降魔への旅立ち
そこは。
あまりにも平和・・といえば平和で。
でも、そうでもなくて。
一つの大陸が、入れなくなり、そしてまた。
今まで、使えていた、神聖呪文の一つが使えなくなったというのは。
人々などにとっては、かなりのショックだったらしく。
そこに、向かったものは誰一人、生きてはいなく。
そして・・また・・・・。
はぁはぁはぁはぁ・・・・・。
「・・・・まったく!どうして、こう人間というものは!」
などといいつつ。
紅い髪をなびかせて。
走っている一人の男性・・・でなくて女性?・・・であるのだろう。
おそらく。
結界が張られたという。
誰ともなく、そこに入れば死が訪れる。
今までは、死の砂漠と呼ばれていたその場所は。
今では滅びの砂漠。
と呼び証されている。
そこからやってきたと知るが否や。
人々はこぞって、彼らの一族を・・・追いたて始めた。
争いを元々あまり好まない、彼女の一族は。
やがて。
抵抗することもなく。
一人・・また一人と。
暴徒と化した人々に虐殺され。
・・・今では、彼女、一人にと成り果てている。
水を汲みに出ていて、戻ってみたのは。
人々に襲撃されて、変わり果てた仲間たちの姿。
そのまま。
感情に赴くまま。
ふと気がつくと。
彼・・・いや、彼女は・・・・返り血を一つも浴びることなく。
累々たる、屍の中にたっていた、真紅の髪に、野性的な体つきをしている一人の女性。
そして。
ぺろりと。
その手にもつ大剣についている血をなめ取りつつ。
ふと我に戻ると。
今、自分が彼らを皆殺しにしたのだと。
ようやく理解する。
何か、とても、気持ちがいいというか、至福感にすら襲われる。
だがしかし。
一人で、数百人も、一瞬のうちに、殺してしまえば。
人々が放っておくはずなどなく。
とりあえず。
服装を変えて、そのまま。
人の目を盗みつつ。
男装をして・・というか、見た目がそのもの男性と思うのであるが。
その剛毛たる、紅い毛も。
そして、かなり濃く刻まれているその顔立ちも。
そして、太い眉毛も・・・。
どこをどうみても・・・彼女が女性である?と分かるのは。
その姿に不釣合いなまでに突起している胸の部分。
それは、さらしで強くまき。
今では、どこをどう見ても男性以外の何者でもない。
だがしかし。
さすがに。
十数年間。
染み付いている言葉使いは。
そうそう変わるものではなく。
・・・・かなり、傍目には、気色悪い姿にはっきりいって映っている。
・・まあ、そーいう人種もいるので。
あまり、気にはされていない・・・・が。
すでに、同じ一族のものは。
生き残りは彼女一人。
普通で考えれば。
女性一人で生きてゆくのは。
未だに混乱しているこの世界。
無謀なことだと思えるが。
未だに、人々の争いは後を絶たず。
そして、そのために。
彼女・・のような、旅の剣士・・をもまた、必要としている今現在。
確かに、魔による攻撃はなくなった。
だがしかし。
それによって、逆に、人々の争いが今は。
脅威がなくなったことにより。
さらに激しく、戦いを繰り広げていたりする。
「ふーむ。カルナ=レッド=スカイピア・・・・ね。・・ま・・まあいい。とりあえず。用件は・・。」
宿を取るのに、受けた仕事は。
近くに住み着いている、とある、何でも。
魔を信仰している、宗教団体のメンバーがそこにアジトをつくり居座っているらしく。
最近では、近隣の町や村から。
人々を攫い、生贄などにもしているとか・・何とか。
今まで。
出向いた剣士なども。
ことごとく行方不明とか何とか・・・。
「つりまりは、それを退治すればいいのですね?」
・・・・うぞぞ。
とりあえず、湧き上がってくる、鳥肌を何とか抑えつつ。
「あ・・ああ。だったら。宿だけでなく、今後の資金・・そうだな。金貨、・・・・でどうだ?」
「わかりましたわ。このわたくし、その団体を。壊滅させてみせますわ♡おほほほ♡」
そういいつつ。
ハンカチ・・しかも、レースつきのピンクの刺繍がはいっている品物を口にと当てて。
かるく小指をたてて、そう言っている彼女・・カルナを見れば。
―ドタン!
ガラガラガッシャァァァァン!!!!
さすがに、それを直視してしまった、その酒場にいた客たちは。
・・こぞって。
その場に、全員。
気絶したり、盛大に机をひっくり返したりして。
全員が目を回したり、気絶したり失神したり、泡吹いて、ぶっ倒れていたりする。
「・・・・どういう意味ですの?」
そんな人々を。
ただ、冷ややかに見ているカルナ。
まったく原因を解さないまま。
そのまま。
とりあえず、依頼された、彼らがアジトにしているという遺跡にとたどり着く。
「何ものだ!?」
見張りのものらしき、人々が。
そんな近づいてくるカルナを見つけて何か叫んでいたりするが。
「じゃまですわ♡」
それだけいって。
その背に背負っている、剣をかるく一閃させるカルナ。
その刹那。
その衝撃派で。
辺りの風景そのものが一瞬にして変形する。
「まったく、弱いですわねぇ。女性のわたくしにあっさりまけるなんて。」
どこかに、このわたくしのこの何かわからない、気持ちを満たしてくれるものはないものかしら?
