まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

こんにちわ。今回の漫遊記はスペシャル7巻。ガッツだ元ネクロマンサーです。
ドラマCDとも原作ともかぶってますv
旅順としては、ガイリア・シティによって。
それから、竜達の峰(ドラゴンズ・ビーク)にいくまでの話です。
この辺りは・・まあ、原作と照らし合わせてください・・

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ガイリア・シティにて。
なぜか、あたしのことを知らないままに。
作戦を実行しようとしていた冥王、フィブリゾのやつまで合流し。
なぜか、ディルス王宮は大量に入り込んでいた魔族に気付いて王室は大騒動。
別にたいしたことでもないでしょうに。
とりあえずは。
ガーヴのやつが出てくるまでは気付かれては面白くないので。
こともあろうに。
このあたしに、ヴェゼンディにて、ちょっかいをかけてきていたりする、ラルタークに。
ディルスの将軍として入り込んでいたラーシャート。
共に一応、部下Sこと、この世界の一応あたしにとっては。
使いっぱしりの魔王に過ぎない、悲しき長官管理職以下の赤瞳の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥの。
直属の部下の一人、魔竜王(カオスドラゴン)ガーヴの直属の神官と将軍達。
一応この二人は、水晶の中にと閉じ込めている。
一応、あたし達が向かう先は北の地にある、カタート山脈に位置する。竜達の峰(ドラゴンズ・ピーク)
ガウリイ、アメリア、ゼルガディス。はてはどうでもいいゼロスにフィブリゾまでが加わって。
一応、六人で旅をしているあたし達。
まあ、今だに、アメリア達、ゼロスの正体や、挙句は、フィブリゾの正体なんて、知らないけどねvv


    エル様漫遊記・番外編・ ~ガッツだ!元ネクロマンサー編~



「あれ!?ひょっとして、リナさん達じゃあありませんか!?」
あたし達が食事を取るために。
とある町の食堂で軽くメニューを五十品づつ頼んで、食事をしていた最中。
聞き覚えのある声が、あたし達にと向けられてゆく。
「・・・・誰?」
首をかしげているのは、少しウェーブのかかった黒い髪の少年。
一見しただけでは。
なぜか、大概の存在は美少女か美少年と間違える。
「あれ!?きゃあ!ウィーニーさん!?お久しぶりです!」
その後ろを振り向き。
声を上げているのは、黒い髪を肩の辺りで切りそろえている少女。
アメリア。
一応、これでもとある国の正統なる王位継承者の一人。
つまりは、王女。
「ええと・・・・誰だっけ?」
のほほーんと言い切るガウリイに。
ドズベ!
あ、転んでいるしv
歳のころならば十七、八。
いや、もう十八になっている。
長い銀髪は以前のまま。
以前と違う点といえば、着ている服装が、今は見習い僧侶のものだということのみ。
「ガウリイさん!ほら!ウィーニーさんですよ!例のアンデッド大量発生の事件のときの!」
アメリアの言葉にもまだ首をかしげているガウリイ。
「ガウリイ、ほら、蛸料理尽くしを食べたときの、一件よ。」
「ああ!あのときの、ゾンビに蛸殴りにされてたねーちゃん!」
あたしがいうと。
ぽんと手を打っているガウリイ。
「・・・いったい、お姉ちゃんたち・・どんな事件に関りもってたの?」
そのガウリイの台詞に。
なぜか、疲れたように言っているのは、ディルスにてなぜか合流してきたフィブリゾ。
ちなみに。
アメリア達には、フィブリィと名乗っていたりする。
もう少し、考えて偽名つけなさいよね・・・・・。
ほんの少し前。
始めのセイルーンのお家騒動が丸く収まり。
あたしとアメリア、ガウリイでマインの村に行く途中、
ちょっとした一件で向かっていた最中に関ったちょっとしたことの中心にいた人物。
当時死霊術士(ネクロマンサー)をやっていたウィニー。
面白いことに、ゾンビやスケルトンに慣れようと。
片っ端から召喚したのはいいものの。
アンデット系が、生理的に駄目だから。
という理由で、召喚しっぱなしにしてそのまま、逃げ出し、辺りの町や村などで。
ゾンビなどのなぜ、あの程度で大量発生というのか分からないけど。
ともかく、人の世間でいうところの、大量発生が続出し、その解決の依頼をあたし達が受けた。
という些細な出来事があったりしたのだが。
「そういえば、ウィニーは、死霊術士を諦めて。
   どこかの神殿で僧侶としての町を歩き始めている。そう噂で聞いてるけど。あら、この近くなんだ
分かっているけど、やっぱりこれは、その場ののりというものが大切よね。
あたしの言葉に。
「はい。この町から少し離れた山の麓にあるんですぅ。今日はおつかいで・・・・」
このウィニー、どうしても生理的にアンデットなどに慣れないから、という理由で代々家柄で続いている死霊術士を諦めて。
神殿で僧侶の道を歩み始めていたのであるが。
「ん?」
「・・・おや。」
『うどわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!?』
そんな言いかけるウィニーの台詞をさえぎるのは、店の外から聞こえてくるいくつもの悲鳴の数々。
ゼロスとフィブはそれに気付いて、小さく声を上げているけど。
ガウリイもまた気付いていたりする。
「ちっ!?何ごとだ!?」
ゼルが椅子より腰を浮かしてゆく。
「ゾンビだ!ゾンビが暴れているぞ!」
外から聞こえてくる町の人達の悲鳴に小さく息を呑んでいるウィニー。
「何ですって!?こんな町中に!?」
だだっ!
アメリアがその言葉に、一気に外にとでてゆき、そのまま呪文を唱えればいいのに、演出効果を考えて。
「んしょんしょ・・。」
呪文も使わずに、家の突起を頼りに屋根の上にと上っているアメリア。
「いくぞ!ガウリイ!」
「おう!」
ゼルの言葉に続いて、ガウリイも声をかけて、店から出てゆくが。
店から出たあたし達の目に飛び込んできたのは。
たったの、五・六体のゾンビ達が屋台の品物をひっくり返したり通行人に迫っていたり、というそんな光景。
『・・・せこ!』
思わず突っ込みを入れているあたしとフィブ。
「おやおや
ゼロスもまた同意見らしい。
やってること、といえば、何で通行人の荷物を奪ったり、スカートめくりとかしてたりするだけなのよ!!!!?
れ・・・・・レベルが低すぎるし・・・。
もっとやるんだったら!どばばばぁんとやりなさい!
「よっし!」
アメリアがようやく屋根の上にと上りきり、息を大きく吸い込んでいたりする。
「・・・・ずいぶんとせこいゾンビだな・・・」
そんなゾンビの光景をみて、のほほーんと言っているガウリイに。
「そんなことを言っている場合か!?・・まあ、確かに・・。」
などと、いいかけて、同意していたりするゼルガディス。
まあ、確かに。
店の品物をひっくり返したり、引ったくりをしたり、脅かしているだけのゾンビを見る限り。
そんな思いに捕らわれるのは当たり前。
アメリアが大きく息を吸い込んで。
「お!」
言いかけたその刹那。
「浄化結界(ホーリィ・ブレス)!!」
力ある言葉とともに、やわらかな光の波が広がってゆく。
光に包まれたその瞬間。
ゾンビ達は、ぴたりっ。と止まり、塵と化して大地に散ってゆく。
一応、人の中では、一応、なぜか高度とされている高位の浄化呪文。
別にこの程度くらい、そんなにすごくもないのにもかかわらず・・である。
メリアが唱えようとした呪文を先にと唱えたのは。
「あらあら、誰かと思えばウィーニーじゃなくて?奇遇ねぇ?毎回、毎回?」
あからさまに棘のある口調でいいながら。
いまだにざわついている通行人たちを掻き分けて、歩みでてくるのは一人の女性。
歳は、二十になったばかり。
ウィニーと同じ法衣にと身を包んでいる、金髪で巻き毛の女性。
人が表現するなれば、一応美人の部類に入るその容姿。
完全に馬鹿にしたようにと、ウィニーをみているその目には棘が含まれている。
「・・・・・・ルフィニアさん・・!?」
ウィニーがつぶやく。
「ま、偶然、この私が居合わせたからよかったものの。そうでなかったら、もっと大騒ぎになっていたところね。
  まったく、誰かさんが着てから、こんな騒ぎばかり起こるのは。なぜかしらねぇ・・・。
  ま、何にしろ、あなたも無事でよかったわ。さっさと、お使いすませて帰ってくるのよっ!おーほっほっほっほっほっ!」
完全に嫌味をいいつのり。
言いたいことだけをいって、くるりと背をむけてその場を立ち去ってゆく、ルフィニア。
ウィニーは、そんなルファイニアの容姿をただじっと黙ってうなづいているだけ。

