まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
さて、いったいどうして祭り程度で「野生に戻る」なんて起こりえたのでしょうか?
これは、そんなきっかけですvはいv
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白き夜のプロローグ
「あ…あのぉ?」
なぜかあたしの横から声をかけてくる一人の少女。
まったく。
「何よ?スィーフィード?」
そんなあたしの問いかけに。
なぜかその瞳に涙をすら浮かべつつ。
「…エル様ぁ…あの、どちらにいかれるおつもりですか?」
なぜか半なき状態。
せっかくようやく、あたしがだいぶせっついて、物質世界に覚醒した部下S。
それなのに、目覚めた直後にラグラディアの氷の封印によって動けなくなっていたりする情けない部下。
とりあえず、この時代にシャブラニグドゥのやつと同様に、
人間として輪廻転生を繰り返すことにしているスィーフィードを引き連れて。
最近いつもながらにお仕事の提出と、
作業具合が悪い山の中で氷付けになっている部下Sをちょっとお説教したその帰り。
どうせなら、この世界を観光してみよう、という思いつきから。
近くにいた、このもう一人の部下SUを引き連れて。
物見遊山にとこのあたりを歩いているあたしと部下SU。
ちなみに、この部下SUは部下Sとは対となる存在としてあたしが創造したもの。
もっとも世界のすべてはこのあたしの創造によるものだけど。
それはそれ。
「せっかくだから、少しばかりここを観光するに決まってるじゃない」
部下Sが情けないことに氷付けになっているカタート山脈。
この山脈は多々なる山脈が連なってできている。
とりあえず、山脈に沿って進むあたしの横では。
なぜかうなだれてついてきているこの部下SU。
ちなみに、あたしは頭文字をとって。スィと呼んでいる。
だからSU。
そんな会話をしつつ、とりあえず。
雪もちらついてきた、ということもあり。
そのあたりにある村で一休みすることに。
というか、なぜかこの程度の雪で、この地の人々は右往左往してるんだけど。
たかだか数十メートル積もったくらいで、情けないったらv
「ここは、タキア村ね。ちょうどそういえばそろそろイベントの時期よね」
にっこり微笑むあたしの言葉に。
「は、はぃ。確かにそうですけど。ですが…」
何やらいいかけるスィ。
「あら、わかってるわよ。だからここによるんじゃない」
「・・・・・・・・・・・・・・」
やっぱり(涙)
なぜかあたしの言葉に心で泣いている部下SU。
「あら、スィーフィードちゃん?どういう意味かしら?何か言いたいことでもあるのかしら?」
にこやかに問いかけるあたしの言葉に。
「エル様…あまり無茶はなさらない…もとい、干渉されては、ゆがみが…」
あらあら。
「あら、何いってるのよ。ゆがみとかが発生したらあんたたちががんばればいいだけでしょう?
それでなくても、この世界、少しばかり進化が滞ってるわよ?ん?」
まったく。
何をそんな些細なことで気をもんでいるのやら。
それより、この世界の進化状況をもっと本腰いれて考えるべきでしょうに。
「も、申し訳ありません…」
などと謝ってきているけど。
別に今ここで謝られてもねぇ。
昔の竜と人間が共存していた時代より、進化が進んでいない。
というのはまったく、どういうことなのかしら?
