まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
んんんんんんんふふふふふふふふ♡
こんにちわ♪またまたやってしまいます♪
皆さん、購入しましたか?♡
スレイヤーズスペシャル、19巻♪ルナテク・ヘステバル♪
これは、角川のミニ文庫の四巻で、発売されてる小説ですが♡
もう!!!書き下ろしの、小説が、何をおいても、ぐっとです!!!!!!
というわけで♪(こらまてぃ!)
あれ読んで思いついた話をひとまず・・(だからまてぃぃい!)
ちなみに、以前(自分のページ)に乗せたのから、修正ありです♪
#####################################
スレイヤーズ・スペシャル ~飼い主はいずこ?~
― え?無害じゃあ、ありませんよ?
空間を操作した結果、ジョンのいるところでは黒いもやがちょっと出たようにしか見えませんが、
ちゃんと
「……あ、……あの?……どこか……って?」
― さぁ?そこまでは。山の中か、海の底か果ては都市の中心か。
まあ魔族の私としては、このあと皆さんが町に戻ると、そこにはクレーターしかなかった。
何ておちだと大笑いなんですけどね。はっはっはっ。 ―
唐突に。
あたしが、いまいましいあの事件ともいえない出来事を思い出してしまったのは………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
アメリアのせいである!!
断じてあたしのせいではない!!
今回に関しては!!
あたしの視界に映るのは……黒くて、大きさは犬程度。
かろうじて、手足があるのがわかる……
あれ?
以前より、ちょっぴし胴体がまともになってたりするが。
例えていうなれば、年端もいかないお子様が、
利き腕とは逆の手で、うつらうつらとしながら何もみずに書いたような何かの動物。
それがアメリアの手の中で……わきわきと動いていた……
ねえ、夢よね!!誰か……夢だといってぇぇぇぇ!!!!!
「ね!!リナさん!!変わってるでしょ!これ。何ていう動物なんですかね?」
「だ……だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
あたしは、迷うことなく頭を抱えてしゃがみこんでいた。
う……嘘よぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
なんでアメリアぁぁぁ!!
んなもんつれてくるのよぉぉぉぉぉ!!!!
うんそう。
これは悪い夢なのよ……悪い夢……あぅあぅぁぅ………
アカッシの町を後にして。
あたしと、アメリア、ゼルガディス、ガウリイ。
またいつものごとくに、この四人のメンバーが揃ったわけなのだが……
ことの起りは……数日前にさかのぼる。
ちゅどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!
「んっふふふふふ♪」
「お……お前!まさか!?」
『
なぜか声をはもらせていう男達。
まったく。
どうして、こういつも同じ反応なのやら。
「あったりぃぃぃい♪」
どっがぁぁぁぁぁぁぁん!!
う~ん♪すっきりvv
あたしの呪文一つで、面白いほどに壊滅してゆく、とあるアジト。
とりあえず、虚無の海と化したアカッシの町を後にしてから数日。
あのあと、あたし達は、また一緒に行動していたりする。
偶然に、アカッシの町でアメリアとゼルと再会した。
まあ、それはいいとしても。
まさか……ナーガのやつ……
そ~いや……あれ受ける直後に、はじかれてどこかにいってたし……
ちっ。
しとめ損ねてるか……
などと、あたしの心の葛藤はおいとくとして。
……まあ、あれに直撃されて、『それでも生きている。』ということになれば、
もはや、ナーガには、完全版をお見舞いするしかないのだが(汗)
ある意味、はじかれてよかったのかもしれない……
何しろ、
……ナーガならありえるかも(汗)
と、思えたりするから不思議であるが。
まあとりあえず。
ナーガを吹っ飛ばすために消費した、あたしの魔力も元に戻り。
リハビリを兼ねて、いつものごとくに盗賊退治にいそしんでいるあたし。
そこ!?
だれ!?
いつものことじゃないか……
とかいっている人は!?
「ま、こんなものかな。」
あたしは、お宝さんをかき集めつつ、
ほくほくしながら物色を開始して、山道を進んでゆくあたし達。
「リナさん!!これでまた悪が一つ滅んだんですね!!」
ガッツポーズをとって言っているアメリア。
アメリアは、盗賊を壊滅でことに対して満足ぎみ。
まあいつものことだし……
「はぁ……」
「まあまあ、ゼル、あきらめが肝心だって。」
こら!
なんか、ゼルがため息ついて、ガウリイがそんなゼルにと何かいってるし……
あ……あんたらわぁ~(怒)
そんな二人を呪文でふっとばそうか。
と思ったのその矢先。
ふと。
ぴちゃりと、何かが手に当たる。
……冷たい?
「……ん?」
あたしが再度手をかざすと。
ふわ。
何かが、あたしの頭にかぶせられる。
な゛な゛な゛な゛な゛///
「ガガガガガガガウリイ!?//」
いきなり何すんだ!?
こいつは!?
いきなりガウリイが、あたしに彼自身が羽織ってたマントをかけてくる。
な゛な゛な゛!?
「リナ。濡れたら大変だぞ?」
だ……だぁ!!
だからって、いきなりこんなことするなぁ!
「リナさんとガウリイさん、ラブラブです♡」
「あ……アメリアぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!!!!!!///」
ちゅどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!
恥ずかしさのあまり。
あたしは、思わず、
まったく……
いきなり変わったことするんだから……ガウリイは///
ぽっぽっぽっ。
どざぁぁぁぁぁぁ!!!!
「だぁぁぁぁぁ!!!!」
ばたばたばた!!
アメリア達を吹っ飛ばしてしばらくすると、本格的に雨が降り出した。
「きゃあ!!濡れますぅぅ!!」
ばたばたばた。
とりあえず、お宝は全部ガウリイとゼルに持たせて。
雨宿りのためにと、近くにあった洞窟にあたし達四人は入ってゆく。
「
ぽう。
魔力で照らし出された明りが、ほのかに洞窟の中を照らし出す。
「う~ん……これは、やみそうにないわねぇ~……」
あたしが外をみつついうと。
「そうですね。まあノンビリと待ちましょうよ。」
アメリアがいうので。
「ア~メ~リ~ア~。あんたは、こんなところで何日も足止めをくらいたいわけ?」
そこまでいって、あたしは一言。
「……携帯食料……まずいわよ?」
びしっと言い放つ。
そう。
あの携帯食料のまずいこと、まずいこと……
今、あたし達の手持ちの品の中には、あんまり食料がなかったりする。
つまりは。
携帯食料が主だった食べ物であるのだ。
この一言で。
アメリアが、
「何か探してきましょう!!」
と提案してくる。
……よっぽど、まずいのはいやらしい。
まあ、あたしもだけど……
あたし達は、雨を防ぐ魔法をかけて。
これは、あたしのオリジナル。
ちょっとした風の呪文のアレンジであるが。
二手にわかれて食べ物を物色……もとい。
捜すことを決定し、それぞれに食糧を探して外にとでることに。
どごぉっ……
「あれ?今、何かガウリイ、聞こえなかった?」
「ああ。何かな?」
かすかに聞こえた爆発音のようなもの。
まあ、遠くのようで近くのようで。
正確な位置はわかりずらいが。
ガラガラ……ぴっしゃぁぁぁぁん!!!