「・・・・どうやら、何か事情がありそうですね。」
ぽん。
ゼロスに肩を軽く叩かれて。
「・・・・わっ!!」
その場に、崩れるようにして、泣き始めてゆくウィニーの姿。
「レビテーション。」
ふわり。
見せ場がなくなったのでアメリアもまた、少し残念そうに屋根の上から呪文を使って降りてくる。

「・・・ここに来て、しばらくは、別に何もなかったんですぅ・・。」
先ほどまで食べていた店にと舞い戻り。
食事の続きもとい、デザートを食べつつ事情を聞くあたし達の質問に、やがて、ぽつり、ぽつりとウィニーは話し出す。
「・・ところが、しばらくたってから。
  神殿のまわりやこの町に、ゾンビやスケルトンたちが出現しはじめて・・。悪さをし始めたんです・・。」
ウィニーの台詞に。
「ず・・ずいぶんとまたせこい悪さですねぇ・・・」
「それに関しては同感だな。」
さきほどの悪さを思い出して、少し引いているゼロスの言葉に、同意しているゼル。
「それはともかく、ゾンビやスケルトンがですか?」
アメリアの問いかけに。
「・・・・はい。最初の事件は、あしがここにきて。五日くらいたった日のことでしたぁ。
  ある日見習いさんが朝起きて、神殿裏の畑に行ってみるとぉ。
  五・六体のゾンビが畑の人参を引きまくっていたんですぅ・・。」
『・・・・・ゾンビが人参?』
思わず突っ込んでいるアメリア、ゼルガディス。
ついでにゼロスにフィブの四人。
「な・・・・何考えてるの・・そのゾンビ・・・・。」
思わず頭を抱えているフィブ。
呼び出した奴・・・ろくなやつじゃないね。
まあ、あの波動からして、呼び出したの・・あのルフィニアとかいう人間みたいだけど・・・。
・・・・・・人間って・・何考えているんだろ・・・・。
そんなことをおもいつつ、頭を抱えていたりするフィブ。
「ゾンビがどうこうというよりは。・・・・呼び出した術者が何を考えているかだな。フィブリィ。」
そんなフィブに突っ込みを入れているゼル。
「・・・ま、まあ、とりあえず。そのときはぁ。
  皆が出てきてぇ、浄化呪文でやっつけたんですけどぉ・・・。それからはもう毎日のように・・・。」
いいながら、涙目にとなっているウィニー。
「それはともかく。先ほどのルフィニアさんでしたっけ?
  ウィニーさんにやけにとげとげしかったですけど。・・ひょっとして疑われてます?」
にこにこと、いつもの笑顔で問いかけるゼロスの言葉に。
「・・・はぃぃ・・・実はぁ・・その通りなんですぅ・・・・」
肯定しているウィニー。
「・・とすると、全員、お前が元死霊術士(ネクロマンサー)だって。知っているということか?」
問いかけるゼルガディスの言葉に。
「・・・・・はい・・。この神殿に来た時、自己紹介でそういっちゃいましたからぁ。」
『いうなよ。そんなこと。』
「そんなこといったら駄目ですよ!」
「おやおや。」
きっちりと。
フィブとゼルの声が重なり、アメリアの声とゼロスの面白そうな声が完全に一致してゆく。
「と・・・・とりあえず。つまりは。先ほどのルフィニアさんとやらも。
  ウィニーさんが、アンデット事件の犯人だと思っている人達の一人。ということですか?」
アメリアの確認の言葉に。
「そうですぅ。あたしより、一年ほどはやくここに来たかたでぇ。
  すごいんですよぉ。いろんな浄化呪文とか自由自在に操って。」
「けど性格は悪そうだったなぁ。」
ぱくぱくぱく。
デザートのプリンを平らげつつ、話にと加わってきているガウリイ。
「・・・それはぁ・・きっと、今度のアンデット事件のことで、いらいらしてらっしゃるんですぅ。
   ・・でもやっぱりこんなことが続くのはよくないと思うんですぅ!」
涙を浮かべてうるうると言っているウィニー。
「けど、本当にウィニーがやっているんじゃないのか?無意識とかで。」
「ほら、たとえばつい気付かないうちに、歌いながら。アンデットの作成呪文とかを唱えていたりとか
少し話しを面白くしようと、ゼルの確認の言葉につづいて冗談を飛ばしているゼロス。
その言葉にしばし考え込んで。
「・・・・・・ひょっとしたら・・口ずさんでいるかも・・・・」
『をいをい!』
そのウィニーの台詞に面白いことに、フィブたちを含めたガウリイとあたし以外の全員の突っ込みが入ってゆく。
面白いvv
「でもぉ!あのアンデットさん達は、あたしの創ったものじゃあありません!肌の色艶とか、全然違いますぅ!」
『・・色艶って・・・。』
ウィニーの台詞に、突っ込みをいれているアメリアとゼル。
「まあ、確かに。あれはいい出来じゃなかったね。」
「ああ!わかってくれますか!?お嬢ちゃん!」
ひし!
こきん。
あ、同意の声を上げたフィブにウィニー、抱きついているし
「・・・・あの?ウィニーさん?一応その子。どうみても美少女ですけど・・・男の子ですよ?名前はフィブリィ君です
そんなフィブに抱きついて放そうとしないウィニーに、フィブの説明をしているアメリア。
「ええ!?こんなにかわいいのに!?」
「お・・お姉ちゃん・・僕・・・くるしいんだけど・・・・・。」
気付けばウィニーは、力の限りフィブを抱きしめていたりする。
まあ、本当。
いくら人間の振りをしているからって、子供の演技が上手よねぇ。
フィブは。
年季が入っているというか、何というか
面白いからいいけどねvv
「ま・・まあ、一応、話を聞いた限りでは。ウィニーさんは、その道のプロであったようですし。
  彼女がそういうのなら、間違いはないでしょうよ?」
というか、人間って。
召喚されたそれを視ただけで、その波動から、誰が召喚した主かわからないなんて・・不便ですね
などと、心でつぶやきつつ。
言葉を変えてにこにこと言っているゼロス。
