まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

こんにちわ♪
何と、まともに、編集したら・・。まだこれ・・打ち込んでなかったんですね・・・あはは(汗)
というわけで、漫遊記、番外編v今回は、2巻のラビリンスvOAVにもなってますけど、この話v
ではではvv  今回は・・・エル様・・でなかった。
リナ様(呼び捨ては怖いので)は、・・おとなしめ?

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    エル様漫遊記・番外編   ~ラビリンス偏~



どぉぉぉぉぉぉんんんんん!!!
「うわぁ!姉ちゃん!早く逃げろ!」
爆発と共に巻起こる炎。
テーブルについているあたしに、言ってくる、一人の男性客。
「まだ食べてないから。」
いいつつ。
テーブルに盛られている、スペシャルディナーフルコースAセットを口にと運ぶ。
さらに続く爆音の音。
「くぅ!その気持ちは分かるが、俺だって、奮発して頼んだ、シメさば定食が!しかし、命あってのものだねだ!」
どごがぁん!
さらに、飛び火して、引火した炎があたしがいる宿の一階の食堂を埋め尽くしてゆく。
『火事だぁぁ!』
叫びつつ、外に逃げ出す泊まり客。
「・・まったく。少しは、大人しくしなさいよね。」
つい。
おもむろにと手をかざす。
その刹那。
ピタリ。
そのまま、炎が固まったようにと動かなくなる。
「さって、続きを食べますかv」
炎を凍らせておいて、そのまま食事にと専念するあたし。
「・・・・・・え?」
固まっている炎をなぜか、冷や汗を流して見ている、他の客などもいたりするけど。
ま、関係ないし。
そのまま、もくもくと食事を続け。
「よっしv食べたv」
そして。
「もう、動いてもいいわよ?」
そのあたしの言葉を待っていたかのように。
ごぉぉぉぉぉ!
どっがぁぁぁぁん!
この村に一件しかない宿屋が盛大に炎にと包まれてゆく。
「おーほっほっほっほっほ!」
宿屋の屋根で高笑いしている人物が一人。
『誰かいるぞぉ!』
指を指す見物人たち。
「あああ!儂の宿がぁあ!」
叫を上げている宿屋の主人。
目の前では、完全に炎に包まれて焼け落ちていっている宿屋の姿が。
「おーい、姉ちゃん、あぶないぞぉ!?」
ガラガラガラ・・・・・。
ズズズ・・・・・。
数名が声をかける前で。
「おーほっほっほっ!・・って・・んきゃぁぁ!?」
ごぉぉぉぉ・・・。
そのまま、炎に包まれつつ。
一緒くたに宿屋と共に焼け落ちてゆく、一人の女性。
ま、毎度のこと、というか、彼女だしね

全身に包帯を巻きつけて、松葉杖をつき。
「まったく、寒いから、暖炉を取ろうとしたら。その炎がカーテンに燃え移ったのよね・・。」
などと、まったく反省の色を見せてない。
「・・・あのね。暖炉を取るために。いちいち、宿屋を燃やすんじゃないの
ま、ナーガだし。
はっきりいって、一応は、とある国の王女というのにも関らずに。
母親の形見の、殆ど布のない服を着こなし。
露出度の高いコスチュームに、その胸元には、ドクロのペンダント。
ついでに、肩当の黒いショルターガードには棘が付いていたりする。
自称、白蛇(サーペント)のナーガ。
意味もなく、このあたしにくっついて旅をしている人間であるけども。
「ふっ。甘いわね。リナ。これは、不可抗力というものよ!おーほっほっほっほっ!」
「燃やしてもいいけど、それを再生させる方法くらい、いい加減に覚えなさいって
まったく。
これで、すでに何件目のことか。
「ふっ。おーほっほっほっ!そんなこと、無理に決まってるじゃないのよ!おーほっほっほっ!」
「威張るんじゃない!」
ごがっ!
とりあえず、その辺りの空気を集めてナーガの上にと落としておく。
「・・まったく。こう暖炉を取ったり、術の研究しているたびに宿屋を燃やしてどうするんだか。・・ま、面白いけどv」
くすくすと少し笑っているあたしと。
見えない空気の塊に押しつぶされて、ぴくぴくしているなーがの元に。
「すると、この火事は、その姉ちゃんのせいだってことか!?」
「どうしてくれるんだ!?たった一件しかない宿屋なんだぞ!?」
「役人に突き出せ!」
などと、口々にわめきだす村人達。
「あー。はいはい。ま、少し静かにしててねv」
そんな人々を軽く受けながし。
ぽう。
手に小さな光の球を出現させ。
ぽい。
そのまま瓦礫と化した、燃えつきている宿屋に向かって投げておく。
その刹那。 
―カッ!
一瞬の光と共に。
眩しさに目をつむった村人達の目の前には、次に目を開いたそこに、燃え落ちる前の宿屋の姿があったりする。
ついでに、殆ど新品同様にしてみたりしたりして。
『・・・・な・・・・・なにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!?』
なぜか、そんな簡単なことで村人達や、宿屋の主人の絶叫がその場にと響き渡っていたりするけど。
簡単なことなのにね


