まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
んんんんんんんふふふふふふふふ♡
こんにちわ♪またまたやってしまいます♪
皆さん、購入しましたか?スレイヤーズスペシャル、19巻♪ルナテク・ヘステバル♪
これは、角川のミニ文庫の四巻で、発売されてる小説ですが♡
もう!!!書き下ろしの、小説が、何をおいても、ぐっとです!!!!!!
というわけで♪(こらまてぃ!)
あれ、読んで、思いついた話をひとまず・・(だからまてぃぃい!)
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スレイヤーズ・スペシャル ~飼い主はいずこ?~
― え?無害じゃあ、ありませんよ?
空間を操作した結果、ジョンのいるところでは黒いもやがちょっと出たようにしか見えませんが、
ちゃんと、
『……あ、……あの、……どこかっ……て?』
― さぁ?そこまでは。山の中か、海の底か、果ては都市の中心か。
まあ魔族の私としては、このあと皆さんが町に戻ると、そこにはクレーターしかなかった。
何ておちだと大笑いなんですけどね。はっはっはっ。 ―
唐突に。
あたしが、いまいましいあの事件ともいえない出来事を思い出したのは……
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アメリアのせいである!!
断じて!!
あたしのせいではない!!
今回に関しては!!
あたしの視界に映るのは……黒くて大きさは犬程度の……
かろうじて手足があるのがわかる……、以前よりちょっぴし胴体がまともになってたりするが。
例えていうなれば、年端もいかないお子様が、
利き腕とは逆の手で、うつらうつらとしながら何もみずにかいたような何かの動物。
それがアメリアの手の中で……わきわきと動いていた……
「ね?リナさん!!変わってるでしょ!これ何ていう動物なんですかね?」
「だ…だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
あたしは迷うことなく、頭を抱えてしゃがみこんでいた。
アカッシの町を後にして。
あたしと、アメリアとゼルガディスとガウリイ。
またいつものごとくに、四人のこのメンバーが揃ったわけなのだが……
ことの起りは……数日前にさかのぼる。
ちゅどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!
「んっふふふふふ♪」
「お……お前はっ!?まさかっ!?」
「あったりぃぃぃい♪」
どっがぁぁぁぁぁぁぁん!!
う~ん♪
すっきりvv
とりあえず、虚無の海と化したアカッシの町を後にしてから数日。
あのあと、あたし達は、また一緒に行動していたりする。
偶然に、アカッシの町でアメリアとゼルガディスと再会した。
まあ、それはいいとしても。
……ナーガのやつは……
あれを受ける直後に、はじかれてどこかにいってたし……
ちっ。
しとめ損ねたか……
などという、あたしの心の葛藤はおいとくとして。
……まあ、あれに直撃されて。
『それでも生きている。』
ということになれば、もはやナーガには、完全版をお見舞いするしかないのだが(汗)
ある意味、はじかれてよかったのかもしれない……
何しろ、
……ナーガならありえるかも(汗)
と、思えたりするから不思議であるが。
まあとりあえず。
ナーガを吹っ飛ばすために消費した、あたしの魔力も元に戻り。
リハビリを兼ねて、いつものごとくに盗賊退治にいそしんでいるあたし。
「ま、こんなものかな。」
「リナさん!!これで、また悪が一つ滅んだんですね!!」
ガッツポーズをとって言っているアメリア。
「はぁ……」
「まあまあ、ゼル。何ごともあきらめが肝心だって。」
こらっ!
どういう意味かしらねぇ。
二人とも。
なんかゼルがため息ついて、ガウリイがそんなゼルにと何かいってるし……
と。
ふと。
ぴちゃ。
何かが手に当たった。
「……ん?」
ふわっ。
な゛な゛な゛な゛な゛///
「ガガガガガガガウリイ!?//」
いきなり何すんだ!?
こいつは!?
いきなりガウリイが、あたしに彼自信が羽織ってたマントをかけてくる。
な゛な゛な゛!?
「リナ。濡れたら大変だぞ?」
だ……だぁ!!
だからって、いきなりこんなことするなぁ!
「リナさんとガウリイさん。ラブラブです♡」
「あ……アメリアぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!!!!!!///」
ちゅどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!
恥ずかしさのあまり。
あたしは思わず、
まったく……
いきなり変わったことするんだから……
ガウリイは////
ぽっぽっぽっ。
どざぁぁぁぁぁぁ!!!!
「だぁぁぁぁぁ!!!!」
ばたばたばた!!
アメリア達を吹っ飛ばして、しばらくすると本格的に雨が降り出し。
「きゃあ!!濡れますぅぅ!!」
ばたばたばた。
とりあえずお宝は、全部ガウリイとゼルに持たせて。
あたし達四人は雨宿りのために、近くにあった洞窟にと入ってゆく。
「
ぽう。
魔力で照らし出された明りが、ほのかに洞窟の中を照らし出す。
「う~ん……これは、やみそうにないわねぇ……」
あたしが外をみつついうと。
「そうですね。まあ、ノンビリと待ちましょうよ。」
アメリアがいうので。
「ア~メ~リ~ア~。あんたは、こんなところで、何日も足止めをくらいたいわけ?」
そこまでいって、あたしは一言。
「……携帯食料……まずいわよ?」
ビシッ……
あたしの言葉に固まるアメリア。
この一言で。
あたし達は、雨を防ぐ魔法をかけて。
これは、あたしのオリジナル。
ちょっと、風の呪文のアレンジであるが。
二手にわかれて食べ物を物色……もとい、捜すことを決定したのだ。
どごぉっ……
「あれ?今?何かガウリイ、聞こえなかった?」
「ああ。何かな?」
かすかに聞こえた爆発音のようなもの。
まあ、遠くのようで近くのようで。
ガラガラ……ぴっしゃぁぁぁぁん!!!