「き……きゃぁぁぁぁ!!!」
思わず驚く。
雨はどんどん激しさをまし、雷を伴っている。
「……リナぁ……」
ガウリイが何やら、困ったようにいっている。
……はっ!!!
「き・・・きゃぁぁぁあ!!」
思わずあたしは、驚いたはずみに……
そそそそそそそその、ガウリイにしがみついてて……///
「
ちゅっどぉぉぉぉぉん!!!
思わず、ガウリイをふっとばしてしまいましたよ。
あたしは……
「ひどいなぁ。リナが抱きついてきたんじゃないかぁ……」
ガウリイがすこし焦げつつ抗議してくるが。
そ~いうガウリイの目が……
なんか、いつもと違うような気がするのは、多分あたしの気のせいであろう。
「と…ともかく!!食べれそうなもの!捜すわよ!!」
かくして。
あたしとガウリイは、山の中を食べ物を捜して、物色することを再び開始する。
何っかないかな♪
*********
一方。
アメリアとゼルガディス組みはというと。
「きゃぁあ!」
「大丈夫か?アメリア?」
しがみついてきたアメリアをどうにかなだめているゼルガディス。
心なしか、顔色が紅くなっているのは、気のせいではないであろうが。
「だ……大丈夫ですぅ。リナさんの怒りに比べたら……」
リナがいたら、まず攻撃呪文決定である台詞を言っているアメリア。
と。
ドゴォォォォォォォン・・・・・
「何だ!?」
「こっちですっ!!」
彼らの耳に、爆発音のような音が聞こえてきたのはちょうどそのとき。
二人顔を見合わせ、そのまま音のしたほうにと向かってゆく。
降りしきる雨の中。
音の方に歩いてゆくと、そこには馬車が…崖から転落したらしく崖下にと落ちていた。
「……あの上から落ちたのか?」
ふと見上げると。
なぜか、崖の上にある道が途中からなくなっているのが気にはなるが。
一瞬それをみて首をかしげるものの、
「う……うぅ……ん……」
「はっ!ゼルガディスさん!人がいます!!」
「何!?」
アメリアの言葉に、見てみれば。
大破しかけている馬車の傍らに、五人の男性の姿が見てとれる。
ずるずるずる。
ひとまず馬車の傍らから彼らを移動させ、
そして。
「
ぽう。
アメリアの呪文とゼルガディスの呪文が、彼らを癒してゆく。
……と。
『ぶぎゅ。』
何か、小さな声が辺りに響く。
それはどうやら大破しかけている馬車の中から。
「……アレ?」
まだ誰かいるのかと思い、馬車の中を覗きこみ。
アメリアが馬車の中に一つの物体を発見する。
それは何かの箱のようなもの。
その上にと大きな布がかけられて中身が見えなくなっている。
「これ?何でしょうか?」
それを覆っていた布をとると。
どうやら、ショックで、布がかけてあった檻が開いていたらしく。
てとてとてと。
何かがその中から出てきて、てとてととアメリアの方にと向けて歩いてくる。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
何といっていいのか判らずに思わず二人して無言になり。
「……動物…さん?……ですか?」
「……何だ?これ?」
目を点にしつつ、二人してつぶやくように誰にともなく言い放つ。
やがて、その物体というか動物もどきらしきものがアメリアの真横にひっついて、
何やらすりすりとすりよっくてるが。
無碍にもできずに、とりあえず負傷していた男たちの側にとそれをつれてと移動し。
そして、改めて男たちの方へと視線をむける。
と。
アメリアが『それ』をつれて移動したその直後。
「う……ううん。はっ!」
五人の中の内の三人が目を覚ます。
『ぎ……きぼゃぁぁあ!!!!!』
そして、何やら檻の中にいた物体に向かって、指をさし、
何やら意味不明なことをいいながら腰を抜かしていたりする。
「だぁ!!俺は知らない!!知らないったら知らないっ!!」
「こんな依頼はごめんだぁぁ!!」
「だぁぁ!知ってたら、こんな裏の密輸の仕事なんか請けたりはしなかったぁぁ!!」
腰をぬかしつつ、三人が何やら叫んでいる。
「……裏?」
そういえば、この辺りは密輸ルートの一つだったな。
ゼルガディスが、ふと、そんなことを思い出す。
「あの?彼方たち?これは何なんですか?」
ひょいと、アメリアがそれを抱き抱えて彼らにと問いかける。
手触りは、普通の犬と一緒。
重さも犬程度。
『知らない!!知らないっ!!そんな物騒な動物はしらなぃぃ!!』
等と彼らが叫んでいるが。
その言い方だと何かを知っている。
というのは明白。
「うん?ひょっとして、お前ら。グランス三兄弟じゃないのか?」
しばし三人をみつつも、あることに気づいて問いかける。
そんなゼルガディスの言葉に。
「ゼルガディスさん?知ってるんですか?」
アメリアがそんなゼルガディスにと問いかける。
「ああ、むちゃくちゃに弱いので有名だ。」
はっきりきっぱり言い切っているゼルガディス。
ぱらぱらぱら。
そんな会話をしていると。
こつん。
「……けぶ。」
崖の上から落ちてきた小さな石がそれにぶつかり。
アメリアが抱えている物体が、黒いゲっプのようなもやを出す。
まるで例えるならば、魚がこげたときの発生する煙のようにもやもやと。
「あ、ゼルガディスさん。この子、ゲップが黒いですよ?」
アメリアがそれを見て、のん気にそんなことを言っているが。
『う……うどわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!』
なぜかそれをみて、叫び声をあげながら腰を抜かしながら走り去ってゆく男たち。
「……何なんでしょうかね?」
「多分、こいつをどこかに売りさばくつもりだったんじゃないのか?」
ゼルガディスが、アメリアが抱えている黒い物体をみていい。
「?こんな生き物はみたことないな?」
しみじみと観察しつつも、軽くそれの頭らしき場所を手で叩く。
こつん。
「……けぷ。」
ゼルガディスがこつんと叩くと。
またまた、それは口から黒いもやもやを吐き出していた……
結局、アメリアとゼルガディスは。
そのままその場にその物体を置いていいきぼりにするのも後味がわるいので。
リナ達のいる洞窟に、それを連れて戻っていったのである。
*********
「だ……あだぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
あたしは、完全に頭を抱えてしまった。
飼い主!!