「実は、折り入ってお願いがあるのですが・・・」
「おーほっほっほっ!儲け話なら、このナーガ様に任せなさい!」
ざわめきをみてとり。
未だに宿屋の前でざわめく村人達の間からこの村の村長がやってくる。
あらv
お願い=儲け話。
そう感じとり、一気に回復しているナーガ。
『うどわ!?』
あの姉ちゃん・・火傷まで治してるぞ!?
というか、折れていたはずの骨は!?
などと、周りから、ナーガの復活に面白いほどに驚愕の声が上がっていたりするけども。
まあ、ナーガは丈夫だから。
「え・・・ええと・・その。どうやら、かなり実力のある魔道士様達とお見受けしました・・・」
そういいつつ、汗をぬぐい冷や汗一つ、周りにいる村人達にと目配せする。
「村長!?まさかあれを!?依頼する気ですか!?」
一人の村人が叫ぶ。
それと同時に。
ざわっ!
一気に、その場にいる村人達がざわめきを増してゆく。
・・・確かに。
こんなことができるんだったら・・・・あの吸血鬼、退治してもらえるかも!?
だが、素直に依頼うけてもらえるか?今まで吸血鬼と聞いただけで、逃げ出した奴もかなりいるぞ?
などと、ひそひそと、話しこんでいたるする数名もいるようだけど。
このあたしに聞こえないと思ってるようだけど。
このあたしは、聞こえるどころか、その心で思っていることまで、全部分かるんだけどねぇ。
ふふ
「あれって何よ?儲け話じゃないんだったら。話しに乗らないわよ?」
ずいっ。
村長の顔の前に顔を突き出すナーガ。
そんなナーガに多少ひきつつ。
「い・・・いや、実は・・・あなた方に、人命救助を依頼したくて・・・」
「・・・人命救助?」
その言葉に、眉をひそめるナーガ。
「実は、この村から少し離れた場所にある、とある遺跡に、数日前、肝試しと称して。
  出かけていった村人達が、未だに戻ってこないんです・・。」
いきなり、吸血鬼退治といったら、断られるか、もしくは、依頼料を吹っかけられるから。
救助依頼ということにしておけばどうにかなるかもしれない。
などと、心で考えつつ、言葉を選んでいる村長。
くす。
「どうして、誰も救助にいかないの?」
分かっているけど、その場の乗りというのは大切だしv
聞き返すあたしの言葉に、ほっと一安心した溜息をつき。
「いや・・それが、その遺跡には、最近、何かよくないものが住みついている・・とかいう噂でして・・。
    救助に向かった村人も・・戻ってこないので・・。」
などと、口ごもりつつも、言ってくる。
まあ、嘘とはいえないけど、事実でもないわね。
救助に向かったのではなく、【差し出した】という点が異なっているだけで。
「つまり・・・・その遺跡に行った村人達を助ければいいわけね?」
笑いそうになるのを何とかこらえてあたしが言うと。
「そうです。ちなみに、その遺跡は、かなり昔から・・。
  言い伝えでは、千年前の降魔戦争の当時からあったとか・・。
  こちらの依頼は、人命救助。その遺跡の中にあるかもしれない。
  様々なものは、すべてあなた方に差し上げます。とりあえず・・依頼料は・・百でどうでしょうか?」
そういいつつ。
ジャラリ。
金貨の入った袋をあたしにと手渡してくる。
「おーほっほほっ!任せなさい!この白蛇のナーガ様と。
  その他一名が見事に依頼をこなしてあげるわ!おーほっほっほっ!」
遺跡の中の品物は、すべて好きにしてもいい。
その言葉で、ナーガの瞳の色が変わっているし。
あの遺跡・・・何も残ってないんだけどv
そういいつつ。
がし。
あたしの手をつかんで。
「おーほっほっほっ!さ、行くわよ!リナ!おーほっほっほっほっ!」
高笑いしつつ、詳しい説明も聞かないままに、駆け出しているナーガの姿がそこにあるし。

「・・・・あら?」
引っ張っていたはずのあたしの手が違うことに気づき、ようやく声を上げているナーガ。
ナーガが引っ張っていたのはナーガの横にいた、別の人間。
ナーガに引きずりまわされて目を回しているけど。
「ま、ほっときましょう。それより、リナ!早く、その遺跡というところにいくわよ!」
目を回している村人を、その辺りにそのまま放り投げ。
くすくすと、しのび笑いをしているあたしにと言ってくるナーガ。
ま、この辺りは、食人鬼(グール)の生息地だけど別に害があるわけでもないし。
ほっといたら自分で村に戻るでしょv
「それより、ナーガ、ちゃんと、説明うけてなかったでしょv今から向かう遺跡ってね。
  千年と少し前の神殿の建物が埋没して。情けないことに、たったの千年の間に、落盤なんかで。
  その原型はまったくとどめてないし。奥もかなり広いわよv」
くすくすくす。
忍び笑いをしつつのあたしの説明に。
「あら、リナ、よくそんなに詳しく聞く暇があったわね。ともかく!遺跡のお宝がまってるわぁ!おーほっほっほっ!」
そう叫びつつ、駆け出してゆくナーガ。
「・・・説明、聞いたわけじゃ、ないんだけどね
くすり。
そう微笑んで小さくつぶやいたあたしの言葉はナーガには届いていない。
 