「き……きゃぁぁぁぁ!!!」
思わず驚いてしまう。
雨はどんどん激しさをまし、雷を伴っている。
「……リナぁ……」
ガウリイが何やら困ったようにいっている。
……はっ!!!
「き……きゃぁぁぁあ!!」
思わず、あたしは驚いたはずみに……
そそそそそそそその、ガウリイにしがみついてて……///
思わずガウリイをふっとばす。
あ…あたしは悪くないからねっ!!////
********
だからリナ知らなかった。
「……リナのやつ…最近……胸…大きくなってるよなぁ。……オレ、いつまで我慢できるかな?」
リナがガウリイにしがみついたときに、ガウリイがそんなことを小さくつぶやいていたことは。
ちょうど、リナの小振りではあるが、それでいて発育途中の胸がガウリイに当たっていたのだ。
それゆえのガウリイの正直な感想。
リナは気づいてなかったが。
ガウリイの理性がまけそうになるところで、リナが呪文で吹っ飛ばしたのだが。
********
「ひどいなぁ。リナが抱きついてきたんじゃないかぁ……」
そ~いうガウリイの目が……なんかいつもと違うような気がするのは……
多分、あたしの気のせいであろう。
「と……ともかく!!食べれそうなもの!捜すわよ!!」
かくして。
あたしとガウリイは山の中を、再び食べ物を捜して物色し始めることに。
一方。
アメリアとゼルガディス組みはというと。
「きゃぁあ!」
「大丈夫か?アメリア?」
しがみついてきたアメリアをどうにかなだめているゼルガディス。
心なしか、顔色が赤くなっているのは、気のせいではないであろうが。
「だ・・大丈夫ですぅ。リナさんの怒りに比べたら……」
リナがいたら、まず攻撃呪文決定である台詞を言っているアメリア。
と。
ドゴォォォォォォォン……
「何だ!?」
「こっちです!!」
彼らの耳に、爆発音のような音が聞こえてくる。
それを受けて降りしきる雨の中、音の方に歩いてゆくと、
そこには馬車が崖から転落したらしく、がけ下に落ちていた。
「……あの上から落ちたのか?」
ふと見上げると。
なぜか、崖の上にある道が……途中からなくなってるのが気にはなるが。
「う……うう……ん……」
「はっ!ゼルガディスさん!人がいます!!」
「何!?」
アメリアの言葉に、見てみれば。
大破しかけている馬車の傍らに、に五人の男性の姿が見てとれる。
ずるずるずる。
ひとまず、危険な状態の馬車の側から彼らを安全と思われる場所にと移動し、
「
ぽう。
アメリアの呪文と、ゼルガディスの呪文が、彼らを癒してゆく。
と。
『ぶぎゅ。』
何か小さな声が二人の耳にと聞こえてくる。
どうやら馬車の中からのようではある。
声がきになり、馬車の中を覗きこみ、
「……アレ?」
馬車の中に一つの物体を発見すアメリア。
何かの箱らしきものに布がかぶせてあり、品物はみえない。
声はその中からどうやらしているようであるが。
「これ?何でしょうか?」
それを覆っていた布をとると。
てとてとてと。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
何といっていいのか……
「……動物さん……ですか?」
「………何だ?これ?」
思わず、アメリアとゼルガディスの目は点と成り果てる。
二人がしばし顔を見合わせていると、
「う……ううん。はっ!」
五人の中の三人が呻きつつも目を覚ます。
そして、
『ぎ……きゃゃぁぁあ!!!!!』
その檻の中にいた物体に向かって指をさし、
何やら意味不明なことをいいながら、腰を抜かしていたりする。
「だぁ!!俺は知らない!!知らないったら知らないっ!!」
「こんな依頼……ごめんだぁぁ!!」
「だぁぁ!知ってたら、こんな裏の密輸の仕事は請けたりはしなかったぁぁ!!」
腰をぬかしつつ、三人が何やら叫んでいる。
「……裏?」
そういえば、この辺りは密輸ルートの一つだったな。
ゼルガディスが、ふと、そんなことを思い出す。
「あの?彼方たち?これ……何なんですか?」
ひょいとアメリアがそれを抱き抱えつつ問いかける。
手触りは普通の犬と一緒。
重さも犬程度。
『知らない!!知らない!!そんな物騒な動物……しらなぃぃ!!』
彼らが叫んでいるが。
「うん?ひょっとして、お前ら、グランス三兄弟じゃないのか?」
「ゼルガディスさん?知ってるんですか?」
アメリアの言葉に。
「ああ。むちゃくちゃに弱いので有名だ。」
はっきりきっぱり言い切っているゼルガディス。
そんな会話をしている最中。
ぱらぱらぱら。
こつん。
「……けぶ。」
崖の上から落ちてきた小さな石がそれにぶつかり。
アメリアが抱えている物体が、黒いゲっプのような【もや】を出す。
まるで例えるならば、魚がこげたとき発生する煙のようにもやもやと。
「あ、ゼルガディスさん。この子、ゲップが黒いですよ?」
アメリアがのん気にそんなことを言い。
『う……うどわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!』
なぜかそれをみて、残りの二人は腰を抜かしながら走り去ってゆく。
「……何なんでしょうかね?」
「多分、こいつをどこかに売りさばくつもりだったんじゃないのか?」
ゼルガディスが、アメリアが抱えている黒い物体をみていう。
「……こんな生き物はみたことないな?」
こつん。
「……けぷ。」
ゼルガディスが、こつんとそれを叩くと。
またまた、それは口から黒いもやもやを吐き出していた……
結局、アメリアとゼルガディスは。
そのままにしておく、というのも後味がわるいので。
リナ達のいる洞窟に【それ】を連れて戻っていったのである。
「だ……だあぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
あたしは完全に頭を抱えてしまった。
飼い主っ!!