「まあ、確かに。自分がやってもいないのに。自分が疑われるのは、いいきはしないわねぇ。」
あたしの同意の声に。
「それに、アンデッドの皆さんもかわいそうですぅ!
  操られて悪いことをさせられた挙句に、浄化呪文で消されるなんて!」
叫ぶウィニー。
「・・・かわいそうって・・ウィニーさん?
  確か、ウィニーさんは、アンデットが、嫌いになったんじゃあなかったですっけ?」
首を横にかしげるアメリア。
「・・・・あたしも、一時はそう思ってましたぁ・・・。
   だからこうして、僧侶の見習いを始めたりもしたんですけどぉ・・。でも・・違ったんですぅぅ。」
『違った?』
ウィニーの台詞に。
アメリア、ゼルガディス、ゼロス、フィブ、ガウリイの声が重なる。
「・・・・はい。目の前で、皆の浄化呪文で。アンデットさん達が、消されたとき・・あたし、すごく悲しくなったんですぅ。
  それで・・わかったんですぅ。やっぱり、あたしは、アンデットさん達が。
  嫌いになったんじゃなくて。ますます苦手になっただけなんだって!
  やっぱり心の中では、まだまだアンデットの皆さんのことが。大好きなんだって!」
・・・・・変った人間って・・いるんだね・・・。
思わず突っ込みを心で入れているフィブに。
・・・・いや、まあ、好みは人それぞれですげと・・これはまた変った人間ですね・・・。
んなウィニーに少し興味を示しているゼロス。
『・・・・・・・・・・・。』
そんなウィニーの台詞に、無言になっているアメリアとゼルガディス。
「・・・・・そう気がついてから・・時々、夢にも見るようになったんですぅ。アンデットの皆さんのことを・・。
   あのゾンビの腐りただれ具合・・ほどよい期間に埋められた、深みのある色のスケルトンさん・・
   グールさんの、肌染みだって、とっても素敵・・・・
・・・・・びたり。
思わず、アメリアが手にしていた、フォークの先に刺さっているミート・パイの手を止めている。
「特に好きなのがゾンビさんなんですぅ
  あの風に漂うゾンビの香りちょっぴり甘くて、すっぱくて。思うそのたびに熱いものが胸にこみ上げてきて~」
「・・・・吐き気だと思うぞ?それは?俺は?」
眉を顰めて、頭に手をあてて、つぶやくゼル。
うんうんとそのゼルの言葉にうなづいているアメリア。
ガウリイは先ほどから。
アメリアとゼル達の手がパイに伸ばしていた手が止まっているので。
ここぞとばかりに、特大ミート・パイを口にほうばっているのであるが。
「違いますぅ!」
そんなゼルの言葉に力一杯抗議して、激しく首を左右にと横に振り。
「決して、決してアンデッドの皆さんが、嫌いなわけじゃあないんですぅ!無口で存在感があって・・・
「あ・・あの?けど実際に目の前というか目の辺りにすると。いやなわけでしょう?」
本当に変った人間ですねぇ・・。
とおもいつつ、問いかけているゼロス。
ま・・確かに存在感は・・ある意味あるがな・・。
そんなことを思いつつも、そんなウィニーの台詞に、どこか遠くをみて現実逃避に走り出しているゼル。
「まあ、そうなんですけどぉ!で・でもそれは!ほら!
  お魚とかお肉とか好きなんだけど。食べるとアレルギーの出ちゃう人っているじゃあないですか!
  あれときっと同じなんですぅ!」
『・・・違うと思います(思うが)(思うけど)・・・・。』
きっちりと、アメリア、ゼルガディス、ゼロス、フィブの声が重なっていたりする。
「とにかくぅ!このままじゃあ、あたしも疑われて、神殿や、町の人達にもごめーわくがかかりっぱなし!
  それに、アンデットさん達も、迫害されることになっちゃいますぅ!
  ―ですから、お願いします!この騒ぎを起こしている本当の犯人を見つける手伝いをしてください!」
ウィニー。
最後のアンデット迫害が一番重点を置いてるわね
「・・・・・お゛い゛・・・・
俺達は急いで竜達の峰にと向かっているんじゃ・・・、などと、ゼルが言いかけるが。
「わかりました!ここで、困っているウィニーさんや!町の人達を見捨てるなど正義に反します!
   このアメリア、正義の仲良し四人組みプラス一名と、その付属で!みごと解決してみせます!」
だん!
椅子に足をあげて。
びしぃ!
と天井を指差しているアメリア。
「・・・・・・こうなったら、誰にも止められないわね
くすくす笑いつつあたしがいうと。
「リナ・・・お前、楽しんでいるだろ・・・」
そんなあたしをぎろりと睨んでくるゼル。
「あら、いいじゃないv何ごとも、ゆとりよ、ゆ・と・り
にっこりと言い切るあたし。
「・・・・・おまけって・・・・ひょっとして・・・僕?」
そんなアメリアの台詞に、目を点にしているフィブ。
「とりあえずぅ。お手伝いしてくださるのでしたらぁ。依頼料はもちろん払えませんがぁ。
   あたしがアンデットさん達を作り出すときの、あたしだけのオリジナルのノウハウがあるんですぅ。
   もし、コトが終わったら、それをリナさん達にお教えしますぅ。」
なみだ目で言っているウィニー。
「・・・・一応、聞いといてやる。一体どんなノウハウなんだ?」
ゼルガディスがどうでもいいようにと、質問しているけど。
かなりどうでもいい口調で
「それはぁ、ちょっと小粋でアドリブの聞くゾンビさん達の作り方ですぅ。」
「・・・・そんなものができるのか?」
その台詞に、思わず目を点にしているゼル。
「・・・・まあ、多少の技量があれば、それくらいは簡単だよね・・・。」
下をむいて、ポツリと小さくつぶやくフィブの台詞は、あたしとゼロス以外には、誰にも届いてはいなかったり♪
「それでは、そうと決まりしたら、即実行あるのみです!
   ウィニーさん!あなたのお使いがすんだら!早速神殿に乗り込んで調査開始です!」
瞳をきらきらとさせて張り切っているアメリア。