何やってるぅぅぅぅぅぅ!!!
アメリアがもっているその物体……というか、生命体……
……実はしっかりと……あたしには心当たりがあったりする……
「リナさん?」
アメリアが不思議がりながら、そんなあたしの様子をみて首をかしげているけど。
「こいつ、変わってるんだぞ?口から、黒いもやなんて吐くし。」
アメリアに続き、ゼルがそんなことをいってくる。
す……すぅ……
血の気がひくのが自分でもわかる。
「みててくださいね。」
アメリアがみせようと、それの頭に手をかざし……
まままままままっ!?
「まったぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
だっしゅ!!
かろうじて、アメリアがそれを叩く直前にあたしは何とか、それをアメリアの手からはぎとる。
「あ……危なかった……」
うう……
やっぱりぃ……
こんな動物……他にはいないしなぁ……
やっぱり間違いないしぃ……しくしくしく………
「リナさん?」
「リナ?」
だ……だぁぁぁ!!!
「ちょいまてぃい!!何で!?アメリア!ゼルガディス!!!!
何であんたたちがこれを連れてるのよぉぉぉぉぉぉお!!!!!!!!」
ずざぁぁぁぁ……
あたしの心情を表すかのごとくに、雨はますます激しさを増している。
「へえ。変わってるな。竜にもこんなやつがいるんだ。」
……はい?
ガウリイが、あたしが持っている物体をみて何やらいってくる。
「…?ガウリイさん?」
「ガウリイ?何をいってるんだ?」
「ガガガガガウリイ?もしかして、あんた……これが『何』なのか…わかるわけ?」
あたしの素朴な疑問に。
「ん?竜だろ?気配がそうだし。でも、何かこいつの周りの空間。
意図的に歪んでるような気もするんだが……」
「ど……どしぇぇぇぇぇ!!? ガウリイ!!?あんた、そんなことまでわかるわけぇぇぇ!?」
「分かるだろ?普通?」
あたしの驚きの声は何のその。
ノンビリといっているガウリイ。
いや。
とゆ~か、恐るべし……というか……
この『物体』をみて、その正体がわかるとは……
ガウリイの野生の勘……あなどれん……
毎回ながら思うけど。
こいつ、本当に人間なんだろ~か???
あたしの心の葛藤を知らずとも無視してか。
「リナ?どういうことだ?」
「リナさん?」
ゼルとアメリアがきいてくる。
……と、まてよ?
「アメリア、ゼル…確かあんた達……こいつが、その……
……『くろいもやもやを吐く』ってしってたけど……何回やった?(汗)」
ひたすらに怖いが、一応確認するあたし。
「ええと。私が二回で、ゼルガディスさんが二回です。……リナさん?」
あ゛……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!?
どうか町などに直撃……してませんよ~に……(涙)
「お願いだから、絶対に二度とやらないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
あたしの涙交じりの訴えに。
なぜか、ひいてるアメリアとゼル。
「リナ?説明してくれないか?これが何なのか知ってるのか?」
うう……
「なんで、こんなとこに、ジョンがいるのよぉぉぉぉぉぉ!!!!!
飼い主ぃぃぃぃい!!!!何やってるのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!」
どざぁぁぁぁ・・・・・。
どんがらがっしゃぁぁぁぁぁぁぁん!!
あたしの叫びもむなしく。
ただただ、洞窟の外では、雷雨が吹き荒れていた。
「……と、いうわけで、この子を保護したんですが。」
アメリアの説明をうけ。
「ゼル、間違いないわけ?その兄弟の名前?」
とりあえず確認のためにゼルとに問いかけると、
「ああ、間違いない。」
こくりと言ってうなづくゼル。
というか、それだと納得がいく。
ともかくそいつらを捕まえて、これをどこから連れてきたのかを聞き出すことが先決である!
多分、知らずに護衛の仕事でもうけて。
そして…その運んでいた物体が……コレだとわかって混乱したのだろう。
まあ、わからんでもないが……
「と…とにかく!!そのグランス三兄弟つかまえて!!
ジョンをどこから運んできたのかを聞き出すわよ!」
あたしがいうと。
「ジョン?それがその子の名前ですか?」
アメリアが聞いてくる。
「……というか、何なんだ?この物体は?」
「だから竜だろ?ディ…なんとかっていう竜。」
こらまてぃ!!
ガウリイ!!
「ガウリイ!!あんた!んなことまでわかるの!?」
「いや、だって気配がそうだし。」
「・・・・・・・・・・・。」
一体……ガウリイの野生の勘って??
当然のようにいうガウリイに、あたしはしばし硬直してしまった。
と、とりあえず……
「え……ええと。この子……ジョンっていう名前なんだけど……
今ガウリイがいったとおり。つまりこの子の周りの空間が、こいつの飼い主によって、
犬のような大きさに見えて感じられるように空間操作されているのよ。」
どうにか言葉を選びながら説明する。
「は?空間操作!?そんなこと、人間に出来るわけがないじゃないですか!?」
そんなあたしの説明に、アメリアが驚いているが。
「というか、そんな実力をもってるやつがいるのか?」
ゼルが信じられない、という表情をしながら言ってくる。
「……いっとくけど……あたしのね~ちゃんあたりはすんなりとできるらしいわよ?」
びし。
あたしの言葉に、なぜか固まるアメリアとゼル。
そう。
あのあと。
あたしが小突いたときの、あのブレスが……
……恐ろしいことに、ゼフィーリアにいったらしいのよぉぉぉぉ!!!!