何やってるぅぅぅぅぅぅ!!!
アメリアがもっているその物体……というか、生命体。
……あたしは、実はしっかりと……心当たりがあったりする……
「リナさん?」
アメリアが不思議がりながらそんなあたしにと話しかけ、
「こいつは変わってるんだ。口から黒いもやなんて吐くし……」
ゼルもまたそんなことをいってくる。
す……すぅ……
そんなゼルやアメリアの言葉に、いやな予感が突き抜ける。
自分ではっきりと血がひいてゆくのがわかる。
「みててくださいね。」
まままままままさか!?
「まったぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
だっしゅ。
かろうじて、アメリアがそれを叩く直前に、あたしは何とかそれをアメリアの手からはぎとる。
あ……危なかった……
うう……
やっぱりぃ……
こんな動物……絶対に他にはいないしなぁ……
「リナさん?」
「リナ?」
だ……だぁぁぁ!!!
「ちょいまてぃい!!アメリア!ゼル!何でこいつを連れてるのよぉぉぉぉお!!!!」
ずざぁぁぁぁ……
あたしの心情を表すかのごとくに、雨はますます激しさを増している。
「へえ。変わってるな。竜にもこんなやつがいるんだ。」
……はい?
ガウリイが、あたしが持っている物体をみていってくる。
「……ガウリイさん?」
「ガウリイ?何いってるんだ?」
「ガガガガガウリイ?もしかして、あんた……これが『何』なのか……わかるわけ?」
あたしの素朴な疑問に。
「あ?竜だろ?気配がそうだし。
でも何か、こいつの周りの空間が歪んでるような気もするんだが……」
「ど……どしぇぇぇぇぇぇぇ!? ガウリイ!?あんた、そなことまでわかるわけぇぇぇ!?」
「分かるだろ?普通?」
ノンビリといってくるガウリイ。
いや。
とゆ~か、恐るべし……というか……
この物体をみて、その正体がわかるとは……
ガウリイの野生の勘……あなどれん……
毎回ながら思うけど、こいつ……本当に人間なんだろ~か???
あたしの心の葛藤を無視してか。
「リナ?どういうことだ?」
「リナさん?」
ゼルとアメリアがきいてくる。
……と、まてよ?
「アメリア……確か…あんた。……こいつのこと……
その……くろいもやもや吐くってしってたけど……何回やった?(汗)」
ひたすらに怖いが一応確認する。
「ええと。私が二回で、ゼルガディスさんが二回です。……?リナさん?」
あ゛……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!?
どうか町などに直撃・・してませんよ~に……(涙)
「お願いだから、絶対に二度とやらないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
あたしの涙交じりの訴えに、なぜかひいてるアメリアとゼル。
「リナ?説明してくれないか?それが何なのか知ってるのか?その反応は?」
うう……
あたしの様子に首を傾げつつ、ゼルが再度問いかけてくる。
というかっ!
「なんでこんなとこにジョンがいるのよぉぉぉぉぉぉ!!!!!
飼い主ぃぃぃぃい!!!!何やってるのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!」
どざぁぁぁぁ……
どんがらがっしゃぁぁぁぁぁぁぁん!!
あたしの叫びもむなしく。
ただただ、洞窟の外では雷雨が吹き荒れていた……
「……と、いうわけでこの子を保護したんですが。」
アメリアの説明に。
「ゼル、間違いないわけ?その兄弟の名前?」
「ああ、間違いない。」
というか、それだと納得がいく。
というか、そいつら、捕まえて、これをどこから連れてきたのか!
聞き出すことが先決である!
多分、知らずに商品運搬の護衛の仕事でもうけて。
そして……その運ぶ物体が……コレだとわかって混乱したのだろう。
まあ、わからんでもないが……
「と……とにかく!!そのグランス三兄弟をつかまえて!!
ジョンをどこから運んできたのかを聞き出すわよ!」
そんなあたしの言葉に、
「ジョン?それがその子の名前ですか?」
アメリアが聞いてくる。
「……というか、何なんだ?この物体は?」
「だから、竜だろ?ディ……なんとかっていう竜。」
こらまてぃ!!
ガウリイ!!
「ガウリイ!!あんた!んなことまでわかるの!?」
「いや、だって気配がそうだし。」
「・・・・・・・・・・・」
一体……ガウリイの勘って??
当然のようにいうガウリイに、あたしはしばし硬直してしまった。
「え……ええと。とりあえず……これ……ジョンっていう名前なんだけど……
こいつの飼い主によって、この子の周りの空間が犬のような大きさに見えて感じられるように、
空間操作がされているのよ。」
どうにか言葉を選びながらいうあたし。
「は!?空間操作ですか!?そんなこと、人間に出来るわけがないじゃないですか!?」
アメリアが驚いて何やらいっているが。
いや、あたしのね~ちゃんならできるっ!
「というか。そんな実力をもってるやつがいるのか?」
ゼルが問いかけてくる。
「……いっとくけど……あたしのねーちゃんあたりは、すんなりとできるらしいわよ?」
びしっ。
あたしの言葉に、なぜか固まるアメリアとゼル。
そう。
あのあと。
あたしが小突いたときの、あのときのあのブレス……
……恐ろしいことに、ゼフィーリアにいったらしいのよぉぉぉぉ!!!!