結局。
少しばかり寄り道しても竜達の峰は逃げないということをゼルにも納得させて。
まあ、アメリアが、しつこく、
「困っている人をほうっておくなんて!正義じゃないです!」
と、ゼルの耳元でずっとわめき続けていれば、誰でも折れると思うけど
そんなこんなで。
今回のウィニーの依頼の一件は、あたし達が調査をすることにいつのまにか、決まっていたりする。
んふふ。
この町によったの、これが面白そうだったからなのよねvv


「・・・困りましたねぇ・・・。」
町での出会いのあと。
あたし達を神殿にまで案内し。
副神官長のサプラスにとウィニーはあたし達を引きあわせて多少話しをしていたり。
歳は二十ニの、黒い髪のまだ若い男性。
あたし達の話を聞き終えたそのあとに。
ぽつりと彼がそうつぶやいたのを。
すかさず。
「何を困るというのです!このまま、ほうっておくこと、それ即ち、それこそ悪です!」
ずいっ!
そんなサプラスにと詰め寄っているアメリア。
「い・・いや、そういう意味じゃなくてですね・・・。
  僕としても、他の神官たちが、ウィニーに疑いの目を、向けていることは知っています。
  そして、それはよくない事態だとも思っています。
  ―けれど、もし、ウィニーさんの知り合いだというあなた方がいろいろと神殿の中を調査すれば。
   神官や、見習い達の中にも疑心暗鬼が―今まで以上の動揺が生まれます。」
そこまでいって、溜息一つ。
「・・・それでなくても、神官長様は、今病で床に伏せっておられ。
   例のアンデッド事件のことでずいぶんと心を痛めておいでです。
   この上問題が増えたりすれば、お体にも触ることにもなりかねませんからね。」
「ならば!それならば、早く解決したほうがいい゛しゃありませんか!
   このまま、ほうっておくことのほうが事は重大です!」
「・・し・・・しかし・・。」
アメリアの迫力にたじたじになっているサブラス。
ダムっ!!
そんなサブラスとアメリアの言葉をさえぎって、部屋の扉が大きく開く。
「サブラスさま!?何にでしたら、この私が、この魔道士たちを追い出しましょうか!?」
はき捨てるようにと扉の入り口で、言っているのは、ルフィニア。
そして。
「何もサプラス様たちが、こぉぉぉんな、何処の馬の骨とも分からない、
  下賤の輩や魔道士たちの相手をすることなんてありませんわ!」
「ずいぶんと礼儀がなってないんですねぇ。人の話を立ち聞きですか?」
ひくく。
そんなルフィニアの台詞に。
眉をぴくぴくと痙攣させつつ、にこにこと言っているゼロス。
「下賤とは何ですか!?勝手に、人が相談しているときに。
   押しかけてきて、相手をけなすのは無礼にもほどがあります!そのくらいの常識はわきまえているでしょう!?」
きっぱりとそんな彼女にむかって言い切るアメリア。
そんなアメリアの迫力に押され、一瞬たじろぐルフィニア。
「くっ!サプラスさま!何もお悩みになることはありませんわ!もとはといえば、このアンデッド事件。
   どこかの誰かが、この神殿にやってきてたら起こったこと!
   ―その当人がアンデッドを操っているとまではいいませんけど、その誰かさんに原因があることだけは確かですわ!
   となれば、その誰かさんに出て行ってもらえば、すむことなんじゃありませんこと!?」
きっぱりと、ウィニーを睨みつけていっているルフィニア。
「な!」
アメリアが文句をいうよりも早く。
「それは感心いたしませんね。ルフィニアさん。
  仲間を疑うようなことを言った挙句に『追い出せ』なんて・・。神に仕える身として、そんなことを言ってはいけません。」
やんわりと、諭すようにいっているサプラス。
「け・・けど!サプラスさま!私はこの神殿の皆のためをおもって・・!」
そういうんだったら、嫌がらせを止めなさいよね
「それの何処が皆を思っているっていうんですか!―分かりました!そこまでいうのならば!
   このアメリア!アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンの名前の下に!
   この神殿の周りを徹底調査を依頼しますけど!それで不満ですか!?」
「・・・・いや、アメリア・・それって・・職権乱用じゃ・・・・(汗)」
そんなアメリアに最もなことを言っているゼル。
「そーいえば。この町。セイルーンの首都。セイルーン・シティと姉妹都市なのよねぇ。」
あたしの言葉に。
「・・・・なるほど、つまりは、上のお偉いサンたちに。アメリアさんの顔が効くってわけですね
ぽんと手を打っているゼロス。
「・・・・あの・・ですから・・大事は止めていただきたいと・・・・」
そんなアメリアの台詞に、汗を一筋ながしているサプラス。
一応、代理の神官長として、セイルーンにと出向いた最中。
このサプライは、それゆえにアメリアのことを知っているのよねv彼は
そんなアメリアの言葉に。