あのあと、いきなり、ねーちゃんがやってきて……
ぶるる。
考えるのはやめよう……(涙)
「ま……まあ。普通じゃないし……これの飼い主……」
というか、『魔族です』というわけにもいかず。
どうやって説明すればいいのやら。
「で?これの正体と、飼い主ってやつは何なんだ?」
う゛……
どうやらごまかしはきかない……か。
「どうしてもききたい?」
「ああ。」
「どうしても?」
「気になりますし。」
「後悔しない?」
「だから、何なんだ?」
「リナさん。意地悪しないで教えてください!!」
「ほんっとぅぅぅぅうに、いいのね?」
あたしのくどいほどの問いかけに、なぜか額に汗を流しているアメリアとゼル。
ふぅ。
「特にアメリア!!気絶なんてしないよ~に!」
何しろアメリアも、二回ほどあれをやっているらしいし……
もし、それが、町に炸裂していたり…などといったことなどを考えると……
怖いよなぁ…いやまじで……
洒落になってないし(滝汗)
「・・・何かあるんですか?」
さすがに、あたしがくどく確認しているためか、アメリアとゼルが汗を流し始める。
ふぅ。
そんな二人の様子に思わずため息がもれる。
だがしかし、このまま…というわけにはいかないか。
しかたなく意を決して説明する。
「い~い。落ち着いて聞いて。
これ、こんな姿をしてるけど、これは、ただ見た目がこうなってるだけで……
……実際の本当の姿は、
ふっ。
遠い目をしていうあたしの言葉に。
『……はい?』
案の定、アメリアとゼルの目が点になる。
まあ、わからなくもないけど……
とゆ~か、これが『あれ』だとは……ぜったいに見えないしねぇ……
「まあ。何でも、目立つからジョン……あ、この物体の名前なんだけど。
ジョンの周りの空間をいじくって、こういうふうに、見え感じるようにしているらしいのよ。」
そこまでいって、あたしは盛大にため息一つ。
「ついでにいうと……アメリア達が【くろいもや】って……そう表現したのは……
ジョンのいる場所では、空間をいじっているからかあんなふうに発動するけど……
きっちしと、どこか別の場所でブレスの全破壊力が炸裂してたりするのよ……これが……」
つぅ。
あたしの額からは、冷や汗一筋。
「リリリリリリリリリナさん!?」
「リリリリリリリリリリナ!?」
さすがに、顔色が悪くなっているアメリアとゼル。
気持ちはわかる。
痛いほど……
「ふっ。あたし前に、知らないとはいえ……
ジョンを面白半分に幾度もこづいて、ブレス……吐かしたのよ……
そのときのブレスが、ゼフィール・シティに炸裂しかけたらしく……
まあそれは、あたしのね~ちゃんが、無効化させたらしいんだけど……」
とゆ~か。
さすが、ね~ちゃん(汗)
いきなり虚空から出現した
「あとは……以前。
何も知らない猟師が、ジョンを面白半分につついてて村が十数個、森が数個、湖が数箇所。
いきなり出現したブレスによって無と還ったらしいけど……」
あれから旅のいくさきざきで。
怖いことに、突如として消えた村や森、あげくは湖や山。
といった話題が……
あたしとナーガの耳に届いてきていたのは……思い出したくもない事実ではある。
そんなあたしの言葉をうけ、
ぎぎぃぃ……
アメリア達が、ぎこちない動作でジョンをみて。
そして。
「じじじじじ冗談ですよね?リナさん?」
「ま……また、リナ。冗談がすぎるぞ?」
なぜか、汗をだくだくとながしつつ、あたしに確認してくるアメリアとゼル。
ふっ。
あたしは遠い目をしつつ小さくため息をつき。
「冗談だったらいいんだけどねぇ……」
そんな二人にと返事をかえす。
いや本当に…冗談だったらどれほど救いがあるか……
そんなあたしの言葉に。
『えどわぁぁぁぁぁぁ!?』
もののみごとに。
やはり、というかやっぱり、アメリアとゼルの叫びが一致する。
どうやら、あたしが冗談ではなく本気で言っているというのが分かったようである。
普通信じられないわよね……ふぅ……
ザアァ……
洞窟の外は……あいかわらず雨が降りしきっていた。
「みつけた!!」
『るどひぃ!?はっ!!貴様……いや、貴女は!?』
とゆ~か、あたしをみていい様を言い直すとは、何ともよろしい。
ってゆ~か、覚えてたんならこんな事態になるまえにもどしとけ!!ジョンを!!
さすがに、ジョンの正体を説明されて、
『ほっとくわけにもいかない。』
というので、ジョンをどこから連れてきたのかというのを聞き出すためにと、
ジョンを運んでいた密輸の人たちの護衛を担当していたというグランス三兄弟を探し出したあたし達。
「あんた達……何でまたジョンの誘拐なんて……」
あきれ果てたあたしの言葉に、
『本当に知らなかったんだぁぁぁ!!』
泣きながらいう三兄弟。
この三兄弟。
以前、領主にジョンを献上するために猟師に頼まれて雇われていた人物なのだが。
まあそのときは、さすがに飼い主からジョンのことを聞かされて。
ほっとくわけにもいかなかった、あたしと、以前に旅していた金魚の糞と一緒に。
二人してジョンの飼い主とともに、ジョンを探していたときに出会っている人物なのだが……
いかんせん。
ほっとけるだろうか?
子供が石なげたり悪戯をしたら、かるく村一つくらい壊滅する小動物が辺りをうろついている。
と、聞かされて。
さすがに、あの常識が欠如している彼女ですらジョンの捜索に同意したのだから。
あのときは。
「で?どこからつれてきたの?あのジョンを?」
「うう。ラ…ラルナ村の近くで捕まえた…というのしか我々は知らないし聞いてないっ!!」
ほほぉぅ……
そ~いうことをいうわけ。
こいつらは……
「あら♡そう♡」
にっこりと微笑み、すばやく呪文を唱え、
「
どっがぁぁぁぁん!!
『ひょどげぇぇぃ!?』
あたしの精神誠意あふれる説得によって彼ら三兄弟は素直にと話してくれる。
なぜかちょぴっと三人とも焦げていたりするけど、ま、それは関係ないし。
要約すると。
どうやら彼らの依頼主でもあるライという人物が、ラルナ村の近くを金儲けを企みつつ歩いていると、
視界にてとてとあるいているジョンをみつけたらしい。
……しかも一匹で。
悪戯心が働いて石をぶつけたところ、ジョンの口から吐かれた黒い霧が目に入ったらしい。
……とゆ~か…気づけ!その時点で!
そう説明されたときに!こいつらは!
