こんにちわ♪またまたリクエストいただきましたのです!!
というわけで、リクエストのあったお話!ありがとうなのです!リナ&キャナさん!!!!
第34話 スペシャル17巻 仁義なき場所とり です♪
ではでは、いってみましょう♪

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         エル様漫遊記・番外編  ~仁義なき場所とり偏~


「―何奴だ!?」
轟・・・・
うなる夜風のその中で聞こえてくる声が一つ。
「―いや、愚問か、今、この場にいるということは―スナワチ、答えは一つしかあるまい。」
ゆっくりと。
風に足音をまぎれさせ男は場所を移動している。
自分に有利な間合いを探っているみたいだけど。
そんなの無駄なのにねvv
「―ということは、そちらも目的は同じみたいですね!」
ぴしっ!
「そんなこそこそ隠れて行動するとは、スナワチ悪!
  今こそ正義の仲良し四人組み、プラス一名で、正義の鉄槌をくだします!」
アメリアがその暗闇に手を突きつけている。
「・・譲歩というものも、人生には時として必要なものとは思わないか?」
男の足が動きを止める。
「そう思うんだったら、そっちが譲ればいいだろう?」
淡々と言っているゼルガディス。
「譲歩ですか・・・・。僕はすでに譲歩しているようなもの・・・」
「そこ!!ゼロス!何かいった♡」
エル様がこちらにいる時点で、僕達は・・しくしくしく・・。
まったく・・・、そんな些細なことでいじけないの!
「ふむ。多勢に無勢か。しかし、こちらとて、譲るわけにはいかんのじゃよ。少人数の意見を尊重する気は・・」
「ないな。」
ゼルガディスが淡々と答える。
「ふむ。ならば、戦いあるのみ!」
いって、がさりと闇の中から出てくる男。
「―私の名前は。レナード。レナード=ファンタズマ。ウランバール賢者連盟の一人・・。」
「ええと・・。賢者連盟。魔道士協会から離反した人達が、独自に創りあげている組織ですね。」
ぱらばらと懐からノートを取り出して、言っているゼロス。
「ゼロスさん、ソレ何ですか?」
アメリアが不思議に思って問いかける。
「ああこれですか?人間観察日記です♪結構、いろいろとありまして。面白いんですよ♡」
「・・・・ゼロス、お前、よっぽど人間が好きなんだな。」
しみじみいっているガウリイに。
『違うぞそれは(違いますって)』
アメリア、ゼルガディス、ゼロスの声が重なる。
「まあ、どうでもいいことは、おいといて。」
いいつつ、にこにこと前に出ているゼロス。
「申し訳ありませんが、引いていただけませんかねぇ?
  いやぁ、そうでない場合、僕は彼方に誠意ある説得を試みることとなるんですけど♡」
にこにこというゼロスに。
「ちょっと聞くが。ゼロス。貴様の誠意ある説得というのばとういう意味だ?」
じろりとゼロスを睨んでいるゼルガディス。
「いやぁ、どうってことないですよ。ただ、足の一本や二本くらい消滅させて、快く引き下がっていただこうかと♡」
「・・・ゼロスさん、それって正義じゃないです・・・」
アメリアがゼロスにそんな抗議の声をいっていたりする。
「ともかく、俺達は、ウランバール魔道士協会から、依頼を受けている。俺はゼルガディス。」
「アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンです!」
「ガウリイ=ガブリエフだ。」
「謎の好青年、ゼロスといーます♡」
「リナ=インバースよ。」
あたしが名乗ったその直後。
「・・ほぉぅ、明り(ライティング)よ。」
なぜか威力の弱い魔力の明りを作り出しているレナード。
歳は、二十一。
肩まで伸びた銀色の髪。
深い湖の色をしている蒼い瞳。
マントの下には、魔術文字の縫い取りのある神官のローブをもじった服装。
「知っているぞ、その名前は・・・。単なる噂だけではなく・・・・・な。
  聞いたのだよ。同僚から。メリル。という名前を覚えているか?」
「ああ、あのメリルねぇ。トロイ生き物♪」
面白いことに、盗賊の首領をやってたあのメリルねvv
「うわ。さらりとひどいことをいうな、お前。確かにそうだが。」
「・・避難して同意してどうするんでしょうか・・。」
レナードの言葉に突っ込んでいるゼロス。
「ならば、リナ=インバース!覚えているか!?
  お前が我ら賢者を評して、『役立たず』とか『偉そう』とかいったことを!」
「あら♪あたしはただ、実用性に富んでいない存在だっていったのよ♪
  意味のないプライドなんかを持って、表に出しすぎる感じは否めないしv」
「それが、『役たたずで偉そう』っていうことだろうが!」
なぜか、あたしの事実の意見にくってかかるレナード。
「・・・・無謀な人ですねぇ。まあ、リナさんが、面白がっているうちはいいですけど・・・」
「確かにな。リナに喧嘩うるとは、無謀以外の何ものでもないしな。」
ゼロスの意見になぜかしみじみとうなづいているゼルガディス。
「こらそこ!あとで、じっくりと話し合いましょうね♡」
にっこり。
あたしが笑いかけると。
なぜか、その場で固まるゼルガディスとゼロス。
「無視するなぁぁ!ま・・まあいい。ここで、力と力。魔力と魔力の戦いを繰り広げるわけにもいくまい。
  ゆえにこそ!知をもって、その勝敗の基準とし、同時に我らが賢者が、
  どれほど優れた頭脳を持ち合わせているのか、それを知らしめてやろう!」
「優れた頭脳とかいっても・・。クイズで勝負だって言ってくる賢者って・・・・。頭悪そうですよね・・・。」
さらりと的確なことをいっているアメリア。
「それはいうなぁ!」
レナードの絶叫が、夜風の中に響き渡ってゆく。