あの時は、知識を持ちすぎたそれぞれの種族が、
自らこの惑星ごと、滅びの道に入りかけてた、というのもあって。
スィーフィードとシャブラニグドゥが戦いを起こし。
その芽を摘んだんだけど。
なぜだか恐縮している部下SUをそのままに。
とりあえず、道の先に見えている山間にとある小さな村にと歩いてゆくあたしたち。
今、ここの村ではちょっとしたお祭りが催されているのよねぇ。
ふふ♡
町は至るところに、元竜の形でもあった、
今はその原型すらもとどめていない、ちょっとした面白い形の獣の雪像が立てられていたりする。
この町のシンボル、ともいえる、「ラバズ」
もともとは、
どこをどう間違ってか、竜の姿は獣となり、そしてまた。
その名前すら、ヴラバザードから、ラバズにとなり。
今現在、この地で風習として語り継がれているこの祭り。
降魔戦争。
と人々が呼びはじめた戦いから、およそ数年。
情けないことに封印され、その力をあまり発揮できなくなった部下Sのお膝元。
とりあえず、この場所では神聖魔法、というか、他の竜王たちの術が使えなくなっていたりするけど。
というか、竜王たちも、腹心程度が張った結界ごときで、その力を遮断される、
というのもまた、やっぱりこれは彼らの主でもある、スィーフィードの教育がなってないからよねv
この村では、昔から。というか、今から少し前から。
火竜王を祭る祭りが、この地にあった形式となり、そして今では、竜王の姿はとある獣の姿となり。
それらに紛争した【ラバズ】が人々をかむことで、
悪霊を退散させて、幸運を招き入れる、といった行事にと成り代わっていたりする。
まあ、一応、ただのいいつたえなんだけど。
竜は厄払いの象徴、みたいにこの村では伝わっていたし。
その原因は、この村に魔族がきたときに、竜族がたまたま追い払ったから、
という何とも明瞭な理由があるんだけど。
それはそれ。
「いらっしゃいませぇ」
いまだに少し前の戦いの傷跡から、復興しかけているこの世界。
というか、もうすでに、一年以上経過してるんだから、もっと早く復興すればいいものを…
とりあえず、村の中にある一件の宿屋兼食堂にと入ってゆくあたしたち。
宿に入ると明るい宿のおかみの声があたしたちにとかけられてくる。
とはいえ。
このご時世、なぜかいまだに混乱している地上であるがゆえに。
女性だけで旅をしている人間などなぜかかなり珍しかったりするこの現状。
一瞬あたしと部下SUの姿をみて、首をかしげるものの。
そこはやっぱり商売人。
即座に商売の顔となり、お約束な言葉を言ってきているこの宿屋のおかみ、プラノ。
「二人ね。泊まれるかしら?」
にっこりとそんなプラノにと微笑みかけると。
なぜかぽぅっとあたしに見とれてるし、このプラノは。
「…エル様…あまりその笑顔を振りまかないでくださいませ…(汗)」
などとそんなことを横でスィーフィードが言ってきていたりするけども。
「あら、別にいいじゃない。誰にメイワクかけてるわけでもないし♡」
至極当然のあたしの言葉に。
それでなくても、エル様の外見は…
非の打ち所がない、典型的なまでの…表現するなれば、絶世の美女、そのもの…ですから…
その笑みに魅了される存在も多数できるんですが…
何か情けないことを考えつつもそんなことを思っているし、こいつは。
しばし、あたしに見とれつつも。
「は、はい!大丈夫でございます!」
顔を真っ赤にしつつ、あたしにと言ってくるこのプラノ。
「だ、そうよ。スィ。しばらくこの村でやっかいになるわよ?」
「…は、はい…」
あたしの言葉になぜか大量に汗を流しつつもうなづいている部下SU。
まったく。
そんなにおびえなくても、あたしは何もしないわよ♡
ふふ♡
さて、しばしこの村に滞在するとしますかね♡
「…って、え゛え゛え゛え゛え゛!?あの、それは!!!!!!?」
むぐっ。
とりあえず、何か言いかける部下SUの言葉をさえぎっておく。
当然、周りから見れば、部下SUはいきなり口を押さえて、黙り込んでいるようにしか見られない。
村の人々などはいきなり口をつぐんだスィの様子をみて、首をかしげているものの。
「何かわめいてたこいつの言葉は気にしないでvで、どうかしら?
お世話になった御礼、というわけでもないけど。
これ差し上げるから、これを元にして祭りを復活させてみれば?」
にっこりと。
村の集会場で村人にと微笑みかけるあたし。
数日ほど。
この村にと滞在しているあたしたち。
そして、今後のこの村で行っていた祭り、
それに関しての村の集会をかねた集まり、というか会議がある。
というので。
旅人のあたしたちの意見も聞きたい、というので。
村人の要望で会議にと出席しているあたしと部下SU。
そして、今はその会議の真っ只中。
「ほぅ。しかし、それはまた…」
このご時世。
いまだに世界は混乱に満ちている。
先の戦いの記憶が人々にはいまだに新しい。
「あら、こんな世の中だからこそ。
原点、ともいえる自然に還る儀式を祭りに取り入れても。問題ないのでは?
それに、これに書かれているこれを唱えたら。多少の先祖がえりはできますし。戻るときも簡単だし♡」
にっこり微笑み。
このタキア村の村長にと手渡した、とある書物を指し示す。
あたしの言葉にこの場にいる全員がしばし。
ぽうっ。
と熱に浮かされたようになっていたりするのもあるけど。
「むぐぐぐぐ!?」
あ゛あ゛!あれが採用されたら!?