あのあと、いきなりね~ちゃんがやってきて……
ぶるる。
考えるのはやめよう……(涙)
「ま……まあ…普通じゃないし……これの飼い主……」
というか、『魔族です。』というわけにもいかないし……どうやって説明すればいいのやら。
「で?これの正体と、飼い主ってやつは、何なんだ?」
う゛……
どうやらごまかしはきかない……か。
「どうしてもききたい?」
「ああ。」
「どうしても?」
「気になりますし。」
「後悔しない?」
「だから何なんだ?」
「リナさん。意地悪しないで教えてください!!」
「ほんっとぅぅぅぅうに、いいのね?」
あたしのくどいほどの問いかけに、なぜか汗流しているアメリアとゼル
ふぅ。
「特にアメリア!!気絶なんてしないよ~に!」
何しろ、アメリアも二回ほどあれをやっているらしいから。
もし、それが町に直撃していたり……などと考えると怖いよなぁ。
まじで(汗)
しゃれになってないし(滝汗)
「……何かあるんですか?」
さすがに、あたしがくどく確認しているためか、アメリアとゼルが汗を流し始める。
ふぅ。
説明しないわけにはいかない…か。
「い~い。落ち着いて聞いて。これ。
こんな姿してるけど、これはただ『見た目がこうなってる』だけで……実際は……
……本当の姿は、
ふっ。
遠い目をして二人にと説明する。
『……はい?』
案の定、アメリアとゼルの目が点になる。
「まあ、何でも目立つから、ジョン。……あ、この物体の名前なんだけど。
ジョンの周りの空間をいじくった結果。こういうふうに、みえ、感じるようになってるらしいのよ。」
そこまでいって、あたしは盛大にため息一つ。
「ついでにいうと……アメリア達が『くろいもや』とそう表現したのは…
ジョンのいる場所では、空間をいじっているから、あんなふうに発動するけど・・・・・。
きっちしと、どこか別の場所で、ブレスの全破壊力は炸裂してたりするのよ……これが……」
つぅ。
あたしの額からは、冷や汗一筋。
「リリリリリリリリリナさん!?」
「リリリリリリリリリリナ!?」
さすがに、顔色が悪くなっているアメリアとゼル。
気持ちはわかる。
「ふっ。あたし、前に知らなかったとはいえ……ジョンを面白半分にこづいて、ブレスを吐かしたのよ。
そのときのブレスが、ゼフィール・シティに炸裂しかけて……
まあ、あたしのね~ちゃんがそれ無効化させたらしいんだけど……」
とゆ~か。
さすが、ねーちゃん(汗)
いきなり、虚空から出現した
「あとは……。以前、何も知らない猟師がジョンを幾度も面白半分につついて……結果。
村が十数個。森が数個、湖が数箇所。
いきなり出現したブレスによって無と化したらしいけど……」
あれから。
旅のいく先々で、怖いことに、突如として消えた村や森、あげくは湖や山。
といった話題が……
あたしとナーガの耳に届いていたのは。
思い出したくもない事実ではある。
ぎぎぃぃ……
アメリア達が、ジョンをみる。
「じじじじじ冗談ですよね?リナさん?」
「ま……また、リナ。冗談がすぎるぞ?」
アメリアとゼルが額に冷や汗を流しつつ、あたしに問いかけてくるけど。
ふっ。
「冗談だったらいいんだけどねぇ……」
あたしの言葉に。
『えどわぁぁぁぁぁぁ!?』
もののみごとに、アメリアとゼルの叫びが一致する。
あ。
やっぱり。
というか、どうやらあたしが冗談ではなく本気で言っているというのが分かったようである。
判ったらこういう反応よね……
……はぁぁ……
ザアァ……
洞窟の外は、あいかわらず雨が降りしきっていた……
「みつけた!!」
『るどひぃ!?はっ!!貴様……いや、貴女は!?』
とゆ~か、あたしをみて、言い直すとは、何ともよろしい。
ってゆ~か、覚えてたんなら、こんな事態になるまえにもどしとけ!!ジョンを!!
さすがに、ジョンの正体をあたしから説明されて、ほっとくわけにもいかない。
というので、ジョンをどこから連れてきたのかを聞き出すために、
ジョンを運んでいた密輸の護衛を担当していたというグランス三兄弟を探し出したあたし達。
「あんた達……何でまた、ジョンの誘拐なんて……」
あたしがあきれていうと。
『本当に知らなかったんだぁぁぁ!!』
涙をだくだくと流しながらいう三兄弟。
この三兄弟は以前、
猟師に頼まれて、領主にジョンを献上するために雇われていた人物なのだが。
まあそのときは、さすがに飼い主からジョンのことを聞かされて。
ほっとくわけにもいかなかった、あたしと以前に旅していた金魚の糞と一緒に、
ジョンの飼い主とともに、ジョンを探していたときに出会っている人物なのだが。
いかんせん。
ほっとけるだろうか?
子供が石なげたり悪戯したら、かるく村一つくらい壊滅する小動物が辺りをうろついている。
と、聞かされて。
さすがに、あの常識が欠如している彼女ですら、ジョンの捜索に同意したのだから。
あのときは。
「で?どこからつれてきたの?あのジョンは?」
「うう……ラルナ村の近くで捕まえた……というのしか知らない!!」
ほぅ。
「あら♡そう♡」
にっこり。
「
どっがぁぁぁぁん!!