セイルーンに向かう最中。
なぜか、自分も用があるから。とかいって。
マインで別れていたゼロスが合流してきて。
・・・どうやら、セイルーンのあいつらの視察を命じられて。
あたし達がそこに向かっているから、あわてて、こっちに合流したらしいんだけど。
何でも、自分一人でいって、あたしに怒られるのが怖いからとかいう、たわけた理由で・・。
・・・・まったく!
あたしがその程度で、怒るわけないじゃないのよvv
ちょっと、小突く程度で済ますのにねvv
そんな道中の最中に。
ウランバール魔道士協会から、ちょっとした依頼をあたし達は受けたのだが。
というのも、【ウランバールに、ちょっとした、写本がある。】というのをゼルガディスに話したところ。
アメリアも自分も見てみたい!とか言い出して。
魔道士協会に乗り込んだまではいいものの。
交換条件に出されたのが、花見の場所とり。
この地方には、アムニジアという木があり、この辺りの一部の地域に、群生しているこの木々。
一年に一度、数日間のみ、一斉に花を開く。
人間の間でいうと、地方および時期限定。
なぜか、その程度のことで、ついたあだ名が幻の花。
まったく、一万年に一回さく花とか。
千年に一回咲く花とかもあるっていうのにねぇ。
たかが、一年ごときで幻っていうのが変わっているわよねvv
この時期になると、その花を見ようと、なぜか、東はエルメキア、北西はライゼールからも、なぜか人々がやってくる。
地元の人々はむろんのこと。
なぜか、そんなわけで。花が咲くころには、アニムジアの木の周りには。
花見の客が集まって、なぜか人だかりができたりする。
まあ、桜の季節とかもそうなるけど・・・。
お祭り好きなのよねぇ。人間ってvv
そんな理由からか、当日来た程度では、ゆっくり花見が出来る場所などは、残ってないことが多いという理由で。
地元の人々は、花が咲き始めるより前に、誰かを送って花見の場所を確保する。
それが定番となっている、このウランバール地方。
そして、【写本を見せて欲しい。】とゼルガディスとアメリアが交渉したところ。
花見の場所を確保すれば、みせてもいいということとなり。
ま、あたしは嘘はいってないものvv
確かに、写本だしねvv
水竜王の知識の写本ではないけどねvv
ここは、ウランバール領主の城を望む位置。
花が咲けば、花の具間から城を垣間見ることができる。
眺め的にはけっこういいほうの、この花見としては絶好の位置。
「悪いが、俺も目的のためには引くわけにはいかないからな。」
「いいでしょう!その勝負!受けてあげます!」
勝手に盛り上がっているアメリアとゼルガディス。
「第一問!ライゼール帝国を流れる川のうち、四番目に長い川は!?」
いきなり、叫びだすレナード。
「・・・・・は?」
思わず目が点となっているゼルガディス。
「ふふはははは!分かるまい!『一番長い川』なら覚えているものもいるだろうが!
  その国の出身なら、三番目くらいまでは覚えているかもしれん!
  しかぁし!四番目となると話は別!これを知るものはまずいない!
  だが私はそれを知っている!これこそが、賢者が賢者たるゆえん!
  我ながら賢いぞ!賢者!ソレは何だか賢そう!愚問の信頼一身に集めて女の子にもてもて!褒め称えよ!」
一人で勝手に盛り上がっているレナード。
「あのぉ?」
そんなレナードをあきれてみているアメリア。
「うーん。この人間、変わってますネェ。」
しみじみ言っているゼロス。
「というか、頭悪いんじゃないのか?」
あきれているゼルガディス。
「それに、第一、四番目に長い川なんて、そんなこと、覚えていて一体何の得になるというんだ?」
あきれたように言っているゼルガディスだけど。
「ふ!そんなこともわかないとは!やはり凡庸な輩!
  いろんなところで何かと自慢できるからに決まっているだろうが!」
「おや、なるほどぉ。そ~いうことですか。」
にこにこと棒読みでいっているゼロス。
「さあ!答えよ!我が問いに!ふっ!最も、貴様らごときにその答えが・。」
「サルミット川です。」
「・・・・・」
さらりといったアメリアの言葉にレナードはまともに硬直する。
「だから、サルミット川です。」
アメリアのサイドのその答えに、ぐらりとよろけているレナード。
「な・・・なぜそれを!?」
「この程度は、乙女の身だしなみの一つです!」
言い切るアメリア。
というか、ナーガにつられて、どうでもいいことまで、アメリアも覚えているからねぇ。
まさか、あたしがそれを知っているとはアメリアは夢にも思わないでしょうけどねvv
「・・・・くっ!」
アメリアの言葉にうめいているレナード。
「へぇ。よく知っているなぁ、アメリア。」
感心しているガウリイ。
「姉さんと、以前、一緒に調べたんです。」
・・・一体、アメリアの姉さんって・・・・・。
なぜか、ゼルガディスがそんなことを思っているけど。
ま。
ナーガだしねvv
「それはそーと、あなたは、何をしていらっしゃるんですか?」
ゼロスが、ちゃっかりと、その場に座り込んで、お酒を飲んでいる、男性に問いただしていたりする。
「おう!気にするな!ただの花見の場所とりでぃ!」
「さらっと割り込まないでください!割り込み!それ、スナワチ、正義じゃありません!!」
「ここは、俺達が狙っているんだが?」 
「割り込むんじゃないぃ!」
アメリアの口上と、ゼルガディスの放つ殺気と。
それにとどめとばかりに、レナードがキックを放つ。
ヒュルルルゥゥ・・・・。
「うーんvvいまいちねvv」
飛んでゆく、男性をみつつあたしは、空を見上げてゆく。
「どうやら、花見の場所とりを始めているのは。僕達だけではないようですねぇ。」
しみじみいっているゼロスの言葉に。
「当然だ。まあ、よそ者なら知らぬのも無理はないかもしれんがな。
   言っておくが、こんなものではないぞ。これからが、本格的な場所取り合戦の始まりなのだ!」
言い放つレナード。
それが合図のように。
アニムジアの木々の向こうから、こちらにやってくる人影達。
「おうおう、あんたら、ここが俺達、みどっぢ一家の縄張りと知って・・。」
「ファミリー!?まさか、悪!!!!正義の鉄槌を下します!」
どかばきどめぎゃ!
アメリアが嬉々として、ごろつきたちを叩きのめす。
「くはは!この場所は、我ら、ウランバール商工連盟の・・。」
「・・インバース商会vv敵に回してもいいのvv」
―びし。
すごすごすご。
なぜかあたしのその言葉に、真っ青になって引き下がる。
「退くがよい!我こそ、栄えある聖槍騎士団(ダンニグルナイツ)の、 第一・・・。」
「申し訳ありませんが、お引取り願いませんでしょうか?」
にこにこにこ。
ゼロスがいったその刹那。
見えない衝撃波にと弾き飛ばされていたりする彼ら。
・・それくらい防ぎなさいよね♡