んでもって、大変に珍しい動物もどきなので、裏世界を経由して売り飛ばそうと思い立ち。
ジョンをそのまま捕獲し。
そしてその護衛にと、彼ら三兄弟を雇ったらしい。
そして。
この大雨で暇を持て余した連れの一人が、ジョンで暇つぶしに遊んでいたところ。
……何をやってたかは想像には難くないので、あえて聞かないが……
たまたま『当たった』のか、空間が歪められているがゆえに、
別の場所に発生するはずのブレスが彼らの目の前に出現し。
彼らが進んでいた山間の崖の道が、一瞬のうちに消滅したとか。
そして、道がなくなった崖から馬車は転落。
そのとき、彼らは檻の布の中に何がいるか気づいたらしい。
……だから気づけっ!
もっとはやくに!!
そ~して、彼らがジョンに気づいて混乱しているところに、
はたまたジョンの機嫌が悪かったのか、またまたもう一息ジョンがブレスを吐き……
それもまた、彼らの本当にすぐ横で炸裂したとか……
紙一重で無事だったらしいが……
よくもまあ無事だったものである……
さすがに、『それ』をやってるのがジョンだと気づいたライたちは逃げようとしたが。
そのまま、馬車ごとがけ下に完全に転落。
そこでアメリア達とであった……というわけらしい。
……飼い主!!
何やってるぅぅぅぅ!!ジョンを一人(?)にすなぁぁ!!
そんなことを思っていると。
「……ん?」
ふとあることに気づく。
……何であいつが……
ともあれ。
どがっ!!
とある気配を感じて、近くの木を思いっきり蹴飛ばすと。
ひゅるるる……
……ずべしゃ。
その木の上から何か黒い塊が落ちてくる。
「……何やってるの?ゼロス?」
落っこちてきたのはニコニコ顔のどこにでもあるような黒い神官服をきているそれ。
何か用事があるとかいって、またいつものごとくにいきなり消えてたやつである。
「リ…リナさん。目が据わってます……(汗)」
なぜか、しり込みしていいってくるそれ…いわずともがな獣神官ゼロス。
「いやぁ。会議も終わって疲れていたところ。
ちょうどリナさん達が負の感情を出しまくっていましたので。そのままお食事を♡」
にこにこしたまま、いけしゃあしゃあといってくる。
『なぁぁぁぁんですってぇぇえ!?』
「何だと!?」
あたしとアメリア、ゼルの声がダブル。
「ああ、だからか。
オレ達が洞口に入ったときから近くにいたのに、姿をみせなかったのか?ゼロス?」
のほほんとそんゼロスにといってるガウリイ。
「……ガウリイさん(汗)気づいてたんですか?(滝汗)」
だくだくだくと、そんなガウリイの言葉に汗を流して言っているゼロス。
「いやぁ。だって気配がしたし。」
しれっというガウリイ。
「……
そんなさらりというガウリイの言葉に対し、ぶつぶついっているゼロス。
「ってことは、人が困ってるのに知らないふりしてたんですね!?ゼロスさんはっ!」
アメリアが。
びしっ!
と、ゼロスに指を突きつける。
「いやぁ……はっはっはっ♡」
アメリアに指を突きつけられても、にこやかに笑っているままのゼロスだし。
…ほんと、くえないやつ……
だがしかぁぁしっ!
「ゼォォロォォォスゥゥゥゥ!!!人の負の感情を食べたんなら、代金はらえっ!」
どしゃ。
ずるべしゃ。
あたしの言葉に。
なぜか、ガウリイ、アメリア、ゼルの三人が地面に滑りこけてるけど。
まったく……
そんなあたしの言葉やガウリイ達のことはお構いなしに。
ふと、そこにいる物体に気づいて、その側にと近づき。
そして。
「おや?これはこれは。ジョン君、お久しぶりですねぇ。」
なでなで。
ぱたぱた。
ゼロスになでられてパタパタと尻尾を振っているジョン。
今は、ガウリイがジョンを抱きかかえているのだが。
って……
「ちょいまてっ!!話を変えるなっ!!!って……ゼロス、あんたジョンのことを知ってるの?」
あたしがいうと。
「ええ。ラギアソーンさんのペットのジョン君でしょう?
当然のようにいうゼロス。
ま……まあ、あれも魔族なんだし……知ってても不思議はないだろうが……
「いやぁ。以前、隠れてジョン君を飼ってたラギアソーンさんの口利を僕がしたんですよ。
本来カタートではペットは禁止なのにラギアソーンさんはジョン君を隠れてかってましたので。
でもまあ、別に害はないですし。でもこのジョン君。
人間達の20年ほど前のカタート侵攻で、行方不明になってたんですけどね。
数年ほど前に見つかって。
で、周りの小姑に疲れたのかそのままジョン君と二人でカタートをでたらしいんですよね。
そういう報告が配下からありましたし。」
しれっというゼロス。
……やっぱりいるのか……魔族にも小姑……
「……配下って……」
「ああ、ラギアソーンさんは我が主。
ほぉぉぉう。
なんか納得。
だがっ!今はそれどころではない!
もとより。
よっし!
責任をなすりつけるのは、ゼロスに決定!!!
「すると、あんたの…獣王直属の部下でもある、
あたしがじと目でいうと。
「まあ、そうなりますかね。はっはっはっ。」
『ここここここここ高位…ままままま魔族!!!?』
何やら後ろの方で、例の三人の兄弟の声がしているのは無視するとして。
「なるほど。納得したわ。ラギアソーンは純魔族のくせに、なごやかに昔話をして去ってゆくわ。
次にあったときなんか、その姿のままに。
女物の服をきて異形の姿のまま道端にうづくまって、『持病の尺が』とかいってたりしたのは……」
あたしはある意味納得してしまった。
んな納得したくはないが。
こいつの部下。
それで全てが合点がいった。
……しかし。
あたしの言葉を聞いてアメリア達も呆気にとられ。
次の瞬間。
あたしと同じ考えが浮かんだらしい。
つまりは。
獣王の配下って……みんな変わり者なのだろうか……と。
「んじゃあ、ゼロス、ラギアソーンの居場所?分かるわよね♡当然♡」
あたしの言葉に。
「それは、分かりますけど……」
「よっし!!道案内確保!!!ジョンをラギアソーンに戻しに行くわよ!!」
「だからって何で僕が手伝わないと!?」
抗議してくるゼロスに対しにっこりと。
すでに呪文の詠唱を終えている。
手に不完全版の
だって完全版は長続きしないし……
う~ん。
今後の課題だな。
完全版
「ラギアソーンのとこに素直に案内して、そしてあたしの負の感情食べた代金をまけてもらうか。
無断で食事した責任とって金貨一兆枚払って、あたしの
どれがいい♡」
にぃぃぃこり♡
あたしのすばらしいまでの提案に、なぜかゼロスは涙を流しながら。
「…わかりました…わかりましたからそれ!しまってくださいっ!」
などと何やらいっくてる。
結局のところ。
ゼロスがラギアソーンのいる場所にとあたし達を案内してくれることとあいなった。
やっぱり日頃の行いがいいと、なるようになるのね♡
とりあえず気絶してた三兄弟は、そのまま山の中に置き去りにして。
あたし達は、ジョンを飼い主のもとに戻すために。
ジョンの飼い主であるラギアソーンのもとに、ゼロスの案内のもと進み始めた。
「そういえば、ゼロスさん、何処にいってたんですか?」
道すがら、ゼロスに問いかけるアメリアの言葉に。
「ええ。リナさんが虚無の砂浜としてしまったアカッシの海のことで、会議がありまして♡」
ぷびっ。
あたしは、その言葉は聞かなかったことにした。
あ…あれは不可抗力よっ!