『ひょどげぇぇぃ!?』
あたしの誠心誠意あふれる説得により、彼ら三兄弟がなぜかぼろぼろになりつつ素直に話してくる。
どうやら、彼らの依頼主でもあるライという人物が、ラルナ村の近くを金儲けをたくらんであるいていると、
視界に、てとてとあるいているジョンをみつけたらしい。
……しかも、一匹で。
悪戯心が働いて、石をぶつけたところ。
ジョンの口から、吐かれた黒い霧。
……とゆ~か、気づけ!
その時点で!
そう説明されたときに!こいつらは!
んで、珍しい動物もどきなので、裏世界で売り飛ばそうとジョンをそのまま捕獲して。
そして、その護衛に彼ら三兄弟を雇ったらしい。
そして。
この大雨で。
連れの一人が、ジョンで暇つぶしに遊んでいたところ。
……何をやってたかは、想像には難くないので、あえて聞かないが……
たまたま、当たったのか、空間をゆがめられているはずのブレスは彼らの目の前に出現し。
彼らが進んでいる山間の崖が、一瞬のうちに消滅したとか。
そして、道がなくなった崖から馬車は転落。
そのときに檻の布の中に何がいるか、彼らは気づいたらしい。
……だから気づけ!
もっとはやくに!!
そ~して、混乱しているところに、ジョンは機嫌が悪かったのか、もう一息ブレスを吐き……
それもまた、彼らの……本当にすぐ横で炸裂したとか……
紙一重で無事だったらしいが……
よくまぁ……
さすがに、それやってるのがジョンだと気づいたライたちは逃げようとしたが。
そのまま、馬車ごと完全に崖下に転落。
そこでアメリア達とであった……というわけらしい。
……飼い主!!
何をやってるぅぅぅぅ!!
ジョンを一人?にすなぁぁ!!
そんなことを思いつつ、ひたすらにパニックになっていると。
ふと。
「……ん?」
どがっ!!
あたしは、とある気配を感じて、近くの木を思いっきり蹴飛ばした。
ひゅるるる……
……ずべしゃ。
それとともにおっこちてくる何かの黒い物体。
「……何やってるの?ゼロス?」
落っこちてきたのは、ニコニコ顔の黒い神官。
何か、用事があるとかいって、いきなりまたいつものごとくに消えてたやつである。
「り……リナさん、目が据わってます……(汗)」
なぜかしり込みしているそれは…いうまでもなく獣神官ゼロス。
「いやぁ。会議も終わって疲れてたので…そんなとき。
ちょうど、リナさん達が負の感情を出しまくっていたので、そのままお食事を♡」
『なぁぁぁぁんですってぇぇえ!?』
「何だと!?」
あたしとアメリア、ゼルガディスの声がダブル。
「だから、ゼロス、洞口に入ったときから、近くにいたのに、姿みせなかったのか?」
のほほんといってるガウリイ。
「……ガウリイさん……気づいてたんですか?」
だくだくだくと、ガウリイの言葉に汗流しているゼロス。
「いや、だって気配がしたし。」
しれっというガウリイ。
「……
ぶつぶついっているゼロス。
「ってことは。人が困ってるのに、知らないふりをしてたんですね!!ゼロスさんは!」
アメリアがびしっ、とゼロスに指を突きつける。
「いやぁ。はっはっはっ。」
「ゼォォロォォォスゥゥゥゥ!!!人の負の感情を喰べたんなら、代金はらいなさいっ!」
どしゃっ。
ずるべしゃ。
あたしの言葉に。
なぜか、ガウリイ、アメリア、ゼルガディスが地面に滑りこけた。
まったく……
あたしのそんな声を聞いているのかいないのか、
ふと、ジョンにと視線をむけ、
「お……おや?これは、これは、ジョン君じゃあないですか。お久しぶりですねぇ。」
なでなで。
ぱたぱた。
ゼロスになでられて尻尾を振っているジョン。
今は、ガウリイが抱きかかえているのだが。
「ちょいまて!!話を変えるなっ……って……ゼロス。あんた、ジョンのこと知ってるの?」
あたしがいうと。
「ええ。ラギアソーンさんのペットのジョン君でしょう?魔王竜の。」
当然のようにいうゼロス。
ま……まあ、『あれ』も魔族なんだし、こいつが知ってても不思議はないだろうが……
「いやぁ、以前、隠れて彼を飼ってたらギアソーンさんの口利きをしたんですよ。
まあ、人間達によるカタート侵攻で行方不明になってたんですけどね。
数年ほど前に、見つかって、で、そのまま、カタートをでたらしいんですよね。
周りの小姑に疲れたのか。そういう配下からの報告ありましたし。」
しれっというゼロス。
……やっぱりいるのか……魔族にも小姑……って……
「……配下って……」
「ああ、ラギアソーンさんは我が主。
一応
ほぉぉぉう。
「すると、あんたの……十直属の部下であるあんた……
すなわち
じと目でいうと。
「まあ、そうなりますかね。はっはっはっ。」
『ここここここここ高位……ままままま魔族!!!?』
何やら後ろの方で、例の三人の兄弟の声がしているのは無視するとして。
「なるほど。納得したわ。ラギアソーンは純魔族のくせに、なごやかに昔話をして去ってゆくわ。
次にあったときなど、その姿のまま女物の服をきて、異形の姿のまま道端にうづくまって、
『持病の尺が』とかいってたりしたのは……」
あたしは、ある意味納得してしまった。
んな納得したくはないが。
こいつの部下。
それで全てが合点がいった。
……しかし。
あたしの言葉を聞いて、アメリア達も呆気にとられ。
次の瞬間。
あたしと同じ考えが浮かんだらしい。
つまりは。
獣王の配下って……みんな、変わり者なのだろうか……と。
……あまり深くかんがえまい……
「んじゃあ、ゼロス。ラギアソーンの居場所は分かるわよね?当然♡」