「どうして、そこに聖王国セイルーンの名前が出てくるんですか!?」
アメリアに食って掛かっているルフィニア。
「おや、知らないんですか?このアメリアさん。これでもセイルーンの王女ですよ?」
にこにことあっさりいっているゼロス。
「・・・・何を馬鹿な・・王族の名前を語ると・・・!」
語るとはといいかけたルフィニアの台詞を。
「・・・・ルフィニアさん、それ以上いったら。
  僕としてはあなたにこの神殿を出て行っていただかなくなくては、ならなくなりますよ?それでなくても。
  王族に対しての、先ほどからの、あなたのその悪口雑言の数々。
  アメリア王女がこういう性格でなければ。その場で手打ちになっていてもおかしくなないのですよ?」
ため息をつきつつ、そんなことを言っているこのサプラス。
―びし。
「・・・・・え?」
サプラスのその言葉にしばし凍りつき。
き゜き゜ぃぃぃ。
とアメリアをみているルフィニア。
「・・・・と・・とにかく。事を公にしないで頂きたいのですが・・アメリア王女・・・
  今回の一件に対する、調査は許可いたしますから。あ、でも、修行の邪魔はしないでくださいね?」
凍り付いているルフィニアを横目に、アメリアに言っているサプラス。
「任せてください!」
「・・・・ほとんど脅迫に近いぞ・・アメリア・・・。」
そんな瞳をきらきらとさせて、勝利のポーズをとるアメリアに。
ゼルガディスが小さく溜息つきつつ、つぶやいているけど。
こういうのは、取引っていうのよvゼルvv


とりあえず。
ええ!?僕が!?」
「あんただったら、子供というのもあって。簡単に話すでしょうが
あたしの言葉に、
こくこくとうなづくフィブ。
調査をするのに。
あたし達がロコツに調査しまくるよりは『子供を使ったわ方が能率がいいのでは?』とゼルが提案し。
大まかな情報収集は、フィブの役目となっている。
「もし違う情報、掴んできたら、分かっているわよねv」
にっこりというあたしのその言葉に。
なぜか真っ青になって、活動しているフィブの姿がそこにはあったりするけども。

とりあえず、フィブがその外見の騙しで得た情報は、そんなに重要なものでもなかったりする。
まあ、フィブ程度にあてにはしてなかったけど・・。
かといって、調査もせずに、いきなり、真実を言ってのけて。
はい。それまで。
というのも面白くないし


「今日の情報は、このくらいだよ?」
いいつつ。
その日の夜。
あたし達の部屋にて集会を開いているときに、フィブが今日聞き出した情報を話し出す。
まず事件の心労で、神官長のカゼフが寝込んでいるということ。
どこかのエルドランじゃあるまいし
その代わりに、副神官のサプラスが切り盛りしているということ。
子供だから警戒もなく臆面もなく、ウィニーにの影口などを堂々と言い放つ神官たち。
そして、事件の殆どは絶対にウィニーの周りでのみ頻発しているということ。
「もし、今回の一件が。何かまた陰謀のたくらみで、物騒なことの兆しだったら。いけませんしね。」
アメリアが二度にわたる、セイルーンの魔族介入を思い出し、つぶやいていたりする。
「まあ、少なくとも、今回は、魔族からみではないでしょうよ。気配しないし。ね?ガウリイ。」
「とゆーか、あのゾンビからした気配が。
   あの、ルニなにとかっていう姉ちゃんの気配がしてたが?それって関係ないのか?リナ?」
のほほんと、核心を、さらり、といってのけるそんなガウリイのその台詞に。
「・・・・お゛い゛!」
思わずゼルが突っ込みの声を上げていたりするけけども。
そして。
「が・・・・ガウリイさん・・・見ただけでつかめますか・・。術者の波動を・・・」
本気で驚いているゼロスだし。
いきなりのガウリイのその言葉に思わず目を点にしているアメアリとゼル。
そんな会話をしていると。
・・・きし・・きし・・・。
耳を澄ませば聞こえてくる床板を踏む音。
とりあえず。
アメリアの身分が身分なだけに。
下手に邪険に扱うわけにもいかないらしく、本殿の客間にとあたし達は泊まっているのであるが。
本殿とは少し離れた別館の一つ。
ここにいるのは、今はあたし達だけ。
そんな二階の階段を上がってくる足音数個。
「まあ、それはそうとして。折角、お客さんなんだし?
    あ、ゼロス、ゼル、ガウリイv粉砕しちゃ駄目よv生き証人v」
にこりというあたしの言葉に。
「はいはい。」
「・・・まあ、術者に向かって移動しろ。くらいの命令変更は簡単だもんね・・。」
つぶやくフィブに。
「?ずいぶんと詳しいんだな?子供のくせに?」
そのつぶやきが聞こえたゼルが、フィブにと視線を落としてゆく。
「ほらほら、雑談してると、ほら、来ましたよ?」
にっこりと笑って、指し示したゼロスのその錫杖の先には、またまた五体のゾンビ達の姿。

「シャドウ・スナップ。」
「・・・ゴメンだけど、大人しくしてねv」
にっこりと笑って。
縄をシャドウ・スナップで動けなくなったゾンビにかけているフィブ。
どうでもいいけど。
彼等に乗り移っている低級霊を精神世界面から脅していたりするんだけど。
フィブは

