こんにちわ♪Yayoiさんからのリクエスト♪スペシャル12巻!、『家政婦はみたかもしんない』なのです!
リクエスト、ありがとうございますぅぅぅぅ!!!(ばん!←どこからかクラッカーの音・・・)
ではいくのです!!
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エル様漫遊記・番外編 ~家政婦はみたかもしんない偏~
「・・・・潜入捜査?」
あら、楽しそうじゃないvv
男の言葉に、少しほくそえむあたし。
とある町の小さな食堂。
店の隅にある、テーブルに。
あたしと、あたしの横に座っている女の子と。
そして、向かいに座っている魔道士姿の男が一人。
黒いマントに目深にかぶった黒フード。
これで、本人、目だってないように変装しているつもりらしい。
一応、これでも、魔道士協会からの、れっきとした使いなのだが。
ちょっと面倒な仕事の依頼。
またまたはぐれたナーガはとりあえずほっておいても、そのうちに来るのが分かっているので。
とりあえず、この前、部下達をお仕置きするのに合流した黒い髪にポニーテールの女の子。
この世界にはない、服装を着ているもののそれでも、違和感を感じさせないのは完全に着こなしているから。
ちなみに。
彼女は、今、スリットタイプのズボン。
上着は、ちょっと、太ももの辺りまであるレースを使っている服なので。
スカートの中に、ズボンをはいている。
そのような格好にみえているが。
ま、似たようなものだし。
あと。
薄い青色のマントを羽織っているので結構その姿が様になっている。
服の胸元に、ネックレスとして輝く一つの宝石が道行く人達の目を止めていたりするけども。
確かに、こんな石、誰もみたことがないでしょうねぇ。
というか、これしかないし。
とりあえず、そういうことで、話しは別の場所で、というので、ここで話しを聞くことにしたのであるが。
「あら♪楽しそう♡」
こくこくこく。
だされている、カフェを飲み干しつつ、彼女が一言。
「・・・いや、楽しそうって・・・。と・・ともかく。最近、この辺りに盗賊団が出没しておりまして。
資産家の家を中心に、幾度となく盗みを働いておりまして。
様々な状況から、拠点になっているのが、この町にある、一件の家らしい。
ということまではめぼしはついたのですが・・。
いかんせん、決定的な証拠がありません。そこで・・。」
言いかけるその男性の言葉に。
「でも、別に潜入調査は、アルバイトにも当たらないでしょうにねぇ♪」
くすくすと笑っている彼女は。
あたしの親友でもあるユニット。
「まあ、いいじゃないvv面白いしvv」
なぜか、潜入捜査といえども、給料を貰うことになるからして。
それは、れっきとしたアルバイトだ。と、公言し。
それは、公務員のアルバイトは禁止されているから。といって。
魔道士協会にこの依頼を持ち込んできた、この町の役人たち。
ある意味、面白い♡
「??説明しましたっけ?ま・・まあ、ともかく、そういう理由で、私達の方にと話が回ってきたのですが・・。
自慢じゃないですが、私達のところの魔道士。攻撃魔術に長けている存在がいないんですよね。これがまた。」
「・・・確かに♪できても、たったの、ファイアーボール程度vv」
ここの魔道士協会に所属している魔道士たちは。
どちらかといえば、事務的。
つまりは、実践的でなく、机にしがみついてあれやこれやと議論するタイブばかり。
つまりは、実戦経験はなしに等しい。
「・・いや?ですから、話しましたっけ?そういうこと??・・と・・ともかく、そこで、リナ殿。
貴女がこの町にお寄りになった。との噂をきき。こうして依頼に参ったわけなのですが・・・」
やたら丁寧にいってくるこの男性。
別にどうこうしたわけではない。
ただ。
合流したときが、たまたまあたしとユニット共同の盗賊いじめをしていた最中だった、というだけのこと。
なぜか、一日、寝込んで。
そして今日。
ようやく話しをしてくれているのだが。
なぜか、あたし達をみつつ、汗を流していたりする。
まったく・・。
なぜかあたしとユニットに対して怯えていたりするし・・・。
まったく、根性のない人間ってこれだから・・。
「ま、いいんじゃない??面白そうだしvv」
「確かにねvv」
それに、あの家。ちょっと面白いしvv
それに、今、ナーガもいるしねぇ♡
引っ掻き回して楽しむのも楽しいわよねvv
「分かりました。引き受けます。」
あたしの言葉に。
「それで、その・・そちらのお嬢さんなんですけど・・。
やっぱり・・その・・子供がメイドをするというのはいかがかと・・。」
人権的に問題があるとか何とかぽそぼそという彼に。
「あら♪じゃ、この姿でなれけば問題ないでしょvv」
ユニットの言葉と同時に、一瞬。
ユニットの姿が揺らめき。
そして。
次の瞬間には。
あたしと同い年くらいの姿にとその姿を変えている。
「・・・うどわ!」
がたがた・・。
がっしゃぁぁぁぁぁん!
なぜかそれをみて。
驚いて、椅子ごとひっくり返りテーブルをも巻き込んで倒れている男性。
「・・・なさけないわねぇ・・。姿を変えただけでこれなんて・・。」
「そうよね♡ちょっと、姿を変えただけなのにねvv」
なぜか。
店の中が、一瞬静まり返るが。
―みなかったことにしよう。
店にいた全員が、同じ事を思いつつ、見なかったことにしているし。
まったく。
この程度で驚いてどうするのよ!