辺りには、冷たく湿った緑の匂いが立ちこめ遺跡の入り口には、ぴっちりと生えている蔦の山。
ちょっとした小山程度の大きさのその遺跡。
そこにある山の形が埋もれた神殿で変形なんかもしているけど。
その変形した箇所がすべて、神殿の埋もれた部分。
「ふっ。分かったわ。リナ。これ、ドラグスレイブか何かで吹き飛ばして!
   やっばり駄目でした!で終わらせましょう!もう依頼料は貰っていることだし!
   おーほっほっほっ!というわけで、アイデア出したこの私に金貨百枚!
   すべてよこしなさい!リナ!おーほっほっほっ!」
遺跡を指さし、ぴしっと言い切るナーガ。
「ふぅん、じゃ、遺跡の中にあるお宝も、壊していいんだv」
―ピク。
あたしの言葉にすぐさまに反応して。
「や・・・やあねぇ。冗談よ。リナ。そんなことしたら、人命救助ができないじゃない。おーほっほっほっほっ・・。」
そういいつつ、額に汗を一筋流しているナーガ。
今、ナーガ、本気で思っていたわよねv
この遺跡を呪文で吹き飛ばして、依頼料をそのまま持って立ち去るということを。
ま、それでも別にいいんだけど。
やっぱり、ここは、面白そうだし。
というか、ここにいる奴も変わってるから、からかうのも面白いしv
とりあえず、ナーガの気分を変えさせて。
あたしとナーガは。
この遺跡の中に、その入り口を覆っている蔦をかきわけて侵入してゆくことにした。

壁にと掛けられている、魔獣の顔のたいまつ。
剣の先に掲げた明り(ライティング)の光で奥にと進んでゆくあたし達。
道に迷わないように。
ま、あたしには別に関係ないけど。
壁に魔法でしるしをつけながら。
ちなみに、つけたその端から。
これまたナーガが魔法でそれを消していってたりするんだけど
ナーガ・・これが印だって・・まったく気付いてないし。
だから、このナーガは面白いんだけど
ふふふふふvvv

しばらく、瓦礫を掻き分けつつ。
といっても邪魔なので、道を塞ぐ瓦礫はそのまま、少し力を飛ばしただけで無と化し。
あっさりと道が開けるその先を滞りなくすすんでゆくことしばし。
「・・・・声ね。」
「そうね
ナーガがふと足を止める。
少し開けた場所で暗い廊下のその先から、響いてくるのは間違いなく、人の声。
・・・・ま、生きている人間の声ではないけど。
ちなみに、会話をしていたりするんだけど。
丁度ナーガにとっては、それが。
ここで迷ったと聞いている人達の声に聞こえていたりするから。
これが結構面白い。
・・違うって教えないでおきましょv
「ちょっとぉ!生きてるのぉ!?」
ナーガが暗闇に向かって叫ぶと。
『おおおおお!』
同時に叫ぶ声と、どんどんと扉を叩く音。
まあ、そこまで、丁寧に・・だから面白いんだけどねv
その声と音を聞き。
「ふっ。どうやら生きているようね。 呼んでも返事しない、死体を捜すのは、結構面倒だからね。おーほっほっほっ!」
そういいつつ、生きていることを確信して。
笑い声を上げ。
その笑い声が遺跡の中にと響いていたりするのもまた面白いし。
くすくすくす。
「ナーガ、どういう心配してるのよv」
くすくす笑いつつ、その声のしたほうにと向かうあたし達。

廊下の壁に一枚の大扉。
その扉に一面の竜の頭が浮き彫りにされている。
声は、扉の向こうから響いてきている。
ま、この向こうにいるのは、確かに、村人・・には違いはないんだけどねぇ。
ふふふふv
扉の向こうから、どんどんと扉を叩く音。
「おーほっほっほっ!この、ナーガ様に任せなさい!」
いいつつ、呪文を唱え始めているナーガ。
あらvこの呪文はv
プチリ。
「い・・・・いたひ・・・」
いつものことなんだから、なれればいいのに。
不便なことに、人間がこの術を発動させるのに身振りが必要。
そして、恒例のことながら。
大きく手を振り上げたナーガはいつものように、肩のショルターガードの棘で頬をさして、その痛みでうずくまる。
ま、いつものこと、いつものこと
「くすくすくす。こういう扉には、仕掛けがあるのよv」
そんなナーガを笑ってみつつ。
その壁にある竜の瞳をかちり、と一気に押すあたし。
ゴゴゴ・・・・。
しっかし。
これ作った、一応、部下Sなんかを信仰していた・・あの人間。
もうちょっと、捻りのある仕掛けくらい作りなさいよね・・・・。
音を立てて、扉が上にと上ってゆく。
この仕掛け。
一度、この部屋の中に入ると中からは、絶対に出れない仕掛け。
外からでないと無理。
よくある侵入者対策の仕掛けである。
どうせだったら、閉じ込められたところに。
針の嵐を降り注がせたりとか、水がその部屋を覆ったりとか、毒蛇が部屋に投げ込まれるとか。
もう少し、罠としてはどれかあっても・・寂しいものがあることには限りない。
開いてゆく扉の中。
転がり出てくる、約十数名以上の村人達。
ごく普通の貫頭衣にズボン。
ありきたりすぎるほどの村人スタイル。
「おーほっほっほっ!一人につき、お礼は・・・・。」
出てきた村人達からもお礼を貰おうとしていたナーガの言葉が、言いかけたところで止る。
出てきた村人達の姿を目にして。
「んきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
ナーガの悲鳴が遺跡にとこだまする。
出てきた村人のすべては全員がゾンビ化しているその姿を目にして。