というか、エル様ぁぁあ!?
人間に何を手渡しているんですかぁぁぁぁ!?
などとそんなことを精神的に悲鳴をあげつつも。
なぜだか口を押さえてばくばくして、ただただどもっている部下SU。
「うるさいわよ。部下SU」
あたしの一喝に。
なぜか涙をだくだくと流してるし、こいつは…
あたしが、しばしこの村にお世話になったお礼として。
寄付したとある書物は。
それに書かれているものは。
人間のもつ本質的な本能、というかそれを呼び覚ますもの。
いってみれば、潜在的な力を呼び覚ますもの。
それを元に戻す方法も記してはいるものの。
ちょっとばかり細工をして、これを写し取るときに、その言葉が変わるようにとあることをしていたり。
別に問題はないしね。
もともと、人類だって、自然と共存していた生物なんだし。
「それでは、一度、ご好意に甘えまして、これを使って祭りをしてみましょう。
それから、これを続けるかどうかは、村人や、そして参加者の意見を参考に。
ということでいかがですかな?」
「むぐぐぐぐぐく!」
だめぇぇ!いやぁぁぁ!
なんか叫んでいる部下はとりあえず無視。
村長の提案に。
集まっていた村人の間から拍手が巻き起こる。
なぜか泣き叫ぶ部下SUのことはほっといて。
あたしが寄付した書物を元にした【歌】が、村の祭りのはじめにと開始され。
人々はその体の中にとあった枷ともいえる、理性を手放し、しばし野生にと酔いしれる。
元に戻った人々が感じたものは、肉体的と精神的に残る、開放感。
結果。
「ほぅ、これはなかなか。
これより、毎年、この【歌】を祭りに組み入れる。というので反対のものはいるかの?」
『異議なし!!!!』
『何か素敵な旋律の歌で身も心も開放されたような気になるし!』
― いやぁぁぁぁ!
などといまだになぜか泣き喚いている、といっても、声にはでてないのだけど。
泣いているスィには誰も目も留めず。
村人全員の意見が一致し。
毎年、あたしが手渡した【書物の歌】がこの祭りに組み込まれることに。
ふふふ。
さって、このタキア村。
これから、毎年面白くなるわよv
ちょうどいい暇つぶしだわ♡
村人に感謝されつつ、村を後にするあたしたち。
その後。
なぜか、スィーフィードが転生を繰り返すたびに。
なぜか積極的にこの村にとかかわっていたりするけど。
あらあら♡
別にほうっておいても、数年したら野生に戻った人間のそれは。
周りに感染するからほうっておいてもいいのにね♡
毎年のお楽しみが増えてこれから少しは退屈しなくてすむかしら♡
-終了♪ー
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あとがき:
薫:・・・・・・・・・え・・・・エル様・・・・(汗
なぜ、人間に。その本能、というか潜在的にある、
【野生の感情】だけを覚醒させる、混沌の言葉(カオスワーズ)を歌にした書物を・・・(汗
エル:あらvお世話になった御礼よv宿代、ただにしてくれたことでもあるしねv
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だからか・・・・
竜神の魂の欠片や記憶をもっている、赤の竜神の騎士や。
その身に魔王の欠片を宿しているものが、あの村にかかわってるのは・・(汗
エル:なぜか、部下SUが教えたのよねぇ。部下Sにも。
しかも、なぜだが彼らの部下たちにはそのこと教えてないし。
薫:(・・・・そ、そりゃ、いえないでしょうね・・・・汗
エル:まったく、ほっとけばいいのにねぇ。
あれ、ある一定の期間たったら。
そこいらにかまわず、感染するようになってるんだしv
薫:感染するんですか!?あれ!?(悲鳴
エル:あら?当たり前でしょ?俗にいう先祖がえりってやつよ♡
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・がんばってください。赤の竜神と赤瞳の魔王・・・(哀れみ…
エル:あら?どういう意味かしらぁ?薫?んっ?
薫:あ・・・あの?エル様?その手にもたれているその黒い書物は…ましゃか…
エル:さって、薫が先祖がえりしたらどうなるかしらv
薫:いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
エル:さってと。
なぜか言葉すらもいえなくなった薫はおいとくとして。
ここまでつきあってくれてありがとねv
それでは、またどこかでお会いしましょうねvそれではvv
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