とりあえず、面白そうなのであたし達はこの依頼、受けることに。
「・・あら、ユニット?もう姿戻したの?」
くすくす。
「・・・・めんどう。」
確かに・・・。
ユニットが、姿をあたしと同じ、十三歳程度にしたとたん。
まあ、面白いほどに、出てくる、出てくるごろつきたち。
しかも、このあたしの姿も、一応姿は変えてはいるのもの結構美少女だしvv
あたしとユニットが並んで歩いている。
ただそれだけで、なぜか注目あびまくっているし。
さすがに、一歩歩くたびにでてくるごろつきにはあたしも面倒だから。
大抵、あたしは、こういった町に入った時は、どうでもいいような輩はよってこないようにちょっと細工しているからねぇ。
そういえば、ユニットにはそのこと話してなかったわねvv
くすくすくす♪
彼女の力をもってすれば、すぐに気付くでしょうに♡
まさか、ここまでうっとうしいとは思ってなかったみたいね♡
くすvv
結局。
3日もしないうちに。
ユニットは姿を元の十歳程度の姿にと戻してるし。
そのままの姿で、成長した姿になったら、言い寄ってくる輩(存在)がうじゃうじゃといる。
というのf自分の世界でも、教訓得ているでしょうにね♡
ちなみに。
あたしも始めのころはそうだったので、寄り付きどころもないような雰囲気だけは持たせている。
というか。
度胸のない存在は、絶世の美女たるこのあたしに近寄ることすらもしないけどねvv
遠巻きにみているだけで♡
ユニットの場合は。
人当りがよさそうな雰囲気をもっているから。
・・というか、そういう風にしているのよねぇ。
だから、躊躇なく、よってくるんだけど。
本人曰く。【その方が、面白いしvv】といっているけど。
ま、限度っていうものがあるわよねvv
ちょっと、睨んだだけで、気絶したり。
気が狂ったりするような軟弱な輩がでてきてもねぇ・・・。
ま、とりあえず。
結局。
姿は元の姿に戻して。
十三歳のあたしと十歳のユニットと。
共に、魔道士協会が用意した、紹介状をもって潜入捜査を始めることになったのは。
それから五日後のこと。
「―あなた達ね。こんどうちに雇ってもらいたい。って言ってきた子達は。」
「はい。リリィ=ギャラクシァロードと申します。」
「ユニット=エターナルと申します。」
対応に出てきたその人物に一応、ぺこりと挨拶するあたし達。
「こんな小さな子が働きたいなんて・・・」
ちらり。
ユニットをみやる女性。
「・・駄目ですか?」
うるうるうる。
出たわね♡
ユニットお得意。
泣きまね、泣き落とし。
この容姿で、瞳をうるうるさせて、涙を浮かべて交渉すると。
まず、大概相手が落ちる。
かわいい子には、弱い。
という典型的な人間達の思考能力のバターンであるけど。
「・・う゛!!?」
はっきりいって老若男女。
この表情一つで、ユニットはいいように操れる。
あと、笑顔とか・・。
ま、その辺りはあたしも一緒だけどねvv
「ま・・まあ、いいでしょう。私は、カーシャ=シュレイカー。
ここのメイド頭をやらせていただいてます。メイドの皆さんからは、シュレイカーさんと呼ばれています。」
あと、頭ともねvv
こほん。
と咳払い一つ。
とりあえず。気を取り直して話してくるシュレイカー。
町のほぼ中心部にある、一軒の小さな家。
この程度で、人々は豪邸。と呼んでいたりするけども。
盗賊団のアジトと、彼らがめぼしをつけている、ブラント家。
手広く商売をやっていて、繁盛しているようだが。
その資金の大部分が、盗みで得たものでないか。というのが、お役人の意見。
ある意味正解だけどねvv
ま、手広くっていっても、インバース商会などには程遠いけど。
ここにメイドとして住み込んで、証拠をつかむ。
というのが、依頼内容なんだけど。
ま、証拠の大部分は、彼が、使い込んでいるからねぇvv
知らずに♪
魔道士協会が用意した、紹介状。
そこには、あたしとユニットの名前が。
今名乗っている名前で記載されている。
どうせだったら、インバース商会の名前を出せばほとんどの商売人は。
その名、一つで首を縦にふるのにねvv
「確かに、デルマイユ公爵からも紹介状。みせてもらいました。
けれど、私は正直、紹介状があるからといって、きちんと仕事を、こなせる人だとはおもいません。」
そこまでいって、憂鬱げに、左右に首をふりつつ。
「しかし、ご主人様は、あなた方を置いてもいい。とおっしゃいました。」
いやそうにいっているシュレイカー。
「ありがとうございます!」
にっこり。
ユニットが、その天使の微笑みで、お礼をいっていたりするけど。
その言葉に、顔を少しほのかに赤くしているシュレイカー。
やるわね。ユニットvv
「こ・・こほん。けれど、いいですか?リリィさん、ユニットさん。
あなた方が仕事の手を抜いたり、当家にふさわしくない振る舞いをなされるようでしたら、
出て行ってもらうようなことになるかもしれません。そのことだけば、心に常に留め置くよう、お願いしますよ。」
咳払い一つして、淡々といっているけど。
というか、自分の正体がばれるのを畏れているのよね、このシュレイカー♪
でも、まさか、せっかくためていた数々のお金などすべて使い込まれているとは、今だに気づいてないのよね♡
「はい!頑張ります!」
いい子ぶりっ子で、お辞儀を一つ。
そして、互いにくすりと笑う。
たまには、こんなぶりっ子するのも面白いしvv
「―そう、それじゃあ、早速、案内がてら、皆さんに、紹介させていただきます。ついてきてください。」
ここのメイドたちって。
すべて、シュレイカーの手先なのよねぇvv
約一名、除いてvv
シュレイカーは、そう言い放ち。
あたし達の返事もまたずに、すたすたと歩き出ししてゆく。
やっぱり、少ないし・・。
バス・トイレなどは、あまりなくて、十数個程度。
せめて、各部屋にちょっとした風呂などは供えておかないとvv
あと、たったの台所が二箇所・・。
ちなみに。
あたしの神殿などにも形だけ、トイレなどは設置している。
誰も使うものがいないけどねvv
なぜか、よく部下達が、そこに入って、ないていたりするけど・・。
あと、使うとすれば、ペット達vv
いろいろといるのよねvv
下界に放ってみようと思って、作り出している様々な生き物がvv
まあ、あそこは、普通の肉体もったままだと完全に、
原型も止めないほどに原子レベルよりも細かくつぶされて消滅するからねぇ。
なぜか。
ま、とある王国の、控え室よりもかなり小さい家であるけど。
ここ、ブランド家は。
今までの中では、一応、一番派手な作りのその扉の前でシュレイカーが立ち止まる。
「このお屋敷の主人、マーシャル=ブラントさまのお部屋です。粗相のないようにご挨拶なさい。」
小声でつぶやき。
こんこん。
と、ドアを軽くノックする。
「・・・ほーい・・」
抜けたような間延びした声で部屋の中から返事が戻ってくる。
「シュレイカーでございます。新しいメイドのご挨拶に参りました。」
「あいてるよぉん~。」
「失礼したします。」
いって、ドアノブに手をかけるシュレイカー。
部屋の中には。
全然統一制をもたずに、ただ集めているだけという家具の数々。
せめて、一つのデザインで統一しなさい!