ゾンビ。
一応、かなりポビュラーすぎる定番の存在。
人の世間の中では、死せる者の中でも一番有名らしいけど
しかも、あんなに弱いことに事欠かないのに定説では、パワーと生命力がしぶとい。そうされていたりする。
一般のゾンビは動きが鈍いのが通常。
これもまた情けないんだけどね・・・・。
どうせだったら!生きたままのスピードを出せるようにゾンビ化しなさいよね!
死んでからでもそんな調整・・簡単でしょぅに・・・・。
まったく・・・。
ちなみに、肉体が死んでも、死に切れなかった存在達の成れの果て。
魔道士や、子供、赤ん坊ですら勝てる存在ではあるが。
面白いことに、そのインパクトがかなり勝っているので一応嫌われていたりする。

腐りかけ、半分目や内臓が、すえたような腐ったにおいを撒き散らしつつ。
歩くたびにぼたぼたと、腐った肉体の一部が床にと落ち。
歩くたびにピシャ・・・と何かがつぶれる音をさせつつ。
じりじりと近寄ってくるのは。
ダダダダダ!
思わず、その場から駆け出しているナーガだし。
まったく。
「はいはい、死んだ人は、きれいに死にましょうねv」
ボッ!!!!
あたしの言葉と同時に。
一瞬のうちに炎に包まれるゾンビ達。
別にあたしが何かをしたわけではない。
ただ、その辺りの空気を少し変えて彼らを自然発火させただけのこと。
いまだにだに心の準備もしてなかったためか、遺跡の中を走り回っているナーガ。
「・・・・とりあえず、追いかけますかv」
青白い炎の中燃え尽きてゆくゾンビ達の最後を見届けないままに。
ふい。
あたしは、その場から姿をかき消し、ナーガの元にと瞬間移動にて移動してゆく。
「・・・あ・・・・あれって・・・やっぱり・・・。迷い込んだ人達のなのかしら・・・・。」
肩で息をしつつ、隣にいるはずのあたしにと話しかけるナーガ。
「ま、そうでしょうね。」
ふい。
「・・って!?リナ!?何いきなり、虚空から出現してるのよ!?」
あたしが、空間から出てきたのになぜか叫んでいるナーガ。
「あらvだって、ナーガが、いきなり走っていったんじゃないv別に、その場で倒せばいいことなのにvゾンビ程度はv」
なぜか、額から冷や汗流しているナーガに。
くすくすと笑いつつ、いうあたし。
その言葉に。
「・・ま・・そ・・・そりゃそうなんだけど・・。でも、いきなり反則じゃないのよ。あの返事は何だったのよ!」
どうにか気丈に答えてくる。
「あらv気付いてなかったのvあれ、この遺跡の中で浮遊しているゴーストたちの仕業よv」
にっこりとそういってナーガに微笑む。
「って・・・知ってたなら教えてよ・・リナちゃん・・。」
うるうると涙をためて言ってくるナーガだし。
うーん。
面白いv
そんなほのぼのとした会話をしていると。
しくしくしくしく・・・・・。
あたし達が今いる通路の奥から聞こえてくるすすり泣き。
通路の途中に、白い靄が人り輪郭をかたどり浮かんでいる。
「・・・ずいぶんと、自己顕示欲の強い悪霊(ゴースト)ね。ふっ。ここは、この私にまかせなさい!」
いいつつ。
腕をかざして、呪文を唱え始める。
だから、その呪文は
先ほどと同じく印を結んだ両手を真上に跳ね上げて。
チクリ。
先ほどと同じく、その場にとうずくまる。
先ほどと同じく、呪文の身振りで頬を棘で突き刺しているナーガ。
少しは学習しましょうvv
「あのね。さっきもやったでしょほっぺた突いたの、ショルターガードの棘でv」
くすくす笑っていうあたしの言葉に。
「・・・・ひん・・・。」
情けない声を上げて、泣いているナーガ。
うーん、面白いv
「でも、しっかし・・どうせだったら。もう少し、力・・付けなさいよね・・。」
ゆらゆらと、あたしとナーガに向かってくるゴーストの数。
たったの二ダース程度。
別にゴースト・・つまり、幽霊がこういった不確定な姿をしてるというわけでなく・・・・。
・・・・・はっきりいって!こいつらが弱いだけ!
普通は、生きている人と変わらないように形がとれるのが普通なのに。
まったく・・・・。
中には、霊になったら、姿が変えられるというのに気付かないで。
死んだときの姿のままで。
頭がぱっくりとはぜ割れたまま、世の中をさまよっていたりする、霊なんかもいたりするけど。
肉体の束縛逃れたんだから、自分の思うがままに姿形は代えられるというのに。
簡単にいうと、精神だけの存在になるわけなんだし。
ま、でも、ナーガがいることだしねぇ。
「無魔烈弾波(ナイトブレイザー)v」
力ある言葉のみを解き放つ。
かざした右手から、深淵に黒く輝く青黒い光の衝撃波がゴーストたちの間を駆け抜けてゆく。
その刹那。
悲鳴を上げて、簡単に消滅してゆくゴースト達。
ついでだけど、ああいう輩には、少し死んでからも、説得が必要なので。
とりあえず、カタートにと送り込んでいるあたし。
精神生命体である魔族にとって。
結構、魂だけのゴーストって、いろいろと利用価値があるのよね。
別に今のは、この世界の精霊魔術とかいうのではなく。
あくまであたしの力の一部。
ま、この世界そのものの力もまたあたしの力の一部であるんだけど。
それはそれ。
無を本質とする、闇の力のその波動。
それに飲み込まれ、あたしの指示通りに。
あの程度で多少のダメージ受けて完全消滅をなぜか、しかけつつ。
カタートにとゴースト達は今の一瞬で送り込まれている。