そんなこんなで。
夜が完全に明けてから後。
ようやく、残るはあたし達を含む二チームのみ。
追い返された人々は、ベスト・ポジションを諦めて。
適当な場所に陣取っていたりする。
気の早い人間などは、すでに酒盛りなどを始めていたりもするけれど。
先に、面白いので、割り込み組みの排除に当たっていたりしたのは言うまでもないけども。。
「・・・なかなかやるな。リナ=インバースとその一行よ・・。」
「そっちもなかなかやりますね。単なる、偉そうにしているだけの輩ではないんですね。」
なぜかちょっと感心していたりするアメリア。
この戦い、負けられません!
なぜか勝負魂をみせているアメリアとゼルガディス。
もし、負けたら、この場所は相手のもの!私達が場所を移さないといけなくなります!
そうしたら、すでに他の場所は他の人々がすでに場所を確保してますし!
などと、心の葛藤が見えて面白い。

「あの~。」
そんなあたし達の様子をさえぎって、横から声をかけてくる魔道士姿の少女。
歳は、十二歳。
黒い髪に黒いマント。
両手に抱えたバスケット。
「私たちですか?」
アメリアが問いかける。
「はい。」
いって、アメリアにバスケットを差し出している。
「ご苦労様です。協会からの差し入れです。」
「おお!気がきいているじゃないか!」
「なるほど、協会にしては、心が行き届いているな。」
「そーいえば、私、お腹が空きました!」
少女の言葉に。
ガウリイが目を輝かせ。
ゼルガディスが、少し感心していたり。
アメリアがお腹が空いているのを思い出す。
「・・・・なるほど、腹が減っては戦はできぬ。というわけか。いいだろう。決着は食事の後だ。」
・・・僕は結構、食事をさせてもらってますけどねぇ・・。
などとゼロスがつぶやいているのは、誰も気づいてなかったりするけど。
まっ、せっかくですし、食べるとしますかvv
新鮮なレタスにマスタードソース。ほどよい暑さのロースとビーフ。
種類によって、添え物を変えているのが、結構いける。
「あら♪コップがないわねvv」
「か・・買ってきます!」
あたしの言葉にあわてて、空間移動しているゼロス。
「・・・うどわ!?」
何か驚いているレナードだけど。
「これ、おいしいです!」
アメリアが、ぱくぱくとたべつつ手を止める気配はない。
「お待たせしました。」
二秒もたたないうちに、戻ってくるゼロス。
「・・遅いvv」
「す・・すいません!」
「・・・・ゼロスさんって・・・(もぐもぐ・)なひぇかりなひゃんをこわがひゃっていまひゅよね・・・。」
(ゼロスさんってなぜかリナさんを怖がっていますよね。)
アメリアが食べつつ、ゼルガディスに話しかけている。
「・・・だな。」
そんなアメリアにうなづいているゼルガディス。
ガウリイはただひたすらに食べている。
こぽぽぽ・・・・
コップに、オレンジジュースを注ぎ足して、全員に配っているゼロス。
・・・・律儀よね・・・
「おいしいですぅ!このジュース!」
「だな。どうやら、パールオレンジを使っているようだな。」
「他にも、隠し味が使ってありますよ。」
のみつつ、会話しているアメリアとゼルガディスと。
こくこくとのみつつ言っているゼロス。
「分かるんですか!?隠し味使っているのが!?すごぉぃ!」
目を丸くしてにっこりと微笑んで。
「ブルーリの実を使っているんです。」
「へぇ・・・って・・ちょっとまってください!」
「・・何!?」
「・・・・ぐぅ・・・」
アメリアとゼルガディスが抗議し。
ガウリイはすでに寝ていたり、だけども、寝ながらサンドイッチに手を伸ばし、食べていたりもするけれど♡
「おや、どうやらそうらしいですねぇ。」
「そうね。」
こくこくこく。
「―そう、魔道実験などにもよく使われる、睡眠効果の強い木の実だよ。」
いいつつ、ゆらりと立ち上がっているレナード。
そして、差し入れを持ってきた少女の肩に手を置いて、勝ち誇ったような笑みを浮かべているけれど。
「改めて紹介しよう。魔道士協会の一人・・ではない。私の助手。マリア=フローレンス君だ。」
猫のような眼差しをこちらに向けて、マリアは無言で小さく笑う。
「くっ!卑怯な!」
アメリアがいいつつ、すくっとたっていたりする。
「相手の心理的間隙を縫って催眠薬によるからめ手の実行!
  なぁに、安心したまえ、後は丁寧に、町の隅にでも転がしておいて・・・。っ・・・・・・。」
なぜかそこで言葉をとぎらせていたりする。
「卑劣な手段を用いるとは、言語道断!!!
  正々堂々と勝負する気がないということは!賢者の名前を語る悪人ですね!!」
びしっ!
アメリアが朗々と言い放つ。
「な゛!?なぜ効かない!?それにリナ=インバース!貴様らもだ!!」
平気で未だにジュースを飲んでいる、あたしとゼロス。
「だって、あたしには関係ないからvv」
「僕もこーいうのは関係ないですし。」
まあ、ゼロスは魔族だし。
あたしに、こんな小細工通用するわけないじゃないvv
「でもvvこんな手段を用いるようじゃvvまだまだねv」
そうだっと♡いいこと思いついたvv
「もっと、眺めのいい場所としましょう♪ここ♪」
アメリアはその精神力で、睡魔を退け。
ゼルガディスは、こういうことの体制ができているから寝てはいない。
ガウリイはぐっすりと寝ているけど。
・・・なんで安心してるのかしらねぇvv
ま、いいけどねvv
本来なら、ガウリイも、この程度、効かないはずなのにねvv
安心しきって、そのまま寝ているしvv