あたしの言葉に。
「それは分かりますけど?」
「よっし!!道案内確保!!!ジョンをラギアソーンに戻しに行くわよ!!」
「だからって、何で僕が手伝わないといけないんですかっ!?」
「ラギアソーンのとこに案内して、そしてあたしの感情を食べた代金まけてもらうか。
責任とって、一兆払ってあたしの
にぃぃぃこり♡
あたしのすばらしいまでの提案に、なぜかゼロスは涙を流しながら。
ラギアソーンのいる場所に案内してくれることとあいなった。
やっぱり、日頃の行いがいいと、なるようになるのね♡
とりあえず、気絶してた三兄弟は、そのまま山の中に置き去りにして。
あたし達は、ジョンを飼い主のもとに戻すために。
ジョンの飼い主……ラギアソーンのもとに、ゼロスの案内のもと進み始めることに。
「そういえば。ゼロスさんは何処にいってたんですか?」
道すがらのアメリアの質問に。
「ええ。リナさんが虚無の砂浜としてしまったアカッシの海のことで。会議がありまして♡」
ぷびっ。
その言葉は、あたしは聞かなかったことにした。
二日後。
はっきりいってラルナ村は、そこから結構近くの場所だった。
ここにつくまでに、完結にラギアソーンとあたしの関りをアメリア達には説明しておいた。
「どうやらここですね。」
ゼロスがいって立ち止まる。
『え゛!?』
あたし達の声がだぶったのは、しかたないこと。
そこは、はっきりいって。
……村だった……本当に。
しかも、村の中……
ラルナ村。
近くにベゼルドの町もあるので有名だが。
この村は一部の人達以外には、あんまり知られていない。
知っている人達には、かなり有名なのだが。
「ほんっとうに、ここにいるんですか?」
アメリアがゼロスをにらむ。
「本当ですって!この僕が信じられないとでも!?」
『信じられ(ない)(ません)』
みごとに、あたしと、アメリア、ゼルの言葉が一致する。
「どうせ……どうせ……」
あ、面白い。
地面に、のの字を書いて、いじけはじめるゼロス。
「ま・・まあ、ともかく、誰かに聞いてみよう。」
そんなゼロスの様子をあっけにみつつも。
ゼルが、近くを歩いていた買い物帰りのどこかのおばさんを呼び止める。
「あの?すいません?これの飼い主をしりませんか?」
とりあえず、ガウリイの持っているジョンを目でさして聞くゼル。
「あら、ジョン君じゃない♡ラギアソーンさんとこの♡」
『……はい?』
思わず、あたしとアメリアとゼルの声が一致する。
「あ……あの?これの飼い主のラギアソーン……知ってるんですか?」
あたしが聞くと。
「あら。ラギアソーンさんは、ここ何年か前から、ここに住んでるわよ。
まあ、恥ずかしがりやで、あの着ぐるみは全く人前では脱いだところ見たことないけどねぇ。」
にこにこというおばさん。
「……着ぐるみ……」
思わずうなるあたし。
……どこをど~みたら、あれが【着ぐるみ】で納得できるんだ!?
あたしが、一人、頭を抱えていると。
「でもよかったわ。ラギアソーンさん。ジョン君が行方不明だって、かなり心配してたもの。」
……まあ……彼だし……
あたしは彼のことを知っているから、『やっぱり』という感覚だが。
アメリアとゼルには、ラギアソーンが魔族だとは説明してある。
それゆえか、額に汗をながしていたりする。
「心配して、今隣町まで探しに言ってるのよ。でもそろそろ戻ってくるはずよ。
あら。噂をすれば何とやらね。」
おばさんが村の入り口に目をやる。
ふとみれば。
村の入り口に、異形の……人影が佇んでいた。
その影に向かって。
「あ、ラギアソーンさん。ジョン君戻ってきたわよ♡」
おばさんの言葉に。
「ええ!?」
ふいっ。
その入り口に佇んでいた異形の影が、一瞬で掻き消えて。
次の瞬間には、あたし達の目の前に佇んでいた。
服装は、どこにでもあるティーシャツに、緑のズボン。
まあ、ズボンが、肌と同じ色なのは、まあいいとして。
…いや、あまりよくないけど……
服装だけなら、どこにでもいる村人A。
だが、着ている当人に問題があった。
いや……あいかわらず……というか……(汗)
着ている当人は。
蝙蝠のような黒い翼に六本の腕。
額の右側から、ねじくれたように一本の角が生えてて。
顔は人間に似てはいるが右目はなく、異様に大きな左目のその姿。
「あ゛あ゛!!ジョォォン!!」
「ピャウ♪」
姿とは打って変わった、むちゃくちゃにかわいい声を出し。
ガウリイの手の中から下りて、その異形の姿の存在に尻尾を振って近寄っていくジョン……
「心配したんだぞぉ。」
じとぉ。
多分、全員、あたしと同じ思いであろう。
ゼルとアメリアは、あたしと同じくゼロスをじと目でみてたりする。
つまり。
さすがに、ゼロスの配下だよなぁ。
……変わり者だ…と。
「どうもご親切に。ジョンを連れてきていただきまして……」
そこまでいって、ジョンにその頬をすりすりしていたラギアソーンが顔を上げる。
そして。
はた。
「……あれ?リナさん?もしかして?って……あ゛あ゛あ゛!?ゼゼゼロス様ぁぁあ!?」
「こんにちわ♡ラギアソーンさん♡ご機嫌いかがですか?♡」
う~む。
面白い。
面白いほどのラギアソーンのうろたえようである。
ラギアソーンがあたし達の一行の中に、ゼロスの姿を見つけて大きく叫ぶ。
「何だい?ラギアソーンさん?この人たちと知り合いかい?」
さきほどのおばさんがいう。
「ええ…と。リナさんには、以前にお世話になったことがありまして……」
とゆ~か。
魔族が人にお世話になったって、認めてど~すんだ!?