うん。
あたしは悪くないっ!
二日後。
はっきりいって、ラルナ村は結構近くの場所にとあった。
ここにつくまでに、完結にラギアソーンとあたしの関りをアメリア達には説明しておいた。
「どうやら、ここですね。」
ゼロスがいって立ち止まる。
『え゛!?』
あたし達の声がだぶったのは、しかたないこと。
そこは、はっきりいって村だった。
……しかも、ゼロスが指し示したのは、完全に村の中……
ラルナ村。
近くに、ベゼルドの町もあるので有名だが。
この村は、一部の人達以外にはあんまり知られていない。
知っている人達には、かなり有名なのだが。
「ほんっとうに、ここにいるんですか?」
アメリアがゼロスをにらむ。
「本当ですって!この僕が信じられないとでも!?」
『信じられ(ない)(ません)(んな)』
みごとに、あたしと、アメリア、ゼルの言葉が一致する。
「どうせ…どうせ……」
あ、面白い。
地面に、のの字を書いていじけはじめるゼロス。
「ま…まあ、ともかく。誰かに聞いてみよう。」
そんなゼロスの様子をあっけにみつつも。
ゼルが近くを歩いていた買い物帰りの、どこかのおばさんを呼び止める。
「あの?すいません?これの飼い主をしりませんか?」
とりあえず、ガウリイの持っているジョンを目でさして聞くゼル。
「あら、ジョン君じゃない♡ラギアソーンさんとこの♡」
すると、ジョンを目にしたそのおばさんが、にこやかにそんなことをいってくる。
『……はい?』
思わず、あたしとアメリアとゼルの声が一致する。
「あ…あの?これの飼い主のこと……ラギアソーン…知ってるんですか?」
ジョンを知っている、となると…アレをも知っている。
ということなのだろうが……
あたしが聞くと。
「あら、ラギアソーンさんは、ここ何年か前からこの村に住んでるわよ。
まあ、恥ずかしがりやであの着ぐるみ、ぜったいに人前では脱いだところ見たことないけどねぇ。」
にこにこというおばさん。
「……着ぐるみ……」
思わずうなるあたし。
・・・どこをどーみたら、あれが【着ぐるみ】で納得できるんだ!?
あたしが一人、頭を抱えていると。
「でもよかったわ。ラギアソーンさん、ジョン君が行方不明だって、かなり心配してたもの。」
……まあ…ラギアソーン……
あたしは彼のことを知っているから、『やっぱり』という感覚だが。
アメリアとゼルには、ラギアソーンが魔族だとは説明してある。
それゆえか、汗ながしていたりする。
「心配して、今。となり町まで探しに言ってるのよ。でもそろそろ戻ってくるはずよ。
あ、噂をすれば何とやら。」
おばさんが村の入り口に目をやる。
ふとみれば。
村の入り口に、異形の…人影が佇んでいた。
その影に向かって。
「あ。ラギアソーンさんっ!ジョン君が戻ってきたわよ♡」
おばさんの言葉に。
「ええ!?」
声とともに、
ふいっ。
その入り口に佇んでいた異形の影が、一瞬で掻き消えて。
振り向けば。
次の瞬間には、あたし達の目の前にそれは佇んでいた。
服装は、どこにでもあるシャツに、緑のズボン。
ズボンが肌と同じ色なのは……まあいいとして。
服装だけなら、どこにでもいる村人A。
だが着ている当人に問題があった。
いや……あいかわらず…というか……(汗)
着ている当人はといえば、蝙蝠のような黒い翼に六本の腕。
額の右側から、ねじくれたように一本の角が生えていて。
顔は人間に似てはいるが、右目はなく異様に大きな左目。
相変わらずのソレがそこにいる。
「あ゛あ゛!!ジョォォン!!」
「ピャウ♪」
姿とは打って変わった、むちゃくちゃにかわいい声を出し。
ガウリイの手の中から、下りて、その異形の姿の存在に尻尾を振って近寄っていくジョン……
「心配したんだぞぉ。めっ!!一人で散歩にでたら駄目だって、あれほど言ってるでしょう?」
『・・・・・・・・・・・・。』
なんか……むちゃくちゃに違和感あるんですけど……
六本の手のうちの二本で、
めっ。
といってジョンをこづいているその姿……
思わず呆気に取られていたあたし達。
次の瞬間。
じとぉ。
多分、全員あたしと同じ思いであろう。
ゼルとアメリアは、あたしと同じく、ゼロスをじと目でみてたりする。
つまり。
さすがにゼロスの配下だよなぁ。
……変わり者……だと。
「どうも。ご親切に、ジョンを連れてきていただきまして……」
そこまでいって、ジョンにその頬をすりすりしていたラギアソーンが顔を上げる。
そして。
はたっとあたしに気づき、
「……あれ?リナさん?もしかして?って…あ゛あ゛あ゛!!!?ゼゼゼロス様ぁぁぁあ!?」
ラギアソーンが、あたし達の一行の中にゼロスの姿を見つけて大きく叫ぶ。
「こんにちわ♡ラギアソーンさん♡ご機嫌いかがですか♡」
う~む。
面白い。
面白いほどのラギアソーンのうろたえようである。
「何だい?ラギアソーンさん?知り合いかい?」
先ほどのおばさんがそんなラギアソーンにと問いかける。
「ええ。というか、リナさんには、以前にお世話になったことがありまして……」
とゆ~か。
魔族が人にお世話になったって、認めてど~すんだ!?