とにかく、高ければいいもの。
というので、買いあさっていった結果がこれのようだけど・・・。
・・・・やっぱ、人間って、変わってるわよね・・
本当に面白い生き物、創ったものだわ♡
全然、部屋にあっていない中央に置かれているテーブルの前に彼は佇んでいる。
歳は、四十四。
黒い髪で、中肉中背。
彼がここの主人であるマーシャル=ブラント。
「やー、始めまして。マーシャルです。」
にこにこと。
気の抜けた挨拶をしているマーシャル。
「始めまして。今日からここで働く、リリィ=ギャラクシァロードです。」
「始めまして。ユニット=エターナルです。」
「いやぁ、大変ですねぇ。まだ小さいのに、奉公なんて・・うんうん。」
一人でうなづいているし。
小さいって・・。
ユニット・・あんたより、かなり年上よ♡
「まあ、とりあえず、よろしくお願いしますね。あ、それじゃあ、シュレイカーさん。リリィさん達の紹介と案内、頼みますね。」
「かしこまりました。―さあ、リリィさん、ユニットさん。いきますよ。」
一礼を残し、きびすを返す。
その後についてゆくあたし達。
しっかし、彼も、五十回も、事業に失敗した時点で、どうして、その財源がなくならないのか?
というくらい、疑問に思いなさいよねvv
そのまま部屋を後にして。
そしてまたまた、しばらく廊下を歩き。
やがて今度は別の一枚の扉の前で止まる。
「そして、ここがレイジーお嬢様のお部屋です。」
こんこん。
「誰?」
ノックの音に返ってきたのは、まだ若い女性の声。
「シュレイカーです。このたび、新しく、メイドが二人。入りましたので、そのご報告に参りました。」
「そう。入って。」
「失礼いたします。」
そういって、入った部屋は。
辺りを、薄いピンクで調合してあるちょっとしたこぎれいな部屋。
何でも、ピンクのほうが、ムードがでるから、とかいって、この色にしているようだけど。
趣味が趣味だからねぇ。
この子・・・。
扉の方に背を向けて。
鏡の前に座った銀色の女性の髪をメイドの格好をしている彼女が梳いている。
そして、腰掛けたまま、ちらりとあたし達の方をむく。
「・・・・へぇ・・。」
小さくつぶやき、席を立つ。
そして、それと同時に、彼女もまたこちらを向くけど。
・・・・・・。
「――――リ――」
どんぐわぁぁぁぁんんんんん!!!
あらvv
メイドの格好をしている彼女の頭の上に、ちょっとした大きさのたらいが落ちてゆく。
「・・・ユニット。もったいなくない?」
「・・そーいやそうね。オリハルコンにすればよかったかしらvv」
めごっ。
まじりっけのない純度の物質でできているがためにそのまま、その人物の顔をすっぽりとのびて、覆っているし。
「・・・む~!」
あ、面白い。
じたばたもがいているし♡
キュポン!
「何だっていうのよ!って・・・あら♪」
顔を覆っていたたらいをのけて文句を言いかけるが。
それが、純金製のタライだと分かり、すぐに態度を改めているのは自称、白蛇のナーガ。
「おーほほっほっ!これは、私にぶつかったのだから、私のものよ!」
と、しっかりとそのタライを抱えているし。
「・・・どこから出現したのかしら?」
「ふっ。この私の日ごろの行いがいいから、降ってきたのよ!」
そう話し合っているデイジーとナーガ。
「あら、ナーガさん♪久しぶり♪」
にっこりというユニット。
「あら、ユニットちゃんじゃない。それに・・。」
むぐぐ!?
リナといいかけたナーガの口をとりあえず、黙らせるあたし。
当然、傍目には何もしてないように映っているけどねvv
むぐぐぐ!
あ、息ができなくて、顔色が悪くなってる♡
「どうかしましたか?リリィさん?」
そんなあたし達の様子をみて声をかけてくるシュレイカー。
「別に。ちょっと知っている人だったもので。」
「そうそう。」
あたしとユニットの言葉に。
「そうですの?ナーガさん?」
ナーガに問いかけている。
あ、完全に真っ青になってるし。
「ぷはぁぁぁ!!苦しかった・・ふっ。この私の才能をねたんでのことね!
この白蛇のナーガ様の自称ライバルってところよ!おーほっほっほっ!」
とりあえず。
ナーガは、自分が手にしている、純金製のタライをもってそのまま、高笑いをしているナーガ。
純金なので、やわらかいのでくっきりと、ナーガの顔の型が取れていたりするけども。
「ライバルっていうのは、おいとくとして。とりあえず、知り合いです。」
あたしの言葉に。
「へぇ。なかなか面白そうな人達ね。」
どうやら。
今のあたしとユニットの台詞で。
タライを出現させたのがユニットだと気付いているようだけど。
そう言ってくるのは、
ナーガに髪の手入れをしてもらっていたここの一人娘。
ディジー=ブラント。
そうして。
「デイジー=ブラントよ。よろしくね。」
いって、あたしとユニットを交互に見ているデイジー。
どっちも好みよねvv
一人の子は、十歳前後だけど、あたしの守備範囲だしvv
栗色の髪の子も、捨てがたいわvv
などと思っているようだけど。
とりあえず、気付かないそぶりをして、あたし達は軽く挨拶をしておいて部屋を後にししてゆく。
「ふっ。読めたわよ!リナ=インバース!」
メイド姿のそのままで。
無意味に胸を張り、ナーガがそう言ってきたのは、その日の夜。
ちなみに。
あたしとユニットが同室。
イドたちは、二人一組の部屋を割り当てられている。
とりあえず、そこに結界でもはって、話すのもいいけども。
ここはやっぱり、雰囲気重視!ということで。
事情を聞きたい。
というナーガをとりあえず、屋敷の裏庭に連れ込んで話している最中のこと。
説明する間もなく、ナーガが第一声に言葉を発する。
「あら、何が?」
あたしの面白おかしい問いかけに。
「ふっ。決まっているじゃない! あなたがここにメイドとしてきた理由!