「・・・・リリリリリリナさん・・・まさか?」
なぜか、ゼロスが汗を流しつつ、あたしの方を見てくるが。
「じゃ♪決定♪」
トン♪
あたしが軽く地面を叩くと。
ゴゴゴゴ・・・・
『うどわ!?』
なぜか全員の叫びが一致しているし。
その直、後木を中心に地面が盛り上がってゆく。
そして。
「はい♪空中花見場所の出来上がり♪」
「・・・何ぃぃぃ!?」
なぜか驚いていたりするレナードに。
「すごいです!リナさん!」
きらきらと目を輝かせているアメリア。
「・・・・・何でこんなことが可能なんだ??」
ぶつぶついいながら、頭を抱えているゼルガディス。
今いるこの位置のままで、まったく動くこともなく、あたしは、木の根っこを含めた地面を空中に浮かべてみたり♪
空中庭園ってところねvv
ぷかぷかと浮いているそれをみつつ。
なぜか対抗意識を燃やしたのか。
「くぅ!空に浮かんだら、手も足もでないではないか!こうなったら、力づくでも手にいれるのみ!」
「行くぞ!マリア!」
いって、空を飛んでゆくレナード達。
「うわぁ♪すごい綺麗な眺めですぅ♪」
アメリアが身を乗り出して、眼下の視界を見渡している。
上空から見ているので、城の後ろの果てにある海も見え、かなり眺めは以前よりはよくなっている。
「・・・・おいリナ、いったいこれ、どうなっているんだ?」
「ああ、気にしないのvvこの辺りに含まれている、浮遊石。それを活性化しているだけだから♪」
ふ・・・・浮遊石って・・(汗)
なぜかそこで汗を流しているゼルガディス。
そういえば、まだ人間は、あれ、きちんと加工すらもできないのよねぇ。
存在自体はようやくこの数年前に発見されているんだけど。
「ま、邪魔はいなくなったし♪花見の場所取りと。あ、ゼロス、ついでに、何か食べ物、もってきなさいなvv」
「は・・・はい!」
あたしの言葉に、急いで、食べ物を調達にいっているゼロス。
・・・・どぉ!
大地の下の方で、人々がざわめきを発している。
「リナさん!?あれを!」
アメリアが指差した先には、城を背中に乗せているゴーレムの姿。
この位置、城のあるちょっとした山と同じ位置に浮かばせていたのに。
城を背中にのせたまま、四本の足を生やして、こちらに向かってくるそれ。
「ふははは!聞こえるか!リナ=インバース! アニムジアの花の中から城を望むベスト・ポジション!
  その場所を空に浮かばせるということにより、独占しようというもくろみ!まずは見事とほめておく!
  ならばこちらの方は城の方を確保するまで!これで条件は五分と五分!
  さあ、どうする!リナ=インバース!!!?」
レナードが声を反響させて、言ってくる。
「あら♪こっちは、ただ、場所を空に浮かべただけで、何の害もないはずよvv
  それに、そっちが、先に、変な薬を盛ったんでしょ♪」
くすくすと笑いながらいうあたしの言葉は。
町の人々すべてに染み渡ってゆくようにしてみたりして。
「・・・・・あ・・・・あいつ、何考えてるんだ?」
あきれるゼルガディス。
「あ~いうのって、人間の世界では、罪になりませんかねぇ?」
ニコニコと笑っているゼロス。
「ゼロスさん、普通、あれは罪になりますよ。絶対に。」
あっけにとられているアメリア。
「それに、あちらからでは。遠くに花をみるだけで。花見にも何にもなってないですよねぇ♡」
ニコニコニコ。
ニコニコと言い放つゼロスの言葉は。
そのまま、ダイレクトにあっちに響くようにしていたりするので、大声を出す必要もなし。
「・・・・・しまったぁぁぁぁぁ!!」
ゼロスの指摘に。
レナードの後悔の声が、ウランバールの町中に響き渡る。
「・・・あほだな。」
完全にあきれているゼルガディス。
「ええい!黙れ!こ・・これは何というか!そうだ!そう!
  これは、そっちの浮遊している土地を乗っ取るための手段なのだよ!
  うんそう!そちらに攻撃を仕掛け、がっしりと捕らえる!そのためのゴーレムなのだよ!
  決して、行き当たりばったりの思いつきで生み出したものではないのだ!
  というわけで、味わうがいい!我がゴーレムのパワーを!」
その声とともに。
背中に城を乗せたまま、ゴーレムはこちらに向かって進み始めてくる。
「・・・完全に思いつきですっていってるようなものですよねぇ。」
「だよな。」
ゼロスの言葉に、ガウリイがうなづいていたりする。
結局。
ガウリイガウリイは寝ていたままでサンドイッチを全部食べて、それからやっとおきてるし。

まあ、とりあえずっ・・・っと♪
「とりあえず、本当のお昼にしましょvv」
「え?でも、リナさん?あれは・・。」
進んでくるゴーレムを指差しているアメリア。
「いや、多分侵攻、止まると思うぞ?城の中から、兵士が続々と出ているようだし・・・」
のんびりといっているガウリイ。
「・・・・ガウリイ、よく見えるな・・・。」
「え?見えるだろ?」
「え・・ええと。ここから数キロ以上は離れてますし・・・・。何よりも、距離があるんですけど・・・」
ガウリイの言葉に、唖然としているゼロス。
「ガウリイさん・・・・人間離れしてますねぇ。」
感心しているアメリアに。
「リナもリナだが・・ガウリイもガウリイだよな・・。」
ぶつぶつつぶやいているゼルガディス。
あたし達の食事の最中。
移動していたゴーレムもどきは、操っていたレナードが、兵士達に捕まっていたり♡。
マリアの説得と、レナードの両親の財力とで無罪放免となったのが。
それから二日後のことであったりする、という事実があったりするけども。