「・・・ちょっと!?何よ!?これ!?」
開口一番がそれである。
「何って、あたし達の部屋を襲ってきたゾンビよ。これ。」
「僕としては、どうして、こんな時間に、ルフィニアさんが。ここにいるのかが気になりますけどねぇ
   普通、もう皆さん、眠っている時間帯じゃありませんか?」
にこにこと。
本館の本館のほうに襲ってきたゾンビを連ねて縄で縛り上げ、証人としてつれてきているあたし達に。
本館と別館をつなぐ廊下の先で、あたし達の姿をみるなり叫んでいるルフィニア。
「ふっ。水を飲みに起きたにきまってるじゃないのよ!そいつらに襲われたって確証や証拠はあるわけ?
   おおかた、自分たちで呼びだして。こいつらに襲われましたというデモンストレーションじゃなくて?」
どうでもいいけど。
深夜にそんなに大声で叫んでいると。
バタン。
わらわらわら・・・・。
ほぉら、何ごとかと思って、全員起きていてるしvv
「何をいっているんですか!
  一応、聖魔法で、術者が特定できる術があるから!こうして、証人としてつれてきているんじゃないですか!」
一応、巫女の高等魔王の中に召喚したものを特定する術がある。
かなりの高位のものでないと伝わっていない術なのだけど。
別に誰にでも伝えても害はないでしょうにね。
その程度の術程度v
「ふっ、そんなことは、信じられませんわ!ホーリィブレス!」
カッ!
いきなり呪文を唱えてゾンビをかき消しているルフィニア。
「おほほ!これで、あなたたちがそのゾンビを使ってよからぬことをたくらんでいたにしても。
  もう何もできませんわね!おほほ!」
おきてきている神官たちの目の前でゾンビをかき消しているルフィニア。
「―いい加減にいなさい!ルフィニアさん!あなたは何ということをなさったのですか!?
   ―今、アメリア王女がいった術というのは存在するのですよ?
   まだあなたは見習いだから知らなかったかもしれませんが。
   それを使えば、今回の一件が誰によって引き起こされているのか。すぐに分かった貴重なゾンビを・・・。」
きっぱりと。
ルフィニアの目をみて。
ずんずんと神官たちをわつつ、近づいてくるサブラスの姿。
その言葉を聞いて、ぴくんと肩を震わせているルフィニア。
「まさか、ルフィニアさん。何かそれを知ってて、わざとゾンビを無に還したんじゃあないですよねぇ
   あれだけ、僕達にいろいろといってましたしねぇ?」
―ザワ!!!
にこにこと人のよさそうな笑みを浮かべていうゼロスの言葉に、神官たちの間に動揺が走る。
「何を馬鹿なことを!そんなの分かりきっているじゃいのよ!
  ゾンビが出てきたときには、必ず、ウィニーが近くにいた!だったら犯人はウィニーに決まっているじゃないのよ!」
断言するルフィニア。
「違いますぅ!」
起きて着ていたウィニーが、その声にと否定の声を上げてゆく。
「何をいっているのよ!今回の事件の犯人は貴女以外の誰がいるっていうのよ!
  元ネクロマンサーなんて、一体何を考えているのか!?
  どうせ、ここでの修行が気に入らないからって、腹いせにゾンビやスケルトンを呼び出したに違いないのよ!
  この私は将来、立派な大神官に出世された、サプラス様と結ばれる運命にあるのよ!
  貴女が犯人にきまっているでしょう!」
そういうルフィニアの言葉に。
「・・・いや・・・そーいう予定はないんですけど・・・」
困った顔で抗議の声を上げているサプラス。
「違いますったら、違いますぅ!あのアンデットたち!あたしが創った子供達じゃあありません!絶対に!
    あんな下手くその創り方したら、アンデッドたちもかわいそうです!」
むか。
あ、面白い、思いっきり反応してるしvルフィニアは
「下手くそとは、何よ!失礼ね!」
ウィニーの言葉に、思わず抗議の声を上げているルフィニア。
『・・・・失礼ね?』
その場にいた神官全員とアメリア、ゼルガディスの声が一致する。
ひくっ!
し・・しまった!
あわてて、口を押さえているルフィニア。
「おやおや、今ウィニーさんの言葉は。アンデットの製作者をけなしたんですがねぇ?
    何なんですかねぇその『失礼ね』という意味は
にこにここに。
にこにこと笑いつつもさらに追い討ちをかけているゼロス。
「まあ、どうでもいいが。術者の特定できるんだろ?もう一人残ってるし。
   それに術をかけたら話しがはやいんじゃないのか?」
「あー、そーいや。ついでだから、脅して、部屋の掃除をさせていたゾンビが一人、残ってたわねぇ。」
ガウリイの言葉にうなづくあたし。
ついでなので、部屋の掃除を命令したのであるが。
まあ、あたしからではないけど。
フィブをとおしてねv
「な゛!?どうして、呼び出した私以外の命令を!ゾンビがきいているのよ!?」
―ザワワワワワ!!!
はっきりきっぱり。
動揺して言い切っているし、このルフィニアはv
この場におきてきた神官たちは全員ざわめきを最高潮にと達していたり。
「・・・まあ、僕はうすうすは感づいてしましたけどね・・・。
  ですから、確かめるために、ウィニーに、町などによくお使いにいってもらっていたんですよ。
  本当はあとで、リナさん達やアメリア王女、神官長と相談して、もう少しことを穏便にと、処理したかったんですがね・・・。」
などとため息をつきつついっているサプラスの姿がそこにあったりするけども。
まあ、当人が、きっぱりと。
全員の前で断言してちゃあねぇ
自分が呼び出したって
「何てことですか!まがりなりにも、神に仕える巫女見習いが!そんな愚かなことをしていたなんて!」
アメリアの声に。
「とれはともかく、どうしてこんな馬鹿なことをしていたんだ?」
あきれて溜息つきつつ、問いかけるゼル。
そのゼルの問いに視線を泳がせつつ。
「・・・そ・・・それは・・・。ウィニーが何となく気に入らなかったから・・・。」
「なぁぁんですってぇ!?そんな理由で、罪もない人々を!
    ゾンビなどを使って苦しめていたのですか!?そんな理由、天が許しても、このアメリアが許しません!」
どうどうどう。
「お・・・おちつけ、アメリア・・な?ガウリイ!アメアリを止めるのを手伝ってくれ!」
頭にきて、呪文を唱えようとしているアメリアを必死に止めているゼルに。
「・・・何か最近、アメリア、リナに似てきてないか?」
「恐ろしいことをいってくれるな!」
・・・・こら・・・
「こら!あんたたち!それは、どういう意味よ!」
そんな会話をアメリアを引き詰めつつ、交わしている、ガウイリとゼルに思わず突っ込むあたし。
どこが恐ろしいっていうのよ!このあたしが
こんなに華奢で綺麗なあたしに対して♡失礼よね♡まったく♡