この私、白蛇のナーガがメイドとしての、才能を認められたことに嫉妬して。対抗意識から就職したのね!」
高らかに言い放つ。
「そんなわけあるはずないでしょ。」
くすくすくす。
やっぱり楽しい、このナーガvv
「あら、でも、ナーガさん、どうしてこんな所に?」
ユニット。
分かってて聞くのね♡
「ふっ。町の食堂で、ご飯食べてて、お金もってないことに気がついて。
どうしていいか分からずに、とりあえず、ずっと朝から夜まで高笑いしてたら、あのデイジーって娘に気に入られて。
メイドにスカウトされたのよ!」
高らかに言い放つナーガ。
流石に。
その高笑いで、誰もお客が寄り付かずに、お代はいいですから・・・。
っていって、そこの主人が泣きついていたようだけどねvv
フィルが知ったら、どうなるか♡
娘が無銭飲食なんてねぇ♪
ふふふ♪
「ふっ、これも私の人徳よ!」
宣言しているナーガ。
「それで?どうして、リナとユニットちゃんが、一緒にいるのよ?」
ナーガの問いに。
「ちょっとした依頼でねvv
ここの屋敷にリナと一緒に潜入捜査やってるのよvv魔道士協会からの依頼なんだけどね♪」
にこにこというユニットの言葉に。
にまり。
ナーガが笑い。
「ってことは、リナ、かなりのもうけ話ってことね!?魔道士協会からの依頼ってことは、値段は知れているし!」
一人納得しつつ。
「ふっ。そこにたまたまこの私、白蛇のナーガがいた。
ということは、この一件に手を貸して、儲けを山分けにするのが得策、という天の啓示ね!」
誰もだしてないってば。
そんな啓示♪
「あら♪ナーガさん、そんな啓示は出てませんよvvそれに、ここにあるはずのお宝vvすでにありませんしvv」
にこにこにこ。
にこにこといっているユニット。
確かに♡
「ふっ。そんなことが通るとでも?いいのかしら?
何かの捜査で屋敷に潜りこんだってことを。屋敷の人間に言いふらしても?」
ナーガがにんまりと笑うけど。
「あら♪そんなことしていただいたら。
私、ちょっと、実験に付き合ってもらうお礼しかできませんけど♪
手加減のさわりをちょっと研究したいんですよねぇ♪」
にこにこにこ。
いいつつ、うきうきと。
その手に、小さくしているロッドを取り出しているユニット。
「ユニットちゃん、それはやめて。リナちゃん、ヘルブミィ・・。」
なぜか、甘えた声で助けを求めてくるナーガ。
「私も実験しようかしらねぇ。ナーガだったら、多少何やっても大丈夫だしvv」
「・・・や・・やぁねぇ。冗談よ。リナちゃん、ユニットちゃん、邪魔はしないってば・・。
だから・・・。実験に使うのだけは、簡便・・ね?」
瞳に涙を潤ませているナーガ。
別に、今まで、ナーガの前では。
虚無を撒き散らしたり、物質を消去したり、無から有にと転換したり。
などと、そんな些細なことしかやってないのにね♡
「隠れましょvv」
ひでぶっ!
ナーガを茂みに引っ張り込むと。
なぜかそのまま倒れこむナーガ。
近づいてくる人の気配が一つ。
あたしとユニットはとりあえず姿をかき消しているけども。
ナーガはそのまま。
誰にでもできるのにねvv
姿をその場で見えなくする方法vv
こんな簡単なことなのにねぇ♪
簡単なのに、なぜか、だぁれもまだ成し遂げた存在、数える程度しかいないのよねぇ。
あたし、悲しいわ♡
人影が向かっている先は倉庫の方。
「おーほっほっほっ!こんな時間に何の用かしらね!」
高笑いとともに。
茂みを掻き分けて、立ち上がっていっているナーガ。
ふっ。
どうやら、別の方面に意識を向けさせないと私の身が危ないような気がするのよ・・・。
などと、心の中でなぜかあたし達に恐れをなしているし。
「・・・え・・?ああ、ナーガ君・・だったっけ?」
ナーガの言葉に、ぼーとした台詞がもどってくる。
「あら、マーシャルさん。」
ナーガが、その人物をみてその名前をいう。
月明りの中に佇んでいるのは。
何も考えてない、ぼーとしたこの家の当主マーシャル=ブラント。
「いやぁ、よく考えたら、倉庫にかぎ、かけたかなぁって。心配になりましてねぇ。
正直、ランプとか欲しかったのですけど。どこにあるのか知りませんし。
この時間、メイドさんたちとか起こすのも気がひけますしねぇ。はっはっはっ。」
「ふっ。なるほど。」
その場つくろいの言い訳に、あっさりと納得しているナーガ。
あ、倉庫の方から、女性が一人。
逃げていっているし♡
この父親も父親で娘同様、メイドたちに手をだしまくっているのよねぇ・・。
その逢引に行こうとしていたようだけど、このマーシャルは。
それで、ほいほいと、倉庫の合鍵を、数人に渡している彼も彼よねぇ。
「―で、そーおっしゃる、ナーガさんは、こんな夜更けに一体何を?」
「ふっ、夜中に庭木の陰でじっとしているのが趣味なのよ!」
問いかけに答えているナーガ。
「なるほどー。多趣味な方ですねぇ。
いやぁ、私も若いころは、そういうのに請っていた時期がありましたよ。いいですよねぇ。若いって。」
はっはっはっ。
笑っているマーシャル。
そういえば、目当てのあの人を手に入れるために。
とかいって。
夜の夜中に。
いろいろと彼・・やってたみたいよね・・・・。
それで、ことごとく、その仕掛けに自分がはまっていればどうにもならないけどねぇ。
ナーガのその答えに、あっさりと納得しているマーシャル。
「ま、それじゃあ、そーいうことで。私は倉庫の鍵を確かめてきますから。
ナーガさんも頑張って、木の陰でじっとしててください。」
がさり。
マーシャルが言いかけるとちょっと離れた場所にある庭木が、揺れる。
「・・・おや?」
そちらに目をやっているマーシャル。
そこには。
全身黒尽くめになっている、メイドの一人。
うーん。
子猫ちゃんが、痺れを切らして。
逃げちゃいましたかネェ?
ぽりぽりと。
頭をかいているマーシャル。
普通、待っている女が全身黒づくめでまっている。とは思わないでしょうにねぇ?
とりあえず、そちらをしばらくながめつつ。
やがて。
とりあえず、確認を。といって。
すたすたと倉庫に歩いてゆくマーシャル。
と。
こけっ!
その場にスッ転ぶ。
彼の足元には庭木と庭木をつないで足元に一本の細いローブが張られているからして。
「あ、こけたvv」
「あら♪本当vv」
あたしとユニットはそんな様子をただ面白おかしく眺めていたり。
銀の刃が。
一閃を煌いて瞬時に朝日に煌く。
スタタタタ!!
光よりも素早いスピードで。
包丁を操る音も、すでに超音波よりも短い音波で。
人の耳には聞こえないのだが、ナーガの耳には届いていたりする。
ちょっと、包丁を握ったその後には。
綺麗に切りそろえられている野菜の数々が、小皿の上にと盛り付けられている。
「「おおおおおおお!!」」
ぱちぱちぱち!!