などと思っているカルナ。
そのまますたすたと何事もなかったかのように遺跡の中にと入ってゆく。
「・・・・ここが奥ですわね?」
そういいつつ。
そこにある、大きな扉をいとも解せずに叩き斬る。
なぜか、ここにたどりつくまで。
レッサーデーモンなどといった生き物がいたりもしたが。
そんな雑魚はカルナにとってはどうでもいいこと。
「・・・ここが頭領のいる部屋ですわね?」
そういいつつ。
ガタン。
部屋にそのまま入ってゆくが。
「・・・・・が・・・・ガーヴ様!?」
なぜか。
自分をみて叫んでいる女性が一人。
そして・・・。
「?????誰ですの?あなたがた?」
そこにいるのは。
紅い髪をした、一人の女性。
艶やかな何ともいえない色気みたいなものを纏っているが。
「・・・・・ガーヴ・・さまで・・ないの?」
なぜか。
声を震わせていっているその言葉に。
「・・・・ガーヴ?」
どこかで聞いたことのあるような気もするが。
「わたくしはカルナですわ?だれですの?そのガーヴというのは?」
・・・・気配からして。
感じる気配と纏う雰囲気は、間違いなく、主のそれであるのに。
まったく記憶がないらしい、主の姿。
・・・・しかも。
・・・・・・・あの姿で女性言葉を話していれば。
「ガーヴ様!?一体!?」
悲鳴に近いその声に。
「どうかしたのか?・・・マゼンダ・・・って!?ガーヴ様!?」
なぜか。
ひょこりと。
奥から出てくる白いひげを生やしている老人が一人。
目の前にいるのは。
確かに。
捜し求めていた主の姿。
だがしかし・・・・。
・・・・・・・・・・・・なぜに女性に?
そう思うのは・・仕方ないのかもしれないが。
「・・・・・・・・・・そーいえば。・・・・ディプシー様の薬の影響で・・しばらく。
カンヅェルも人間の女性になったことがありましたわね・・・。」
「・・・・そういえば・・あったな・・・・。」
どこか遠い目をして放している、彼ら達。
????
「あの?わたくし、どこかであなたがたにおあいしましたの?」
何か見覚えのあるような気もしなくもないが。
だがしかし思い出せない。
―ぴしり。
そのように、女言葉で・・しかも、よく知っている・・・。
あのまま・・・・魔竜王ガーヴの声でそういわれては・・・。
・・・しばらく、そのまま。
彼らは・・・・。
その場に完全にと色を失いつつ、硬直してゆくのであった・・・・。
「????とりあえず、わたくしは。あなた方をここから、削除してくれるように。
村人から依頼をうけたのですけど?・・あの?きいてますこと?」
そっと。
そのごつい手を伸ばす。
その言葉に。
はっとなり。
『ガーヴ様の命令であれば、移動します!』
なぜか。
その場にいた女性と、男性がそう叫び。
そして。
そのまま。
ゆらりと。
一瞬のうちに、女性は掻き消える。
ふと気付けば。
遺跡の中から感じていた、どうやら、異なる気配もまた消えていたりするが。
「??かわったかたたち?とりあえず。 気配のする、地下室にでもいきますか♡」
それですませて。
そのまま。
地下にと向かってゆくカルナ。
・・・・さすがに。
主のあの姿は、ダメージは大きく・・・。
『あれだと我らが必死に力を蓄えている意味がないではないかぁぁ!』
精神世界で。
ガーヴの配下のものたちが。
悲鳴を上げていたのを・・・カルナは知らない。
ふと。
そのまま。
なぜか、誰もいなくなった遺跡の中をずんずんと先にと進んでゆくと。
階段を下りた先に見えるのは。
小さな、どうやら、牢屋らしい場所。
そして。
その中に見えているのは。
「そこにだれかいるのですの?」
薄明かりをともし。
そのまま。
気配のがする方向にと話しかける。
と。
「うるせぇなぁ!誰だよ!?というか、いい加減にここからだしやがれ!」
なぜか。
声のトーンはかなり高く。
完全に女性・・の声といか思えないような。
かなり済んだ声色なのであるが。
まったく、その声に口調が伴っていない。
「・・・・だれかいますの?」
「まったく!始めからだから俺は男だと!いってるだろうがぁ!いい加減にここからだせぃぃい!」
がんがんと。
何やら壁をける音。
とりあえず。
音のする方向に進んでゆくカルナであった。
「ですから、何度いわれても!あれは、渡せません!」
「・・・・平和に交渉しているときに、素直にわたせばいいとおもうが?」
カルナが遺跡の奥底に入っていっているそのころ。
ここ、エンシェントドラゴンの神殿に。
とある、使節のものたちがやってきているのであった・・・・・。
-第41話へv-
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まえがき:
うし。
とりあえず、これもあと少しぃv
といーつつ、また他の小説が増えてゆく・・・・・。
どうおもいます?この優柔不断さ?(爆!)
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あとがきもどき:
薫:・・・・・うーん。
ようやく、ガーヴ・・とと、カルナと・・その相手の出会い?
・・・・ちなみに。
時間がないので。出会い&旅&結婚と。
・・・・・・大量虐殺は・・・その後に・・・・はい・・・・。
んではではv
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