ま、しばらく魔族の特訓にでも付き合ってもらいましょうかねv
ふふv
だって・・・最近!ここの魔族!かなり弱すぎるのよ!
くう!お母さん、悲しいわ!
『・・・・ふん、少しはやるな・・。』
そんな和気藹々としているあたし達の後ろから聞こえてくる声。
あらvようやく出てきたわね。
「・・・・な゛!?」
声を感じて、振り向くナーガ。
その視線の先には当然誰もいるはずなどはない。
だが、すぐに気を取り直して。
「ふっ。何処の誰だか知らないけど。いきなり話しかけるなんて、礼儀を知らない人ね。」
ふぁさっ。
いいつつ、髪をかきあげる。
 『なかなか、元気のいい、生贄だな。それでこそ、我が血肉となるのにふさわしい。』
声は、通路の先にある、銅像の口から漏れている。
「だから、あなた、礼儀というものを知らないの?
  私は、白蛇のナーガ。これだからその人間性を疑うわね。おーほっほっほっ!」
そういいつつ、高笑い。
『くっ!いうたな!人間めが!我が名は、シュタインドルフ、この迷宮の主にして、高貴なる闇の血を引くもの・・・。』
「あら、何だ、吸血鬼(バンパイア)じゃないのよ。」
あきれたように言っているナーガ。
『ふっ。察しがいいな・・。』
「あら、当然よ、そのいかにも、まったく似合ってないのに、もったいぶったその言い回し!
  まあ、名前に関しては、ほめてあげるわ!おーほっほっほっ!いかにもっていう名前だしね!おーほっほっほっ!
  それに、今どき、自分のことを高貴だの、闇の血を引くだのと、自らをわきまえずに発言するのは。
   自分をわかっていない、愚かな吸血鬼(バンパイア)くらいなものよ!おーほっほっほっほっ!」
さらりと。
当然のことを言っているナーガ。
その言葉にしばし沈黙。
声の主は、ナーガの高笑いにこめかみを押さえていただけでなく。
今のナーガの台詞で、声を出しているその部屋から。
わなわなと手を握り締めていたりするのだけど。
そんな姿は、当然ナーガには、そこにいないのだから、視えないけどね。
ま、このあたしには、何処にいようが、簡単に視れるんだけどね。
わなわなと震えつつ。
『い・・・・言いおったな!!口先だけの人間どもめが!』
わなわなと震えつつ、怒りでその顔に青筋を立てて。
怒鳴っているけど。
・・・・・・・・ほぉぅ。
誰に向かって、そんな台詞・・・・吐いているのかしらねぇ
その声と同時に両脇の壁に灯る明りのランプ。
『ならば来てみるがいい!我が元に! 暗黒の貴族にふさわしい、我が力!とくと見せ付けてくれるわ!』
そう叫び、道を作っているけど。
「・・・ほっときましょ。あんなの。時間の無駄よ。」
「あら、あんな口を聞かれて、黙っているなんて。
  ナーガらしくないv誰に向かって、あんな台詞を言ったのか。十分に理解してもらわないとねぇ
ふふふふふ。
にぃぃこりと微笑むあたしに。
「リ・・リナちゃん・・・・その殺気・・こわひ・・・」
なぜか退さるナーガ。
ちなみに、あたしの目は笑っていない。
なぜか脂汗を流しつつ。
「そ・・それもそうね。よく考えてみると。古代の遺跡、そこに住み着いたバンバイア・・。
  となれば、ここには、お宝があるのは必死!おーほっほっほ!すべてお宝はこのナーガ様のものよ!」
何気に話題を変えているナーガ。
「ま、結局、あの村長は、救助でなくて。このパンパイアを退治して欲しかったようだしね。」
明りの灯った廊下をあるきつつ、いうあたしの台詞に。
「?どういうことよ?リナ?」
理解してないナーガ。
くす。
「つまり、彼らは、私達にあいつの、始末を依頼したかったんだけど。
  始めは、生贄の代わりに差し出す気のようだったけどねv」
くすくすくす。
どうやら、あたしが宿屋を再生させたのをみて。
宿屋をナーガが燃やした代わりに、村人の代わりに、
今回の吸血鬼に対する生贄を思いついたようだけど。
もしかしたら、倒してもらえるんじゃないかな?
と、当たり前のことを思ったらしく。
それでも、吸血鬼退治といえば、依頼料をかなり弾まないといけないと思い。
言葉を濁して人命救助。
という形で依頼してきているあの村の村長。
「???」
未だに理解できなくて、首をかしげているナーガに。
ふふ。
「つまり、よくあるパターンよ。ワンパターンだけど。魔物なんかが山や遺跡に住み着いて。
  近くの村や町に生贄を要求するパターン。この遺跡に住み着いた吸血鬼が近くの村に、定期的に生贄を要求。
  ま、村からそんなのはあまり差し出したくない彼らは大概、旅人とかを差し出してたんだけど。
  いいように、依頼を持ちかけてね。
  旅の最中で行方不明になっても別にそれはよくあることで、気にもされない。
  中には、本当に吸血鬼のことを知り。
  この遺跡にやってくる腕に覚えのある、魔道士や、剣士なんかが退治に出かけたりするけど。
  未だに戻ってきたものはなし。だめもとでまた依頼してきたのよ。あの村長v」
親切にも詳しく説明するあたし。
何て心が広いのかしら
「何ですって!?吸血鬼退治で金貨百枚!?それって、少なすぎるわよ!?」
ようやく理解したナーガが叫んでいたりするけど。
「ま、とりあえず、あんな口を聞いた、あいつ。ふふ・・お仕置きは必要よねぇ
「ふっ。当然よ!すべてお宝をせしめても気がすまないわ!」
そんな会話をしつつ。
あたし達は、通路の奥にと進んでゆく。
 