みれば。
ユニットも同じく。
あたし達の包丁裁きに賞賛の拍手が他のメイドたちから巻き起こる。
ススススパタタ!
負けずと、ナーガも同じく、包丁さばき。
だけど、さすがに、光のスピードは超えられないようねvv
ま、ナーガだし。
そのうちに出来るようになるでしょうけど。
「ふっ、やるわね!リリィ!ユニットちゃん!負けなくてよ!」
昨夜、ナーガにユニットが渡した、【実験メニュー】一覧。
それがなぜか効いているのか、ちゃんと別の名前で呼んでくるナーガ。
「ついでだしvv久しぶりに勝負しない?」
「あ、それいいわねvv」
「ふっ。私も参加するわ!」
かくして。
あたし、ユニット。ナーガとで、メイド勝負が開催される。
・・・・・・・ぼーぜん・・・・。
「・・・・私達、何もすることがない・・。」
ぼやいている数名のメイドたち。
あたしとユニットで。どっちが早く力を使わずに、ベットメイキングなどができるか。
などと。
こじんまりしたことをゲームにして遊んでいると。
どうしても、ものの数秒もたたずに制覇できるし。
そして、掃除なども。
ナーガも負けずと追いついてこようとしていたけど。
とりあえず。
この屋敷の中を三つに分担し、場所を決めて、勝負をしたのはいいものの。
案の定。
ナーガは、あたし達にはなかなか及ばずに、約一日かかっていたけど。
「うーん、やっぱり、ユニットよねぇ。互角の勝負だし・・。」
こういった、人としての身だしなみの勝負を、ときどきするのもまた面白い。
だけど。
唯一こちらが有利という点は身長からくることのみ。
まあ、力を使わない。
という前提であったけど。
浮かんだりするのって、力を使うことにすら入らないからねぇ。
だから。
はっきりいって、全体的に互角。
数分もしないうちに。
なぜか。
この屋敷の三分の二は新品同様に輝いてくるし。
面白いことに。
ナーガが悔しがっていたりしたのが。
珍しいものがみれたというものだけどvv
なぜか。
あたしとユニットの、姿の見えない超高速の作業に、他のメイドたちはただただ呆然としていたけども。
たまにはこんなこともいいでしょvv
本当は、一秒にも満たない期間でできたんだけど。
それだと、さすがに怪しまれるから。
というので。
かなり遊びながらやったのにねぇ。
あたしもユニットも。
とりあえず、
なぜか。
仕事をすることが何もなくなったので、のんびりと休憩タイムを与えられたあたしとユニット。
暇なので、ちょっと、憂さ晴らしに出かけたりもしたけども。
「じゃ♪行きますかvv」
その日の深夜。
あたしとユニットは、そっと、裏庭にでる。
やっぱり、面白いことは、積極的に参加しなくちゃねvv
潜入捜査という名目だけど。
事実が分かっているあたし達にとっては、あちらから出てきてもらったほうが面白みが増すしvv
「でも、エル?別に、夜動かなくても♪」
いいつつ、ユニットもやる気満々。
とりあえず。
暗闇でも見えるけど、形だけ、【明かり(ライティング)】の光を掲げているあたし達。
見かけは、探し物をしているように。
「あら、リリィさん、ユニットさん。」
そんなあたし達に話しかけてくる人物が一人。
あらvv
こっちが先に出てきたわねぇ。
あたし達を不思議そうに眺めているのは。
ランプ片手に佇んでいるパジャマの上からガウンをひっかけているだけのレイジー。
「どうしたんですの?こんな夜更けに?」
聞いてくるので。
「どうやら、仕事の最中に、落し物をしたらしいので。捜していたんです。レイジーさんはどうしてここに?」
にっこり。
微笑みかけて聞き返すユニット。
「眠れなくて、散歩してたら、明りが見えて、でもすごいのねぇ。魔法が使えるなんて。」
「あら、この程度なら、赤ん坊でもできますよ。」
「それはちょっと無理があるんじゃない?」
あたしの言葉に多少苦笑しているレイジー。
だって、実際、できるけど、誰もやったことがない。
というだけなんだし・・。
どちらかというと。
まだ自我がはっきりしていない赤ん坊のほうが精神世界などとも繋がりが深いから。
簡単に魔法なんか使えるんだけどねぇ。
「でも、こんなに暗いと、どうしようもないでしょう?明日になさいな。」
そういってくるレイジーに、互いに顔を見合わせて。
「そうですね。」
なるべく不自然でないように、返事を返す。
こっちのほうが面白そうだしvv
ロマンチックよねぇ。ランプの明りって・・。」
デイジーが、自分のもっているランプの明りをみつつ、言ってくる。
「まあ、雰囲気はいいわよね。」
いい雰囲気(ムード)などにするには、よくこんな薄暗い明りが使われているし、恋人たちの間では♪
「ロマンチックって言えば・・・ねえ?リリィさん?ユニットさん?あなたたち・・恋ってしたことある?」
唐突に聞いてくるし。
人をみて、ターゲットは選びましょうvv
「・・・・ふっ。」
その言葉にどこか小さく息をつき、遠い目をしているユニット。
あ゛~。
そういや、彼女。
完全に記憶と力封印して、ただの人間やってた期間(とき)に。
結構、その中で、熱烈な恋愛やってたからねぇ・・。
連れが死んでから『自分が何者か』を思い出したようだけど。
まあ、たまには、何もかも忘れたいときってあるし・・ね。
その後。
きちんと、運命の歪は直したらしいけど、それもかなりもう前のこと。
ここの世界を創るかなり前だったし・・・
ふと。
そのときのことを思い出しているようだけど。
その魂も、すでに、完全に消滅し、新たなる魂にと変換を済ませている。
「あら、ユニットさんは、経験おあり?まだ十代なのに?」
そんなユニットをみて聞いているディジー。
「・・まぁ、昔のことですよ。もう、存在してない、過去のこと・・・」
ふと少し寂しそうにいっているユニット。
他にやっているのはまあ、人との間に子供を創ったりはしているけども。
それは、人としての肉体として、本来の存在の姿のままで。
というのは、あれ一回。
あたし達は、どんなに創っても、どんなに心を寄せても置いていかれてしまうから・・。
だから、限りある、我が子達でもある世界が、部下達が、存在達が、限りなく愛しい。
やがては、自分達の腕にと戻ってくるけど、その一瞬の輝きを大切してほしいから。
それを願って、作り出しているから。
抱擁する世界に。
たとえ、自分の代わりとして、同じ存在を創り出したとしても、それも、いつかは、自分達を置いていってしまう。
終わりのない、無限―。
それが、私達、すべての【混沌を抱擁する存在。】の宿命だから。
ユニットの心情はあたしにもよくわかる。
滅多にこんなことを考えたりはしないけどね。
ユニットの言葉に。
「そうなの。苦労したのねぇ。その若さで。恋って素敵よねぇ。恋に恋する年頃。
なんて、世間にはあるらしいけど、私なんかもそうなのかもしれれないわね。」
そういって。
くるりとあたし達の方をじっとみるレイジー。
「そう。私なんかは、しょっちゅう、恋をしているわ。―相手が、男であろうと、女であろうと・・・」
いいつつ、痺れ薬をまいているレイジー。
しばし、沈黙。
「・・・どうして?どうして、貴方たち・・・。風下に立っているのに、痺れ薬が効かないの!?