あたしの心の葛藤はさておいて。
「で、ゼロス様は、その…私の上司でして……かなり高位の……」
わざわざ器用にも汗ながしてるし……
とりあえず。
立ち話も何だから。
というので。
あたし達はラギアソーンの家に案内された。
「……ねぇ?」
思わず疲れたような声を出してしまう。
「はい?何ですか?」
にこにこと。
その六本の腕を器用に使って、全員に紅茶を注いでいるラギアソーン。
そして、部屋の中には。
ジョン専用。
と、かかれている、小さな……犬…小屋であろう物体が。
曰く、これもまた、子供に『家をかいてみろ』、といって、初めてかいて、
それゆえに形になってなく、かろうじて、入り口が分かるか程度の……
「………本当に魔族か?貴様?」
さすがに、あきれているゼル。
「センスがいまいちですねぇ。」
アメリア……見るところが違うって……
「いやぁ、ラギアソーンさん。結構いい家ですね♡」
「恐れ多いです。ゼロス様にこんなむさくるしい家にきていただけるとは……」
い…いかん。
このままだと。
どうも調子が狂うなぁ……
「……で?何で魔族のあんたが村で生活してるわけ?」
あたしの最もな疑問に。
「ああ、そのことですか。
リナさんとナーガさんに協力してもらって、行方不明のジョンを二度探してもらってから。
転々としたんですけど。なぜか、私が変装をしているにも関らず、人間達が怖がって。」
……そりゃそうだろう。
「……変装って……それが…か?」
おもわず突っ込んでいるゼル。
「ええ。服は変えたりもしましたが?」
当然のようにいうラギアソーン。
『・・・・・・・・。』
ま、まあ、気持ちはわかる。
あたしが、二度目にラギアソーンにあったときなどは。
このままの姿で、女性の服を着ていた。
という事実もあったりするのだから……
アメリアとゼルの額から、一筋の汗がながれているのも仕方ないとおもう。
多分、あたしと同じ気持ちなんだろうなぁ……
「で、この村の近くに住み着いていたんですけど。
あるとき、住みかを荒らす人間を追っ払ったところ、村長や村人に気に入られまして。」
『……まて(汗)』
おもわず、全員の声が一致する。
ガウリイは、出されたお菓子をつまんでいるが。
「で、お礼に。と、この村に住んでもいい。といわれまして。
で、交換条件に、山を荒らす人間達を何とかしてくれ。荒らすものたちをどうしてもいい。
というおいしい話しも頂きましてvv」
「……山を荒らす?」
アメリアがいって首をかしげる。
「アメリア、知らないの?この山は、オリハルコンとレムタイトの原石が取れるのよ。
数十箇所で。それで、心無い人達が荒らしまくってたりしたんでしょ?」
あたしがいうと。
ぱちぱちぱち。
と何やら手が叩かれる音が。
いや……たのむからその六本の腕でぱちばち手を叩くのはやめて……
「どうやら、そうらしいですね。まあ、あんな物質。どうでもいいでしょうに。
ともかく、殺さなければ、何をやってもいい。といいますし。
山を見てるだけでいいなんていい条件ですし。何よりすごしやすいですし。ここは。
私の姿も、この変装が完璧らしく、全員、恐れませんし。」
……どこをどうみても魔族以外の何者でもない姿だが?
「まあ、そういうわけで。この村で、あれから、ジョンとともに静かに暮らしてるんです。
たまに、山に入ってくる悪意のある……まあ、私にとっては、悪意とも思えないのですが。
その人間達の負の感情がおいしそうですし。」
いや。
にこにこといわないで……
「恐怖に陥れたとしても、死なさない程度なら、逆に村人から感謝されますし。」
いや。
魔族が感謝されてど~する!?
しごくつっこみたいのは……あたしだけだろ~か??
「ジョンの食事にも困りませんし。何より、すごしやすいですし。」
『・・・・・・・・。』
「まあ、今。魔族が弱体化している状況で、少しづつでも力をつけるのはいいことですよ♡
ラギアソーンさん♡」
いや。
どこをどう解釈したらそうなるんだ!?ゼロス!?
にこにこというゼロスに。
「そういえば。どうしてゼロス様が、リナさんとご一緒に?