「うう・・・。」
「だから言ったじゃないですか。求めている写本ではないですよって♪」
にこにこと唸っているゼルガディスに言っているゼロス。
「貴様!知っていたな!」
「あら♪ゼルが勘違いしたんでしょvvこれも、写本っていうのよvv」
「・・確かに、写本ですよね。異世界黙示録の写本ではないですけど・・。異世界にあるという・・般若信教の写し・・・・」
アメリアがそれに書かれている文字をみつつ言っている。
「うだぁぁぁぁ!!!!!!」
 あのまま、あの場所は、そのまま空中庭園にとしたところ、まあ、うける、うける♡
町からも観光名所ができたと、御礼をもらい。
魔道士協会からも、依頼のときより、礼金は多少増えたりして。
そして、手にいれた写本をみつつ。
ゼルガディスは一人、頭を抱えてしばらく唸っていたり♡。
しばらく。
呪文のようにその言葉をつぶやいているゼルガディス。
折角だから覚えてやる!となぜかやけになっているのよねvv


森の中をゆく街道のその最中。
「見つけたぞ!貴様!!」
いってくるレナードの隣に、佇んでいるマリアの姿。
「どうして、私だけがね理不尽な裁きを受けないといきないのだ!
  あれから、我らは、我ら賢者連盟は領主よお咎めたて受けて!
  この私も町にいられなくなってしまったのだぞ!
  この私が!!世にあるすべてのHをこの頭脳の裡に収められるといいな。
  とか、羊皮紙の端っこにメモしていたりする、この私が!だぞ!」
「・・・なぁ、これって自慢なのか?」
ガウリイがのんびりとアメリア達に聞いている。
「違うぞ、それは。」
無視してガウリイに答えているゼルガディス。
「普通、城ごと、ゴーレム化すれば、お咎め受けますよねぇ♡」
にこにこにこ。
にこにこといっているゼロス。
「逆恨みもいいとこです。」
あきれているアメリア。
「ほっといて、次にいきましょ。」
「そうだな。早くセイルーンにいこう。」
「ですね!新しい仲間を父さんに紹介したいです!」
あたしの言葉に答えているゼルガディスとアメリア。
「この傷ついたプライドを回復し、栄光のザに復権するには、いかにすればいいのか!」
「おーい。リナぁ。この人、何かいってるぞぉ?」
「・・・・無謀な人間ですよねぇ・・。本当に・・・。リナさんがリナ=インバースって知ってて絡んでくるんですから・・・」
ガウリイがのんびりといい。
ゼロスがしみじみといっていたりする。
・・・ま、本当は・・・うううう…
などと、なぜか心でないているようだが。
「・・・このおっさん、人の話しを聞いてないな。」
ちらりとみているゼルガディス。
そんな私達の様子にはかまわずに続けるレナード。
「答えは一つ!あの日の決着をつけるのみ!リナ=インバース!花見の場所とり勝負だ!」
ごがしゃ!
その言葉にまともにこけている、アメリア、ゼルガディス、ゼロス。
あ、面白いvv 
「し・・・勝負は分からなくもないですけど・・・。何で『花見の場所とり』なんですかぁぁ???」
情けない声を出しているゼロス。
「ふん!愚かなリ!その程度の事さえも分からないとは!
  花見の場所取りに端を発したことならば、同じく場所取りで決着させることこそ、道理というもの!」
「おお、なるほど。」
ぽん。
そんな彼の言葉に相槌を打っているガウリイ。
「道理っていっても。『城に悪さをした奴が罰を受ける』というのは十分に立派すぎる道理だと思うが?」
完全にあきれているゼルガディスの言葉に。
「え?でも、ゼルガディスさん、私や姉さん。よく、城などを半壊させたり、壊したりしましたけど。
  何の罰も受けませんでしたよ?まあ、説教はありましたけど・・・。」
昔を思い出し、いっているアメリア。
「・・・・いや・・城を半壊って・・・」
つっこみつつも、こほんと咳払いをレナードは一つ。
「と・・ともかく!ますますもって分かっておらんな!
  時には道理を曲げることもまた!世の中には必要なのだよ!人はそれを『必然悪』と呼ぶ!」
「やはり悪人なのですね!リナさん!
  ここは、正義の仲良し四人組みプラス一名の力を見せてやりましょう!」
レナードの言葉に、目をきらきらとさせているアメリア。
「も・・もしもし?アメリアさん?」
ゼロスがそんなアメリアをたしなめようとしているが。
「ふふふふ・・。正義を広める仲良し四人組み!素敵です!」
一人ですでにアメリアは自分の世界に入っていたりする。
「ずいぶんと自分勝手な理屈だな。」
「というか、責任逃れの逆恨みじゃないのか?」
『ガウリイ(さん)何か悪いものでも食べましたか?』
きっちりと。
アメリア、ゼロス、ゼルガディスの声が、ガウリイの台詞の後に重なっているけど。
「あ・・・あのなぁ・・。」
そんな台詞に面白いまでにといじけるガウリイ。
この反応だからこのメンバーって面白いのよね♡
「それはそうと、花見の場所とりっていっても。アニムジアの花ってもう咲いてますよ?」
ゼロスの言葉に。
「誰がアニムジアの花でやるといった!?みよ!この辺りに吐いているのはすべてツネツバキの木なのだ!」
いいつつ、マントを翻している。
「・・・ツネツバキ?」
アメリアが首をかしげると。
「各地に生えている広葉樹だ。この時期になると、くすんだ緑色のあまりぱっとしない花を咲かせる。」
そんなアメリアに説明しているゼルガディス。
「そのとおり!!この辺りなら、開花はおよそ、明日、あさってといったところだろう!
  その時まで!特定場所を確保し続けたほうが勝ちだ!」
「おいおい。ずいぶんと地味だな。」
ガウリイが図星を言い当てたりもしているが。
「・・・リナさん、どうするんです?」
あたしに聞いてくるゼロス。
「ま、付き合うギリもないわよね。」
あたしがいうと。
「まてまて!付き合ってくれたら、金貨五十枚!ただし!この私に勝てたらの話しだ!
  これならば勝負を受ける理由になるだろう?
  まあもっとも、この私に勝つことが出来なければ話にもならんがな。」
「というか、このおっさん。そんな大金持っているのか?」
あきれたようにいうゼルガディス。
「甘く見るな!」
レナードはいいつつ、マントの下から皮の袋を取り出す。
じゃらりと金貨特有の音。
「うーん。そーいうことですか。なら、追加ルールで、記憶喪失は試合放棄。
  行動不能になっても同じく。意義ありませんね?では、そーいうことで、試合開始ですね。では♪」
ゼロスが言い放ち。
その刹那。
ゼロスが錫杖を掲げる。
と。
ドドゴォォン!!
辺りに飛び交う無数の炎球。
レナードの周りにのみそれは出現していたりするけども。
「まったく・・・・。あなたごときがリナさんの手を煩わせないでくれますか?僕達が困るんで♡」
いいつつ。
つかつかと倒れているレナードの側により、皮の財布を抜き取っている。
そんなゼロスの横を細い鎖が横切るが。
「すみませんが、それくらいにしてもらえます?」
にっこりと、こちらを見つつ言っているのはマリア。
「マリアさん!こんな悪人にギリ立てする必要があるんですか!?」
「はい。リナさん、これでいいですか?」
ちゃっかりと、財布をもって、あたしに差し出しているゼロス。
「オッケー♪」
「ゼロス、それでいいのか?」
ガウリイがいうと。
「いやぁ、下手に何もしないほうが後が怖いで・・とと。いや、あの程度の雑魚、かまう必要もないかと。
  それに、何かとお金というものは必要ですしねぇ・・・」
しみじみいっているゼロス。
アメリアとマリアが対峙している最中、そんな会話をしているゼロス達。
「それは私の決めることです。それに、この場で、あなた方が敗北すれば。」
にっこりと。
アメリアに言い放ち、鎖が唸る。
右と左と、同時に二つ。
どうぜたったら、無数に繰り出せばいいのにね。
「いいでしょう!悪が栄えたためしはありません!!悪に翻弄されるか弱い女の子を助けるのも私の使命!」
いって、戦闘体制に入っているアメリア。