私は、いつもこの方法で、恋の相手をゲットして成功していたのに!」
なぜか驚いているし。
「いや、だって、効く筈ないし。」
「そうよね。というか、私達の足を止められる物質。ないわよね?」
そのレイジーの言葉に、顔を見合わせるあたしとユニット。
「そ・・そんな!?痺れ薬で、恋の相手を二人ともゲットして!あんなことやこんなことをする私の計画が!」
一人、叫んでいるレイジー。
確かに。
彼女、かなりやっているからねぇ。
というか。
実は、ここのメイドたち。
なぜ。
全員シュレイカーの手先になっているかというと、全員、レイジーの手から救い出してくれたから。
という理由があったりする。
あと、出入りの業者にも、やってるのよねぇ・・レイジー・・・
お金を積んで、解決しているようだけど。
面倒なことになりそうな場合には…
ま、普通はいえないわよねぇ。
男からならまだしも女に手玉にとられたなんて、普通の男達にはvv
一人、レイジーが薬の調合が、甘かったのかしら?などとつぶやいていると。
「―何をやってらっしゃるんですか?」
闇の中から、黒装束をちょうど脱ぎ去り、出てくる一人の人影。
ぴくん。
となり、思わず一歩、退いているディジー。
そこにいたのは、いつもの服装のシュレイカー。
「シ・・シュレイカーさん・・。」
苦手意識をもっているので、ひるんでいるレイジー。
「な・・・なんでこんなところに!?」
レイジーに問われて懐から手帳を取り出しているシュレイカー。
「お嬢様が、夜中にお屋敷を抜け出したときには、七回に六回。の割合で、何らかのトラブルが起こっております。
夜中の外出はお控えください。」
事務的な口調のシュレイカー。
そんな彼女の言葉にややむくれつつ。
「わ・・わたしは、単に、素敵な恋をゲットしようかなぁ・・とか思って・・。」
「これまでのことでもそうでしたが・・。気にいったからといって。相手の意思を無視して。
睡眠薬でゲットするのはお控えください。あとのもみ消しが大変です。」
きっぱりといいきるシュレイカー。
「それに、その娘たちは、メイド頭である、私の管理です。責任が私にある以上、トラブルは困ります。」
「・・く・・くぅ!」
ぎりっと歯ぎしり一つ。
「・・仕方ないわね!シュレイカーさん! 今日のところは、あなたに免じて、大人しく退いてあげるわ!
けど、忘れないで!まだ、私はこの恋!諦めたわけではないからね!ほほほ!!」
捨て台詞を残して、そのまま屋敷の方にとかけてゆく。
「・・・・やれやれ。」
シュレイカーは溜息一つ。
今夜も収穫があまりなく。
戻ってきたところにいつものレイジーの行動をみつけ、ここにとやってきている彼女は深く溜息一つ。
「・・お嬢様に呼び出されたんでしょうけど・・。駄目ですよ?これからは、夜中に、呼び出されても。ついていっては。」
あたし達の方をみて、説得しているシュレイカー。
分かっているんだったら、どうにかしましょうvv
まあ、傍目からは面白いからいいけどvv
「ともかく、今夜はお屋敷に戻りますよ。
でも、運がいいというか。お嬢様の、痺れ薬が効かなかったなんて。珍しいこともあるものです。」
しみじみいっているシュレイカー。
まあ、あれ、像でもしびれさせれる程度だったしねぇ。
ちなみに。
中級魔族程度だったら、あれで足止めができる程度の威力だったけどvv
とりあえず、ちょっと、説得しただけでなぜかあっさりと大人しくなるレイジー。
ただ、別に、ちょっと、しばらく、異世界に放り込んだだけなのに♡一晩ほど♡
そして今。
戻ってきて、ひそひそと話し合っているあたし達。
「・・むしろ、こう考えたほうが自然なんじゃないかしら?