はっ!!あ゛あ゛!!過ぎた質問でした!!!(汗)」
疑問を言ってくるラギアソーン。
だくだく汗を流しつつ、すぐさまに訂正をいれてるけど。
「いやぁ、リナさん達と一緒にいると退屈しないんですよ。これが♡はっはっはっ♡」
「あ、そうなんですか。」
『それですますなぁぁぁぁぁ!!!!!』
その会話に。
思わず、あたしとアメリア、ゼルが突っ込んでいた……
…いったい魔族って……
「……ひょっとして……獣王の配下って……みなさん、こんな性格だったりして……」
「アメリア。怖い考えをもつな……」
「……奇遇ね…アメリア。あたしもそー思った・・・・。」
にこやかに。
話しているゼロスとラギアソーンをみつつ。
あたし達は、何ともいいようのない脱力感を味わっていた。
……これが本当に人を恐怖に陥れる魔族の姿であっていいのだろうか……と。
にこやかに。
「今日は、遅いので、泊まっていってくださいね♡」
という、魔族らしからぬ親切な言葉で。
あたし達は、ラギアソーンの家に泊まることに……
そして、その翌日。
「あんた達、ラギアソーンさんの知り合いだったんだね。」
昨日のおばさんが声をかけてくる。
「あ……あの?村の人達は彼をみて何とも思わないんですか?」
アメリアの当然の疑問に。
「え?あ、ああ、いつも、着ぐるみきて、変わってる人だけど。いい人だよ。
いきなり消えたり、現れたりするのは、よくあることらしいし。」
ないない。
ぱたぱたと手を振っているあたしとアメリアとゼル。
「まあ、壊れた建物も修繕してくれるし。宙も飛べるし。
まあ、着ぐるみの中の人はシャイだけど。力のある魔道士さんなんだろうよ。」
「……いや、その……『着ぐるみ』って……(汗)」
「何だい?彼がいつも着ているやつだよ。
あの姿。あれ着ぐるみだろう?村人全員そう思ってるよ?」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
「まあ、最近の、着ぐるみは、よくできてるよねぇ。ははははははは。」
その、からからと、笑い声を聞きながら。
あたし達は。
無償に脱力感を後にしつつ、その村をあとにすることにした。
本気で、どうやら、ここの村人……全員。
ラギアソーンのあの姿は、『単なる着ぐるみ』だと、思ってるらしい……
普通、『おかしい!?』とか思わないのだろうか??
「いやあ。まさかラギアソーンさんの知り合いだとは。世の中狭いですよねぇ♡ね?リナさん♡」
うん。
三人が同時にうなづく。
「上司のあんたがあんなだから、あれがあんなんでしょうがぁぁあ!!」
「あれじゃあ、魔族じゃないです!!正義じゃないです!」
「普通、魔族っていうと、畏怖される存在だろ!?」
すぱぱぱはぁぁぁぁん!!
どどががぁぁぁぁん!!
どごめぎゃぁぁ!!
まあ、アメリアの台詞に対しての、
じゃあ、魔族の正義って何なんだ?!
という突っ込みはおいとくにしても。
さすがに、あの魔族は精神に悪い。
悪すぎる……
かくして。
脱力感を抜け出す一環として。
あたし達は、当面ゼロスをしばき倒すことに。
「うう……いいいじゃないですかぁ!?人間だっていろんな性格の人がいるじゃないですか!?」
ゼロスの抗議の声がするが。
「だからって、人に親切する魔族がいてど~する!!!!」
う~む。
確かに。
無害には違いないが………
魔族と分かっている以上、精神に悪すぎる。
しかも、村長などによれば。
盗賊などは、問答無用で、そのまま瞬時に、というか苦しみぬかせて退治していたりする。
とかいう話しも。
村の中で、偶然にあった村長からあたし達は聞いている。
つまり。
魔族の性質を、あれはもったままなのである。
それでいて……村人に親切……
怖い。
はっきりいって…怖すぎるぅぅぅ!!
しかもそれに関して、何も疑問に思わない村人も。
「リナさんの方が、魔族らしいじゃないですか!!」
「どこが!!」
「リナさんが放ったあれっ!!あれの後には、命は全然生まれませんよ!!
というより、全ての存在が気絶しますよ!あれは!!」
「こらまて!今はその話は関係ないでしょうが!」
道行くあたし達の目の前に突如として、巨大なクレーターが出現したのは。
まさきにそのとき。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
そのクレーターを目の当たりにして思わず全員一瞬だまりこみ、
そして。
「あ……あの?何があったんですか?これ?」
近くにいた人にアメリアが声を多少震わせつつも問いかける。
「ああ、これ?まったく…何がどうなってるのか……
この間の大雨の日にね。いきなり、ここにあった湖が一瞬にして無に還したの。
偶然に近くにいた人の話では、いきなり虚空から、黒いブレスのようなものが出現して、
それに飲み込まれるようにして掻き消えたっ……ていうんだけど。
数年前にも同じことが、かつて住んでいた村であったのよねぇ・・・・」
ぎくっ。
「そそそそそそうですか。」
それだけいってあわててその人から遠ざかる。
……心当たりがありまくり(汗)
結局。
無言のまま。
あたし達は、足早にその場を去っていった。
「ううん♪今回は結構いい食事をどうも♡リナさん、アメリアさん、ゼルガディスさん♡ガウリイさん♡」
一人。
ゼロスだけが。
にこにこと笑いながら何やらいってたりするけども。
……今晩。
アメリアと協力してゼロスの枕元で一晩中、生の賛歌……きかせてやろっと……
無事に、ジョンを飼い主の所に送り届け。
再び旅を続けるあたし達。
……今度は何があるのやら……
教訓:分からないものには、手をだすな。信じ込みって・・・恐ろしい・・(涙)
-終わり♪ー
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あとがき:
薫:うーむ。二度目だ・・・・保存してなくて、消えたのは・・(まて!)
で、これ♪
『うちのジョン、しりませんか?』を読んで、思いついた短編です♪
ラギアソーンが、村の中で、平和に生活しているとゆー(爆!)
しかも、村人。全員が、ラギアソーンの姿は着ぐるみだ。
と、思い込んで、信じ込んでいたりするとゆー(汗)
ちなみに。
近くの町のベルゼドでは、シェーラが頑張っている最中です(爆!)
しっかし、いいのか!?それで!?純魔族!?
というのが、あれ読んでの、感想でしたね♪
んではでは♪
苦情など、お問い合わせは、掲示板かメールにて♪(こらまて!)
ではでは♪
ドラマガ200号発売記念♪(まて!)
もう一つの、投稿用に修正分は……こちら♪
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