「おー、あの姉ちゃん、なかなかやるな。」
「だな。アメリアと互角に渡り合ってるし。」
いいつつ、アメリアの補助に入ろうとしたゼルガディスだが。
「一対一の勝負です!手を出さないでください!この子は、私が改心させるんです!」
といって、アメリアは断っていたりする。
「ま、アメリアの気の済むまでやらしときましょvv」
いいつつ。
「ゼロス♪」
「はい!!」
あたしの言わんことを察したのか。
そこにシートを敷いて、準備をし始めるゼロス。
「とりあえず、のんびりと、お茶タイムにでもしましょ♪」
「・・・何処からだした?今それ?ゼロス?」
ゼルガディスがゼロスを睨むが。
「それは秘密です♡」
さらりと交すゼロス。
「さ、のんびりと傍観してましょvv」
あたし達がお茶をしている最中、アメリアとマリアの攻防は続いてゆく。
「というか、あのマリアとかいう姉ちゃん。あのレナードより、よっぽど使えるよな?
  何であんなやつの助手なんてやってるんだ?」
その様子をみつつ。
疑問をつぶやいているゼルガディスの姿があるけれど。
「・・う・・く・・・」
二人が対戦をしている最中。
ふと、二人の耳にとうめき声が聞こえてくる。
「!」
アメリアとの対戦を止め、聞こえた呻きのほうにと向きを変えているマリア。
いそいそと鎖の束をしまいこむ。
「ご無事ですか?レナード様?」
「・・う・・・フローレンス君・・一体??」
マリアの差し出す手を借りて、レナードはふらつきながらもその身を起こす。
ゼロス、かなりむちゃくちゃに手加減してたからねぇ。
レナードにすがるような眼差しをむけ。
「リナ=インバースの連れの不意うちに、気を一瞬、失っておられたんです。」
「そうか・・そうだったな。・・君は無事か?フローレンス君?」
「はい。何とか。」
あっけにとられているアメリアを無視してレナードに手を貸しているマリア。
「マリアさん・・貴女・・・・ひょっとして・・・」
アメリアが言いかけると。
ぴくっ!
マリアの背中が小さく震える。
「・・・・なるほどな。」
そんなマリアの様子をみて、苦笑しているゼルガディス。
「ここは不利です!レナード様!」
そんなアメリアとゼルガディスの言葉をさえぎると、顔色を変えて、ぐいぐいとレナードの手を引っ張るマリア。
「一旦退きましょう!」
そして、マリアはレナードに真っ赤になって力説していたりする。
「しかし・・。」
「レナード様!」
「・・・むぅ・・。不意をついてくれたばかりか・・・・。フローレンス君をここまで怯えさせるとは・・・」
いいつつ、あたし達を睨んでくるレナード。
『・・・いや・・あの・・・。』
「そうでなくて・・。」
アメリア、ゼロスの声とゼルガディスの声が重なる。
「仕方がない!フローレンス君を危険に巻き込むわけには行かない以上。今回は私の負けとしておこう!」
ぱさ!
マントを翻し、朗々と宣言する。
「だが!この仮はいつか必ず返してみせる!覚えておくがいい!」
いって、きびすを返して、マリアとともに去ってゆく。
こちらを振り向きながら、あたし達にと瞳で物語っているマリア。
―余計なことを言ったら殺す。と。
「・・・・いいんですか?ほっといて?」
そんな二人をみつつ、ゼロスが聞いてくるが。
「別にいいでしょ♪それより♪お金が入ったことだしvv近くで何か食べにでもいきましょ♪」
『意義なし!』
あたしの言葉に賛成しているアメリアとガウリイ。
「・・・ま、しかたない・・か。」
それですませているゼルガディス。
あたし達は、レナードから貰った金貨で近くの町で豪遊としゃれ込こむことにしてみたり♡
「しかし!あのマリアさん!あの悪人にだまされてます!」
一人、アメリアがいきまいていたりもするけども。
「まあまあ、マタ出てくるからvv」
「そうなれば、こんどこそ!あの悪の手先からマリアさんを助け出してみせます!絶対にだまされてます!」
一人、正義の心を燃やしているアメリア。
かなり違うんだけどねvv