「ま・・・まあ、とりあえず、こうなった以上。言い逃れはできませんよ?ルフィニアさん?」
今だにざわめく神官たちの間から、静かにサプラスの声が響いてゆく。
ガタン!
その声と同時に、ルフィニアは、いきなり無言で駆け出し。
そのまま、廊下の先にある奥の扉にむかって駆け出し。
そして。
窓を開いて、地面にと飛び降りてゆく。
「あ!待ちなさい!」
サプラスが抗議の声を上げ、そんな彼女を追ってゆく神官たち。
「なあ、リナ、こいつ、どうする?」
ルフィニアを追いかけていった後に残るは。
奥の部屋から、フィブと一緒に出てきたガウリイ二人に連れられたゾンビの姿。
アメリアは、正義の名前の下に裁きを下します!
といって、窓から飛び降りて、追撃にと回っていたりする。
「とりあえず、ここの床掃除でもやらしておきましょ
あたしの言葉に、なぜか、取り付いている霊が泣きつつも。
雑巾片手に廊下を磨いてゆく姿が見受けられていたりする。
「さて、とりあえずは、あたし達も追いかけますかv」
いって。
あたし達もまた、横にあった窓から地面にと降りたってゆく。


やがて。
アメリアや数名の神官、そしてサブラスに追われたルフィニアが足を止めて振り向いたのは、神殿の裏手にある墓地。
「ルフィニアさん!もうおやめなさい!」
サプラスの静止を無視して。
「群霊覚醒呪(ネクロ・ヴード)!」
もご・・・
辺りの大地がうごめき、地面から吐き出されるようにして、五体のゾンビが地面にと足を下ろしてゆく。
「さあ!お前たち!この場にいる私以外の人間をやっつけておしまい!」
ルフィニアの命令に答えて、ゾンビ達はのたのたとこちらに向かってやってくる。
「・・・何考えているんでしょうか?この人間?」
あきれつつ、にこにことわらっているゼロス。
追いかけていた神官たちは、口々に浄化の呪文のカオスワーズを唱えているけど。
どうして、力ある言葉だけで、発動できるまでに。自らを高めないのかしらねぇ
誰にでもできることなのにv
「群霊覚醒呪(ネクロ・ヴード)!」
「群霊覚醒呪(ネクロ・ヴード)!」
「群霊覚醒呪(ネクロ・ヴード)!」
早口で、じゅもんを唱え、数で押す気のルフィニア。
「ゼロスお兄ちゃん・・・・」
いって。
ゼロスの後ろにと隠れているフィブ。
アメリア達の目には、次々にと作り出されるゾンビに対して怯えているようにと映っているが。
アメリア達の死角に入ったことを確認して。
パチンv
にっこりと指を鳴らしているフィブ。
その刹那。
呼び出されたゾンビ達が、苦しみ始めるが。
「うっとうしいですねぇ
パシュ!!!
それを隠すかのようにゼロスがそういうや否や杖をゾンビ達にと向けると、
光の帯が彼等を包み瞬く間にとゾンビ達を消滅させてゆく。
「・・・ゼロスさん・・今・・カオスワーズ・・唱えてました?」
そんなゼロスを、少し驚いてみているサブラス。
「くっ! 群霊覚醒呪(ネクロ・ヴード)!」
それでも、懲りずにゾンビを作り続けるルフィニアに。
「もう、止めてください!ルフィニアさぁん!そんな使われ方をしたら、ゾンビさん達がかわいそうです!」
涙ながらに抗議の声を上げるウィニー。
当然のことながら、そんな抗議の声には耳を貸さないルフィニア。
「群霊覚醒呪(ネクロ・ヴード)!」
構わずに、またまたゾンビを呼び出しているし。
どうでもいいけど、一度にたったの五体しか呼び出さない技量しか、もってないなんて・・・力がないわねぇ・・・。
そんにルフィニアをみて、悲しく溜息をつきながら。
「・・・しかたありません・・・ならば、貴女は私が止めて見せます!」
いうなり、呪文を唱え始める。
「―これは・・・死霊術?!」
ウィニーの唱える呪文が浄化呪文のそれでないのに気づき声を上げているほかの神官。
「―へえ。あの人間少しはできるね。」
ウィニーの唱えている呪をききながら、今だにゼロスに怯えて掴まっているようにと振舞っているフィブ。
やがてウィニーの術が完成する。
「冥王朧呪(ラグナドライブ)!」
ウィニーの言葉に答えて。
一体のゾンビが、ルフィニアから少し離れた場所にと出現する。
「・・・確かに外見からまったくことなりますねぇ・・。」
それをみて、感心したような声を上げているゼロス。
パリッとした黒の埋葬着姿。
滑らかな動作で、ウィニーに一礼を送り。
『マスター、ご命令を。』
いって小さく笑みを浮かべるそれ。
口元からこぼれる黄色い歯がねらりと輝く。
『し・・・しゃべった!?』
思わず声を上げているゼルとサプラスや他の神官たち。
「へぇ・・人間でもここまで冥王様の力が何たるか。理解して使う人がいるんですねぇ。」
感心したような声を上げているゼロス。
「・・・こんど勧誘しよっかな?」
などとつぶやいているフィブ。
そーいえば。
「あら、そーいえば、ゼルは見たことなかったのよね。ウィニーが創ったゾンビが話すのをv」
あたしの言葉に。
「そーいえば、あのときまだゼルガディスさんはいませんでしたしね。」
ふと思い出しているアメリア。
そんな会話をしていたり、驚いているほかの神官たちとは関係なく、ウィニーは、びしっとルフィニアを指差して。
「あの人を止めてください!けど乱暴にしちゃあ、駄目ですよ!」
『イエス、マスター』
いうなり駆け出してゆく、生前の名前はサウンド。
生身の人間と同じ速さと機敏な動作で、駆け出してゆく。
ルフィニアの創ったゾンビ達があくまで受けている命令は、『この場にいる人間』を倒すことのみ。
ウィニーのゾンビはまったくのノーマーク。
慌てて、ルフィニアは新たにゾンビを作成し。
「そこのゾンビ・・・!」
いいかけて、言葉に詰まる。
なぜか、人が使うゾンビの作り方は、はっきりいって融通が効かない。
単純ではっきりとした命令にしか従わない。
ルフィニアも気付いたらしく。
もし、『そこのゾンビを倒せ』とでもいうものなら。
自分が呼び出しているほかのゾンビも倒すという事実に。
そのためらいの時間の差が十分過ぎるほどに、ゾンビサウンドはウィニーの前にと辿りつく。
「―ひっ!?」
慌てて身を引こうとするルフィニアの両肩を、サウンドはしっかりとがしぃ!と掴み。
そのまま、引き寄せて―。
・・・そーいや、こいつに乗り移っている霊・・・女ったらしで有名だった男性の霊なのよね・・・・。
ちぅぅぅぅぅぅぅ!!!
刹那。
周りの空気が凍りつく。
ププププ!
笑っちゃいけない・・・いけない・・。
とおもいつつも、必死で笑いをこらえているゼロスとフィブ。
そう、生前の動作のままに、女性を騙せらせる方法は、ディープ・キスが一番
とばかりに。
ゾンビとなっている彼は、ルフィニアに対して、いきなりディープキスをきましているし。
その腐った舌を口に入れられて。
「――はぅ!」
余りにも面白い・・もとい、恐ろしいというか周りから発せられるその感情が。
かなりおいしい攻撃に、いともあっさりと気を失うルフィニア。