あたしの心の葛藤はさておいて。
「で、ゼロス様は、その…私の上司でして。……かなり高位の……」
汗ながしてるし……
心なしか多少姿が薄くもなっているけど。
その間にも、抱きかかえているジョンをなでていたりするラギアソーン……
とりあえず。
立ち話も何だから。
というので。
あたし達はラギアソーンの家に案内された。
「……ねぇ?」
あたしは思わず疲れたような声を出していた。
「……はい?何ですか?」
にこにこと。
その六本の腕を器用に使って、全員に紅茶を注いでいるラギアソーン。
そして部屋の中には。
ジョン専用。
と、かかれている、小さな……犬…小屋であろう物体が。
曰く、これもまた、子供に家をかいてみろ。
といって、初めてかいたがゆえに、形になってなく、かろうじて入り口が分かるか程度の……
「………本当に魔族か?貴様!?」
さすがに、あきれているゼル。
「センスがいまいちですねぇ。」
いや……アメリア。
……見るところが違うって……
「いやぁ、ラギアソーンさん。結構いい家ですね♡」
「恐れ多いです。ゼロス様にこんなむさくるしい家にきていただけるとは……」
そんなあたし達のまえではそんな会話をゼロスたちはしているし……
い……いかん。
このままだと、どうも調子が狂うなぁ……
「……で?何で魔族のあんたが村で生活してるわけ?」
あたしの最もな疑問に。
「ああ、そのことですか。
リナさんとナーガさんに協力してもらって、行方不明のジョンを二度も探してもらってから。
ジョンと暮らせる場所を求めて転々としたんですけど。
なぜか私がきちんと変装しているにも関らず、人間達が怖がって……」
……そりゃそうだろう。
「……変装って……それが……か?」
おもわず突っ込んでいるゼル。
「ええ。服は変えたりもしましたが?」
当然のようにいうラギアソーン。
『・・・・・・・・。』
ま、まあ、気持ちはわかる。
あたしが二度目にラギアソーンにあったときは。
このままの姿で、女性の服を着ていた。
という事実もあったりするのだから……
アメリアとゼルの額から、一筋の汗が流れ落ちている。
多分、二人ともあたしと同じ気持ちなんだろうなぁ……
「で、この村の近くに住み着いていたんですけど。
あるとき、住みかを荒らす人間を追っ払ったところ、村長や村人達にえらく気に入られまして。」
『……まて(汗)』
おもわず全員の声が一致する。
ガウリイだけは、出されたお菓子をつまんでいるが。
「で。『お礼』にと、この村に住んでもいい。といわれまして。
ついでに交換条件として『山を荒らす人間達はどうにでもしてもいい。またはどうにかしてくれ。』
というおいしい話しも頂きましてvv」
「……山を荒らす?」
そんなラギアソーンの言葉にアメリアが首をかしげていってるけど。
「?アメリア、知らないの?この山はオリハルコンとレムタイトの原石が取れるのよ。数十箇所で。
それで、心無い人達が荒らしまくっていたんでしょうよ。たぶん。」
そんなあたしの言葉に。
ぱちぱちぱち。
いや、頼むから……その六本の腕でぱちばちと手を叩くのは……やめて……
「どうやらそうらしいですね。まあ、あんな物質、どうでもいいでしょうに。
ともかく、殺さなければ、何をやってもいい。といいますし。
山を見てるだけでお仕事できますし。何よりもすごしやすいですし。ここ。
それに私の姿も、この変装が完璧らしく、全員恐れませんし。」
……どこをどうみても、魔族以外の何者でもない姿だが……
「まあ、そういうわけで。この村で、それから、ジョンとともに静かに暮らしてるんです。
たまに、山に入ってくる悪意のある……まあ、私にとっては、悪意とも思えないのですが。
その人たちの負の感情などもおいしそうですし。」
いや。
にこにこといわないで……
「山に入ってきた人たちを恐怖に陥れても、死なさない程度なら、逆に村人から感謝されますし。」
いや。
魔族が感謝されてど~する!?
しごくつっこみたいのは……あたしだけだろ~か??
「ジョンの食事にも困りませんし。何より、過ごしやすいですし。」
『・・・・・・・・。』
「まあ。今、魔族が弱体化している状況で、少しづつでも力をつけるのはいいことですよ♡
ラギアソーンさん♡」
いや。
どこをどう解釈したらそうなるんだ!?
ゼロス!?
にこにこというゼロスに。
「そういえば。どうしてゼロス様がリナさんとご一緒にいるのですか?
はっ!!あ゛あ゛!!過ぎた質問でした!!!(汗)」
ふと疑問におもったらしく、そんなことを聞いてくるラギアソーン。
だが、ふと過ぎたこと…だと思ったらしく、だくだくと汗を流して訂正してるけど。
…確かこいつも自力で具現化してるんだよなぁ……
ゼロスと同じく器用なやつ……
「いやぁ。リナさん達と一緒にいると、退屈しないんですよ。これが♡はっはっはっ♡」
「あ。そうなんですか。」
『それですますなぁぁぁぁぁ!!!!!』
その会話に。
思わず、あたし、アメリア、ゼルが突っ込んだのは…仕方ないとおもう。
「……ひょっとして……獣王の配下って……みなさん、こんな性格だったりして……」
アメリアがにこやかに会話しているゼロスとラギアソーンをみて呆然という。
「アメリア。怖い考えをもつな……」
ゼルも、どうやら同じ思いらしいが、現実逃避に走りかけて、どこか遠くをみてそういっている。
「……奇遇ね…アメリア。あたしもそ~思った……」
あたしもまた遠い目をしてぽつりという。
まったく……
『はぁ……』
あたし達3人のため息とも、あきれともつかない声がもれたのは…いうまでもないこと。
にこやかに話しているゼロスとラギアソーンをみつつ。
あたし達は、何ともいいようのない脱力感を味わっていた……
『……これが、本当に、人を恐怖に陥れる、魔族の姿であって、いいのだろうか……』と。
にこやかに。
「今日は、遅いので、泊まっていってくださいね♡」
という、魔族らしからぬ、ラギアソーンの親切な言葉で。
あたし達は、ラギアソーンの家に泊まることに……
そして、その翌日。
「あんた達、ラギアソーンさんの知り合いだったんだね。」
とりあえず現実逃避をかねて外にとでたあたし達にと、昨日のおばさんが声をかけてくる。
「あ……あの?村の人達って。彼をみて、何とも思わないんですか?」
そんなおばさんに対して問いかけているアメリア。
アメリアの当然の疑問に。
「え?あ、ああ。いつも、着ぐるみきていて変わってる人だけど。いい人だよ。
いきなり消えたり現れたりするのはよくあることらしいし。」
ないない。
ぱたぱたと手を振っているあたしとアメリアとゼル。
「まあ、壊れた建物も修繕してくれるし。宙も飛べるし。
まあ、着ぐるみの中の人はシャイだけど。力のある魔道士さんなんだろうよ。」
「……いや、その……着ぐるみって……(汗)」
「何だい?彼がいつも着ているあれだよ。
あの姿。あれ着ぐるみだろう?村人全員、そう思ってるよ?」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
「まあ、最近の着ぐるみはよくできてるよねぇ。ははははははは。」
それですますか!?