お父さまこそ、盗賊団の首領だって。―お父さま、かっこいい♡」
「こらこらこら!」
その言葉に、突っ込んでいるのはナーガ。
一応、ここの屋敷にもぐりこんでいる目的を話すと。
面白そうだからといってレイジーも参加することになっていたりするこの現状。
「だぁぁぁてぇ♡)そうじゃない♪」
胸の前で、夢みる乙女の眼差しで星空を窓から見上げつつ。
「平凡な商家を装いながら、夜のとばりが落ちるころ。表の仮面を脱ぎ捨てて、闇へと身を躍らせる。
そんな中、私は一人、平凡な毎日を送り続ける♡父の笑顔の裏側に、闇があることさえ知らず♡
ああ!!燃えるわ!!なんて刺激的!お父さま!!ラブラブ!」
一人、悦に入っているレイジー。
アベルとレイジー。
変えてみたほうが面白かったかもね・・。
ランゴード家の。
ま、いっか♡
ちょうど。
説得を行う時。
夜の夜中の庭の片隅にてたまたま近くにいた盗賊の一人。
ちょっぴし、レイジーと一緒に巻き込んでしまったけど。
戻ってきたときは、なぜか、髪を真っ白にして倒れているところを。
人が使っていない、町の片隅にある倉庫においておいたし。
仲間がいなくなって、動くのは、次の日。
というわけで。
レイジーが、恋の毒がにかける。
というので。
別に害があるわけでもないのでそのまま、レイジーを倉庫の中にそのメイドの盗賊の彼女と二人っきりにしたところ。
しばらく、悲鳴が巻き起こっていたりしたけども。
そこはそれ
「また、朝から暇よね・・・」
結局のところ。
殆ど、あたしとユニットだけですべて、ものの数分もしないうちにすべての仕事をしてしまうので。
何もしないでくれ。
と、他のメイドたちからもなぜか泣きつかれたり。
そんなこんなで、暇をもてあましたあたしとユニットは。
することもないので。
とりあえず、人質にとっている盗賊の仲間を尋問して遊んでいると、やがて日も暮れてくる。
夜風とともに、時がうつろぎ辺りに夜の闇が落ちるころ、倉庫に近づいてくる人影が。
月明りに照らし出されているその姿は。
「お父様!?」
ディジーの声が、夜空に響く。
やってきたのは、この家の当主。
ディジーの父親。
マーシャル=ブラントその人当人。
ディジーは隠れていた茂みを飛び出して父親の前で足を止めている。
「いやー、倉庫にかぎをかけたか心配になってな。そういうディジーは、なんでこんな所にいるんだい?」
「わ・・わたしは、ただ、通りかかりのひとをゲットして。私の恋の相手になってもらおうかなぁ・・と思って・・。」
この町の人達。
大概、一回以上、レイジーに掴まりかけていたりするのはういう理由もあったりする。
だからこそ。
役人たちは、ここにきたくなかったのもあるらしいが。
アルバイトを口実にして♡
役人がそんなことでどうするのよvv
「はっはっはっ。おしゃまさんだな。ディジーは。」
それですませている父親。
一応、犯罪になるんだけど♡
通う女性のところにいく口実に。
毎日のように、倉庫の鍵を確かめて、それから、通っているこのマーシャル。
「それじゃあ、父さんは、倉庫の鍵を確かめて・・。」
「おーほっほっほっほっ!」
あらvv
やっぱり、勘違いしてるしvv
マーシャルの言葉が終わるのを待たずに、ナーガが高笑いをあげて、茂みから飛び出していってたり。
「そーいえば、ナーガにはいってなかったわねぇvv」
「エルvvわざとでしょvv」
「当然vv」
そんな会話をしているあたしとユニット。
とりあえず、面白いので。
ナーガに続いて茂みから出てゆくあたし達。
ナーガは、勘違いなのだが。
それを知らずに大きく胸を張り。
ぴしぃ!
と、マーシャルを指差して。
「見苦しい言い訳もほどほどにするのね!!あなたが盗賊団の一員だということはとっくにわかっているのよ!」
高らかに言い放つ。
「??盗賊団?あの・・それって何のことでしょう?」
首をかしげるマーシャルに。
「私たちのことですわ。」
がさり。
町に面している庭の茂みが揺れ動き、そこに現れる二十八人ほどの人影。
この屋敷で働いていた、すべてのメンバー。
「私達が動くことを見越して、罠を張ったつもりでしょうけど。
あいにく、こちらも予想していました。罠を張らせてもらっていたのはこちらの方なんですよ。」
黒づくめの格好をしている一人がいう。
その声の主は。
「シュレイカーさん!?」
驚きの声を上げているディジー。
「そう、私です。」
自ら覆面をとったその下には、メイド頭のカーシャ=シュレイカーの顔。
「あら、いってなかったっけ?この盗賊のリーダー。シュレイカーだってvv」
「まあ、私達は始めから知ってたけどvvやっぱり、形だけでも、捜査はしないとねぇvv」
「・・・・聞いてないわよ!リナ!」
そんなあたし達の会話に、突っ込んでくるナーガ。
「・・・まあ、口では何とでもいえますね?リリィさん?まさか、このような子供までもが。お役人の手先に成り果てるとは。
ここの役人は、やっぱり扱いかってがいいですしね。まあ、とりあえず、この辺りが潮時のようですし。
蓄えた財産もって、別の町へでも移ろうか。と思いましてネェ。
それにあたって、私達の顔などをよくご存知の方々を。処分させていただこうかと思いまして。」
淡々と話すシュレイカー。
レイジーの瞳の変化には気づいてないしvv
「ふっ。気取ってないで、悪人らしく。普通にしゃべれば?『とんずらする駄賃に私達を始末する』って。
おーほっほっほっ!!やっぱり口先だけね!悪人は!この白蛇のナーガ様がやられるとでも思って!?」
ナーガの高笑いに、眉を釣り上げているシュレイカー。
「―かかれ!」
周りを取り囲んでいた、メイドたちが一声に。
なぜか、フォークなどを武器に使っていたりするが。
あとは、糸。
あと、シミターなどの飛び道具。
それらをもって、飛び掛ってくる。
パチン♪
その瞬間。
あたしとユニットは小さく指を鳴らす。
と。
同時に。
「風魔咆裂弾(ボムディウィン)!!!!」
ボボッヒィィィィ!
あたし達以外、わかっていなかったらしく。
ナーガの放った風の無差別攻撃魔法が、敵、味方、関係なくなぎ散らしてゆく。
あたし達の周りだけ、無効化するようにしていたあたしとユニット。
それ以外は。
「おーほっほっほっ!盗賊団を一掃したのは、この私!となれば!
この一件の報酬は、すべて私、白蛇(サーペント)のナーガ様が受け取るのが道理ってものよね!
おーほっほっほっ!」
一人、胸をそりあげ、高笑いしているナーガ。
「あのねぇ。ナーガ。ま、面白いから、いいけどねvv」
「はっ、リナ、まだ無事だったの?」
あたしが飛ばされていないことに少し驚いているナーガ。
「まあ、ナーガさんの行動パターン、丸分かりだからねぇ。」
にこにこといっているユニット。
確かに。
というか、あたし達に分からないことなんてないんだけどね。
「ふっ、お宝は、渡さなくてよ!ファイアーボール!!」
チュトドドォン!