「今度こそ勝負だ!リナ=インバース!」
『早っ!!!』
あたし以外の全員の声が一致する。
レナードが再びでてきたのは、その日の夕方。
街道をまっすぐに行ったところにある町の入り口で待ち構えていたりする。
「あれ?マリアさんの姿がみえませんねぇ?」
にこにこいっているゼロス。
というか、思いっきり、気配を殺して隠れてますねぇ。
などと思っていたりするけれど。
その言葉に、さらりと髪をかきあげるレナード。
「戦いに巻き込んで、怯えさせるわけにはいかないからね。宿で待ってもらっているのだよ。」
このおっさん・・・。
マリアの実力しらないな・・・・。
そんなことを思いつつ、あきれつつレナードをみているゼルガディスと。
「なあ、あれが宿なのか?」
「ガウリイさん・・・お願いですから余計なことは言わないでくださいよ?」
ガウリイがマリアの気配に気付いているのに気付き、一応、ガウリイに懇願しているゼロス。
プライドっていうものはないの!
くぅ!
お母さん、悲しい♡
「とにかく、勝負の方法は簡単!ここをまっすぐいけば、協会の十字路にたどり着く。
  そこを右手に曲がり、しばらくいくと、ブルーフィッシュという食堂がある。
  大きな蒼色の魚の看板を出しているから、一目でわかるはず!
  そこに先にたどり着き、席をとったほうの勝ちとする!」
「・・まだ、この後に及んで、場所取りにこだわるか・・。」
溜息ついているゼルガディス。
こういう相手には、言っても無駄というのは、ゼルガディスもよくわかっていたりするからして。
「ふっ!言ったであろう!場所とりから始まったトラブル解決は、やはり場所取りで決める!
  それが理論的帰結だと!魔道は使用可能。途中相手に対する妨害も有効。
  ただし、故意にでも、事故にでも、無関係の通行人に、危害を加えた場合は即座に敗北とする!いいな!」
「ブルーフィッシュといえば、にょめろんの焼肉が有名ですよねぇ。」
「あ、それ、おいしそうです!確か、あそこのデザートも結構、おいしいと評判ですよ!」
「おお!じゃあ、決まりだな!」
盛り上がっているゼロス、アメリア、ガウリイの三人。
「ま、こーいってるから。別にいいけど。」
あたしの言葉に。
「ふっ。いい覚悟だ!ならば!ゆくぞ!」
いって、レナードは町に向かって身構える。
「五、四、三、ニ、一!・・スタート!」
レナードはいうと同時に、呪文を唱えているけれど。
「じゃvvいきますかvv」
パチン♪
「うどわ!?」
なぜか、レナードの驚愕の叫びが響き渡る。
あたし達の姿はその場から掻き消えていたりするんだけど。
「な・・何ぃ!?そうか!わかったぞ!
  魔道にて、姿を消しているのだな!それか、幻にて!ふん!そんな小細工は通用せん!」
一人わめきつつ、町の中にと走ってゆくレナードの姿。
「よっとvv」
『んきゃ!』
ぐらり。
次にあたし達が姿を現したのは、ブルーフィッシュの裏手。
「さvv早くしないと、席がなくなるしvvいくわよvv」
「・・・・リナ・・・いきなり瞬間移動はやめてくれ・・。」
疲れたように言っているゼルガディス。
「呪文も何もせずに・・・すばらしいです!リナさん!」
きらきらと目を輝かせているアメリア。
「え・・ええと・・。ともかく、店に入りましょう。」
ゼロスがなぜか汗をながしつつ。
あたし達は表にと回り。
―カララララン・・・
「いらっしゃいませぇ!」
十秒もしないうちに店にとたどり着いていたりする。
「な・・・何ぃぃ!?」
店に入ろうとしたレナードは、満席だと断られ。
あたし達の次の次の組でこの店は今や満席状態。
そんな店の中にあたし達の姿をみつけ、なぜか驚いているレナード。
「これ、おいしいです♪」
「アメリア、それ、一口頂戴ねvv」
「じゃ、私はリナさんのそれを一口vv」
どこにでもあるような、乙女のつつき合いをしているあたしとアメリア。
・・・ビシッ。
なぜか、それをみて、ゼロスが完全に固まっていたりするけれど。
いいじゃないのよvv
こんなふうに遊んでみてもvv
「・・・リナもやっぱり女の子なんだな・・・」
しみじみいっているゼルガディス。
「あ・・・あの・・僕、ちょっと・・・トイレに・・・」
などといって、その場を立ち去っているゼロス。
どうして、こんな程度でダメージ受けているのやら♡
うーん。
今晩にでも、精神、鍛えなおして起きましょう♡うん♡
とりあえず、あたし達は食事を十分に堪能してゆく。