「いやぁ、風呂に入っているときまであれ脱がないからねぇ。彼は。」
……きづけ!!
頼むから!!
ともかく気づけっ!
この村に一件しかないという大浴場。
この村にはちょっとした温泉があり、ゆえに大浴場も備えている。
そこに彼は毎日のようにジョンと共に入浴しにいくらしいのだが……
想像できるだろうか?
……魔族とにこやかに入浴している村人の姿が………
…昨夜などそれをまの辺りにしたゼルがしばらくうなってたし……
その、からからとした笑い声を聞きながら。
あたし達は無償に脱力感を後にしつつ。
その村をあとにすることにした。
本気で、どうやらここの村人全員。
ラギアソーンのあの姿は、単なる着ぐるみだ……と、思ってるらしい……
普通、『おかしい!?』とか思わないのだろうか??
あたしの素朴な疑問に。
当然、答えてくれる人などいるはずもなかった………
「いやあ、まさかリナさんがラギアソーンさんの知り合いだとは。
世の中、狭いですよねぇ♡ね?リナさん?」
村をでて、しばらくして。
ゼロスがにこにことしながら、またまたあたし達にくっついてきつつ、いってくる。
…ぷちっ。
「上司のあんたがそんなだから、あれがあんなんでしょうがぁぁあ!!」
「あれじゃあ、魔族じゃないです!!正義じゃないです!」
「普通、魔族っていうと畏怖される存在だろ!?」
すぱぱぱはぁぁぁぁん!!
どどががぁぁぁぁん!!
どごめぎゃぁぁ!!
まあ、アメリアの台詞における、
『じゃあ、魔族の正義って何なんだ?!』
という突っ込みはおいとくにしても。
さすがに、あの魔族は、精神に悪い。
悪すぎる……
かくして。
脱力感を抜け出す一環をかねて、あたし達は原因の一旦ともいえるゼロスをしばき倒すことに。
うん。
ゼロスがわるい!
そうにきまってるっ!
「うう…いいいじゃないですかぁ!?人間だって、いろんな性格の人がいるじゃないですか!?」
ゼロスが何やら抗議の声を上げてくるけど。
「だからって、人に親切する魔族がいてどうする!!!!」
う~む。
確かに。
無害には違いないが……
魔族と分かっている以上、精神面に悪すぎる。
しかも、村長等の話によれば。
盗賊などは問答無用で、そのまま瞬時に、というか苦しみぬかせて退治していたりする。
とかいう話しもちらりと小耳に挟んだし……
村の中で、偶然にあった村長からあたし達はそういうことも聞いている。
つまり。
魔族の性質を、あれはもったままなのである。
それでいて……村人に親切……
怖い。
はっきりいって……怖すぎるぅぅぅ!!
しかもそれに関して。
何も疑問に思わない村人も。
「リナさんの方が、魔族らしいじゃないですか!!」
「どこがっ!!」
「リナさんが、放ったあれっ!!あれの後には、命は絶対に生まれませんよ!!
というより、全ての存在が気絶しますよ!あれは!!」
「こらまて!今はその話は関係ないでしょうが!」
まったく。
何を関係ないことをいきなりいいだすんだ!?
このゴキブリは!!
道行くあたし達の目の前に。
突如として巨大なクレーターが出現したのは……まさきにそのとき。
『・・・・・・・・・・・・・・・』
思わずそれをみて全員が立ち止まり無言で顔をみあわしてしまう。
ま…まさか…これって……
「あ……あの?何かあったんですか?」
近くにいた人に恐る恐るアメリアが聞いている。
「ああ、これ?まったく……何がどうなってるのか……
この間の大雨の日にね。いきなり、ここにあった湖が一瞬にしてなくなったの。
偶然に近くにいた人の話では、いきなり虚空から、黒いブレスのようなものが出現して、
それに飲み込まれるようにして、掻き消えたっ……ていうんだけど。
数年前にも同じことが、かつて住んでいた村であったのよねぇ……」
ぎくっ。
「そそそそそそうですか。」
そんな話を聞いた後、あたし達は足早にその場を後にすることに。
……心当たりがありまくり(汗)
やっぱ…あれって……
ジョンのブレスのせいだよなぁ……(汗)
結局。
無言のまま。
あたし達は足早にその場を去っていった。
「ううん♪今回は結構いい食事をどうも♡リナさん、アメリアさん、ゼルガディスさん♡ガウリイさん♡」
一人。
ゼロスだけが。
にこにこと笑って、そんなことをにこやかにいっていたりするけど。
……今晩。
アメリアと協力して。
ゼロスの枕元で一晩中、生の賛歌…きかせてやろっと……
無事にジョンを飼い主の所に送り届け、再び旅を続けるあたし達。
……今度は何があるのやら……
教訓:分からないものには、手をだすな。信じ込みって……恐ろしい……(涙)
-終わり♪ー
HOME TOP BACK NEXT
#####################################
あとがき:
薫:うーむ。二度目だ・・・・。保存してなくて、消えたのは・・(まて!)
で、これ♪うちのジョン、しりませんか?
を読んで、思いついた短編です♪
ラギアソーンが、村の中で、平和に生活しているとゆー(爆!)
しかも、村人全員が、ラギアソーンの姿。
着ぐるみだ。と、思い込んで、信じ込んでいたりするとゆー(汗)
ちなみに。近くの町のベルゼドでは。
シェーラが頑張っている最中です(爆!)
しっかし、いいのか!?それで!?純魔族!?
というのが、あれ読んでの、感想でしたね♪
んではでは♪
追伸:一部、訂正ありの投稿用です♪
苦情など、お問い合わせは、メールにて♪(こらまて!)
ではでは♪
HOME TOP BACK NEXT