「・・・うーん・・・。」
全員でというか。
あたしの指を鳴らしただけの、エルメキア・ランスの雨で。 消え去ったゾンビ達をあとに。
完全に失神しているルフィニアに複雑な視線を送っているアメリア。
「つまりは、始めから気付いていたんですか?サプラスさん?」
隣にいるサプラスにと聞いているアメリア。
「ええ、大方の検討は。それでいざ証拠を固めようとしていた最中。アメリア姫たちが見えられましてね。それで・・・」
そんな会話をしている最中。
気絶しているルフィニアを他の神官がずるずるとひっぱってゆく。
「しかし、ウィニー。アンデッドが苦手といっていた割には。 先ほどは怯えてなかったな。」
とりあえず、ようやく終わった。
という感じで話しかけているゼル。
その言葉に。
「・・はい、何か、彼女が呼び出した。
  あのゾンビさん達が迫害されているのをみて、かわいそうだなぁ・・って思ってたら。
  ついいつの間にか、そんなに苦手じゃあなくなっていたみたいですぅ。」
「そ・・・そーか・・・。」
そんなウィの台詞に少し引いているゼル。
「では、ひょっとして、ウィニーさんは、死霊術士にと戻るおつもりですか?」
ゼロスの問いかけに、ウィニーは静かに首を横に振り。
「いえ、。やっぱり僧侶の道を進もうと思いますぅ。
   今回の一件で特に僧侶になって、皆が仲良くなれるような、世の中を作りたいとおもったんですぅ。」
「うんうん。感心な心がけですよねぇ。微力ですけど、僕もそのお手伝い、させてもらいますよ。」
横でしみじみとうなづくサプラス。
「ありがとうございますぅ!サプラス様!
  あたし、絶対に頑張ってみんなが―人とアンデッドが。仲良く暮らせる世界をつくってみせますぅ!」
「・・・いや・・・それは・。」
『・・・できればやめてもらいたいような気が・・・』
サプラスと、アメリア達の声が一致する。


結局のところ。
「・・・ま・・まあ、世の中にはいろいろな人がいる・・といことで。」
苦笑しているゼロスに。
「・・・まったく!時間をくったぞ!いくんだろう?ドラゴンズ・ビークに!」
今回の一件は、頭から追い出しにかかっているゼル。
「まあまあ、ゼルガディスさん、いいじゃないですか!これも人助けになったんです!」
そんなゼルにといっているアメリア。
「・・・まあ、確かに。人とアンデッドが共存する世界・・。想像したくないよなぁ・・・。」
ガウリイのつぶやきに。
『それをいうな(いわないでください)』
きっちりと。
声を重ねていっているアメリアとゼル。
「ま、とりあえず、寄り道したし。じゃあ、次はドラゴンズ・ビークを目指していきますか!」
「おう!」
「わかりました!」
「まったく・・いらない時間をつぶしたな・・・・・」
「でも面白かったよ?僕?」
「ですよねぇ。結構面白かったですね。」
あたしの声に賛成の声を上げるガウリイに、元気よく手を上げて返事をしているアメリア。
時間をくったとぶつぶつと文句をいっているゼルに。
結構、いい食事ができたし、などと思っているフィブとゼロスのこの二人。
ま、何はともあれ。
ちよっとは楽しめたから、よしとしましょうv
あとは、このあたしにチョッカイをかけようとしている、ガーヴのやつを待つのみねvふふふ

そんなこんなで、あたし達は旅は当分続く


                           ~ガッツだ!元ネクロマンサー編終了~



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    あとがきもどき:
         薫:・・・眠いぃぃ!!
            というわけで・・・。
             後書きは明日に回します・・・・お休みなさい・・・。

         薫:はい!というわけで、朝です!(爆!)
           この後。カタート山脈に出向くのです・。
       エル:といいつつ、本編・・・。
        薫:・・・・・ぎぐ(汗)
       エル:確か、二度目のセイルーン偏で・・・・。
           止まっているままよねぇ
        薫:(だくだく・・・・←滝汗)
           それとか、リレー小説もあります!(開き直り!)
           とりあえずは・・・・・。
           人様に押し付けている小説を完結させいと・・(当たり前!)
       エル:それで?
        薫:・・・・うーん・・・。前回公言したあのシリアス話・・。
          どうしよっかなぁ??と思案中です・・・・・。
          一応、あれ題が決まってないので・・・。
          もう一つの話は・題は始めから決まっているけど・。
          にたよーな話を先に『書き殴り』で投稿されてますし・・・・・。
       エル:でもあれは、確か、短いわよね?
        薫:・・・・多分。
       エル:・・・・そーいや、最近というか、始め以外の小説は・・・。
           あんたは頭の中で完結させてるのよね・・・・・。
        薫:そーなんですよ・・・。
           ま、何はともあれ!次回!
           今だに未収力!なのは当然のこと!
           祝!スレイヤーズ短編100話!
           の、話をいくのです!
       エル:読んでない人は、即一月号を月間ドラゴンマガジンを。
            購入するように(はあと)
           でも・・・何でスペシャルではあたしが欠片もでてないのよぉ!
        薫:・・・・・あ・・・・あの?エル様?(滝汗)
       エル:あたしの『ブラリエル様旅日記』はどうなってるのよ!
        薫:・・・・それ、いつかのあとがきで、エル様が一方的に・・・・。
          な・・・何でもないです(視線が怖かった)
       エル:まあ、何はともあれvv
    エル&薫:それでは!また!

  2003年1月22日某日




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