「あ・・貴方たち・・よくもやってくれたわね・・。でも、それ以上、抵抗するなら、ディジーお嬢様の命はありませんよ!」
「いやぁ!助けて!助けて!」
シュレイカーに組み込まれて助けを求めているレイジー。
でも、その目が笑っていたりする。
ちゃっかりと。
その手にもっているのは、小さな針。
ぷすり。
嫌がる振りをして、シュレイカーに針を刺しているレイジー。
「・・・ぐ!?」
ぐらり。
そのまま、倒れこむようにその場に崩れ落ちてゆくシュレイカー。
「な・・何を・・・」
言いかけるが、体が思うように動かない。
「ふふふ♡素敵よ♡シュレイカーさん♡」
にじり。
にじりよっているレイジー。
「う・・リーダー!?」
目を覚ました、他のメンバー。
そんな彼らにはナーガが無差別に放った、ファイアーボールが炸裂していたりするが。
『ひどえぃぃい!?』
意味不明な叫びが響いてゆく。
「いやぁ、なるほど、まさか、家が、盗賊の寝床にねぇ。」
やたらと感心しているマーシャル。
「そして、マリンちゃん、君までもが盗賊の一員だったなんて・・・」
ぐるぐるに縛られている一人の隊員に向かって言っている彼のお相手♡
「ふっ。こうなったら仕方ありませんわ。私は、屋敷の主であるあなたをたぶらかして。
後々は、この屋敷ごと、財産も。私達、盗賊の資金とするつもりでしたのに。」
「そんな!あんなに愛を語り合ったじゃないか!」
諦めのわるい男である。
というか、彼女の体が忘れられないようだけど・・。
男って・・悲しいサガよね♡
「ふ。それで、観念して、話してもらいましょうか?盗んだお宝はどこにあるの?」
ナーガの問いに。
「・・・・分かりました。木の葉を隠すのは、森の中。
店の運営資金の保管されている第三倉庫に。今まで盗んだものは一切、おいてあります。」
その言葉に。
ぽん。
手を一つうつ、マーシャル。
あ、ようやく気付いたしvv
「あー、なるほど。道理で、今までに、事業に、五十回以上。失敗しても。運転資金が減らないと思ったら。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
そのマーシャルの言葉に。
レイジーににじり寄られていたシュレイカーやナーガ、他のメンバーが凍りつく。
そして。
『何ぃぃぃぃ!!!!!!?』
面白いほどに、あたしとユニット以外の台詞が一致する。
楽しいvv
「あ・・あの・・それは・・ひょっとして・・。」
引きつった表情のシュレイカーに。
「いやぁ、どうら、貴方たちが盗んだお金。ぱーと使っちゃったみたいです。いやぁ。はっはっはっ。
お金がなくならないなァとは思いましたけどねぇ。はっはっはっ。」
一人笑っているマーシャル。
あ、ナーガが脱落しかけてる♡
「普通、何回か新しい事業に失敗した時点で、気付くわよねぇ♪」
くすくすと笑っているユニット。
「あ・・・・リナ、あんた達・・知ってたの?」
ナーガ、声が震えているし♡
「当然vv」
「あら♪だから言ったじゃないvvナーガさん♪すでに、お宝は残ってないってvv」
あたしとユニットの声が重なると。
「そ・・そんなぁ!!じゃあ何!?この私の、盗賊団のお宝を一部没収して、ラッキー!という生活資金は!?」
一人、ナーガが叫んでいたりするし。
「そ・・そんな・・・私達の今までの努力って・・・」
「悪人が努力なんてしなくていいの!」
ナーガの理不尽な怒りの矛先は、盗賊団にと向けられてゆく。
「ひどいことしないでくださる!ナーガさん!」
そんなナーガが、シュレイカーに蛸殴りを開始しようとするとレイジーが止めに入る。
「・・・もしかして、レイジー、こいつのこと、気に入ったの?」
ナーガの問いかけに。
「ええ♡もうそれは♡素敵じゃないですか!真面目一本やりのその下で!
盗賊団の頭だなんて!悪の華って感じで!ああ、私の恋の毒牙にかけるにふさわしいわ!」
いいつつ、すでに、その準備として、痺れ薬と、惚れ薬を仕込んでいるのは何処の誰かしら♡
「まあ、いいんじゃないの?悪人に人権はないんだしvvあたし達が許可するわvv」
「そうねvvしっかりと毒牙にかけてきなさいなv」
「いやぁ、レイジー、素敵な相手がみつかってよかったねぇ。」
口々に言っている、あたしとユニットとマーシャル。
「・・・ちょ・・・・ちょっとぉぉ!?」
抗議の声を上げているシュレイカー。
「ほほほほ♡いくら抵抗しても♡ほぉら、もう薬が効いてくるころですわ♡
無駄なあがきはおよしなさいな♡シュレイカーさん♡」
「たすけてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
悲鳴をあげつつ、暗がりへ、そして、レイジーの私室にと連れ込まれていっているシュレイカー。
とりあえず。
ナーガは、残ったメンバーから、身包み剥ぎ取り、ちょっとでも、お宝をゲットしようとしていたりするが。
後日。
盗賊メンバー。
全員が、泣きながら、自主したとか、しないとか。
それをレイジーが【身請けする。】と申し出たところ。
断固として、拒否し。
彼らとつながりのある、別な組織のことなどを告白し。
レイジーから逃れようとするシュレイカーたちの姿が見受けられていたらしいが。
とりあえず。
あたし達の依頼は、一件落着vv
結構、面白かったわねv
また、何か、依頼でもうけて遊びましょvv
また、ナーガも加わったことだしねvv
-家政婦はみたかもしんない偏・終わりー
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あとがき:
薫:・・・三時・・三時・・・夜中の三時・・・(汗)
姫:しかも、私とエルが活躍してない・・(怒)
薫:あぅあぅあぅ・・・・。
ま、その辺りはご勘弁・・・(かなりまて!)
それより、問題は・・。56KBもあることでは・・(汗)
しくしくしく(涙)
とりあえず、原作に近く作って見てます。このパロディ・・・。
なので。あまり深く追求しないでください・・。
いやぁ。
実は、デイジーにすみれちゃんが捕まる。というのも、考えたけど・・。
さすがに、普通の人間に、虚無の力は・・(汗)
姫:というか、文章に出来なかったから。 こっち側にしたくせにvv
薫:しくしくしく(涙)あれ?それはそうと、今回、エル様は?
姫:エルなら、ちょっと別のところにいってるわよvv
薫:・・・・そーですか・・・(何か不安・・)
ま・・まあ、こんな駄文に付き合ってくださっている。
そこのあなた。どうもありがとうございます!!!
姫:というか、『書き殴り』。ツリー、落ちてるけど?
薫:ぐっさぁぁぁぁ!(滝汗)と・・いうわけで、またまた新しいツリーで・・(汗)
姫:長編も落ちかけているわよねぇvv
薫:ぐさぐさっ!い・・いたいのです・・(涙)
が・・・頑張ります・・・はい・・・。そ・・それでは・・・。
姫:まったね!! それと、まだまだこの番外編。募集してます♪
スペシャルののりで、オリジナルでも可ですので♪
薫:ああ!そんな約束を勝手に・・
・・・・・ポビュ・・。
姫:それでは、何かつぶれる音がしましたが♪
それでは、また会いましょう♪
いい加減に、長編の続き、打ちこまさないとねぇ。
ふふふふふふ♡
それじゃあね♪
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