まあ、無意味に広い空間にその中央の祭壇に置かれている黒い棺。
・・・どうでもいいけど。
こんな遺跡の中でいちいち棺に入ってるんじゃない!
あたし達の目の前で。
ぎぎぃ・・。
もったいぶったようにと音を立てて、開いてゆく棺のふた。
「・・・地下にいるんだから、いちいち棺おけなんかに、入っていなくてもいいでしょうに・・。」
ナーガがそれをみて突っ込みを入れているけど。
確かにそうよねv
どうして、こうも形にこだわる存在が出来たことやら・・・。
あたし、こういうのを期待して創ったんじゃないんだけどねぇ。
面白そうだから創ったんだけど、彼らの種族という輩
ナーガの突っ込みに棺おけから覗く手が止まっていたりするけど。
もったいぶった登場をしようとして突っ込まれたので。
思いっきり蓋を跳ね除けて。
そこから出てくる金色の髪を後ろでなでつけ、黒いマントを纏った長身の男性。
そして、うやうやしくお辞儀をして。
全然似合ってないんだけど?
ふふv
あたしとナーガの方にと振り向いて。
「お初にお目にかかる。私がこの迷宮の主、ヴァンパイア、シュタインドルフ・・」
そういいつつ、言葉を続けようとしているけど。
「ちょっと、そんなのはどうでもいいから。お宝は何処よ!お宝は!」
「ま、こんな所で迷って住み着いているなんて・・。・・あんた、やめたほうがいいわよ。この吸血鬼の生活
ずいっと前に出て言っているナーガに。
くすくす笑いつついうあたし。
その言葉にマトモに顔色を変えているシュタイン。
あ、面白い。
動揺してる、動揺してるv
ど・・どうしてこの私が・・。
この遺跡の中で道に迷って出れなくなってるのを・・知っているんだ!?
などと、なぜか心で葛藤を繰り広げているし。
このシュタイン。
「ふっ。とっととお宝を出さないのなら、やるならとっととかかってきなさい。
   この、白蛇のナーガ様、バンパイアなんて敵ではないわ!おーほっほっほっ!」
おーほっほっほ・・・おーほっほっほっほ・・・・。
部屋にナーガの笑い声がこだましてゆく。
ひくひくとそんなナーガの高笑いと、言葉に、眉を吊り上げて。
「な・・・なにぃ!?人間風情が!そこまでいうならば、我が力、その真実をみて、恐怖に震えるがいい!」
わなわなと震えつつその身の魔力を開放する。
ゴゴ・・。
辺りの壁がその反動で壊れていたりするけど。
「くっ・・・大きいのがくるわよ!」
そう言って構えるナーガ。
ポンv
かわいい音を立てて。
魔力をあんなに開放した割りに・・。
魔力を開放して、その姿を変貌させているシュタイン。
人としての輪郭が大きく歪み、その全身に黒い獣毛が生え、耳が大きくせり出して。
・・まではいいんだけど
「ふはは!みたか!これぞ、我が姿!」
きゅるん。
ウルウウル。
いいつつ、その目の前にいるのは。
せめて、巨大な蝙蝠とかならまだしも。
ま、それでもよたよたとする程度しかこいつは変形できないんだけど。
どうみても、手のひらサイズ。
しかも、瞳は大きく、うるうるときらきら輝いていたりする。
「・・・・・・・・・・・・・・・えい。」
さすがにこれには呆気にとられ、その辺りの石ころをそれにと投げるナーガ。
がごべしゃ!
その石ころすらもよけられず、まともに直撃をうけ。
「ちいちちいちちちい!」
鳴き声を挙げつつ、撃墜されて床に落ちてるし・・。
「や・・・やりおったな!たかが人間の分際で!こうなれば、我が最強の秘術をもって葬ってくれるわ!」
変形を解き、呪文の詠唱を始めているし。
「・・・・どーでもいいけど。それくらい、力ある言葉だけで発動させなさいなv」
「・・リナちゃん、それま・・・確かに。いちいち、バンバイアが・・カオスワーズ唱えるというのもねぇ・・。」
それをみてくすくす笑うあたしの台詞に、うんうんうなづいているナーガ。
「でも、こんな所であんな術使ったら・・。」
あらv
ナーガにしてはまともな意見v
「大丈夫よvほらv」
こんな狭い空間で、炎が炸裂したら、まずこの部屋は壊れる。
それを怪訝しているナーガに。
珍しくそんなことを心配してるのねぇ、ナーガってば
そういいつつ、目線で示すその先でシュタインの呪文が完成する。
「ゆくぞ!炎の矢(フレア・アロー)!」
彼のかざした手の前に。
・・・ポンv
人参よりも短い長さの炎の矢が一本だけ出現し。
「GO!」
『・・・・・・・・・・。』
当然のことながら無言。
シュタインの言葉にその矢は・・。
ひょろひょろ・・よたよた。
まるで、ようやく初めて赤ん坊がはいはいするスピードより、緩やかに匍匐前進をこなすスピードよりも遅く。
ねりねりと空中を這ってくる。
「ふはは!みたか!あまりの恐怖に声も出まい!」
この程度で威張っているシュタイン。
ナーガの目が点になり、よたよたとどうにか、空中を進んできているそれをみているけど。
あたしは、くすくすと含み笑いをこらえている。
うーん、楽しいv
ナーガの呆気にとられている感情も面白いしv
この程度で勝利を確信しているシュタインも・・シュタインよねぇ。
ふふふふ
「滅びるがいい!我が住まいに迷い込んできた愚かものよ!ふはは!」
・・・・・・・
言いたいことは全部言い切ったのに、今だに数センチも進んでいない自称炎の矢と言っているそれ。
「―ああ!間がもたん!」
そういいつつ、ずかずかと祭壇から降りて、わしっとそれを手で掴みそのまま、あたし達の前にと持ってくる。
「これでよし!」
「・・・な・・・なかなか器用な炎の矢ね・・。」
目を点にして言っているナーガ。
いいつつ、それをつん。
手で軽くつつく。
ポテ。
うねうねうね・・・・。
ナーガが少しつついただけで、床に落ちてその場でうねうねとうごめいている炎。
「ああああ!馬鹿な!私の炎の矢が!」
目の前でそういいつつ、かがみこむ。
『そんなものを拾うんじゃない!』
ごげっ!
あたしの放った空気の塊とナーガの放った足蹴りが、見事にシュタインをヒットしていたり。
 