「納得いかぁぁん!」
あたし達が店から出てくるのを待ち構えていたレナード。
「この際ですからいいますけど!あなたが本当に悪人でないのなら!
  マリアさんを悲しませるようなことは。もう止めてください!」
いまだに突っかかってこようとするレナードを説得にかかっているアメリア。
そんなアメリアを隠れてマリアは睨んでいたりするが。
「は?なぜ、そこでフローレンス君の名前が!?まさか、貴様ら!フローレンス君を人質に!?」
「そうじゃない。気づいてないのか?あの子、貴様のことが好きだというのに。」
「何!?」
ゼルガディスに指摘されて、動揺しているレナード。
マリアの殺意に満ちた視線が二人を突き刺していたりするけれど。
・・これは、なかなかvv
ちょっは回復になりますねvv
などと、にこにこしつつ、内心思っているゼロス。
「昼間の街道での戦い。彼女が身をもって、庇いましたからねぇ。」
にこにこと。
嘘でもないが、真実でもないことをいっているゼロス。
「・・そんなことが・・・」
その場にがくっと膝をつくレナード。
「これ以上、彼女を心配させるつもりですか!?悲しませるつもりですか!?
  こんな戦い、勝っても負けても単なる自己満足でしょ!
  あなたが変な意地をはっている限り、彼女も危険になるんですよ!
  仮にも賢者を自称する人が、そんな愚行を繰り返していいんですか!?」
「危険というか・・・命の保障・・できませんよね・・・・」
ぽそりといっているゼロス。
「ゼロス、あんた最近、Sににてきてなぁぃ♡」
「・・・・うぐ・・」
い・・いや・・それもちょっと・・・
言葉に詰まっているゼロス。
Sもよくいらないことをいうから、たまぁぁにこづいているのよね。
あたし♡
アメリアの説得に。
というか、アメリアも流石にこれ以上付きまとわれるのに飽きてきているようだけど。
「・・・・う゛・・・・・!」
愚行という言葉に反応して、レナードは小さくうめく。
そして、しばし、逡巡をめぐらせて・・。
・・・・ふっ。
肩の息を抜いて、大きく息を吐く。
「・・・なるほど、確かにそうかも知れんな・・・・。自らの過ちを認めることも、賢者たるゆえん・・・。わかった。
   これ以上、張り合うのは無意味。よって、君たちと争う意思は捨てよう。」
その言葉に、なぜかひどく安堵しているゼロスがいるけれど。
「よーやく、諦めたか・・・」
「というか、はなから勝負もなにも、結果は見えていたよな?」
うんうん。
うなづきあっているゼルガディスとガウリイの二人。
こら・・・あんたたち・・・・。
どういう意味かなぁ?んっんっんっ♡
やがて、ゆっくりと立ち上がりつつ。
髪をかきあげながら。
「だが、まさか、フローレンス君が、私にそんな感情を抱いていたとは・。しかし・・残念だ・・・」
「残念とは?」
鸚鵡返しに問うゼロスに。
「うむ。どうせ好意を持たれるなら、あんなつるぺたのお子様ではなく。
 もっとこぉ、ボン、キュ、バーン!な女性に・・・」
妄想を膨らましているレナード。
その言葉も終わらぬそのうちに。
どづぐしゃぁぁぁぁぁ!!!!!
側の屋根に潜んでいたマリアの放ったダイブキックは。
レナードの頭に突き刺さり、その顔面を地面にめり込ませていたりv
それから、鎖を出して、いろいろとやっていたりするけれど。
ま、別にかまわないでしょvv
「うう・・男っていうのは、何でみんな、ああなんでしょうか・・・」
「まあまあ、マリアさん、世の中、そんな男ばかりではないですよ。」
「まあ、スタイルがいいに越したことはないがな・・・・・いえ、何でもないです・・。」
言いかけるガウリイをギロリと睨んでいるアメリアとマリア。
「まあまあ、まだまだ、マリアさんも成長期ですし。世の中には、成長しても、全然子供と変わらない人もいますし。」
「ゼロス、それ慰めになってないぞ・・。」
「いやぁ?そうですか?はっはっはっ♡」
ふぅ・・・。
そんな男性たちの会話に溜息一つついているアメリア。
「くすん。でも、レナード様にはがっかり・・。
  賢者を自称しながら、通俗的な美的価値観しか持ち合わせていないなんて・・・」
マリアの言葉に。
「というか、十二、三年の女の子それ以下でないと嫌だ。
  というのは、かなり変わってて、まあ面白いとは思いますけど・・。」
「ゼロス、全然面白くないぞ・・・」
「ま、そーいう趣味の人間もいるにはいるけどねぇ。」
マリアが、さんざん、レナードをしばき倒してから後に、アメリアが失恋を慰めるとかいって。
そして、意気投合していたりするアメリア達。
ま、あたしは、理由は分かってるから、そのまま流れに任せているんだけどねvv
「そういえば、マリアさん。彼の何処が好きだったんですか?」
アメリアが好奇心旺盛の瞳で問いかける。
・・聞かないほうがいいと思うけど♡
「ああ、それは。」
いって、テーブルの料理をつまみつつ。
「ルックスもよかったし。金持ちの貴族の一人息子で。
   何より馬鹿で、コントロールしやすかったから。に決まっているじゃないですか。」
「そんなの正義じゃないですぅ!!」
「・・・この歳で、計算づくの玉の輿狙いとは・・・」
「うーん。将来有望なお子様ですねぇ♡」
そんなマリアに。
しばらく、永遠と説教をするアメリアの姿が数時間見受けられていたりする。


「・・・・分かってもらえませんでした・・・。」
しくしくしく・・・・。
がっくりきているアメリア。
言い合うこと、まる一日。
結局。
引き分け♡
「まあまあ、気にするなよ。アメリア。世の中、広いんだからな。」
「・・ガウリイさん、それ慰めにもなってないです。」
「ま、人それぞれということだ。」
ぽんぽん。
アメリアの背を叩いているゼルガディス。
さりげなく慰めているのよねvv
「ま、ちょっとは、楽しめたけど。とりあえず、次に進みましょvv」
「そーですね。いらない時間をつぶしました。」
「だな。」
「ま・・まあ、確かに楽しめましたけど・・・・」
エル様が機嫌がよくて、本当によかったですぅ・・・
内心なぜか冷や汗をだくだくと流しているゼロスだったり。
「んじゃ、いきますか!」
『了解!』

あたし達は、とりあえず、セイルーンにと進んでゆく。
ま、その前に、あの町でしばらく滞在するでしょうけどねvv
とりあえず、ディルス王国の前に、近い、セイルーンに、ということになっているからねvv
さてっと。
まだまだこれから楽しくなりそうよねvv



               -仁義なき場所とり偏終わり♪~


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  あとがき:
    薫:・・とりあえず、このとき。
      まだ、アメリア達、ゼロスが魔族だってしりません。ええ(爆!)
      それを知るのは、かなり後vv
      舞台設定からすると。
      マインの村のイベントが終わって。
      それから、ゼルガディスと合流して。
      始めは、ディルス王国にいこう。
      という話しになったのですが。
      途中で、セイルーンの兵士に出会いまして(まて!)
      とりあえず、何かセイルーンで起こっているらしい。
      というので、進路変更。
      ついでに、ゼルガディスは、王立図書館の立ち入り禁止区域の場所の本。
      それをみたいが為に、了解しております(まて!)
      まだ、ゼロスは、エル様のお供をしろ!
      とは命じられていません(爆!)
      (しかし、獣王から何があっても、エル様を優先させろ。
       とは命令をうけてますけど・・・まてまて!)
      本格的に合流するのは。
      ヴェゼンディです・・(まてぃ!)
      んではでは♪




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