降魔への旅立ち
人というのもは、こんなにも・・はかないものだろうか・・。
いつのまにか心に住み着いていた。
そして・・・。
気付いたら、なし崩しに夫婦になっていた。
だけども・・・・。
「カルナ!危ない!」
「―え?」
その声に振り向くと。
カルナを庇うように前にでてくるラグール。
そして。
どすり。
何かの鈍い音。
空からは。
「力のあるやつは全て排除せよとの!火竜王様の命令だ!容赦はするな!どれがあの悪魔の種族かわからん!」
などといって。
無限に空を埋め尽くしている黄金竜達。
「・・・・・ラ・・・グー・・・ル?」
そっと、自分を庇うように、覆い被さっている彼の背中に手を伸ばす。
べとりと。
そのごつい手にまとわりつく、ねぱった感触。
その感触に、何か魂の奥底から、わきあげてくる何か。
―純粋なまでの・・・怒り。
「・・・・無事・・か?」
「しゃべらないでください!今、回復を!」
そういいつつ、その水色の髪はすでに。
血で赤く染まり。
その顔もすでに紫色にと変化していっている。
そういいつつ、その手がそっとカルナの手に当てられて。
「・・・・お前は・・無事で・・・・・いて・・く・・・れ・・・。」
ぱたりと。
その手が地面にと落ちる。
「あ・・・・あ・・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
たったの、二年。
人の命は・・ここまでにはかないものか。
そのまま。
かなわないまでも、大剣を振るってゆき・・。
その攻撃に圧倒される。
たかだか。
どうやら下で、塵にも等しい人間が攻撃を受けて、倒れたのは見てとれる。
だがしかし。
そのどうみても、女性・・であろうか。
倒れた人間を抱えつつ。
・・・・なぜかおなかを大きくしている、ごつい体格の紅い髪の人間が。
こちらに向かってくるのはどういうわけか。
そして。
こちらは、上空。
相手は地上。
というのにも関らず。
その剣が振るわれるごとに。
「ぐわっ!!!!」
「うぎゃ!!?」
どすっ!
ざすっ!
信じられないことに、地上からの衝撃派がどうして上空にいる自分達を傷つけ・・・・。
一竜・・また一竜と、大地に落ちてゆくのか・・・。
ふと。
その人間を見ると・・。
その紅いまでの髪。
・・・・まさか。
紅は、神の色でもあり、そしてまた・・・魔王の色でもある。
「みなのもの!あの人間を殺せ!!!!」
その言葉に。
全員が。
なぜか。
剣を振り回して、絶叫しているカルナにと向かい。
その魔力全てを込めた、魔力球が。
いっせいに、カルナの元にと向かってゆく・・・。
ドシュ!!!!
そのまま。
その魔力の光に貫かれるように。
だがしかし、血まみれになりながらも。
「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!」
叫びとともに。
その手にもっている剣を一閃させ。
その刹那。
ドシュドシュドシュ!!!
『な゛!!!!!?』
なぜか。
何もないはずの・・彼らの後ろから。
どうして、地上で振るわれている衝撃波が彼らに襲いかかってくるのか。
後ろを振り向いた彼らがみたものは。
そこに・・・なぜか。
地上で振るわれているはずの・・・・人間の姿が具間見えるのか。
驚愕するまもなく。
そのまま。
その衝撃波に飲み込まれるように・・・。
そこにいた、全ての竜がその衝撃波に飲み込まれるように、一瞬のうちにと掻き消えてゆく・・・・。
「はぁはぁはぁ・・・・。」
息をきらせつつ。
ごぶっ。
その口から大量の血を吐いてゆくカルナ。
そして。
「・・・・・ラグー・・ル・・・。」
すでに動きがにぶくなっている体をこときれているラグールにと近寄らせつつ。
そして。
そのまま。
ラグールにと覆い被さるように。
やがて、その意識は遠のいてゆく。
―スパーク。
紅い・・・光。
「おぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
すでに行きたえたその体から。
今、まさに。
赤ん坊が生れ落ち・・・。
そして。
・・・・・近くにいる、二人の体を・・・食べ始めてゆく・・。
・・その体を溶かしつつ・・・・。
じゅるじゅると。
その死体を・・・食べている今カルナから生まれた赤ん坊。
そして・・。
ざらりと。
その、綺麗なまでの容姿のラグールの姿が。
それとともに。
何か一皮むけたようにとずるりとむけて。
そこにあるのは・・・。
言い表しようのない、・・・・羽の生えた。
といっても、天使などといった絵本にでてくるそれではなく。
まるで骨のような羽。
そして・・・・その額には。
・・・・第三の目がくっきりと・・・・。
ラグールの正体・・。
それは・・。
かつての、神魔戦争の最中に滅んだとされる・・・。
とある・・・一族の・・生き残り・・。
彼らの命の糧は・・・・生き物の・・・・死体・・・・・。
カルナ・・・いや、ガーヴにかけられた術は・・。
確かに、人のその身に封じられるもの。
だがしかし。
・・・・ダルフィンの薬の影響なのか。
・・それは。
人の肉体と・・・血のうちに・・・連続的に封印され、転生を果たしてゆく。
というものにと成り果てている・・・。
やがて。
そこには。
生まれたばかりだというのに。
その顔を両親などの血でまっかに染め上げた・・赤ん坊が。
ただただ・・。
たむろする、死体の中を・・進んでゆく光景が見受けられてゆく・・・・。
「・・・・・ちっ。殺伐とした世の中・・だな・・。」
戦いはなくなった・・・わけではなく。
逆に。
いや、今まで以上・・・というべきか。
新たに国を起こそうと・・・がんばる人々は。
逆に。
それゆえに。
土地などを巡り・・・争いが激化し始めている。
今までよりも性質が悪い・・・というのはまさにこのこと。
復興にむけてがんばる人々もいることはいるのだが。
だがしかし。
・・・・・武力によって、手にいれようという考えの人間が多々といるのもまた事実。
そんな人々は。
今や、土地を巡り・・・・再び、人間内の争いに明け暮れ・・。
この地は、また殺伐とした雰囲気にと成り果てていっている。
「・・・まあ、人間は間違いを繰り返す種族でもありますから・・・。」
そういいつつ。
少年の横にいるのは。
金色の髪に黒い瞳をしている男性。
「・・・・・だからといって・・・何考えてるんだか・・・。」
あきれる以外の何物でもない。
・・・再び、動乱の中に。
その身を置いてゆく・・人間達の姿が。
ここ、結界の中にて・・見受けられていた・・・・。
−第43話へv−
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あとがきもどき:
薫:・・・・うーん????
何かのらない・・・とゆーか・・。
ギャグのプレミアムを聞いてるからか?(こらまて!)
んではではv
・・・・・・カルナ、死亡でした(こらまて!)
んではvまたv
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