「・・・ちっ。しけてるわねぇ。」
ごそごそと。
棺おけの中にある品物を袋につめつつ言っているナーガ。
その横では。
ざくざくざく。
とりあえず、優しいことに、その辺りに転がっていた、木の枝でシュタインを切り刻んでいるあたしの姿が。
「ちょっとお、リナ、他に何かないか、そいつに聞いてみてよ。」
いいつつ、ガシャリ。
そこにある品物すべてを風呂敷に包んで、持ち運びが出来るようにしているナーガ。
「そうねぇ。ま、あるわけないけどね。それより、誰に向かってあんな台詞、言ったのか。じっくりと説得させないとねv」
じわじわと。
手にしている木の枝が黒く輝いているのは、別にたいしたことではない。
「ひ・・ひぇぇ!?」
枝が突き刺さるたびに腕が一つ、なぜか塵と化していたりするけど。
「あのね。もう少し根性くらいみせなさいねv」
にっこりと微笑むあたしに。
「あああ!すいませぇん!」
こ・・この人間・・・・普通の人間じゃ・・ない!?
というか・・・何なんだぁ!?この力はぁぁぁ!?
身を蝕む黒い何かに絶叫を上げていたりするし。
「あのねぇ、この程度は防ぎなさいよねv
  Sとかはこの程度で消滅するようだったら、スペシャルお仕置き決定なんだからねv」
「あ・・あの?そのSって・・・・?」
「え?シャブラニグドゥのやつv」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
当然のあたしの台詞に。
なぜかしばし絶句しているシュタイン。
まったく!
吸血鬼なんだから!
たかが、中間管理職のSなんかの名前で凍りつかないの!
その名前を聞いて、その場で完全に固まってるし・・。
な・・情けない!
「まあ、そんなどうでもいいことはおいとくとして。リナ、もうここにお宝もないんだったら。戻りましょ。最短距離で!」
いいつつ、天井に向かって呪文を唱え始めるナーガ。
「うわぁ!?こんな所でそんな術を使ったらぁ!?」
こら!
吸血鬼のくせに泣き言を言うんじゃない!
「そりゃ、確かに、ここは、迷宮になっていて!
   この遺跡を発見した私は、近くの村に月に一度の生贄を要求して、
   この新しい住処に、 移り、こうして奥にまで来たのはいいが!
   内部の構造が複雑で、この私ですら道に迷って、外に出られない状態ですが!」
などとわめきつつ。
呪文を唱えているナーガにすがり付いて、止めるように懇願している。
「ちょっとぉ!放しなさいよ!」
どがげしっ!
そんなシュタインを足蹴りしているナーガ。
「ま、確かに、かなり奥まで来ているからねぇ。ここは、ヤッパリv」
「ちょ・・リナ、まって!?」
あたしの言葉に顔色を変えて、あわてて結界を張っているナーガの姿。
意味の分かってないシュタインはキョトンとしているのみ。
「闇よりも暗きもの・・というわけでvギガ・スレイブv」
もちろんv
あたし自身の力を使うんだから、暴走の心配なんかもないしv
「・・・・・え゛!?(汗)」
「ちょっ・・リナ!」
二人の抗議の声も関係なく。
ボシュ!!
あたしの手の平に出現した、黒い球は。
放ったその一瞬で。
この遺跡そのものを完全に無にと変化させていた。
ふっ。
もろいわね・・・。

