とりあえず、次回でようやく、
       ミリエラさん、無事に国境に到着、らしいけど。
       でもエルを狙うなんてほんと、人間って何考えてるのかしらね?
       うふふふふv(かなり楽しんでいる様子で)
       何はともあれ、それでは、また次回でお会いできましたらお会いしましょうv
       それではねv



     
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