「あ・・あは・・・あははは・・。」
なぜかあの程度で恐怖を感じて一瞬にして、髪の色を真っ白にし。
しかも、ぺたりと座り込んで、腰を抜かしている、情けないバンパイア・シュタインドルフ。
「おーほっほっほっ!」
がばっ!
がらがらがら・・。
土の中と瓦礫の中から起き上がるナーガ。
「ちょっと!?リナ!いきなりそんな術、使わないでよ!」
抗議の声を上げてくるけど。
「いいじゃないvそれより・・・っとv」
あたし達の周りには、ちょっとした山があったその場所が今や完全に無の空間となり巨大なクレーターと化している。
そのまま、ふっ。
横に手をかざし、軽く指を鳴らす。
その刹那。
フワ・・・
チチ・・
何ゴトも無かったかのようにそこに、遺跡を除く元の自然がよみがえる。
聞こえるのは小鳥のさえずり。
「まったく!あなたのせいで死ぬ目をみたじゃない!」
未だにへたりこんで。
口を半分あけて、あはあはといっているシュタインの襟首を掴みがくがくとゆするナーガ。
な・・・この力は・・あ・・・あはは・・。
あの程度で、なぜか心神喪失状態に陥ってる、このシュタイン。
「まあまあ、ナーガ。こんな約に立たない輩はカタートにでも飛ばしておけばいいのよv
   ま、月に一度村から送られてくる人間達は自分達で勝手に道に迷って。
   低級霊などに憑依されたりとかして、勝手に、ゾンビ化なんかしてたようだし。」
ここ、数年ほど。
このシュタイン、はっきりいって食事と言えば遺跡の中にいるねずみの血などを吸う程度。
後は、遺跡に生えている植物の精気を食べたりとか。
「それより、こいつ、村に連れ帰って。不足分の依頼料、貰うわよ!リナ!」
がしり。
ずるずるずる・・・。
そういいつつ、襟首を掴んでずるずると引っ張り、その場を後にするナーガ。
村にバンパイアを連れて戻り。
村人から、依頼料を別に金貨で千枚ほどせしめて。
その力の半分の精神をもぎとって。
半分は、少し特訓させる意味もあり。
そのまま、Sの元にと送りつけ。
なぜか、いきなり吸血鬼の魂だけが送られてきたことに対して、
Sの戸惑っている姿がカタートで見受けられていたりするけど。
力のない吸血鬼を村に引渡し、あたし達はその村を後にする。
ついでに。
太陽の光の中でも滅びないようにとすこぉし、いじったので。
その後。
朝、昼、夜。
村人達にこき使われているシュタインドルフの姿が見られているようだけど。
それはそれ。

しゅうしゅうと、体から煙を出しつつも灰にならないその体。
「うわぁぁぁぁ!熱いぃぃ!溶けるぅぅ!うわぁぁ!」
『とっとと働け!』
どけしっ!
それより後。
昼間でも体から煙を吐きつつ、畑仕事などをしている吸血鬼の姿がその村の名物として定着していたりするようだけど。

「あああああもう!全然お金にならないじゃないのよぉ!」
遺跡から持ち出した品物は、ほんの金貨数枚程度にしかならなかったことは、述べておく。
ま、たまには、こんなのんびりとした出来事もいいでしょうv

ナーガの絶叫を響かせつつ。
あたし達はのんびりと気の向くままに足を向ける。
さてさて。
次は、何処にいきますかv

                   -ラビランス偏終了v-


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  あとがきもどき:
        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
      薫:ああああ!無言で大鎌を握らないでくださいぃぃぃ!
     エル:あたしがまったく!
        活躍してないじゃないのよぉぉぉぉぉぉ!!

    どぉぉぉぉぉぉんん!    (言葉と共に、辺りに黒い稲妻が荒れ狂う)

     薫:・・一応、主人公はエル様じゃないですかぁぁ!
 
    エル:それでも、活躍してないじゃない!
       せめて、OAVの話しでいきなさい!
       あっちなら、少しは、このあたしが活躍できる場。
       儲けられるでしょうが!
     薫:殆どあの話は一緒じゃないですかぁぁぁ(涙)
       小説と・・・(しくしくしく・・)
    エル:ふぅん・・・。
       そーいうことをいうわけだv
       あんたは(はあと)
     薫:・・・ぎ・・・ぎくっ!(汗)
    エル:んっふふふふv
     薫:ああああ!
       すいません、すいません!
        って・・ひゃぁぁぁぁ!
     ―パシュ・・・。   (何かが掻き消える音・・・)


    エル:・・・まったく。
       さて、今回は、まったく!といっていいほどに。
       このあたしが!活躍していませんでしたねぇ。
       まったく(怒!)
       その辺りの含めてじっくりと説得をするとしますかねv
       なぜか、マトモに編集したら。
       これをまだ打ち込んでない・・というか。
       二巻、三巻、四巻・・・と。
       打ち込んでないのが今さらこいつは気付いて。
       とりあえず、始めのほうからやっつけていくつもりのようです。
       ま、ちなみに。
       恒例通り、リクエストは随時、受け付けているようだけど・。
       もっと、このあたしを活躍させなさい!!
       もう少し根性入れなおしておきましょうv
       それではv
       いつものことながら、こいつの文章は。
       意味になってませんねぇ。
       ではではvまったねv



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